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ヨーロッパオオクワガタ

パラレリ-1
ヨーロッパオオクワガタ。
その学名からパラレリピペドゥスオオクワガタ(通称:パラレリ)とも呼ばれるオオクワガタの一種だが、大きさは日本のコクワガタより小さいぐらいで、最大でも3cm程度。
大アゴも小さく、日本でいう「オオクワガタ」のイメージとは程遠いクワガタである。
(※ただし、大アゴなどもよく見るとエッジが立っていて「確かにオオクワだな」と思わせられなくもない)

この小さなオオクワガタはお散歩するのが好きなようで、夕方に地面を歩いているのを時々見掛けた。
パラレリ-2
また、たびたび飛翔もするようで、夕方にヨーロッパミヤマクワガタの黄昏飛翔を観察しているとたまに妙に小さいのが飛んできて、思わず叩き落としたら本種だった…ということが何度かあった。
飛んでいた時間は夜中ではなく、ヨーロッパミヤマと同じく黄昏時だった。


ところで、このヨーロッパオオクワガタ、学名(→和名と学名)は Dorcus parallelipipedus という。
属名の Dorcus から日本のオオクワガタやコクワガタなどと同じグループであることが分かるのだが、ここに面白い話がひとつある。

日本にいるコクワガタは、今ではヨーロッパオオクワガタと同じ Dorcus 属とされているが、 かつては Macrodorcas という別の属にされていた。MacrodorcasMacro は大きいという意味で、dorcusdorcas になっているのは記載の際のタイプミスでそのまま付いてしまったものなので、つまり「大きいドルクス」という意味。
一方で日本のオオクワガタDorcus 属。…つまり、大きいオオクワガタの方が Dorcus 属で、小さいハズのコクワガタの方が Macrodorcas 属(大きいドルクス)という学名(属名)だった。
学名と大きさがあべこべ だったのだ。

実は、これは最初にDorcus 属として記載されたヨーロッパオオクワガタが小さく、日本にいるコクワガタ等の方が大きかったからなのである。しかし、実際アジア地域ではオオクワガタの仲間は大型種が多く、学名とサイズが逆になってしまった、という話。

…尤も、先に書いたように今ではどちらも Dorcus 属で同じグループとするのが主流になっているので、これは過去の豆知識となるのだが。



…ちなみに、今回自分が行った場所ではヨーロッパミヤマの方が多く見られたが、本種はフランス全土で普通種であるようで、インターネットで色々見ているとパリの近くの森でも普通に見られるようだ。
それだけ普通種ということは町に飛来することもあるようで、昼に町を散策していたところ、こんな残念な姿も一度見た。
パラレリ-3
パラレリ-4
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駅のホームで…

6月11日に、とある方と山梨に採集に行ってきたのだが、その帰り。
自宅最寄り駅のひとつ手前の駅に着いた時、ゆっくりと減速していく車窓から何とは無しにホームを眺めていたら、黒い塊が目に入った。
…こういうのを、虫目(→記事) というのだが、まぁそれはともかく。
カブトムシっぽく見えるなぁ…と思って眺めていたら、何だかもがいているように見える。

マジでカブトか!?

と慌てて電車を降り、確認に行くと、立派なサイズのノコギリクワガタがひっくり返ってもがいていた。
だが、何かおかしい。
なんとなく…頭部に違和感がある。
拾い上げてみると、なんか大アゴがグラグラ…と思ったら取れてしまった。
大アゴがはずれ、中の白っぽい筋と皮だけで繋がった状態。

…なんとなく、状況を理解した。
ホームに飛来して歩いているうちに乗降客に頭を踏まれてしまったのだ。
ただ、多分スニーカーなどの柔らかめの靴だったためペチャンコにならず、大アゴの蝶番(ちょうつがい)がはずれたものの致命傷にはならず、ということか。

しかしこうなってしまっては生きたまま元に戻すのは不可能。
サイズ的にはなかなか大型のようだし、このまま放置しても更に踏まれてペチャンコになるか、朝にはカラスに食われてオシマイなので、とりあえずポケットに入れて再び電車に乗り込む。
…地元駅に着いてポケットから取り出すと、大アゴは完全に取れてしまっていた。

踏まれノコ

なんとも無残な姿だが、この状態でまだ生きている。
だが、動きもおかしいし、大アゴ以外にも何らかのダメージは受けてしまっているようだ。
これではどうしようもないので、毒ビン(→記事)に入れて、永眠していただく。

クワガタの死後、はずれてしまった大アゴの蝶番を無理やり嵌め込む。
簡単ではないが、元の位置にねじりながら押し込むようにすると、嵌め込むことはできる。
ただ、筋が全て千切れてしまっており、嵌めただけでは大アゴが簡単に動いてしまうため、隙間から少量のボンドを入れて固定を試みる。
その上で、あとは通常と同じように展足して乾燥させる。

踏まれノコ復元展足

普段は、こういう大型のクワガタは一度タトウで乾燥させてしばらくしてから軟化して本展足をするのだが、今回は復元ということもあり生のまま展足した。
前胸背にヒビが入っているが、ほとんど目立たないので良いだろう。
あとは1ヶ月半ぐらい乾燥させて、ラベルを付ければ完成である。
駅のホームで拾っているので、今回はラベルに「千葉県○○市○○ ××駅ホーム」と書き込むことにしよう。

…ちなみに、気になるサイズは、復元して64mmちょっと。
思ったよりはやや小さかったが、それでも最近ではマァマァの大きさ。
…以前は65mmぐらいはさして珍しくなかった気がするのだが、最近はこのサイズはなかなか見られなくなってしまった。
ここ10年ぐらい、本州ではノコギリクワガタの平均サイズが縮んでいるように思う。
原因が何なのかは分からないが、以前はたまに採れた67mmクラスはとんと出逢っていない。

木を蹴って数瞬待ったあとの、「バサッ!」という大きな落下音。
一瞬カブトかと思うような大きな音を、また聞きたいものである。

オキノエラブヒラタの大アゴ

本土でも見られるヒラタクワガタの沖永良部島亜種、通称 オキノエラブヒラタクワガタ (→亜種とは)。
オキノエラブヒラタ♂
その名の通り、沖永良部島に生息しているヒラタクワガタだ。
沖永良部島は南西諸島に数えられる島のひとつで、奄美大島や徳之島の更に南西にある島だが、沖縄ではなくギリギリ鹿児島県に含まれる島だ。
今年春に渡島した際に採集した幼虫が夏に羽化し、ここ最近ようやく餌を食べるようになってきた。
さて、そんなオキノエラブヒラタであるが、一番有名な特徴と言えば♂の大アゴの裏に金色の微毛が生えるということ。
オキノエラブヒラタ♂裏
自身も、羽化した♂の大アゴ裏を見ては「おお、毛が生えとる!」と感激していた。

そんな中、少し前に虫友の魔琴さんのHP(→ミヤマの呪縛)で過去の採集記を見ていたら沖永良部島採集の話があり、それを読んでいたら…

…気になった。

あれっ?
♀の大アゴはどうなんだろう?


肉眼で見てみても、♀の大アゴの裏には微毛は確認できない。
そこで、以前に入手したライト付きルーペ(→記事)で見てみたところ、
オキノエラブヒラタ♀裏
毛が生えとる!

“いや待て、オキノエラブだけとは限らないぞ”と思い、手近にあったアマミヒラタの♀も見てみるが、
アマミヒラタ♀裏
…こちらは微毛はほとんど確認できない。
本土ヒラタの♀も見てみるが、やはり確認できない。

本土ヒラタ♀については野外採集個体なのでスレてしまったという可能性もあるが、アマミヒラタ♀はオキノエラブと似たような時期に羽化したものなので、こちらだけスレてしまったという可能性は低い。
気になって自宅にあったいくつかの図鑑や文献を見てみたが、♂の大アゴ裏の微毛については書かれているものの、♀の大アゴについて言及されたものは見当たらない。

無論、数頭見ただけでは断言はできないが、もしかするとオキノエラブヒラタの大アゴ裏の微毛は、♂だけでなく♀にも共通の特徴なのかもしれない。
(…尤も、♀の方は毛もかなりまばらで、♂のように密生して生えているワケではないが。)

さて、御自宅でヒラタクワガタを飼育されている方がいたら、ちょっと♀の大アゴ裏を見てみて頂きたい。

オキノエラブヒラタ♀には全部微毛があるのか?
他のヒラタの♀には微毛は無いのか?


…このオキノエラブヒラタに限らず、「どうなのかな?」とちょっと気になったら、よく観察してみてほしい。
もしかしたら、面白い発見があるかもしれない。

昼間にも動くスジブトヒラタ

ここ最近ちっともまともにフィールドに出ておらず、自宅で夏~秋の成果の展足&マウントを細々とやっておりますが、どうもくすぶり気味です。
オサ掘りでも何でも、そろそろ一発行きたい所。
やっぱり虫屋はフィールドに出てこそ、ですよね…。
…さて時候の挨拶(!?)はこのくらいにして、今回は1ヶ月ほど前に紹介したスジブトヒラタクワガタの続編を書いてみたいと思います。

非常に魅力的な虫であると紹介したスジブトヒラタクワガタ(→記事)であるが、この虫について、実は採集・観察を通してもうひとつ気になった生態がある。

…本種は基本的には夜行性なのだが、どうも定住地(良いウロ)が見つかるまでは 昼間でも比較的活発に活動している ようなのだ。

2012年の採集記(→記事1記事2)にも書いたのだが、この時の採集では大きな個体が昼間に何度も見つかった。
昼間のスジブト62mm
さすがに直射日光が当たるような場所では見られないが、やや薄暗くなっているような場所であれば昼間でも大きな個体がバナナトラップや樹液に付いていることがあり、2012年採集で最大の個体も、木に吊るしたバナナトラップの裏側に真っ昼間にくっついていた。

大きな個体は樹液も近くにあるような良い場所を棲み家にするだろうから、一度棲み家を決めてしまったらあとは安全な夜に出てきて樹液を吸えば良いが、そういう場所が見つかるまでは色々と歩き回るので必ずしも毎日樹液にありつけるとは限らない。そのため昼夜問わず餌にありつける時に食べておく、という行動になるのかもしれない。
昼間に良い餌が見つかれば昼間に食べ、夜に見つければ夜に食べる。
なので、一見安全と思われる夜よりも、昼間に採れた個体の方が大きかったりする事もある。

また、トラップに「よく集まる場所」がある一方で、特大クラスが採れたので期待したらその後は小さいのがたまに来るだけで全然“薄かった”なんて場所があったりするのも、前者は発生木が近くにあったのに対し、後者は棲み家を求めて歩き回っている個体がたまたま来ただけという事なら納得がいく。

同時期に発生するアマミノコギリクワガタなんかは夜行性が強く、特に大型個体は昼間にはあまり見掛けないが、スジブトヒラタの大型個体を狙いたいなら昼間も一度ぐらいトラップを見回った方が良さそうである。




…あ、そうそう。
余談だが、大型のスジブトは噛まれないように注意した方がいい。
ノコギリクワガタなんかとはワケが違う。
奄美でガチ噛みされて、指に穴開いて流血した経験者が言うんだから間違いない!
スジブトで流血


…さて、今回の記事で当ブログの年内の更新は最後になるかと思われます。
のんびり更新の当ブログではありますが、また今年も1年間お付き合い頂きありがとうございました。
「虫に詳しくない方にも楽しく・分かりやすく、虫屋さんも肩の力を抜いて楽しんで頂けるブログ」を目指して、今後も続けていきたいと思います。

ではでは皆さま、良いお年を~

スジブトヒラタクワガタ

「奄美のクワガタを何かひとつ挙げて」と言われたらコレを思い浮かべる人も多いだろう。
スジブトヒラタ♂
スジブトヒラタクワガタ
ガッチリとした幅広の体格と太い大アゴ、そしてその名の示す通り背中にはハッキリとした太いスジ。
“大型の♂でもこのスジがハッキリと出るヒラタ”というのは世界的にも珍しいのだが、♀の背中は更にすごい。
太いスジの間は細かくザラザラした質感になっており、もやは彫刻、芸術的とさえ言える。
スジブト♀背面
…ちなみに、♂の背面のスジは大型でもちゃんと出ているが、小型個体ほど強く出る傾向がある。
スジブトヒラタ♂背面

さてこのスジブトヒラタクワガタ、成虫の寿命が長い(1~3年)ので5月~10月ぐらいまで普通に見られる(冬でも少ないながら見られる)ようだが、実は トラップで採れる大型個体は梅雨明けが圧倒的に多い
お盆時期に採集すると30~40mm台の小粒な個体ばかりで、50mmを超えたら「デカイ!」と喜んでしまう程。
おそらく梅雨明けに一気に新成虫が活動を始めるために、棲み家となるウロを見つけるまでの間エサを求めつつ歩き回っており、その個体がバナナトラップにも集まるのだろう。しかし、しばらくすると大型個体は安全なウロを見つけ、そこから離れなくなってしまうのでバナナトラップには滅多に来なくなってしまうのだろう。一方、ウロなど条件の良い場所を棲み家に出来ない小さな個体は、シーズンを通してバナナトラップなどにも集まる、と。
2012年の初夏はスジブトヒラタの大当たりではあったものの、それを差し引いても大型個体の率が高かった。
♀はサイズの大小に関わらずお盆時でも採れるので飼育用の種親個体を得るだけなら全く問題ないが、♂の大型個体を狙いたいのであれば間違いなく梅雨明けが良いようだ。


…ちなみにこのスジブトヒラタ、実は奄美大島では“超”の付くド普通種なので「採集する」だけなら容易い。
条件の良い場所にバナナトラップを数日間仕掛けておけばこんな状態になったりすることもある。

…さて、この写真の中に何頭のスジブトが写っているか、分かるだろうか?
(※画像が小さいので、かなり分かりづらい個体もいます)
スジブトatバナトラ

※答えは、下のサムネイル画像をクリック!















スジブトatバナトラ(解答)
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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