標本教室と頂き物

西表島産チャイロマルバネクワガタ

12月28日、むし社で標本教室をやってきました。
今回は、セミ&トンボとチョウ&カマキリの2コマ。
…これで年内の標本教室は全て終了。
まだまだ細々ではあるものの、今年はそれなりの回数をこなせたかと思います。
今後は、より周知して大きくしていくのが課題かな。
少しでも多くの人に、虫の面白さと標本の正しい基礎知識を伝えたいな、と。


…なお、むし社に行った際、友人のM君から西表島産のチャイロマルバネ(5♂1♀)を頂いてしまいました。
特に西表島産の♀はレアだそうで。
嬉しいっすねぇ。

やっぱり、良い虫がたくさん採れたりした時は気前よく人に分けておくべきですね。
いずれ、こうやって別の形で自分に返ってくるのだから。
「情けは人のためならず」と言うけど、「分け前も人のためならず」です。


…さて、年内の更新は今回で最後になるかと思います。
最後がお役立ち記事ではなく私的な話で申し訳ない気もしますが、キニシナイ

今年は、遠征は6月の八丈島・7月の宮崎県・同じく7月の北海道・10月の沖縄本島、の4ヶ所に行けました。
車でのプチ遠征や近隣採集は数知れず。
大満足の採集もあれば、めっさヒドい目に遭った採集もありました。
でも、全体で見るとナカナカに好調な年だったのではないかと(虫的に)

来年もまた、良き虫に出遭えますように。


それでは皆様、良いお年を。
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携帯電話のカメラで昆虫を撮る

最近は携帯電話のカメラも性能がグンと上がり、接写もかなり良くなりました。
…とは言え、小さな昆虫を撮影するには、機種によってはまだまだ約不足。

私はdocomoのF705iという機種を使っていますが、発売当時はそれなりに優秀だったマクロ撮影モードも既に3~4年が経過して型遅れ…というところ。
それでも、マクロモ-ドを使えばかなり近くまで寄れて、ツヤハダやルリクワガタといった小型種もそこそこのサイズで撮る事ができます。
携帯撮影-並

……が、欲を言えば「もっと大きく撮りたい」。
しかし、マクロモードの機能を超えて寄ろうとしてもピンボケ写真になるだけ。

そこで、お手軽に小さな昆虫をマクロ撮影する方法。
使うのは、近所でも手に入る普通のルーペ(虫めがね)。
ルーペ

これを携帯のカメラと被写体(昆虫)の間に入れて撮影するだけ。
するとアラ不思議、ここまで大きく写せるようになるのです。
携帯撮影-マクロ

方法も簡単で、ルーペを携帯カメラから1cmぐらいの距離にして、あとは被写体との距離でピントの合う限界まで近寄るだけ。
この方法は、なにも小型種を撮影する時だけでなく、大型種でも部分拡大をしたい時なんかにも使えます。
複眼や触角をアップで撮影したい時にも、ルーペを挟んで撮影すれば大きく写すことができます。

もちろんコンデジやデジタル一眼で撮る方が美しく・大きく写せますし、それに対抗するつもりは毛頭ないのですが、携帯でちょっとしたマクロ撮影をしたい!なんていう時に、お手軽に撮影をする方法です。

…ちなみに、この方法は「写ルンです」等のマクロ撮影機能のない“レンズ付きフィルム”でマクロ撮影する際にも使えます。
さすがに小昆虫までは難しいですが、近距離限界1mのレンズ付きフィルムでも、ルーペを使えばカブトムシや花の写真ぐらいは撮る事ができるようになります。
機会があるかは分かりませんが、もし機会があれば、お試しあれ。

ミヤマの翅パカ

ミヤマ翅パカ

宮崎県産の特大ミヤマ、再展足したら翅パカしてしまった…。

ミヤマクワガタは他のクワガタに比べると乾燥時に翅パカする確率が高い。
数十頭に1頭ぐらいの確率で開いてしまう。
展足時に鞘翅を両サイドから針で押さえても開いてしまうし、他の方のHPで『テープでとめても、はずした後にジワジワと開いてしまう…』とあった。

ミヤマクワガタは一番好きな虫だし、何とか防止方法を見つけたいところ。



…にしても、宮崎のミヤマはデカかったなぁ。
また来年も採集に行きたいモンだ。

プラモデル ~バラバラになった虫の修理~

外灯回りによる灯火採集などでは、前日以前に飛来した個体の死骸を見つける事もよくありますね。
その飛来が古い場合、既にバラバラになっている事もよくあります。

…で、そんな時、その見つけたバラバラ死骸が滅多に採れないような特大個体や珍品虫だったりする事があります。
その上、奇跡的にバラバラになったパーツが全て揃って欠けがなかったりする事も……たまにあります。

どうするか?



プラモデルします。


要はバラバラになったパーツ毎に形を整えて乾燥させ、最後に接着して完成標本にしてしまう技です。
パーツごとに組み立てて接着して完成させる様があたかもプラモデルを作るかのようで、標本屋の間ではよく「プラモデルする」と言われます。
原理は簡単だし、基本的にはパーツの正しい位置さえ知っていれば誰でも出来ます。

プラモデル1

…が、これが難しい。
何が難しいって、展足が難しいのです。
普段は全パーツがつながった状態で展足するので完成イメージを見ながら行えるのですが、バラバラに行うと脚の角度やら何やらもうサッパリ。
それでも必死に頭の中で『完成予想図』を思い浮かべながら形を整えていくのですが、いざ乾燥して接着合体してみると、どーしてもズレが出てきます。

プラモデル2

写真はマレーシアのTanah Rata(タナ・ラタ)という町の時計塔の明かりの下で拾ったアンタエウスオオクワガタの♀ですが(バラバラの死骸状態で拾ったもの)、右中脚の角度が狂ってしまってますし、画像からだと分かりにくいですが実は後脚もズレてますし、中脚フ節の向きも変です。

プラモデル3

…まぁ、こういうのは“上手くやるコツ”というのは無いので数をこなして腕を上げるしかないのですが、正直あんまりやりたくないです。
大好きな虫だったら“勿体ない”という気持ちが勝ってプラモデルしたりしますが、基本的には非常に手間が掛かるし、好んでやりたいモノではないですね…。

とは言え、バラバラになった標本の修理というのは良い練習にもなりますし、バラバラになってしまった飼育個体を標本にする事もできます(フ節の節ごとにバラバラになる程だと厳しいですが…)。

ミカド様

さて問題。
このセミは何という種類のセミでしょうか?

ミカドミンミン





…スパッと答えられた人は、それなりに虫好きさんの可能性が高いですね。

正解は、ミンミンゼミ

でも、ミンミンゼミと聞いても、記憶の中にある姿と違っているかもしれませんね。
それもそのはず、普通に見られるミンミンゼミはこんな模様なんですから。

ミンミンゼミ標本

しかし、ミンミンゼミには一部に黒色部が減退して全身緑色になる変異型が見られ、ミカド型(ミカドミンミン)と呼ばれています。
頭部・胸部・腹部の黒色部がすっかりなくなってしまい、まるで別種のセミのように見えますが、鳴き声は普通のミンミンゼミと何ら変わりありません。
また、ミカド型への変異は幅というか段階があり、普通のミンミンより多少黒色部が少ない程度の個体から、ミカド寸前のわずかに黒色部が残っているモノまで個体ごとに様々です。
下の写真は、わずかに黒条が残っている個体同士の交尾です。

ミカド(偽)の交尾



……え?

そんなミンミンゼミは見たコトない?

…実は、このミカド型という変異型は一部地域にやたらと集中して見られ、その他の地域ではほとんど見られません。
それが何処かと言うと、実は山梨県韮崎市とその周辺市町村。
2011年の夏に採集した際の印象では、全体の1割強が完全なミカド型で、6割強がミカド型になりかけの黒色部減退型、残りの3割弱が通常型という感じでした。

韮崎というとクワガタ採集のメッカで、行く方はクワガタか、あとはゴマシジミ…という感じですが、こんな面白い虫もいたりします。
ぜひぜひ、目を向けてみて頂きたく。



ちなみに、ミンミンゼミに限った事ではないのですが、セミは極端に個体密度が高くなると警戒心がやたらと低くなります。
単体で木の上で鳴いているような個体は近付くだけで逃げてしまったりしますが、一本の木に何十頭も集まって合唱しているような場合、手掴みでも簡単に採れてしまったりします。
なので、もし探してみたい場合は、まずミンミンゼミの大合唱を探すのが早道です。
森から大合唱が聴こえるような場所よりも、小さな林や、場合によっては数本の街路樹などから大合唱が聴こえるような場所が有望です。

書籍「ニッポンのヘンな虫たち」

ニッポンのヘンな虫たち

今回は書籍紹介。

ニッポンのヘンな虫たち
日本昆虫協会 監修
アイランズ 編集
学習研究社 発行
A5, 157pp. 1,995円(税込)

軽い読み物系の本で、昆虫好きによる「ニッポンのヘンな虫選考会議」なる座談会、やくみつるさんと泉麻人さんによる対談「東京の昆虫たちよ」(対談場所が世田谷の進化研)、「ここで出会える人気の虫」と題した海野和男さんによる昆虫の魅力を紹介するページなど、虫好きの入口にいる人を少し深みへと引きずり込もうという趣旨(ヲイ)で作られた本です。
…とは言え、ケブカコフキコガネやらウミアメンボやら結構マニアックな虫も出てきたりするので、ガッツリ虫屋な人も肩の力を抜いて読んでもらえれば結構楽しめるんじゃないかと。

ただ、まぁコンセプトが「一般人向け」なのに内容がマニアックだったりして、対象のピントがボケてしまっている感があるのは否めないところです。
そんな感じの、悪く言うと“どっち付かず”な内容のせいか、人によってはかなりの酷評…(^^;
個人的には決してツマラナイ本ではないと思うのですが、じゃあ読めば誰でも虫好きになる素晴らしい本かと言われると、それも「うん」とは言い難い。
やはり最初に書いた通り、「虫好きの入口にいる人を少し深みへと引きずり込む」という感じの本ですね。



……とまぁ、書評(酷評)はAmazonでも見て頂くとして。

内容の所で触れた「ニッポンのヘンな虫選考会議」なんですが。
初っ端に25pp.に渡って掲載されてるんですが、これにワタクシもバッチリ出席しておりまして…(^^;
川上洋一さんやTVチャンピオン昆虫王の長畑さんなど有名な方々に囲まれ、「俺、超場違い…(゚Д゚;)」とかガクブルしながらも楽しく虫話をさせて頂いたんですが、

…えー、これが出席者の名前と顔写真がバッチリ掲載

しかもよりによって私が一番トップ……なんでー

更に、その座談会の時、実物を提示しながらの方がイメージも分かるし話しやすいかなーとか思って、自分の標本を一部持って行ったんですが、それが箱ごと写真掲載されてまして、……一部、ラベルが読めちゃうんですよね…(-。-;
まぁ、ラベルが読めてしまうのはミミズク(半翅目の昆虫)とかハマキチョッキリとかだから乱獲につながったりはしないとは思いますが……私の汚い字が丸見え。
トノサマバッタは標本回っちゃってるのがそのままだし、しかも標本提供で名前バッチリ出てるしで情けないと言うか、ハズカシーと言うか…orz
もう「穴があったら入りたい」どころか、「穴を掘って埋まってますぅ」って心境です。



…まァそんなこんなで、もし本屋で見掛けたら手に取ってみて頂けたら幸いです。
見た後は棚の後ろに隠しておいて下さい(爆)

ボンドパック

今回はボンドパックのお話です。
簡単に言うと、ボンドで泥汚れなどを剥がして落とす標本クリーニング方法のひとつです。


クワガタやクロナガ系のオサムシなどは、採集した個体に土(泥)が付着している事がよくあります。
そういうのは活動の証拠としてそのまま標本にしても良いのですが、土を丁寧に落としてやると見違えるほど美しくなる事もあるので、一度は試してみて頂きたく。

使うのは、普通に市販されている「木工用ボンド」。
木工用ボンド

これを、汚れを落としたい虫にしっかりと塗布します。
今回は、12月4日に奥多摩で採集したオサムシ君に登場してもらおうと思います。

ボンドパック(1)

素の状態だとこんな感じで、結構泥が付着しているのが分かります。
で、このオサムシにボンドを塗りたくっていきます。
今回は比較のために半分だけ塗っていますが、本来は全面に塗ってしまいます。
筆を使うと塗りやすいのですが、横着な自分は玉針の針先で塗り広げてしまいます(笑)

ボンドパック(2)

ボンドは薄く塗った方が乾きが早いので作業時間を短縮できるのですが、塗り残しはないようにしましょう。
しばらく放置すると、ボンドが半乾きになって透明になります。

ボンドパック(3)

そうしたら、パックをはがす要領でボンドを剥がしていきます。
…ちなみに、乾かし過ぎるとボンドが固くなって剥がしにくくなるので、全体が透明になったらすぐに剥がすのが良いです。

ボンドパック(4)

多くの場合は一度でほとんどの汚れを落とせますが、泥汚れがひどい場合には2~3回繰り返してパックしてやります。
剥がしてみると、パックをした側としていない側とでは明らかに差があるのがお分かり頂けるかと思います。

ボンドパック(5)

…とは言え写真は携帯撮影なのでイマイチかもですが(^^;)、実際に見てみると見違える程に汚れが落ちており、質感すら違って見えます。
野外採集のスジブトヒラタクワガタ♀などは、ボンドパックをすると、泥汚れの下から現れる背中の彫刻の美しさは感動すら覚えます。

※ただ、ヤマトサビクワガタなど泥が付着している方がそれらしいの場合は、ボンドパックをすると味気ない黒い虫になってしまうので注意が必要です。
以前、知人にボンドパックをした(してしまった)ヤマトサビの標本を見せてもらった事がありますが、それはもう味気ない黒いDorcus属のクワガタでした(笑)

また、ミヤマクワガタのように背面に微毛が生えている種類だと微毛ごと取れてしまったり、体毛がフサフサしているような虫だとボンドが毛に絡まって剥がせなくなってしまうので、基本的には背面に毛のない(厳密に言うと点刻には1本ずつ微毛がある場合が多いのですが、ここでは“肉眼で確認できる体毛”という意味で)種類に向いています。



…ちなみに、ボンドをキレイに全面に塗って丁寧に剥がすとその虫の形そのままにパックが剥がせるので、汚れ落としだけでなくボンドパック自体が楽しかったり(笑)

スジブトヒラタクワガタ♂のボンドパック
ボンドパック-スジブトヒラタ

ケブカコフキコガネ(2)~生態編~

※この記事は、一昨日の「ケブカコフキコガネ(1)~紹介編~」の続きです。※



前回は主にケブカコフキコガネという虫の紹介をさせて頂きましたが、今回はその続きというコトで生態的な話です。

1シーズン、それも1ヶ所だけでの観察知見なので偏りがあるとは思いますが、個体数的にはそれなりの数(♂は延べ1,000頭以上・♀は50頭以上)を観察しましたので、ある程度は信頼できると思います。
(※2015.1.8追記:一応書いておきますが、この個体数は当然ながら観察した数であって、採集した数ではないですよ。特に♂。採ろうと思えば採れる数ですが、そんなに採っても仕方ないです)

<2010年12月22日~30日、沖縄本島北部某所での観察からの知見です>

-活動-
日没直後…というか、周囲が真っ暗になると雌雄ともに活動を開始(※1)。
リュウキュウチクや細い木なんかによじ登り、♂は少しすると活発に飛翔を開始(※2)します。
気温12℃の雨天(本降り)時でも雌雄とも採集できた事から、比較的低温にも強く、また雨天時でも平気で活動するようです。
ちなみに昼間は基本的に地中にいるらしく、雨天時の活動開始直後は泥の付着した個体が多かったです。

♂は飛翔性・走光性ともに高いものの、ポイント(発生株もしくは♀の匂い?)に固執しており、森から出る個体は少ないです(※3)。
また林内で♂が四方から飛来するような場所は、半径2m以内に♀がいる場合が多かったです。
18:30~21:00頃が飛翔のピークみたいですが、飛ぶヤツはそれ以降でもブンブン飛んでます。23:00だろうが02:00だろうが。
ただ、あまりに気温が下がると流石に不活発になるみたいです。

♀は飛翔性が非常に低いものの飛翔できないワケではなく、野外で1♀、車内観察で1♀(別個体)の飛翔を確認しています。
(※ピンボケしまくりですが、♀が飛翔しているのは何とか分かるかな、と。)
ケブカ♀飛翔

ちなみに♀は走光性は無いか非常に低いみたい。
野外での飛翔観察時は自分の前をゆっくり飛んでいた個体なので、蛍光灯に来たか偶然飛んでたか判別付きませんし、車内での観察時は狭い中での事なので…
♀は多くの場合、目線より低い位置にとまっており(採集した♀のうち7割ぐらいは低かった)、場合によると地上から数cmの高さにいる事もある。
ただし高さ3~4mの所に付いていた個体もいたので、低い所ばかりではないんだよなぁ。
基本的には周囲にある程度風が通って匂いが拡散しそうな空間のある場所の細い枝や竹に付いている事が多い印象。
ケブカコフキ♀

リュウキュウチクより、低灌木の細枝なんかに付いている事の方が多かったかな。
灌木>>>リュウキュウチク>>ヒカゲヘゴ…な感じ。
ヘゴで見つけたのは一例だけ…だったと思う。
また♀は交尾を終えるとすぐに地面に潜ってしまうのか、時刻が早いほど発見率は高かったです(…まぁ、採れば採っただけ数は減るのでその分発見率は下がる、ってだけかもしれませんがー)。
ただし22時頃にも見つけてますので、売れ残り娘は遅くなっても付いている(笑)

また、林内でケナガネズミがケブカコフキを捕食しているらしく、毎晩見掛けた上、明らかにケブカ♂の羽音に反応して追い掛けている様子を観察できました。
中身がスカスカであまり腹もちは良くなさそうですが、あれだけ数がいれば良い食料でしょうな。
見掛けた中では、他に天敵になるのはジョロウグモぐらい?
林縁のケブカが飛びそうな場所に巣を張って結構な数を捕食してるみたいでしたね。


-交尾行動-
♂は最初♀の背面に重なるように乗ります。
この時点では、♂と♀は同じ向きになっており、そのまま重なっている状態です。
やがて♂はゆっくりと交尾器を伸ばし、♀交尾器に挿入します。
挿入が開始されると、♂は次第に後ろに下がり、より深く交尾器を挿入していきます。
前脚、中脚、後脚と順に放していき、最後は♀と180°反対向きになり、交尾器のみでつながった状態になり、ここまでいって初めて挿入が完全になされた状態になります。
ケブカコフキ交尾
この状態のまま十数分程度交尾は続きます。



…とまあ、観察知見はこんなモンかなぁ。
暗くなった直後から活動とか、森から出たがらないとか、♀が採りにくいとか、なんか生態がどことなくアマミミヤマに似てますね(笑)
年明け以降にも♀が出てるかはまだ分かりませんが…出てるんじゃないかなぁ…そうでなきゃ1月下旬まで♂が飛んでる理由が分からないですし。



※1:クリスマス頃だと17:30頃に日没して、18:00頃に真っ暗。
※2:18時時点で♂がリュウキュウチクに登っているのを確認するも、まだライトには飛来せず。18:15頃にはライトに複数頭が飛来(林内)。
※3:2010年の自分の採集の際のピーク(12/27)の際、林内では多数の♂が飛翔していたにもかかわらず200m先の水銀灯には4~5♂しか飛来していなかった。
※3:同じ林内でも、10m四方ぐらいはやたらと♂が飛んでくるのに、そこから10mも離れると羽音ひとつ聞こえなくなる事が多い。


~オマケ~
♂の比率が非常に高いために起きてしまった過ち。
ケブカコフキのオホモだち
“お友だち”ならぬ“おホモだち”

ケブカコフキコガネ(1)~紹介編~

マルバネクワガタの季節が終わり、台風による迷蝶シーズンも過ぎた冬の沖縄。
季節はクリスマスにさしかかろうという頃、虫屋が消えて静まり返ったヤンバルの森で、暗闇と共に飛び始めるコガネムシがいます。

ケブカコフキコガネ。

ケブカコフキ♂

♂は写真のような立派な触角をもち、腹面にはその名の通りフサフサの毛を生やした比較的大型のコガネムシです。

ケブカコフキ♂腹面

このコガネムシは、珍しいことに真冬に発生します。
奄美諸島と沖縄列島のいくつかの島に分布しており、生態にまだまだ謎の多いコガネムシですが、何よりも数年前まで♀の採集方法が分からず、♂は多数が灯火に飛来するのに♀は大珍品でした。
…と言うより、「珍しい」どころか偶然にすらもまず採れず、♀の確実な標本の所在すらほとんど不明だったほど。
それが3年前に琉球大学の方の手で♀の採集方法が発見され、頑張って狙えば多少は採れる虫になりました。

自分も、この♂の触角に惚れて昨年12月に沖縄本島に採集に行き、幸運にも雌雄ともに多数の採集に成功しました。
ちなみにこれが雌雄。(右:♂ 左:♀)
(※♂の触角は腹面側に畳んでます)
ケブカコフキ雌雄

…はい、興味がない人にはただのコガネムシですね。
ていうか私も、♀は形態的にはあんまり面白いと思いません
しかし、生態面で見ると、先述したとおり♀が珍品だったり、真冬に発生したり、隔年発生だったりと色々興味をそそられる虫です。
それに、コフキと言ってもいわゆるコフキコガネ属(Melolontha)ではないので、その意味でも変わりモノです。


ちなみにこの虫、やんばる地域とそれ以外の場所(沖縄本島中南部や他の島々)で微妙に形態が異なると言われております。
昨年行った際はやんばる地域産に狙いを絞っていたのですが、まぁ一晩だけ中南部でも狙ってみまして、♂は複数頭を採集する事ができました。
それがこちら。
ケブカコフキ♂比較

上段2頭が中南部産の♂で、下段はやんばる産の♂。
確かにサイズ的には一回り大きいのですが、確実な差があるかというと、微妙なトコロ。
「やんばる産の大型=中南部産の小型」という感じで、微妙にカブッています。
色彩的にやんばる産は明るい茶色~暗褐色まで個体差がありますが、中南部産はほとんどが明るい茶色の個体のみ。
中南部産の方が体毛が薄い傾向があるようですが、コレも微妙なところ。

まぁ少なくとも、個人的にはパッと見の外見だけでは絶対的な形態差というのは無いですね。
相対的に見れば、中南部産の方が大型で色彩が明るいという傾向はありそうですが。

…とは言え、私自身は研究者ではないので交尾器までは見ていませんし、その辺りは分類学者さんにお任せです。


この虫についてはもう少し書きたいことがあるので、続けて「~(2)」で生態的な話を書いていきますが、
ぶっちゃけあんまり興味がない人には面白くも何ともない話だと思いますので、読み飛ばして下さい(^^;
「自分で採りに行きたい!」という奇特な方がいれば、非常に参考になるかとは思います。

カット綿展足

カット綿展足

先日ご紹介した展足板を使った簡単展足方法がこちら。
ご覧の通り、かなり近間隔で展足できるため、小スペースで多数の虫を展足でき、かつ手間が掛からないのが最大の利点。
上写真は押さえ針を一通り抜いた後というワケではなく、最初からごく少数の針しか使っていません。
使用した押さえ針はタガメの右中脚を押さえた2本とオオセンチコガネの触角を押さえた左右各1本ずつぐらい(オオセンチの触角押さえ針は、撮影の関係で抜いてしまっていますが)。
非常に少ない本数で済ませています。


やり方は簡単。
展足板に市販のカット綿(厚さを半分に裂いたもの)を玉針で6ヶ所ほど刺して固定します。

カット綿

表面をそっと撫でるようにして、出来るだけなだらかに整えます(※表面が毛羽立っていると余計なトゲなどが引っ掛かり、展足がやりにくくなります)。
…で、あとはカット綿にツメや脛節末端のトゲなどを引っ掛けて形を整えていくだけ。

カット綿展足(前)

なお、市販の志賀製展足板を使用する場合、深さがあるので展足の段階で標本の高さ(針を刺す深さ)を決めてしまう事が可能です。
カメムシなどは乾燥後に針の深さを変えようとすると脚が簡単に取れてしまいますし、セミなどは体液によって針が筋肉とガチガチに固まって動かす事すらできなくなる場合もあります。

展足は基本的には綿に引っ掛けて整えていきますが、筋肉の収縮等でどうしても思うような形にならない場合は、そこだけ針で押さえて固定するようにします。
針展足と少し勝手が違うので最初は多少やりにくいかもしれませんが、慣れてしまえば非常にラクな展足です。
1頭あたり数分で出来ますし、写真の通り小スペースで多数の虫を一気に展足できます。
Top写真の全個体を展足するのに掛かった時間は40分かそこらだったと思います。


…とは言っても、カット綿展足も必ずしも良い点ばかりではありません。
最大の欠点は、展足が甘くなること。
針で固定するのと違って軽く引っ掛けているだけのため、どうしても展足の形が甘くなります。

展足比較(背面)

また、針展足の場合、フ節などもまっすぐに整える事ができますが、カット綿の場合跳ね上がってしまいがちです。

展足比較(側面)

(あくまで個人的見解ではありますが)利点と欠点をまとめると、

<利点>
・展足が非常に容易
・展足にかかる時間が非常に短くなる
・押さえ針を使わないので近間隔で多数の虫を展足できる

<欠点>
・展足が甘くなる
・針穴から出た体液でカット綿がくっ付く事がある


…という感じ。
そのため、私は虫によって展足方法を使い分けています。
クワガタムシなどフ節の形までこだわって展足したいものは針展足、“ある程度整っていれば良い”ものはカット綿展足。
(今回アカアシ♂とコクワ♀が入っていますが、これは調査モドキの採集で提出用に採集したもののため、“あまり力入れなくていいやー”的な打算によるもの(爆))

例えば、「クワガタ採集に行って、ついでにカナブンもいくつか採ってきた」なんて場合に、クワガタは針展足カナブンはカット綿展足、という感じで使い分けるのが良いかと思いますが、『クワガタもすべからく“ある程度”整っていれば十分』というのであれば、勿論クワガタの展足をして頂いても問題ありません。


針展足に慣れた身には、このカット綿展足というのは驚くほど簡単な展足方法なので、ぜひ一度お試し下さい!




p.s.
…ちなみに今回の虫達、タガメは栃木産、ノコギリカミキリは埼玉産、他は全て神奈川産です。

オオマルハナバチ

オオマルハナバチ

12月4日の奥多摩材採の際、ツヤハダと同じ赤腐れ材から出てきたオオマルハナバチの越冬女王。
黒地にレモンイエローとオレンジ色が入る美しいハチで、全身フサフサの毛に覆われた姿はまるでヌイグルミのような可愛らしさがある。
本種をはじめとするマルハナバチの仲間はどれもフサフサの体毛をもっており可愛らしいのだが、サイズがわりと大型のため一般人には怖がられやすく、春のハイキングなんかで花に来ている女王バチに逃げまどう人もたまに見掛ける。

しかしながら性質は至って温厚で、こちらがわざと掴んだりでもしない限り、まず刺してくることはない。
花に来ている個体も、目の前で観察していたって何食わぬ顔で蜜と花粉を集めるばかりで、人に危害を加えようなんて素振りはカケラもない。
訪花している個体を小枝で突いてイジメると、慌てて逃げていってしまうぐらいだ。

巣は毎年解散して新女王蜂だけが越冬して春になると一から巣を作り始める。
桜やツツジの花に来ては、せわしなく蜜や花粉を集めている姿をよく見掛ける。
都市部でも、よく似たコマルハナバチはよく姿を見掛けるが、そちらはレモンイエローの模様がないものが多く、黒地に腹端だけオレンジ色というパターンが多い(※レモンイエローの入った個体もたまにいる)。
春になったら、きっとこのブログでもコマルハナバチを紹介する事になると思うので、そうしたら「あ、冬に出てきたオオマルの仲間だな」と思って頂けたら何より。



…ちなみに、クマバチとよく混同されるが、クマバチは胸部の毛が黄色で他は全身真っ黒。
オオマルハナバチは襟元と腹部に黄色の毛があり、腹端はオレンジ色。

それと、たまに“ハナマルバチ”という誤記を見掛ける事があるが、正しくは“マルハナバチ”。
ハナバチという蜂の仲間で、丸っこいから丸花蜂→マルハナバチです。

展翅板と展足板

標本作製の基本的な道具でありながら、意外と知名度が低い(?)、「展翅板(てんしばん)」と「展足板(てんそくばん)」です。

展翅板は、文字通りチョウやトンボ、ハチなどを展翅(ハネを広げた標本を作る)際に使う道具です。
展翅板

真ん中の溝は底にペフ板が貼ってあり、そこに針が刺さるようになっています。
こんな感じで板と展翅テープでハネを挟んで固定し、乾燥させます。
展翅板(実例)

具体的な展翅のやり方については別途にまた今度書きますので、今回は道具のご紹介。
この展翅板は上面の板が真っ平らな物と、左右の上板が浅いV字状に角度が付いている物とがあります。
平らな物を「平板」、V字の物を「傾斜板」と呼びます。
展翅板(平&傾斜)

展翅板は製造メーカーがいくつかあり、メーカーによって傾斜の角度は少しずつ異なります。
角度については好みもあると思いますが、上板はある程度厚みのある物の方が使いやすいように思います。

…ちなみにこの傾斜、何の為にあるのかというと、実はチョウの標本というのは年月が経つと少しずつ翅(ハネ)が下がってしまう事が多く、最初に少し上がり気味になっていれば、少し下がってもちょうど平らになるというのが理由。
(※そのため、トンボやハチを展翅する際や、チョウでも裏面模様を見せるために逆さに展翅する(裏展翅)場合は上板が平らな平板を使います。)

またこの展翅板、展翅する虫の大きさに合わせて様々なサイズがあり、中央の大きくなるにつれて溝幅も広くなります。
サイズは極小のシジミチョウ用から巨大蛾ヨナクニサンを展翅するような特大の物まで実に様々ですが、大きなチョウを小さな展翅板で展翅しようとすればハネがはみ出してしまいますし、小さなチョウを大きな展翅板で展翅しようすると溝の隙間が大き過ぎてハネをしっかりと押さえられません。
ハネが上板からはみ出さず、溝幅が胴体の幅より少しだけ広いぐらい物が適正サイズになりますので、購入する際はどんな大きさのチョウを展翅したいのかをよく考えてから選ばれる事をお薦めします。


…さてもうひとつが展足板です。
展足板

構造は簡単で、大雑把に言えば蓋のない木箱に薄いコルク板を貼った物です。
名称的にも展翅板と対をなす(?)存在のハズなのですが、こちらは展翅板より更に知名度・普及率ともに低いような…。
…というのも、展翅板は自作しようと思ったら工作が必要なため、多くの人が市販品を購入するのに対し、展足板は発泡スチロール板などで簡単に代用出来てしまうため、あえて必要としない人が多いのです。
特にクワガタムシやカブトムシなどは乾燥後も高さ(針を刺す深さ)を変えるのが容易であり、展足段階で深く刺す必要がないため、存在すら知られていない事も多いです。

しかし、中型で比較的破損しやすいカメムシや、乾燥後はガチガチに固まって高さを動かせなくなってしまう事が多いセミやハチ(展翅しない場合)などは、最初の展足段階で針の深さを決めてしまう必要があり、そういう場合にはこの展足板は意外と便利。
まぁ厚みのある発泡スチロールで代用出来ない事もないのですが、展足板は中が空洞のため、針を深く刺し込んでも抵抗が少なく、扱いやすいのです。
そんなワケで、私もクワガタの展足等では使っていませんが、上記のように用途に合わせて時々使用しています。

“深く刺せる”という以外は発泡スチロール等で展足するのと使い方は同じで、この板の上で脚や触角を針を押さえて整形(展足)するワケですが、実はちょいと工夫してやると、とても手軽に展足する方法がありますので今度ご紹介したいと思います。

それでは、また今度。

12月4日・奥多摩材採集

12月3日(土)夜出で奥多摩へ向かい、現地ポイント入口で車中泊。
明けて翌日4日、朝起きると良い天気。
まだ夜の寒さが空気に残っているが、装備を整えて林道という名の登山道に入る。

車での道すがらは紅葉した葉が見られたが、ポイントは標高が高いため既に紅葉も終わり、茶色くなった葉がわずかに木に残るのみ
12/4奥多摩

登山道を進む事しばし、道を外れて斜面にある倒木を目指す。
…この木は、1~2年前に来た際にルリクワガタ系の産卵痕があるのを見つけたものの、当時はまだ材が固く、採集を見送ったもの。
今回は程良く柔らかくなっており、手斧(土牛の“無限大”)で割っていくと、成虫が姿を現す。
ルリクワガタ
予想通り、ルリクワガタだ。
ルリクワガタというと“立ち枯れ”のイメージが強いのだが、倒木でも産むようで、太い倒木にも産卵マークはポツポツと散見される。

…ちなみに、ルリクワガタ系は独特の産卵マークを残す。
ルリクワ産卵痕
向かい合った三日月マークとでもいうか、見れば一発で「あ、コレか!」と分かる。
(…が、これだけハッキリと跡があるのは新しい産卵痕で、こういう材を割っても成虫はあまり出ない。)

ルリ4♂を採集したものの♀が出ない…
…が、今回はホソツヤルリも狙いたかったので、とりあえず移動する事にする。
ホソツヤは更に標高を上げないと難しいらしいので、尾根道方向に進む。

…と、しばし登った辺りで苔むした針葉樹の倒木。
しかも赤腐れ。

もしやと思いつつも割ってみると、クワガタの幼虫が出てきた。
残念ながら幼虫の種判別は出来ないのだが、状況から考えて“アレ”の可能性が高いんじゃないだろうか。
近くの赤腐れ材を割ってみると、ポロッと…

ツヤハダ(裏)

…ぶっちゃけ、最初はゴミムシの仲間かと思った。
が、しかし、妙に厚みがあるので、じゃあゴミムシダマシの仲間かと思った。

が、拾い上げてみれば間違いない立派な大アゴが付いている。
ツヤハダクワガタ

ツヤハダじゃん!

前から採りたいと思いつつも、今まで採れていなかったクワガタだ。
…まぁ、それを狙って赤腐れを割ったのだけど、まさか本当に採れるとは思わなかった。
その上、まさかツヤハダクワガタの初採集が東京ラベルになろうとは思いもしなかった。

成虫1♂1♀と幼虫十数頭を割り出したところで、ふと気が付くとなんだか薄暗くなり始めているような…と時計を見ると、あれれ既に16時半じゃないか。
このままでは山中で真っ暗になってしまう!と急いで支度を整えて下山する。

…車まで戻る頃には既に月明かりで自分の影ができるぐらいまで暗くなっていたが、なんとか戻って一息ついて、岐路に就いた。



自分は、イオウマメとオオクワを除く東京都産クワガタ全種の自己採集をひとつの目標に掲げているため、今回のルリクワとツヤハダは嬉しい2種追加。
奥多摩産のクワガタだと、あとオニとマダラとホソツヤルリを採っていないが、今回ルリ♀は採れなかったし、ヒメオオもまだ♀しか採っていないので……奥多摩もまだ何度か通わなければならないようだ。

あとは小笠原だよなぁ…。

我が家の奇形さん(1)

奇形箱

私は、個人的に奇形個体というのも集めていたりします。
別にそれで何をしようというワケでもなく、ただ単に面白いから集めているだけなのですが。

様々な虫を採集していると、程度の差はあれ年に数頭は必ず奇形個体というのが採れます。
形が歪んでいたり、鱗粉がおかしかったりという分かりやすい奇形から、脚が1本やや短いとか触角が最初から曲がっているとか、一見するとやや分かりにくいものまで。
今回はそんな中から、いくつかに登場してもらおうかな、と。

(1)奇形アマミノコギリクワガタ♂
奇形アマミノコギリ
2005年に奄美大島南部の某所で採集した個体。
見ての通り、左右の大アゴで歯型が異なります。
こういう奇形はクワガタ雑誌などでもたまに出てきますね。
個人的には、幼虫時代に大アゴが欠けるか摩耗するかして、それが成虫にも影響を与えているのかな…と思うのですが、はたして…?

(2)奇形カブトムシ♂
奇形カブトムシ
一見ただの極小個体?と思いきや、左中脚のフ節がとんでもないコトに。
普通、フ節のツメは2本なのですが、この個体はそれと向かい合うようにもう2本、合計4本のツメが生えています。
なんかもうライダーマンのパワーアームのようです(※アレは向かい合わせで2本だけですが)。
…とは言え、これで何かを掴めるわけでもないでしょうから、生時は相当歩きにくかっただろうと推察。


(3)奇形ヤマトタマムシ♀
奇形タマムシ
一見するとちょっとお腹が曲がっている奇形…と思いきや、この個体、左右で腹部の節数が異なっているという不思議な個体。
矢印の部分の節が5~6mmの辺りで消失し、反対側は節が一節少なくなってしまっています。
そのため腹部の長さが左右で異なり、短い側に引っ張られて曲がってしまっているのです。
ちなみに、正常個体の腹節数と比較してみると、本来は節の多い側(矢印側)が正常なようです。


…奇形の種類は多々あれど、やはり究極の奇形は『雌雄型』でしょうね。
以前にハチジョウノコギリのキレイに混ざった雌雄型をご紹介しましたが(→ハチジョウノコギリクワガタの雌雄モザイク)、いつか左右真っ二つの雌雄型というのも採ってみたいですね。
憧れのひとつです。

さて、箱の中にはまだまだ奇形個体の標本は多々ありますが、ご紹介はまたいずれ。

LISと木曜社

知り合いのお誘いがあり、朝10時に小田急線「読売ランド前駅」へ。
よみうりランドは有名な(?)遊園地だが、そのすぐ近くに虫のお店がある。
エルアイエスという、生き虫・標本・昆虫グッズ・標本&採集用品などを取り扱うお店だ。

で、そこの代表のYさんという方にお会いして、今後の標本教室&etc.のお話。
まだ来年の話だが、今年の夏にもやった山梨オオムラサキセンターでの教室やインストラクター(モドキ)なんかのお話だった。
まだどうなるか分からないけど、実現して自分がやらせてもらえるなら是非とも頑張りたい話である。

で、その足で今度は京王線「西永福駅」へ行き、木曜社へ。
…木曜社は虫屋の間では有名な標本商だが、実はお店に入ったのは今回が初めて。
マンションの狭い一室で、所狭しと「お道具箱」みたいな箱が積み上がっており、中には三角紙やタトウがみっしりと入っている。
防虫剤であるナフタリンの匂いが充満した部屋は、虫屋以外は確実に顔をしかめるコト請け合い。

実は先のエルアイエスは木曜社の子会社みたいなもので、根は一緒。
木曜社のNさんという方が元締め。

特に何を買うつもりもなかったのだけど、何とは無しに見ていたら、「中国 スズメバチ」の文字。
“おおっ?”と思ってタトウを開けてみたら、オオスズメバチの別亜種「Vespa mandarinia magnifica」らしき種と、オオスズメバチに近縁と思われる種の2種がある。
こんなもの、フェアでも見たコトないし、多分ここ以外ではそうそう手に入らないんじゃないだろうか。

オオスズメバチVespa mandarinia magnifica(多分))
中国スズメバチ(2)ssp. magnifica?
日本にもいるオオスズメバチの別亜種で、中国やタイに分布。
標本の状態が悪いが、腹部の黄色部が非常に細く、日本亜種とは全く異なった印象を受ける。
こちらの亜種の方が日本亜種より更にわずかに大きいという話もある。
かなり色が悪くなってしまっているが、軟化してどれだけ色が戻るか…。

オオスズメバチの近縁種Vespa sp.Vespa soror※反骨の昆虫王さんに教えて頂きました。
中国スズメバチ(1)
最初こちらも「オオスズメバチの別亜種かなぁ」と思ったのだが、産地が同じであり、同所的に別亜種はいないハズなので、おそらくは近縁の別種だと思われる。
スズメバチとしてはかなり大きく、また顔も複眼の横の頬が張り出して、いかにも“オオスズメバチ”な顔付き。
…同定したいけど、こういうのってどこに同定文献があるんだろうか。

それとあとひとつ、ラエトゥスミヤマクワガタのペアの標本も購入。
ラエトゥスミヤマ

…自分は基本的に「採集」が中心で、購入しての収集にはあまり興味が無いのだが、以前に外国産ミヤマ数十頭をまとめて入手する機会があり(状態はヒッッジョ~に悪かったが)、せめて国産3種(本土ミヤマ・ミクラミヤマ・アマミミヤマ)のそれぞれの近縁種ぐらいは持っていたいかもなーなんて思っていたため、今回ついついミクラミヤマの近縁とされるラエトゥスを買ってしまった。
“まぁ初めて来たんだし、記念にそれぐらいなら…”という感じで。
ちなみにスズメバチ7頭タトウx2とラエトゥスPr.で合計3,500円。
内訳は、スズメバチ7頭入りタトウが1,000円で、それが2種で2,000円。ラエトゥスミヤマは♂が傷物なので1,500円。
まぁそれぐらいなら記念の許容範囲かな、と。
…最初、ラエトゥス8♂ぐらい入ったタトウも一緒に買おうか考えていたんだけど、タトウ+ペアで5,000円と言われてヤメてしまった(^^;

まぁ、私の標本購買意欲はそんなモンですよ(笑)

大手町や大宮のインセクトフェアにしたって、行ってもほとんど買い物もせずに会場をフラフラ回っているだけだしね。

どうも買った標本というのは思い入れが全く湧かず、ただ“入手しただけ”になってしまう。
コレクターは集めていくその過程が楽しいのだろうけど、「採集ありき」の自分は、そこに思い入れを見出せない。
今日買った標本も、展足や展翅をするのはいつになるやら…

今日はそんな日々の駄文。



お店が気になった方のために。
  ↓↓↓
エルアイエス:http://lovelyinsect.sunnyday.jp/
木曜社:http://www.tsu-i-so.com/
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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