奄美大島採集記(1)

今回は、奄美大島でのケブカコフキコガネ採集記です。
…先に申し上げておきますと、今回クワガタは1頭たりとも出てきません
と言うか、ケブカ以外の虫がほとんど出てきません。
それぐらい、この時期の奄美は活動している虫が少ないのです。
なお、最大の目的であったケブカコフキコガネについては、奄美大島産♀を1頭だけとはいえ採集できました。
♂は地元の人によって以前に多数採集されているものの、奄美産の♀は未知でした。
おそらく、史上初です。
今回は、その採集記になります。


奄美大島は、沖縄と九州本土に挟まれた亜熱帯の島で、両方の影響を受けつつ独自の自然・文化を持つ島です。
「名前は知っていても場所は知らない」と言う方が多い島ですが、日本で3番目に大きな離島で、沖縄ではなく鹿児島県に所属しています。
島の多くは深い森に覆われ、ぶっちゃけ観光には向かない 亜熱帯の自然を満喫できます。
観光名所が少ないためか、距離的には沖縄本島より近いわりに羽田からの直行便は1日1便しかなく、飛行機代も高くなっています。
…ま、でも行くんですけどね。

<2月17日>
さて、自身は奄美大島に行くのは2年ぶりである。
飛行機が昼なのでゆっくりと空港へ向かい、保安検査場を通ると、ライター等の持ち込み禁止物の廃棄ボックスに…

スパナ

誰だ!?
機内にスパナとレンチ持ち込もうとしたヤツは!?


…そうして予定より20分ぐらい遅れて島に到着すると、友人Y氏が空港で出迎えてくれた。
レンタカー屋で手続きして、そのまま走り出す。
…例年だと、着いたらとりあえず「ひさ倉」の鶏飯を食べに行くのだが、今回は島に着いたのが既に14時台とあまり時間がないので、取り急ぎ友人が下調べしてくれた候補地に向かう。

今回の狙いは、ケブカコフキコガネというコガネムシの一種。
沖縄や奄美のいくつかの島に分布するコガネムシで、冬に発生するという不思議な虫だ。
種の紹介は過去記事(→ケブカコフキコガネ)にあるが、重要なのは「奄美と沖縄で発生時期が異なる」という事だ。
沖縄本島の個体群は12月下旬のクリスマス頃に発生するが、奄美大島の個体群は年を越して2月下旬頃に発生するのである。
この時点で既に謎だ。
秋に出るマルバネクワガタなんかは、台風や気温の低下がトリガーになって北から順に発生する。
ならば沖縄のケブカが12月に発生するなら、奄美のケブカは11月頃に発生しても良さそうなものなのに、逆に遅れて2月に出る。
理由がサッパリわからない。
オマケに発生時期や場所なども沖縄ほど明確ではなく、「いつ・何処に行けば確実にいる」という情報がほとんどない。
あまりに手探り状態であり、ならばせめてと奄美に住んでいる友人にお願いし、沖縄個体群のホストと思われるリュウキュウチクを奄美で探してもらったのだが、沖縄と違いリュウキュウチク自体がかなり少ない。
それでも島中を走り回ってリュウキュウチクのある場所をピックアップしてくれたので、その場所を順に案内してもらう。

リュウキュウチク(1)

初日は龍郷町を中心に一回りしてみるが、どうにもピンと来ない。
過去に採れている場所(の辺り)にも案内してもらったのだが、リュウキュウチク自体が無い。
…まさか、沖縄と奄美でホストが違う…のか…?

一回り案内してもらい、夕方にようやく「ひさ倉」で鶏飯…
…と思ったら、やっていない。

えええええ!?

よく見ると、ドアに喪中で休みとか貼ってある。

マジか!?

「ひさ倉」休みとか、想定していなかった…
いつも奄美に着いたらまず「ひさ倉」へ行って、そこの鶏飯を食べて奄美スイッチが完全にONになるというのに…。
だが嘆いても仕方ないので、そこから少し南へ行った別の鶏飯屋「てっちん」で食事をする事に。
お店に入って少しして、奄美在住の虫屋Nさんも合流し、3人で鶏飯を食う。

鶏飯
(※写真は「ひさ倉」の鶏飯)

…ここでちょいと「鶏飯(けいはん)」について説明しておくと、

ささみほぐし・錦糸卵・パパイヤの漬け物・漬け椎茸・刻み海苔などをご飯に乗せ、そこに熱々の鳥ガラスープをぶっかけて食べる豪華茶漬け

…と言うとイメージが伝わりやすいだろうか。
元は薩摩藩役人のための接待料理だったらしいが、今では奄美の代表的な地元料理になっている。
普段、遠征に行っても地元料理なんてほとんど食べないのだが、この奄美の鶏飯だけは必ず食べているぐらいお気に入り。
ちなみに鶏飯屋は多々あるものの毎回「ひさ倉」に行っているのは“お約束だから”。

飯の後、初日という事で龍郷の小さな集落奥にあるリュウキュウチクの林を軽く回るものの、ケブカのケの字も出ず。
というか寒い。蛾すらほとんど飛んでいない。
沖縄産なら18:30には活発に飛び始めるので、数時間やって見つからないようなら“いない”と考えるのが妥当か…。

…だが、実のところ奄美大島ではここ数年ハッキリした採集記録も無く、現時点で発生が始まっているかどうかすら不明なのだ。
以前に確実に採集されているのは、2002年と2006年。
その他の年については、おそらく2年周期で発生しているとは思うが、採集記録は見つけられず。

今年既に誰かが採っているなら「採れない場所=ここにはいない」と言えるのだが、それがないため、「いない」のか「まだ発生していない」のか「今年は出ない」のか、全く分からないのだ。

一応、昨冬が沖縄の発生年だったので、今シーズンは奄美が発生年に当たるハズなのだが…

しかし、結局初日の晩は羽音ひとつ聴くことなく、終了となった。
宿は最後の2泊分のみなので、今晩はビッグⅡの駐車場で就寝。
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奄美大島採集記2012年初春

奄美大島採集記2012初春 [目次]

…先に申し上げておきますと、この採集記にはクワガタは1頭たりとも出てきません
と言うか、そもそもにクワガタでなく、冬に出るコガネムシを狙いに行った採集です。
そして、その目的であるケブカコフキコガネ以外の虫がほとんど出てきません。
それぐらい、この時期の奄美大島は活動している虫が少ないのです。
※クワガタの方の奄美採集記をお読みになりたい方は、目次下部のリンクへお進み下さい。

奄美大島採集記(1)
奄美大島採集記(2)
奄美大島採集記(3)
奄美大島採集記(4)
奄美大島採集記(5)
奄美大島採集記(6)
奄美大島採集記(7)
奄美大島採集記(8)


※奄美のクワガタ採集記をお読みになりたい方は、以下リンクの目次からお進み下さい。
…でも、クワガタ以外の虫にも興味を持って頂けるとブログ主としてはとても感激です。

奄美大島採集記2012夏[目次]

奄美より帰還しました!

ハブびろ~ん!
ハブびろ~ん

…って、ハブを採りに行ったワケではありません(^^;

以前に御紹介したケブカコフキコガネ(→ケブカコフキコガネ)の、奄美大島産の個体を採集に行ってきました。
クワガタと違って、引っ張っても興味ある人は少ないと思いますので先に結果から申し上げますと、メスが採れました(オスももちろん採れました)。

え~と、どんなモンかと申しますと、現存する奄美大島産ケブカコフキ♀の標本は、多分世界中でも今回私が採った1♀だけじゃないかな、という程度には珍品です。
例によって採集記はゆっくりと書いていきたいと思いますので、のんびりお待ち下さい。

では!

ミクラミヤマクワガタ

ミクラミヤマ

ミクラミヤマクワガタは伊豆諸島の御蔵島と神津島のみに生息するミヤマクワガタの一種であり、言い換えると、

世界中で東京にしかいないクワガタ

です。
…ハチジョウノコギリやオガサワラネブトなど、伊豆諸島・小笠原諸島特産種は、言い換えると東京限定の種なんですよね。
なかなか面白い響きです。
ちなみに世界的に見てもかなり特殊なクワガタで、近縁種も中国に2種いるのみと謎の多い種です。
立派な後翅を持っているにもかかわらず飛翔はまず見られず、ひたすらに地面を歩き回ります。

既に条例で採集禁止になってしまったため、現在では禁止前に採集された標本や、ブリードされた生き虫が出回るのみです。
私は幸いにも採集禁止になる前の2002年&2003年に御蔵島を訪れ、現地で彼らの姿を見ることができました。
林内や路上をピョコピョコと歩く姿はコミカルで、他のクワガタにはない魅力がありました。

本種は御蔵島では5月中旬から現れ、5月末~6月頭に発生ピークを迎えます。
標高の低い場所から発生が始まり、山の上では7月上旬でもまだ少し生き残っているようです。
神津島では発生がやや早く、ゴールデンウィークの頃にピークを迎えるそうですが、自身は神津島では採集したことがありません。
今回の生態写真は、2002年5月に御蔵島を訪れた際にネガフィルムで撮影したものをスキャナで取り込んだものです。
(撮影機材はOLYMPUSのOM-2に純正50mmマクロレンズだったと思います。)

実際、御蔵島ではその時期に島に行くと多くの個体が歩き回っているのを見ることができます。
基本的には林内を歩き回っているのですが、個体数が多いため舗装道路に出てくるものも多く、島を半周する道路を散歩するだけで多くの個体を見ることができます。

ミクラミヤマと道路

全身黒いものの他、頭部&前胸が赤褐色になるタイプ、鞘翅に黄褐色の紋が出るもの(黄紋型)、その両方の特徴が出るものとがおり、それぞれの特徴は個体差があり、多数の個体を見るとグラデーションで変異が繋がるのが分かります。

ミクラミヤマ標本

ちなみに一部で♀は珍品との話もありますが、♀は発生初期は林内から出て来ないため採集しづらいようです。
発生後期である6月10日頃に島に行くと、♂:♀=5:1ぐらいの割合で♀も見つけることができます(…っても、今となってはもう採集できませんが)。
ただし、この時期に見つかる♀はスレた個体が多く、鮮度の良い個体はあまり見つかりません

…これは私の勝手な予想ですが、おそらく発生した♀はしばらくは自分が生まれた場所の周辺で活動し、ある程度産卵を済ませてから広く徘徊を始めるのではないでしょうか。
自分が生まれた場所はつまりミクラミヤマの幼虫が確実に生育できる場所であり、そういった場所で確実に子孫を残した上で、分布拡散を狙って新天地を求めて徘徊を始めるのではないかな、と。
そのため、♀は♂よりも徘徊時期がかなり遅く、また徘徊している個体はスレたものが多いのではないかと。

…ま、あくまで予想ですけどね。

以前は1日で3桁採れるぐらい数が多かったようですが、自分が行った頃には、見られるのは1日30~40頭程度でした。
ただ、この島は非常に山が深く、人の採集程度で個体数に影響が出るとはとても思えず、環境変化による個体数の増減が原因かと思います。…と言うか、採集圧の影響が出るくらいなら、それ以前に島の車に踏み潰されてる個体数の方が多いです。

「行けば普通に見られる、でも行かなきゃ見られない」
…御蔵島のミクラミヤマクワガタは、そんなクワガタです。


採集禁止になった今、採集者の訪れなくなった(ハズの)島でミクラミヤマクワガタ達は昔と変わらず元気に歩き回っているのでしょう。
いつかまた、彼らの姿を見に行きたいなぁ、と心に思いつつ。

100円ショップの除光液

さて今回は、除光液(エナメルリムーバー)のご紹介です。

除光液

もちろん、本来はマニキュアを剥がすための溶剤であり昆虫採集の用途ではありません。
しかし、実はこの除光液が昆虫採集において酢酸エチルの代わりとして使用できるという事で最近少しずつ広まりつつあるのです。
100円ショップで手に入り、酢酸エチルと違って購入に印鑑身分証明も必要ありません
初めての方や、酢酸エチルが手に入りにくいような場所では、代用品として“もってこい”な商品です。

使い方も酢酸エチルと同じで、綿などに染み込ませて毒ビンに入れ、その気化したガスで昆虫を殺虫処理します。
なお、容器の口がこんな感じで少量ずつ使用できるので便利。

除光液・口部

ネットでもいくつか紹介している所が見つかりますね。

とは言え、自分で試しもしないで紹介するのは…という事で、クワガタで自己試験してみようとしたのですが、こういう時に限って見つからない。
家には現在生き虫がいないし…。
…という事で、少し前に南房総に採集に行った際、オオキンカメムシとスジアオゴミムシで試験してみました。
通常の酢酸エチルに比べてやや効きが弱い印象はあるものの、きちんと殺虫処理は出来ました。
また死後の軟化具合がやや弱く、あまり柔らかくなりきらない印象ですが、それ以外は酢酸エチルと何ら遜色無いという印象。

スジアオゴミムシ&オオキンカメムシ

…とは言え、まだ一回だけなので今後の再試が必要ですね。
クワガタで再試できたら記事に追記したいと思います。
(※もちろん、試験した虫もきちんと標本にしますよ)


ちなみにこの百均除光液ですが、メーカーやショップの系列によって成分が異なっており、購入の際はよく確認が必要です
私が確認しただけでも、酢酸エチルを使用しているものと酢酸ブチルという近い別種の薬品を使用しているもの、またアセトンを含有しているものとノンアセトンのものがありました。
成分表示というのは基本的に含有量の多い物から順に表記しますが、アセトン含有の除光液はアセトンが真っ先に書かれています。
となると、主成分は酢酸エチルではなくアセトンという事になり、酢酸エチルの効果は薄い可能性があります。
また酢酸ブチルという別の薬品を使用している物もあり、この場合酢酸エチルと同様の効果があるか分かりません。
そのため、百円ショップで除光液を見掛けても「これこれ!」といきなりレジに持って行かず、まずは成分をよく確認して下さい。
ノンアセトンで、主成分が酢酸エチルである事を確認したら、レジへGO!です。

除光液・成分

ちなみに、メーカーによってはミントやピーチの香りを付けているものもあり、そういった物であっても主成分が酢酸エチルであれば問題ないようです。
…強いて言えば、タトウを開けた時に桃の香りがしたりするぐらいで(笑)

なお、こちらは「除光液」という扱いになるので、少なくとも国内線の飛行機には乗せることが出来ます
酢酸エチルは法律で飛行機への持ち込み禁止(機内持込・預け荷物共に禁止)されていますが、この除光液であれば飛行機旅行にも持って行くことが出来るのです。

ただし、100ml以上の場合は厚手の透明ビニール袋(ジップロックとか)に入れて預け荷物に入れるという形になります(写真のものは120ml入)。
容量の関係で手荷物として座席に持ち込むことは出来ませんので、しっかり預け荷物に入れるよう準備しておきましょう。

※間違って手荷物で機内に持ち込もうとすると検査場で没収されちゃいますので、ご注意を。

ちょっと虫採り行ってきます

スダジイの巨木
しばし、とある島に行ってきます。




…そこは、沖縄と九州に挟まれ、気候・文化共に両方が混じり合う不思議な場所。
多くの生き物屋を魅了してやまないその島は、沖縄より近く、しかし飛行機代は沖縄より高値い(笑)

観光客は少なく、深い巨木の森に覆われたその島。
そして、私の第二の故郷とも言うべき島。


じゃあ、ちょっと虫採り行ってくる!

オオキンカメムシ

オオキンカメムシ

先日の房総採集記(→オレンジと赤と)にも登場した、このいかにも南国チックな派手な色彩の虫は、オオキンカメムシ
本州南部以南に生息する大型のカメムシで、以前の紹介したナナホシキンカメムシと同じくキンカメムシ科
(→ナナホシキンカメムシ)。
ただ、ナナホシキンカメよりかなり大きく、♀では100円玉ぐらいの大きさがある。
日本のカメムシとしてはかなりの大型で、初めて見た時にはその大きさにかなりビックリした。

オレンジに黒の斑紋が入り、更に表面は油膜のように紫色の金属光沢が乗るというナカナカの美麗種。
ただ、この光沢は角度や光の当たり方によって現れるので、写真に写すのは意外と難しい。
できるだけ浅い角度(斜め横)から撮ると出やすいが…。

オオキンカメムシ(光沢)

背面の模様がどことなく人面のようにも見える辺りがちょっとおちゃめさんだが、この斑紋は個体や地域による変異がかなり大きく、黒い体にオレンジの横線が入ったように見える個体もいる。

オオキンカメムシ(斑紋変異)

また、東南アジア等では真っ黒になるものや逆に黒紋が無くなるような個体もいるらしい。
成虫で集団越冬する事が知られており、四国や九州などでは数百~千頭単位の大集団になる事もあるようだ。
生息分布の北限は千葉県の房総半島辺りだと思われ、その辺りでは個体数も少ない。
…と言っても、多い時には40~50頭ぐらい見られるんだけど。

それより北でも記録はあるけど、越冬は出来ないんじゃないか、という話。
北上したは良いけど、冬の寒さには耐え切れず…と。
房総南部では確実に越冬しており、今年の寒波でもめげずに頑張っていた。


…ちなみに陸生カメムシの仲間は揃いも揃って「クサい臭い」を出すんだけど、キンカメムシはその中では比較的マシな方。
クサいのは勿論クサいが、まぁ“異臭”という程度(近くで嗅いだらやっぱりクサいんだけど)。

カメムシ系で自分が一番クサいと思ったのは、マルカメムシ
小さいクセに、あの強烈なニオイは…

埼玉インセクトフェスティバル

来月 3月10日(土)&11日(日)、大宮ソニックシティにて毎年恒例の埼玉インセクトフェスティバルが開催されます(※写真は2011年のもの)。
毎年9月23日(秋分の日)に開催される大手町インセクトフェアと並ぶ、有名な昆虫フェア(即売会)です。

大宮フェア2012

既にご存知の方はもう説明不要ですが、知らない方のために簡単に説明しますと、
多くの個人や業者などが1~数卓ずつのスペースを借りて出店する昆虫市です。
お客さんは500円の入場料を支払って中に入り、あーだこーだと言いながら会場を回り、気に行ったモノ(虫や用品)があったらその場で購入。
値段は各出店者が自由に決められるため、市場価格よりかなり安く手に入る事もあります。
散財しやすい人は、最初に予算を決めておいた方が良いかもしれませんね。
その一方で、値段との折り合いで迷いに迷って購入したら別の人の所でもっと安く売っていた、なんて事もあったりします。
でも「もっと安いのがあるかも」と会場を回っているうちに最初のが売り切れてしまう事もありますので、なかなか難しい。
その辺を含めて「市」を楽しみましょう。
フェアはネットオークション等とは異なり実際に虫を見て選べますし、購入したら意外なオマケを付けてくれることもあります(必ずではないので、期待はしないように)。
販売主とも直接話せますので、飼育や標本作製のテクニックなんかを聞いたり、仲良くなれば「まとめて買うから少し値引いて」なんて交渉をしたりもできます(…値引いてくれるかどうかは相手次第ですが(笑))。
また販売者や来客の中には業界で有名な方も結構いますので、そういった方とお近付きになるチャンスでもあります。

ちなみに、秋に開催される大手町インセクトフェアは毎年9月23日の秋分の日と決まっていますが、埼玉インセクトフェスティバルは2~3月と毎年開催時期はマチマチ。
日程は要注意です。


で、その埼玉インセクトフェスティバルですが、
3月10日(土)はカブト・クワガタの生き虫中心の日で、国産・外産様々な生き虫が並びます。
飼育中心の方は、こちらの日がオススメ。
意外な出物があるかもしれませんし、ケース・マット・ゼリーなどの飼育用品を売っている人もいますので、ついで買いにも良いです。

3月11日(日)標本中心の日で、こちらはカブト・クワガタだけでなく、様々な甲虫やチョウ、トンボ、ハチ、時にウデムシ(昆虫じゃない)など様々な虫の標本が並ぶ即売会です。
世界各国の珍種・奇種が並びますので、見ているだけでも楽しいです。
また標本箱や昆虫針などの用品を売っている人もいます。
標本に興味があるなら是非オススメです。

なお、日によって開場時間が異なりますので、詳細は以下の公式ページをご覧下さい。

<リンク>
第18回 埼玉インセクトフェスティバル


…で。
3月10日(土)の生き虫中心の日に、私もちょっとだけ出店します。
ドルクスグッズ(→ドルクスグッズ)という業者さんのスペースを間借りする友人(「BE-KUWA」にてマイナー種の飼育ばっかり書いてる「マニアの(ほの暗い)穴」の連載著者です。飼育ギネスの審査員もやってるんで、名前を知ってる人も多いかも?)のスペースを更に半卓ほど間借りして、標本教室の宣伝を兼ねて標本作製実演をする予定。
“飼育の方にも標本作製の面白さを少し伝えられたらな”という事で、周囲で生き虫が売られている中、もくもくと展足をやってる予定です(笑)
まぁ、「ブログ主の虫けら屋ってヤツの顔をちょいと拝んでやろう」って方がおられましたら、是非お立ち寄り下さい。


…ちなみに、11日(日)標本中心の日は、お客として会場をプラプラしている予定です。
自身は標本派なんで、自分の好みで言えば標本中心の日の方が面白いのです…(^^;

オオシモフリスズメ

オオシモフリスズメ

長野県の飯田市を分布の北限とする日本最大のスズメガで、春に現れます。
風に舞う桜吹雪をセピア色に閉じ込めたような翅は渋い格好良さがあり、春の華やかさを体現するのがギフチョウなら、春の渋さを体現したのがこのオオシモフリスズメ。
春、昼の主役がギフチョウなら、夜の主役はこのオオシモフリスズメと言えます。

オオシモフリ翅

大型種の多いスズメガの中でも巨大さは群を抜いており、開張(翅を開いた時に、左右の翅の先から先までの長さ)は15cm以上にもなります。
手に乗せるとこの通り。

オオシモフリ掌

しかもこのオオシモフリスズメ、捕まえるとチューチューと鳴くんです(笑)
初めて採った時は私も「おお!本当に音がしてる!」と感動しました。

彼らはギフチョウと同じく早春のまだ日陰に残雪が残るような時期に現れます。
産地では灯火にもよく飛来し、発生ピークに当たるとこの大きな蛾がボトボトと灯火の下に落ちている事もあります。
特に飯田市にある某コンビニの灯火は蛾好きの間では非常に有名で、「飯田の○○」と言えば蛾好きなら誰でも「ああ、あそこね」と場所が分かるほど。
発生時期には頻繁に採集者が訪れます。

ちなみに彼らは休む時にはなぜか腹部を反り上げて止まるクセがあります。
これは他のスズメガでは見られない特徴なのですが、腹部を木の新芽か折れ枝にでも見たてているのでしょうか…?

オオシモフリ静止

さっそく展足

アカオサムシ展足

先日採ってきたアカオサムシ等をさっそく展足。
以前に御紹介した、展足板を使ったカット綿展足です(→カット綿展足)。
普段はタトウで一度乾燥させてから軟化して展足するんですが、今回は生のまま展足してしまいました。
展足の所要時間はテレビを見ながらで(^^;)1時間強、というトコロ。

見ての通り、押さえ針を使用したのは3頭だけ。
他は全てトゲやツメをカット綿に引っ掛けるだけで整えてます。
それでも、この程度の形には展足できるんですよね。
クワガタ等こだわりたい虫には針展足をしますけど、それ以外の虫はこのぐらい出来れば十分だなぁ…と(個人的には)。

押さえ針を僅かしか使わないので1頭あたりのスペースを取らず、小スペースで多くの虫を一度に展足できるのも利点。
…これ、普通の針展足をやってたら、倍以上のスペースと3倍以上の展足時間が必要になります。

上段6頭+下段左2頭はアカオサムシ、その隣からオオゴミムシ、スジアオゴミムシ、オオキンカメムシ♀・♂。

…ちなみにこのオオキンカメの♀は奇形なんですが、この写真ではまず分からないですね。
いずれまた「奇形シリーズ」でご紹介したいと思います。

オレンジと赤と

2月6日。
前日夜23時頃に出発して京葉道から館山道を乗り継いでひた走り、房総半島南端に近い某所に到着。
時間はまだ深夜2時半なので、しばし仮眠を摂る。

…と、朝方カラスの声に起こされた。
空を見上げて見ると、夥しい数の鳥、鳥、鳥…!

鷹柱
…だが、よく見ると飛んでいるのはカラスではない。

トビ(鳶)だ!これが鷹柱ってヤツか!

いつぞや何かの本で読んだのだが、ある条件が揃うと多数のタカが上昇気流に乗って乱舞する事があり、それを“鷹柱”と呼ぶのだそうだ。
それにしてもモノスゴイ数だ。
写真の蚊柱のようなのが全てトビ。
しかもこれで全部ではなく、写真に納まり切っていない部分にもまだいるのだ。
100頭は超えているだろう。

とりあえず、まだ夜が明けきってはいないが、天気予報が下り坂なのでさっさと支度をして探索開始。
常緑樹の葉裏を覗きこみながら探していくと、第一目的は比較的あっさりと見つかった。


オオキンカメムシ

オオキンカメムシ!

更にいないかと探しながら歩いていくと、路上に次々と…

轢死体が見つかる。
オオキンカメ轢死

風か雨で葉から落ちた個体が、そのまま通行人に踏み潰されてしまったのだろう。

生きた個体の追加を目指して更に探す…
…のだが、まだ午前中だというのに時折雨が降る。
「予報は午後からだったじゃねぇか…」

ちなみにこのポイントは年によって個体数にだいぶ差が出るようだが、今年は豊作らしい。
探してみればあっちにも、こっちにも…

オオキンカメ色々

1時間もしないうちに40頭以上が見つかった。
もっと南の地方に行けば百や千というミッシリな大集団になるようだが、房総あたりでは40頭も見られれば上々だ。
コンデジと携帯で色々撮影し、2時間ほどで切り上げて次の目的を探し始める。

第2目標の“ソイツ”はこの時期、土崖の中に潜って越冬しているので、良さそうな崖を見つけて崩していくのだが…

ムカデ。
…またムカデ。
……小さいムカデ。
………もうひとつムカデ。
…………大きいムカデ。

ムカデ以外おらんのかいっ!

…やっと出てきたのは、見るからに手掴みしたくない感じのゴミムシ。
掘り出されたばかりの寝起きだというのに、盛んにプップッと音を立てて屁をこきまくり。
噴射物が白い霧となって見える。
採集しそびれてしまったので正確な種は分からないが、多分コホソクビゴミムシだろう。
クビボソゴミムシ科に属する、いわゆる“屁っぴり虫”。
…カメムシやゴミムシなど、自分はけっこう手掴みで採ってしまう方だが、この仲間だけは勘弁だ。

それにしてもあまりにムカデばかりなので少し場所を変えて見ると、今度はニホントカゲが立て続けに4頭出てきた。
…が、やっぱり狙いの虫は出ず。
これはもう場所を変えようという事で、車で少し内陸部へとポイントを変える。


細い農道に突入してその一番奥まで突っ込むと、良さそうな崖があった。
…と、その足元にオレンジ色の死骸。
「ここにもオオキンカメいるんだなぁ…」
探してみると、高い位置の葉裏に1頭付いているのが見つかった。
……が、しかし、ここでも目的の虫は出ず。


午後に入ってもう雨は止まなくなり、小雨がずっと降り続いている。
車に戻って再び地図を睨み、ポイントを選定する。
車を停めておける場所があって、かつ細い道がある場所…
………なんとか1ヶ所目星を付け、そこへ向かう。

着いてみると、悪くはないが、今までのポイントと比べて特に良いとも思えない環境。
“これぞ!”って崖も無いし…と歩いていたら、道脇に少しだけ土崖があった。
“あまり期待は出来ないかもしれないが、ダメ元でとりあえずやってみるか…”と崩してみたら…






アカオサムシ-1
出た。
…更に崩してみたら、また出た。

アカオサムシ
…と言っても、色彩以外は普段見られるアオオサムシとちっとも変わらないのだが(…ってまぁ、エサキもオオオサも皆同じような形してるんだけど)。
でも今分類がどうなってるのか、よく分からんのよね…。
基亜種の一派に含まれてるの…?


…それにしても、どうにも自分はオサ掘りの勘が無いらしい。
一生懸命掘った場所で何も出ないのに、期待しないでダメ元で掘った場所からポロポロ出てくる。
んで、勘を掴んだ気になって近くの別の崖を掘ってみたら、やっぱり何も出ない。
う~ん…う~ん……

結局その1ヶ所の崖で8頭出てきたが、そこ以外では見つからず。
掘っていたらいきなり鮮やかな黄緑色が出てきてビックリしたらカエル(笑)

越冬カエル
シュレーゲル…でいいのかな?(自信無いけど)

両生類も冬は崖などの土に潜って越冬するものが多く、以前に三浦半島でトウキョウサンショウウオを掘り出した事もある。
とは言え両生類を持ち帰る気はないので、元いた辺りに戻しておく。
で、“8頭採ればもういいかな”と採集を切り上げて車に戻った途端に雨が本降りに。
…なんともギリギリのタイミングだった。

結局雨には降られているので“良かった”とは言えないが、まぁ採集中に本降りにならなかっただけマシだったと思っておこう。

…時間はまだ14時半過ぎだったが、雨は弱まりそうにないのでそのまま帰途に就いた。

書籍『日本の国立公園』

日本の国立公園

書籍『日本の国立公園』
財団法人 自然公園財団 編, 2009.(?)
A4, 127pp. 2,000円

私たちの日本は、北東から南北に弓なりに細長く連なり、亜寒帯から亜熱帯、海抜ゼロメートルから3000mを越える山岳地まで、多種多様な自然に恵まれ、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。
そのなかで、特に日本を代表する優れた自然の風景地は、国立公園に指定され、未来に引き継がれるよう保護されるとともに、やすらぎ、学び、ふれあいの場として利用されています。
この世界に誇れる日本の国立公園・全29ヶ所を、それぞれの特徴や見どころを簡潔な文章と美しいカラー写真、そして詳細な地種区分地図で紹介しています。


…というのが、本書を発行した財団の売り文句。

で、ここからは個人的な意見。
…既に発行されてから2年ぐらい経過している本なのでご存知の方もいるかと思いますが、自身が「おおっ!」と思ったので是非紹介させて頂こうかと。
Amazon等ネット通販では扱っていないようなので、欲しい場合は財団に直接申し込むか、「昆虫文献 六本脚(→リンク)」という昆虫系書店なら販売しています。
あと、池袋のジュンク堂書店では売ってました。


この本の最大の利点は何と言っても地図
財団の売り文句にもある通り、各国立公園の詳細な地種区分地図があり、特別保護地区、第一種・第二種・第三種の特別地域、普通地域、更に乗り入れ規制地区まで色分けされた地図が載っています。
それも、大きな地域だけでなく、御蔵島のような小さな島までちゃんと載っているのです。

つまり、これを見れば国立公園内で昆虫採集が可能な地域かどうかが一発で分かる、というコト。

…昆虫採集が禁止されている「特別保護地区」の地図については、今まではずっと昔にむし社から出た「昆虫採集禁止種・地区一覧(全4巻)」ぐらいしか資料がなかったのですが、今回の本により2009年時点での地種区分がハッキリと分かります。
奥付に発行日がないため正確な発行日時は分かりませんが、2009年3月31日時点でのデータらしいので、発行はそれ以降なのは間違いないかと。

惜しむらくは、載っているのが国立公園のみであり、国定公園については調べられないという点。
まぁ書籍タイトルからして「日本の国立公園」なのだから仕方ないのですが、どうせなら国定公園も詳細地図が欲しかった、というのは虫屋のワガママですかね。
(…なので、大好きな奄美諸島は全て「国定公園」のため、本書には一切載っていないんです。)


<リンク>
財団法人 自然公園財団-「日本の国立公園」


…ちなみに。
この本で調べられるのは、あくまで「特別保護地区」という採集禁止地域のみであり、それ以外の、特定の種を保護するための禁止地域や自然公園法以外の法律や条例による禁止、天然記念物等の種指定での採集禁止等については調べられません。
なので、あくまで調べるための文献のひとつであり、これ一冊で全ての採集禁止が調べられるワケではありませんのでご注意下さい。
この本は、あくまで国立公園を紹介するための本であり、虫屋のために作られたものではありませんので…。

ツチイナゴ

ツチイナゴ

イナゴに近い仲間ですが、より大型で、色は褐色型のみ。
日本のバッタの仲間では珍しく成虫越冬する種で、早春から姿を見られます。
早春、まだ枯れ草だらけの原っぱを歩いていると突然トノサマバッタのような大型のバッタが飛び立って驚かされる事がありますが、それがこのツチイナゴです(※他にもクビキリギスなど何種か成虫越冬するバッタの仲間はいます)。

ちなみに、ツチイナゴの♀はトノサマバッタの♂ぐらいの大きさがあり、形も比較的似ているため、もう面白いぐらいにトノサマバッタに間違えられます。
インターネットで見ていても、結構ツチイナゴをトノサマバッタと勘違いしているのが見つかります。

ちなみに、本物のトノサマバッタ(褐色型)はこんなの。

トノサマバッタ

見比べてみると、結構違いますよね。
ツチイナゴの方が全体的に模様がシャープで、トノサマバッタは翅の模様が細かいです。
複眼の下の帯模様も異なっています。
なお、トノサマバッタは卵で越冬するため、成虫が現れるのは初夏頃からです。


…ところで、個人的には、

・トノサマバッタ → 仮面ライダー1号(&2号)(画像
・ツチイナゴ   → スカイライダー(画像

…だと思ってるんですが、いかがなものでしょうか?(笑)
まぁ、スカイも緑色なんで、ツチイナゴとは色が違うんですけどね。
(※リンクはどちらもyoutube動画(OP or ED)です)

国立公園=昆虫採集禁止か?

今回はちょっと小難しい話になりますが、採集に関わる重要な事なので書いておこうかと。


時々、「国立公園は昆虫採集禁止」なんて話を見聞きする事がありますが、これは本当でしょうか?

…先に答えから言ってしまえば、実は「NO」です。

昆虫採集が禁止されているのは国立公園の中でも特別保護地区のみであり、それ以外の地域では基本的には昆虫採集は禁止されていません。

日本の国立公園は「自然公園法」という法律に基いています。
当初は「国立公園法」という法律がありましたが、この法律は1957年(昭和32年)に現在の「自然公園法」制定に伴い廃止されました。
そんなワケで、国立公園に関わる現行法は「自然公園法」になります。

自分も自然公園法全般について語れるほど詳しいワケではないので、ここでは「昆虫採集の可否」に関する部分に焦点を絞っていきましょう。

国立公園は、その中を更にいくつかの地種区分に分類されています。
まず大きく「特別地域」と「普通地域」に大別され、特別地域はその中で更に「特別保護地区」「第一種特別地域」「第二種特別地域」「第三種特別地域」の4つに分類されます。

(1)特別地域
  1.特別保護地区
  2.第一種特別地域
  3.第二種特別地域
  4.第三種特別地域
(2)普通地域
  1.普通地域

この中で、昆虫採集が一切禁止されているのは特別保護地区のみになります。
自然公園法で言うと、

第二章 国立公園及び国定公園
第四節 保護及び利用
第二十一条
3
特別保護地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。

…の行為として挙げられている中の「九  動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。」になります。
ここでいう動物は脊椎動物だけでなく無脊椎など全ての動物が含まれるため、昆虫もその中に入るということになります。
つまり、国立公園の特別保護地区内で採集しようと思ったら環境大臣の許可が必要という事であり、黙って採集すれば当然法律違反という事になります。

ちなみに第一種特別地域以下の特別地域についてはこの条文はなく、基本的には採集は禁止されていません。
「ここは国立公園なんだから昆虫採集は禁止だ!」なんて仰る方がたまにいますが、これは間違いという事になります。

…ただし、

第二章 国立公園及び国定公園
第四節 保護及び利用
第二十条
3
特別地域(特別保護地区を除く。以下この条において同じ。)内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。


…の行為内に、「十三  山岳に生息する動物その他の動物で環境大臣が指定するものを捕獲し、若しくは殺傷し、又は当該動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。」という一文があり、環境大臣によって指定された種については特別保護地区外の特別地域でも採集できません。
つまり、基本的には禁止されていないものの、何でもかんでも採って良いというワケではないという事です。

まぁそんなワケで、国立公園内において昆虫採集全般が禁止されているのは特別保護地区内のみという事になるワケです…………が、しかし。
だからと言って辺り構わず無茶な採集をすれば当然他の方からの反感を買い、場合によっては他の法律や条例等で採集を禁止されてしまう事も考えられますので、法で許されているからと言って無茶はいけません
特に離島などの限られた地域の場合、島民の反感を買えば簡単に採集禁止にされてしまいます。
御蔵島やトカラ列島が良い例ですね。
あれらの島の採集禁止は、完全に採集者の無茶が原因です。

また、昆虫採集は禁止でなくても、木竹の伐採は第一種特別地域以下の特別地域でも禁止されていますので、木を切るような無茶をすればそこで法律に抵触しますし、そこまででなくてもゼフィルスの採卵で新芽を取ったり、トラップ設置や採集で植物を傷付けたりすれば、それが指定植物だった場合には禁止項目「指定植物の損傷」に抵触する事になってしまいます。
更に、土中に生息するような虫の場合、餌として土を持って帰ると、これが「特別地域での土石を採取禁止」に抵触する可能性も十分に考えられます。
例えば、八重山にはチャイロマルバネクワガタなんてクワガタがいますが、石垣島の主だった山のほとんど(バンナ岳・前勢岳を除く)は特別地域(特保~第三種まで色々)に指定されており、幼虫持ち帰り用に現地の山の土を持って帰ると、昆虫採集は良くても土石の採取として法に抵触する可能性が出てくるワケです。

とどのつまり、特別保護地区以外の特別地域では、昆虫採集自体は良くても、採集の過程で植物を傷付けたり土砂を採取したりすれば、それによって法に抵触する可能性が出てくるという事です。


…そういった事を踏まえ、特別保護地区以外は採集禁止ではないと言っても無茶はせず、気を付けて他の利用者と共存しながら楽しく採集を続けましょ、と。

法律全般を読んでみたい方は、以下のリンクをどうぞ。

<リンク>自然公園法



…あ、ちなみに。
特別保護地区内での無許可禁止事項には「二 木竹を損傷すること。」「七 木竹以外の植物を採取し、若しくは損傷し、又は落葉若しくは落枝を採取すること。」という一文もあり、つまり生えている植物の採取は勿論のこと種子(どんぐり等)落ち葉一枚(モミジなど)拾って帰ることさえ許されていません
特別保護地区外でドングリ拾いやモミジ拾いをしながら「国立公園は虫採り禁止でしょ」とか文句を言う人には、「ここが昆虫採集禁止なら、モミジ拾いだって禁止のハズですよね?」とハッキリ言い返すことができます。

…まぁ、だからって逆手に取ってケンカする必要はないですけどね(笑)
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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