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原色日本甲虫図鑑

…更新滞りました、すみません。


さて。

久々に書籍紹介をしてみます。
虫屋(→虫屋とは)の中でも甲虫屋は必携の図鑑、

『原色日本甲虫図鑑(I)~(IV)』

原色甲虫図鑑-1
…他にも色々写り込んでますが(笑)

保育社から出版された全4巻の図鑑です。
オサムシ・クワガタムシ・カミキリムシといった有名甲虫から、ツヤヒメマキムシ・ミジンムシ・ハネカクシダマシなど「何それっ!?」というようなマイナー甲虫まで、国産甲虫全般を総括した図鑑。
何を隠そう、先日のホシカムシ(→記事)もこの図鑑を見て初めて分かった種類です。

ただこの図鑑、使うには それなりの基礎知識が必要になります。

ためしに、オサムシ科の中のゴミムシの仲間の1ページを開いてみます。
原色甲虫図鑑-2

…はい、「左のページ、全部同じに見えるんだけど」 という声が聞こえてきそうです。

昆虫というのは実は非常に種類が多く、よく似た種というのも多々います。
そういった虫をきちんと見分けるための図鑑なので、いわゆる子供向け・一般向けの昆虫図鑑とは載ってる種数が桁違いなのです。
こうなってくると、当然ながら写真だけで種類を調べるコトなど出来るハズもなく、個々の種について細かい特徴を書いた解説文を読みながら、その特徴と合致するかをひとつずつ確認していくワケです。

こうやってきちんと種類を調べるのを 同定(どうてい) と言います。
つまり、原色日本甲虫図鑑は、きちんと同定するための専門図鑑なワケです。
更に、この特徴を見ていくというのがまた大変だったりするワケですが、右ページの中央付近にある1種類、ヒラタマルゴミムシという種の解説文を抜き出してみます。

原色甲虫図鑑-3

4. ヒラタマルゴミムシ Cosmodiscus platynotus (BATES)
 8-9mm。体はやや扁平。複眼下縁は口裂に接する。前胸側片は幅広くとくに後方でいちじるしい。上翅は会合部小溝と第3間室の孔点を欠く。♀の前肢第1,2フ節は内角が棘状に突出する。稀種。本州,九州,伊豆諸島:台湾,東南アジア。Celioscesina亜族。

ポカーン…(゚д゚;) ってなりそうですよね(笑)
実際、私も最初はそうでした。
…複眼下縁? …第3間室?…は?…何ソレ?…と。

一応、図鑑の最初の方にどの名称がどの部分に当たるのかという図はありますが、それでもこれを読み解くのは簡単ではありません。
そしてこの特徴と実際の標本を比較して、違っていたらまた同じように図鑑の次の虫の解説文と比較していくという地道な作業を、当たるまで繰り返すワケです…。

ただ、これほど多くの種が載っているこの図鑑でも、全種ではないのです。
また本書は出版が昭和50~60年代ということもあり、その後に見つかった新種については残念ながら載っていません。
そんなワケでは、この図鑑をもってしても決して完璧ではないのが昆虫の世界なのであります…
更に、既に新本市場では本書の(II)(IV)は版元品切となっており、古書(中古本)でしか手に入らないという二重苦、三重苦。

…それでも、近年甲虫の中でもそれぞれのグループの専門図鑑(オサムシ図鑑とか、カミキリ図鑑とか)は色々と出版されていますが、甲虫全般を総括した本格図鑑というのは本書以降出ておらず、発行から数十年が経った今でも甲虫屋にとっては必須の図鑑なのです。




…とは言っても、この図鑑は本当に本格的に昆虫趣味に突っ込む方に必要な図鑑であって、
決して 「昆虫って面白そうだな」と入口に立ってくれた方に奨める本ではありません。

本記事はあくまでご紹介 というコトで。
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月刊むし

時折、テレビやネットで「こんなマニアックな雑誌がある」なんて特集をやっていることがありますが、昆虫の世界にもそんな雑誌があります。

その名も 『月刊むし』
月刊むし

いかにも“そのまんま”な名前のこの雑誌は、むし社が発行している昆虫専門の月刊誌で、新種や新亜種の記載、採集記、観察記録など昆虫に関する様々な内容が掲載されています。
チョウ・甲虫・ハチ・バッタ…などなど昆虫全般に渡っており、虫屋さん(→虫屋とは)の愛読者も多い雑誌です。
近年では移入・帰化昆虫の話なんかも出ており、このブログで以前に紹介したクロジャコウカミキリ(→記事)の話も掲載されたことがあり、実はそこで使われた写真こそがまさに私の採集したこの記事の個体だったりします(笑)
クロジャコウカミキリ-1
他にも、カナブン黒化型アマミノコギリクワガタの錆色型、はては見開きの「今月のむし」でもケブカコフキコガネへの想いについて書かせて頂いたこともあったりします。…まぁ数編程度なのでさほど頻繁に投稿しているワケではありませんが、自分も多少は関わったことのある雑誌だったりするワケです。
黒カナブン錆色アマミノコ

専門的な内容が多く、まだ昆虫趣味を始めたばかりの方にはちょっと難しい内容なので、このブログの趣旨である「虫に詳しくない方でも楽しめる内容を」というのとは少し異なるかもしれませんが、「こんな雑誌もある」ということでご紹介。

普通はあまり目にする機会のない雑誌ではありますが、中野駅前にあるむし社さんの店頭はもちろん、ジュンク堂など大型書店にも置いてあったりしますので、立ち寄られた際はちょっと探してみてはいかがでしょうか?

…ちなみに、昆虫系の専門書はペットコーナーではなく、「理工学書」や「科学・生物」などのコーナーにありますのでお間違いなく。

いただいちゃいました

クワガタ好きならご存知の方も多いと思われる、クワガタ採集記HPへっぽこ採集記 ミヤマの呪縛の魔琴さん。
良いクワガタを採集しても現地でリリースして帰ってくることで有名(!?)な方である。

…で、そんな魔琴さんがこのたびご自身の記念で作られた写真集を、嬉しいことにいただいてしまった
へっぽこ写真集-1
郵送で送られてきたのだが、届いてみてビックリ。
ハードカバーでケース付き、どこからどう見ても立派な「本」である。
…自分が以前に作ったコピー&ホチキスの採集記なんかとはワケが違う

『すげぇの作ったなぁ…』というのが、正直な第一印象(良い意味で)。普通に書店の棚に並んでいたって、他の書籍と何ら遜色ないレベルの装丁。

開いてパラパラと中をめくると、現地で見た・採集したクワガタの画像だけでなく、場所ごとの風景や特産物などの写真も入っており、魔琴さんが採集だけでなく遠征を旅として楽しんでいるのだなぁ…というコトが伝わってくる。
自分は採集と言うともう「すべてを虫に注ぎ込むべし」であって、旅として楽しもうという意識はあまりない。よくギャグ(?)として言うのは、
「島行ってきた。…え?海?…ああ!車窓から見たよ!
…である。(奄美以外では)食事もごくごく簡単に済ませ、さっさとポイントへ向かってしまう。
しかし、魔琴さんは旅そのものを楽しんでおり、この写真集からもそんな雰囲気が伝わってくる。
自分が行った島の写真もあり、「あ、コレあそこだ!」とか思わず目が留まる。
へっぽこ写真集-2
…このページではないが、2013年秋に魔琴さん(&kapiさん)と一晩だけ一緒にマルバネ探索をした時(→採集記)の画像も入っていて、「あ、この写真、魔琴さんがあの時にああして撮ってたヤツだ!」とか思いながら見ていると、なんだかその時の想いも甦ってくる。

自分は採集した虫を標本にするために持ち帰り、魔琴さんは現地でリリースしてくる……そんな方向性の違いはあれど、「採集そのものが一番楽しい」という点で共通しており、お互い販売に興味がないこともあってお喋りをしても純粋に「虫の話」が出来るのでとても楽しい。(…いつぞやファミレスでプチオフ会やったら、途中から黄金聖闘士の話になってたけど(笑))
2004年に奄美大島のY岳で偶然お会いしたのが始まりで、石垣島や奄美大島でバッタリ遭遇したり、地元でオフ会してみたりしつつもそんなに頻繁に会うワケではないのだが、楽しい交流を続けさせて頂いている。

…それにしてもこの本は印刷もキレイで、眺めていたら何だか自分も本を作りたくなってきてしまった。
“自分が作るとしたら、写真はもうちょっと少なくして、写真の状況を簡単に(面白おかしく)書き添えて…”なんて本を眺めながら考えてしまう。


魔琴さん、素敵な写真集をありがとうございました!

書籍『昆虫の図鑑』

昆虫の図鑑-表紙

書籍『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方』
福田晴夫・山下秋厚・福田輝彦・江平憲治・二町一成・大坪修一・中峯浩司・塚田拓, 2009.
A5, 262pp. 3,500円

久々の書籍紹介は、鹿児島の出版社「南方新社」から出ているハンドブック系の昆虫図鑑。
何の捻りもない「昆虫の図鑑」というタイトルは、いっそ清々しい(笑)

A5サイズで鞄に入るので持ち歩きもしやすく、それでいて掲載種数はそこそこ多く、中の解説もそこそこ詳しい。
鹿児島で出されている本ということで掲載種はやや南西方面に偏っているので南西諸島に採集に行く人は必携だし、本州でもそこそこ使える手頃な図鑑である。
昆虫の図鑑-中身
“専門家が使うような解説文たっぷりの図鑑はちょっと敷居が高いけど、子供用の昆虫図鑑よりは詳しいのが欲しい…”なんていう方にもオススメだし、専門屋でも現地で簡単に種の目星を付けるのに十分使える。
別に南方新社の回し者ではないのだけれど、これだけしっかり作られてこの値段はかなりお買い得だろう。

こういう図鑑は、確実な種名を調べたりするにはやや力不足な部分もあるが、目立つ虫ならだいたい分かるし、「これに近い仲間だな」と現地で目星を付けるのに非常に有効である。

採集した後、宿に戻ってその日の成果を眺めながら図鑑を見る。
専門外の虫だけど気になって採集して、「さて、この虫は何だろう?」と図鑑をめくる。
…そんな楽しみを与えてくれる1冊。

書籍『日本の国立公園』

日本の国立公園

書籍『日本の国立公園』
財団法人 自然公園財団 編, 2009.(?)
A4, 127pp. 2,000円

私たちの日本は、北東から南北に弓なりに細長く連なり、亜寒帯から亜熱帯、海抜ゼロメートルから3000mを越える山岳地まで、多種多様な自然に恵まれ、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。
そのなかで、特に日本を代表する優れた自然の風景地は、国立公園に指定され、未来に引き継がれるよう保護されるとともに、やすらぎ、学び、ふれあいの場として利用されています。
この世界に誇れる日本の国立公園・全29ヶ所を、それぞれの特徴や見どころを簡潔な文章と美しいカラー写真、そして詳細な地種区分地図で紹介しています。


…というのが、本書を発行した財団の売り文句。

で、ここからは個人的な意見。
…既に発行されてから2年ぐらい経過している本なのでご存知の方もいるかと思いますが、自身が「おおっ!」と思ったので是非紹介させて頂こうかと。
Amazon等ネット通販では扱っていないようなので、欲しい場合は財団に直接申し込むか、「昆虫文献 六本脚(→リンク)」という昆虫系書店なら販売しています。
あと、池袋のジュンク堂書店では売ってました。


この本の最大の利点は何と言っても地図
財団の売り文句にもある通り、各国立公園の詳細な地種区分地図があり、特別保護地区、第一種・第二種・第三種の特別地域、普通地域、更に乗り入れ規制地区まで色分けされた地図が載っています。
それも、大きな地域だけでなく、御蔵島のような小さな島までちゃんと載っているのです。

つまり、これを見れば国立公園内で昆虫採集が可能な地域かどうかが一発で分かる、というコト。

…昆虫採集が禁止されている「特別保護地区」の地図については、今まではずっと昔にむし社から出た「昆虫採集禁止種・地区一覧(全4巻)」ぐらいしか資料がなかったのですが、今回の本により2009年時点での地種区分がハッキリと分かります。
奥付に発行日がないため正確な発行日時は分かりませんが、2009年3月31日時点でのデータらしいので、発行はそれ以降なのは間違いないかと。

惜しむらくは、載っているのが国立公園のみであり、国定公園については調べられないという点。
まぁ書籍タイトルからして「日本の国立公園」なのだから仕方ないのですが、どうせなら国定公園も詳細地図が欲しかった、というのは虫屋のワガママですかね。
(…なので、大好きな奄美諸島は全て「国定公園」のため、本書には一切載っていないんです。)


<リンク>
財団法人 自然公園財団-「日本の国立公園」


…ちなみに。
この本で調べられるのは、あくまで「特別保護地区」という採集禁止地域のみであり、それ以外の、特定の種を保護するための禁止地域や自然公園法以外の法律や条例による禁止、天然記念物等の種指定での採集禁止等については調べられません。
なので、あくまで調べるための文献のひとつであり、これ一冊で全ての採集禁止が調べられるワケではありませんのでご注意下さい。
この本は、あくまで国立公園を紹介するための本であり、虫屋のために作られたものではありませんので…。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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