おやすみながし

2009年10月に石垣島(沖縄)に採集に行った際、夜中に森の中の沢を歩いていたところ、沢をまたぐように倒れた木に貼りついたスミナガシを見つけた。
ライトで照らしても反応せず、完全に眠っているようだった。
おやすみながし
※画像クリックで多少大きくなるよ

本土でも見られるチョウ(別亜種だけど)なので昼間には何度も出遭っているし、もちろん採集した事もあるが、眠っているのを見つけたのは初めてだった。
チョウの寝姿というと「葉裏に翅(ハネ)を閉じてとまる」というイメージがあったので、こんな風に翅を開いて頭を下にしてベタッととまって眠るとは思わなかった。

“スミナガシってこんな体勢で眠るんだなぁ…”と新鮮な感動を覚えたのを今でも憶えている。
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シャクガモドキ

前回の記事のラストで出したクエスチョン、下の画像の虫はチョウか、ガか?

シャクガモドキ

この虫、シャクガモドキというグループに属する虫の一種です。
名前、細く尖った触角、夜行性で光に集まる等、どこからどう見ても蛾にしか見えない




…のですが、実はチョウに分類されています。


ただし、以前は確かに蛾として扱われていました。
しかし、30年ほど前に幼虫や蛹の姿、成虫の眼(複眼)構造などを調べた結果、チョウであるとされました。
…まぁ確かに、成虫の姿だけ見たら蛾にしか見えませんよね(笑)


よく、「チョウはハネを閉じてとまり、蛾は開いてとまる」「チョウは昼間に飛んで、蛾は夜に飛ぶ」など『チョウとガの違い』とされる話がいくつかありますが、あれらは多くの場合当てはまるコトが多いのですが、どれも例外を含んでいます。

ハネを開いてとまるチョウ(オオムラサキ)がいたり、
オオムラサキPr.

休む時はハネを閉じてとまる蛾(エゾヨツメ)がいたり、
エゾヨツメ翅閉

昼間に飛ぶ蛾(キオビエダシャク)がいたり、
キオビエダシャク-2

…そして今回のように夜行性のチョウがいたり。

ちなみに、蛾はチョウより遥かに種数が多く、ハネに鱗粉を持つ「鱗翅目(りんしもく)」という虫のうち、圧倒的大多数を占めるのは蛾です。
蝶と蛾は並列に語られることが多いのですが、実は「蛾の中の一部のグループをチョウと呼んでいる」と言った方が良いのかもしれないですね。
実際、外国では国によってはチョウとガを分けずに同じ呼び方をする所も少なくないですし。

マエアカスカシノメイガ

あちこちで桜の開花宣言が聞こえてきて、夜の寒さも緩んできました。
「夜も暖かくなったなぁ…」と思いながら帰宅時にふと見れば、玄関の門燈に透けた影。
マエアカスカシノメイガ-1
ぼんやりとした明かりがハネを透かし、なんだか風流。
この蛾は、マエアカスカシノメイガ という。

春先から秋口まで見られる蛾の一種で、比較的小さいので注意していないと見落としがち。
光を透かさずに実際の色を見てみると、銀白色のハネに前縁が赤みがかった褐色をしている。
薄い銀白色のハネは美しく、よく見ればなんとも可憐な蛾である。
マエアカスカシノメイガ-2

この蛾が姿を見せ始めると、なんとなくまた一歩春へと季節が進んだ気がする、そんな蛾である。

ベニシジミ

町を歩いているとジンチョウゲの香りを感じ、日に日に春の気配が濃くなってきています。
今の時期、河川敷を散歩してみると、春の陽気に誘われて姿を見せ始めたモンシロチョウやモンキチョウが菜の花を訪れています。
そんな白や黄色のチョウに混じって、二回りぐらい小さいオレンジ色のチョウがいます。
それが ベニシジミ。
ベニシジミ春型

同じシジミチョウでもヤマトシジミやルリシジミはハネの表が水色ですが、このベニシジミはその名の通り紅色~オレンジ色をしています。
日本には似た種類はいないので、こんな姿のチョウを見たら間違いなくベニシジミ。
よくよく見ればハネの縁は白い縁毛があり、ちょっとオシャレ。
そしてこの紅色は一見のっぺりした色合いにも見えますが、よくよく見ると金属光沢を持っており、実は意外と煌びやか。

フチグロ-ベニシジミ
更によく見ていくと、後翅に小さな青い紋を並べる個体もいたりして、集めてみると個体変異もあって意外と面白い。

春から秋まで世代交代を繰り返しながら長く見られるチョウですが、まだいろどりの少ない春先、ベニシジミの鮮やかな紅色は目を惹き、春を感じさせてくれる虫のひとつです。

ウスタビガ

晩夏から秋にかけて、次々と姿を現すヤママユガ達。
ヤママユ→クスサン→ヒメヤママユ(→記事)→…と続いたヤママユガ達のリレーの最後を受けて現れるのが、ウスタビガである。
ウスタビガ♀
明るい黄色で丸っこいハネのコレは、メス。
♂は黄色~茶色のハネで、先がやや尖っていて雌雄でだいぶ見た目が違う……のだけど、どうやら♂を見られないままシーズンが終わりそうである。

ウスタビガは10月下旬~11月、気温もぐっと下がり木枯らしが吹こうかという頃合いに姿を現す。
しばし前まで元気に鳴いていたコオロギの声もだいぶ寂しげになり、気の早い木は葉を落とし、いよいよ秋の気配が深まってくる頃合い。
これも地元でぜひ見つけたい虫のひとつだったが、11月も半ば近くになってようやく見つけることができた。

幸運にも一晩に2♀を見つけることができたが、♂は採れず。
ヤママユガの仲間は灯火に飛来するのは♂の方が多いのだが、このウスタビガだけは♀の方が多い。
ウスタビガ♀-2
♂は明け方近くになってから飛来することが多いようで、それを狙って朝3時に超早起きして灯火を回ったりしたのだが、出逢えず。

ヤママユガのラストを飾るウスタビガもそろそろシーズンが終わりに近い。
♂に出逢うのは、来年まで持ち越しになりそうである。

…そして、本種は繭の形も独特だったりして、まだまだ色々書きたいことはあるのだが、まだ撮影できず画像を持ち合わせていないので、うちのblogに載せられるのは今しばらく先のことになりそうである。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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akepon6464@yahoo.co.jp

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