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シロスジカミキリの羽脱

先日の神奈川里山採集(→記事)の最後に登場したシロスジカミキリ。
幸運にもその脱出の瞬間を観察することが出来たので、今回はその記事を。

採集に行ったのは5月13日(月)。
例年より発生が早いとの情報を受け、昨年より少し早めに行った。
ウマノオバチは寄主であるシロスジカミキリを狙ってカミキリに食害された木に飛んでくるので、必然的にシロスジカミキリに荒らされている木を見て回ることになる。
ウマノオバチの発生時期は5~6月頃が多く、この頃というのはシロスジカミキリの新成虫が出てくる時期でもある。
そうすると、運が良いとこういう場面に出遭う。
シロスジ脱出前
今回も、ちょうど新成虫が中から木を齧って穴を開け、脱出しようとしている所だった。

シロスジカミキリの幼虫は生きたクリやコナラの木などを食べる。
そして、そのまま木の中で蛹になり、羽化して成虫になると木を齧って中から出てくる。
それがちょうど今頃なのだ。

最初に穴を開けているのを見つけたのが2時半頃だったろうか。
それからまたウマノオバチを探索して再び同じ木に戻ってきたところ、脱出口はたいぶ広がり、もうそろそろ成虫が脱出しそうな様子だった。
「これなら脱出の瞬間の写真が撮れそうだな!」

彼らは、思っていた以上に脱出用の穴を丁寧に開ける。
堅い木の中で育つシロスジカミキリにとって、幼虫時代は(キツツキやウマノオバチなどごく一部のものを除けば)比較的安全だ。
むしろ、最も危険なのは脱出の瞬間。
抜け出る際に体が引っ掛かったりして動けなくなると、あっと言う間にカラスなどに襲われてしまう。
そのため、スムーズに出られるように少しでも引っ掛かりそうな部分はその立派な大アゴで何度も齧ってきれいな丸い穴にする。
そうして十分な大きさの穴を開けたら、外の様子を伺い、安全だと判断したら穴から脱出する。

穴がきれいな円形になり、いよいよ脱出間近となる。


…が、ここからが長かった

自分が脱出口の目の前に陣取ってしまったせいか、カミキリが警戒したのか穴の奥(と言っても数cm程度だが)に入ってしまった。
しばし待ってみるが、入口近くまで来るもののまた戻ってしまう。
向こうは私に警戒して出て来ない、こちらは早く出てきてほしい。
…自分とカミキリの根競べである。
しかし、もしここで「まだ出そうにないから30分休憩」とかいってその場を離れると、カミキリムシはあっと言う間に羽脱してしまうだろう。
できるだけ相手に気配を感じさせないようにしながら、じっと待つ。

…膠着したまま1時間が過ぎる頃、ようやく、やっと、ついにシロスジカミキリが脱出を開始する。
仰向けになって少しずつ穴の中から顔が出てきたかと思うと、折り畳まれていた前脚・中脚が出てくる。
シロスジ羽脱-1

すると次は、特徴的な長い触角である。
引っ掛からぬよう慎重に片方ずつ穴から引き抜いていく。
シロスジ羽脱-2

前脚・中脚・触角が抜ければあと少し。ラストスパートである。
体を滑らせるようにして一気に穴の外に脱出する。体が抜ければ当然後脚も一緒に抜ける。
シロスジ羽脱-3

最後に、穴の中に引っ掛けていた後脚フ節を抜けば羽脱完了である。
シロスジ羽脱-4

1時間半も待たされて、羽脱自体はものの1分かそこら。
だが、野外での羽脱シーンなどそうそう見られるものではないし、待っただけの甲斐はあったと思う。

もし来年もまたチャンスがあったら、今度は脱出を動画で撮りたいな~…なんていう欲も出てきたりして。


※シーンを通しで見たい方は、以下。
 ↓↓↓
シロスジ羽脱
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神奈川里山採集

先日…と言っても少し前、5月13日(月)に、神奈川県某所に軽く採集に行ってきた。
狙いは、先日紹介したウマノオバチ(→記事)。

…まぁ紹介しているからには採れているのだが、他にも里山の虫達を色々見られたので写真を散りばめつつ軽く採集状況をば。

深夜に車で自宅を出発し、まだ日も明けぬ頃にポイントに到着する。
車の窓を開けると濡れた緑の香りがしてとても気持ちが良い。
しばし仮眠をとり、日も昇って9時頃から動き始める。

主目的であるウマノオバチは重役出勤で昼頃にならないと動き出さないので、まずは色々歩き回る。
ミズキがちょうど満開で、ノイバラは2~5分咲きという所。ノイバラは満開になるとこんな感じになる。
ノイバラ
どちらも色々な虫が集まる花で、ハナカミキリやジョウカイ、アブなどが狙える。

ミカン畑を歩いてみると、ナミアゲハ、キムネクマバチが目に付く。
クマバチは大型のハチだが気性は非常に大人しく、こちらが掴みでもしない限りまず刺さない。
まして土手などで停空飛行(ホバリング)しているのは♂なので、絶対に刺さない…というか刺せない。
アゲハ・クマバチ・クロギン
貯水マスにはクロスジギンヤンマが飛んでくる。
普通種だが、複眼と腹部に青をあしらった美しいヤンマだ。

バラに来ているコアオハナムグリやハルジオンの花を食べているヤブキリの幼虫を見ながら採集を続けると、クリ畑でシロスジカミキリの新成虫。
小型のシロスジカミキリ
よく見ると背中にまだ湿った木屑が付いており、おそらく木から出てきたばかりなのだろう。
掴むと独特のギィギィという威嚇音を出して嫌がるので、そっとリリース。

水田周辺で飛び交う青白いトンボは、シオカラではなくシオヤトンボだ。
シオヤトンボ

お昼頃になりようやく待望のウマノオバチが飛び始める。
だが、随分と小さい。昨年採集した個体より遥かに小さい。
こういう変異のあるもの大好きなので採集採集♪
…ちなみに、ウマノオバチは華奢な外見に似合わず案外気が荒く、同種と出くわすとすぐにケンカする。
おそらくは寄主の奪い合いなのだろうが、生かしたまま複数頭を一緒にしておくとその長い産卵管を噛み合ってボロボロにしてしまうので、採集する時は1頭ずつ別にしておいた方がいい。
…採れたのが1頭だけなら良いが、複数採れて大喜びしていると、後で泣きを見ることになる。
小型のウマノオバチ
今回は最初からそれを見越して、ジップロックを何枚も持ってきている。
次いでヒメウマノオバチも飛来するが、こちらは姿は良く似ているものの産卵管は非常に短い。
ヒメウマノオバチ

クリ園で、脱出しようと齧って穴を開けているシロスジカミキリを見つける。
だが、ここで無理に引っ張ってもカミキリは採れず、無駄に傷めたり下手をすれば死なせてしまう。
とりあえずは放置しておく。

日当たりの良い場所に材が積んであるのでカミキリでも来ていないかと見てみると、ホタルカミキリが何十頭も歩き回っている。
ホタルカミキリ
…んが、ホタルカミキリだけ
他はハナカミキリやトラカミキリすら来ていないのは一体ナゼ…?
あまり採集したことのない種なので嬉しいは嬉しいのだが………不思議。

…午後2時を過ぎた頃だろうか、一休みしていると原付のエンジン音がしたので“もしや…?”と思って行ってみると、このポイントの近くに住んでいるMさんであった。
少し話をして、それぞれ別の場所へ。

ミズキの花ではベニカミキリとアオジョウカイが運動会。
ベニカミキリ・アオジョウカイ
ベニカミキリは最近ではほとんど採らなくなってしまったが、♂はわりと触角も長いし、色も美しいので初めて採った時にはナカナカ嬉しかった虫である。

昼下がり、次第に雲が増えてきてしまう。
陽が射していないとウマノオバチはあまり飛ばなくなってしまうので、ならば既に産卵に入っているヤツはいないかと少し離れた場所にある放棄クリ園を見に行くと…

いた!
ウマノオバチ産卵
まさに産卵中。
長い尾は木の中に射し込んでしまって見えないが、いかにもな構図だ。
何枚か写真を撮ってから、じゃあ採集するかとつついてやると、慌てて逃げ出そうとするのでそこを捕まえ、慎重に産卵管を抜く…

…と、これが思った以上に長い。
帰宅後に定規で測ってみると、全身で22cmもある特大サイズだった。
ウマノオバチ22cm
尾の長いウマノオバチと言えど、20cmOVERは少ないと思われ、22cmというのはかなりの大物。
更に同じ木に20cmぐらいの大物も産卵していてヒャッホウ!てな感じ。
離れた木で小型のもう1頭も追加してホクホク。

さて昼過ぎに見つけた脱出中のシロスジカミキリを見にいってみると、穴も広がって羽脱間近に見えた。
ならば脱出の瞬間を撮影しようと穴の前に陣取って待つ。

…。

……。

…………。

……………………。

…………………………………………。

……カミキリはそこから1時間も粘り、こちらがもう諦めて帰ろうかと思い始めた頃にようやっとやっと出てきた。
詳細は近いうちに別記事で書きたいと思うが、まさかここまで待たされるとは…。

一応脱出の瞬間の撮影はできたので、満足して帰途に就いた。

短報載りました

コガネムシ研究会という会が発行する鰓角通信(さいかくつうしん)」という雑誌に、私の短報(たんぽう)が載りました。

「短報」というのは、その名の通り短い報告記事。
採集記や分類・生態研究など数ページ以上に渡るものを報文といい、1ページ程度の簡単な(?)報告文を短報といいます(※専門雑誌に掲載されている物)。

…実は、短報を投稿したのは今回が初めて(報文は未経験・投稿予定)。
短報クラスのネタはいくつか抱えているのですが、実際投稿したコトは今までありませんでした。
なので、実際に自分が書いた記事が掲載されたのを目にして嬉しいやら恥ずかしいやら、「じじじ自分なんぞがこんな方々と同じところに記事が載ってて良いのだろうか!?Σ(゚Д゚;)」と恐縮するやら。

鰓角通信 No.26(コガネムシ研究会)
2013年4月30日発行


・久米島および渡名喜島のケブカコフキコガネについて
・奄美大島にてケブカコフキコガネ♀を採集
・山梨県にてカナブン黒色型を採集


同じ号に一気に3編。
詳細内容はここでは書きませんが、まぁタイトルから内容はだいたい分かって頂けるかと。

…で、掲載誌が発行されましたので1件ネタばらしをしてしまいます。
昨年末に行った久米島(→記事)ですが、ケブカは非常に少なかったと書きました。
確かに非常に少なく、死ぬほど苦戦したのですが、実は♀を1頭採集できました
もちろん久米島初記録。
その標本は御助力頂いた方の元に嫁入りしましたので私の手元にはありませんが、採集時に貴重な生態写真を撮影できましたのでここで公開。

久米島産ケブカコフキコガネ♀の生態写真
久米島産ケブカ♀

発見した場所が非常に条件の良い場所だったので、手を出す前に撮影する事が出来ました。
昨シーズンはケブカの発生がかなり早かったため、この♀もややスレた個体でした。

また、久米島産のケブカコフキは♂の変異が非常に激しく、サイズもさることながら色彩はやんばる個体群よりも更に大きな変異を見せます。
久米島産ケブカ♂
稀に鞘翅(上バネ)がクリーム色に近いような薄く明るい色彩の個体(写真左)も見られ、ここまで明るい色彩の個体はやんばるでも見られませんでした。

沖縄本島ではやんばると中南部で少し色がサイズの傾向が異なりますが、久米島の個体群は両方の性質を持っているようにも思えます。
おそらくケブカは沖縄本島から久米島に入ったのでしょうから(あくまで想像ですが)、本種が久米島に入り込んだ頃は、まだ沖縄本島のものは南北で分かれ始める前だったのかな、なんて想像もできます。
色々と想像を巡らせてみると面白いですね。


コガネムシ研究会HP
http://www.kogane.jp/

ウマノオバチ

木の穴にとまっているオレンジ色のハチ。
このハチは寄生蜂(きせいばち・きせいほう)の一種で、ウマノオバチという。
ウマノオバチの産卵
一見すると「穴から出てきました」というふうにも見えるが、実際はそうではない。
お尻を穴の中に突っ込んでいるのだ。

良く見ると、お尻の先から黒い線が1本出ているのが分かるだろうか?
これが実は産卵管という卵を産むための管で、これを木の中に射し込み、木の中にいるカミキリムシの幼虫に卵を産み付けるのである。

さて、ではその産卵管がどのくらい長いかというと…

ウマノオバチ
このくらい長い

個体差はあるが、産卵管を含めた体長は特大クラスになると20cmを優に超える。
長さだけで言えば、ヘラクレスオオカブトムシのギネス個体より長いという事になる。

この長い長い管を木の中に射し込み、奥にいるカミキリムシ(主にシロスジカミキリ)の幼虫に卵を産み付け、孵化した幼虫はそのカミキリムシの幼虫を食べて育つ。
…ちなみに、図鑑などに出てくる標本写真では、このハチの産卵管は3本の髪の毛のようなものがクリンクリンに丸くなっていることが多い。
これは、実はこの産卵管がU字型の2本の鞘と中心の1本の本体の計3本が合わさってできており、乾燥させるとこれがバラバラになって丸まってしまうため。
生きている時は1本の産卵管となっていて、この長い尾(産卵管)を馬の尾に見立ててウマノオバチという名が付いている。


この珍妙な姿のハチは、残念ながら現在その数を減らしつつある。
寄主となるシロスジカミキリやミヤマカミキリは里山に生息する大型カミキリムシ。しかし、近年の農業の衰退や里山の管理放棄により、寄主となるカミキリ虫自体が少なくなり、それに寄生するウマノオバチは尚更少なくなってしまっているのだ。
私が採集に行っている場所では逆に近年増えているが、それは放棄されたクリ畑などで一時的にシロスジカミキリが増えているからで、これが更に時間が経ってクリ園が森に埋もれていけばカミキリムシも少なくなり、やがてハチも減ってしまうだろう。
…難しいのかもしれないが、このハチがいつまでも見られる環境であって欲しいと思う。

ミヤマカラスアゲハを採集に(2)

昨年(→記事)と同じ場所に、今年もミヤマカラスアゲハを狙いに行ってきました。
前情報で既にボロも多いという話が入っており、鮮度は望めそうにない。
完品の個体がいくつか採れれば…というトコロかな。

ようやく東の空が赤くなり始めた頃に家を出て、駅へと向かう。
まだ暗い朝

電車を乗り継ぎ登山をし、朝7:00に現地駅着。
そこから山に向かって歩いていくと、足元にトンボが。
時期的にもしやムカシトンボかと期待するが、残念ながらサナエさん。
ダビドサナエ?
ダビドサナエだろうか。
まだ羽化したばかりで体も固まりきっていない個体だったが、何枚か撮影したらフラフラと飛んでいった。
更に途中でトラフシジミの春型を見るが、網を出した途端に飛んでいってしまった。

さてエンコラエンコラ山を登って朝8:15頃にポイント山頂に着くと、もう青い網を持ってスタンバッている人がいる。
Mさんから話を聞いていた、Mさんの後輩の学生さん…なのかな…?
軽い挨拶をしてこちらも赤ネットを準備していると、その方が
「もしかして、虫けら屋さんですか…?」
と話し掛けてくる。

バレとる!(笑)

…話をしてみると、なんとtwitterの方で相互フォローしている方であった。
やはりMさんの後輩の方で、その方と色々な虫話をしながらミヤマカラスアゲハが飛来するのを待つが、これが一向に現れない。
気温がまだ上がっていないのと風が強いせいで、黒いアゲハの姿が全く見えない。
キアゲハが1頭フラフラと飛んでいるだけ。

1時間待ってもミヤマカラスのミの字も飛んで来ないので、キアゲハが完品なら採ってもいいかなぁ~なんて思ってネットインしてみるが、翅の一部が欠けている。
…自分だけなのかもしれないが、どうもキアゲハというヤツは完品が採れない。
時々見掛けるチョウなので完品ぽいのは一応採ってみるのだが、よく確認するとみんな翅の一部が欠けている。
キアゲハの完品標本は多分1頭しか持っていないんじゃないだろうか。

…と、10:00を過ぎた頃、いきなり目の前に黒いチョウが躍り出る。
慌てて振り逃してしまったが、目的のミヤマカラスアゲハに間違いなかった。
「やっと飛び始めたか!」
次に来た個体は上手くネットイン!
ミヤマカラス2013
鮮度はさほどでもないが、欠けはナシ。
赤紋がそこそこ発達して後翅の青味が強い美しい個体だ。

…その後、わずかずつは飛んでくるものの、思った以上に数が少ない。
その上、突然現れるものだかどうしても反応が遅れたりしてネットインできず。
向こうはなんとか2♂を採集。
あちらはお昼に山を下り、自分はその後も粘ってみる。

突如飛び始めた超っ速(ちょっぱや)のチョウ。
春型のスミナガシだ。
夏は樹液などでよく見掛けるが、春型は意外と採りづらいチョウだ。
あまりの速さに目で追い切れないが、たまたま近くの葉にとまってくれたのでネットイン。
スミナガシ2013
画像では確認しづらいが、真っ赤なストローが特徴的なチョウだ。

その後15:30頃まで粘るもネットインできるのはボロボロのミヤマカラスだけ。
ミヤマカラス2013ボロ
これではちょっとキープする気にはなれない。
そうこうするうち、いつの間にかキアゲハすら姿を消してしまい、諦めて下山。

まぁ正直言えば完品4~5頭を目標(なんとなくだけど)にしていたのだが、蓋を開けてみれば1頭だけ。
採れたその1頭がなかなかキレイな個体(色彩的に)なので良いと言えば良いのだが…

また来年以降に再挑戦、かな。

初心者向け昆虫採集・観察会(2)

~今回は告知~

6月1日(土)、埼玉県の秋ヶ瀬公園にて初心者向けの昆虫採集会を行います。

「虫採りってどうやるの?」という方から始められるよう、捕虫網の使い方からお教えします。
時期的に春~初夏の虫が入り混じる時期ですので、珍品はともかく虫自体は多い時期だと思います。
チョウだとアゲハチョウやアカボシゴマダラ、トンボではクロスジギンヤンマやコシアキトンボなど、他にもハムシなどの甲虫類も出ている時期です(採れるかどうかは腕次第…?)

詳細&申込は以下の日本昆虫協会HPまで。
  ↓↓↓
日本昆虫協会 主催 初心者向け 昆虫採集・観察会:

なお、今回の採集会は公園側にも話を通してありますので採集自体は全く問題ありませんが、開催において「学習」を主目的に置いていますので、「クワガタ大量に採ったるぞ!」とかは申し訳ありませんがご遠慮下さい。


…私個人的には、「多数採集」を一概には否定しません。
私自身も種によってはかなりの数を採集していますし、少数では分からないものが多数採集する事で見えてくるものもあります。
個体変異の幅、地域変異、種や個体群としての生態などは多数の個体を観察しなければナカナカ分かりません。
1~数頭採集しただけでは、それがたまたまなのか必然なのかも分からないワケです。
そんなワケで、(採りっぱなしで標本にもせずに捨てるようなのは言語道断だとは思いますが)採集した個体をきちんと標本にし、標本や採集自体から何かを学べるのなら、多くを採集する事自体を否定はしません。

…が。

今回の秋ヶ瀬公園採集会は、そういうのが目的ではなく、あくまで「採集の仕方・採集の楽しさ」を知ってもらうのが目的です。
無論、普通に色々採集してみたい方などは大歓迎です。
要するに、一般の方から見て「ちょっと採り過ぎてません?」て言われそうな採集は今回はナシね、というだけの話です。
「2頭採ったなら1頭は逃がしなさい」とか、そこまで厳しい話ではありませんので、ご安心下さい。


「昆虫採集に興味があるけど、道具とか採集のやり方とかよく分からなくて…」とか「うちの子供が虫に興味を持ったんだけど、自分はよく分からないから…」なんて方、ぜひご参加下さい。



~5/8追記~
翌6月2日は、むし社にて標本教室を開催します。

① 13:00~15:30 クワガタムシ標本作製 基礎編
② 16:30~19:00 クワガタムシの展翅展足

詳細・お申し込みは以下の日本昆虫協会HPの標本教室ページよりお願い致します。
 ↓↓↓
日本昆虫協会:標本の作り方を学ぼう

3月、徳之島遠征(6)

3月8日
最大の目標であったケブカ♀も採れ、心は軽い。
まずは昨日採集した虫を整理する。
ビンからケブカコフキを取り出してジップロックに移し替え、代わって濡れティッシュに入れていた糞虫たちをビンへ。
…本当は糞虫は体内の糞を排泄させるためにも数日間は生かしておくのが良いのだが、それだけの容器の余裕がない。

…で、ふと気付く。

なんかケブカ♂がデカくなってないか?

5日夜に採れた個体に比べ、平均サイズが上がっているように見える。
確かに1円玉級の小さな個体もいるのだが、普通サイズの個体が増え、更に沖縄中南部級の特大サイズがポツリポツリと混じっているのだ。
クワガタなんかだと発生初期は小型個体が多く、大型の個体は後から出てくる場合があるが、ケブカでもそんな事があるのだろうか…?
そんな疑問を抱きつつ、いつものようにコンビニで食事を済ませ、糞虫ポイントへ向かう。

…色々考えたのだが、糞虫のトラップは今日撤去してしまおうと決めた。
帰りは9日なのでまだあと1晩あるのだが、最終日はいつも片付けなどでバタバタする事が多く、回収に手間取ると飛行機の時間すら危うくなる可能性がある。
徳之島はそう大きな島ではないので何とかなるとは思うのだが、まぁ最後は少しのんびりしたいな、と。

なので、本日は牛糞を貰わず、そのまま山に入る。
低い場所のトラップは昨日全て撤去したので、ゆっくりと山頂へ向かっていると、ふと足元に筋模様の虫が見えた気がした。
シデムシか何かかと思ったが、それにしては大き過ぎる。
なんぞ?と思って拾ってみたら、


徳之島スジブトヒラタ♀
スジブトヒラタか!!

ボロボロで体も軽く、もうじき寿命が尽きようというかなり老いた個体ではあるが、間違いなくスジブトヒラタクワガタの♀である。
う~ん…まさか3月上旬に野外で生きたスジブトと見るは思いもせなんだ…

さて、それはそうと目的のトラップはまだ先だ。
再びゆっくりと歩を進める。



…。


……。


…………。


当たった。

マルダイ多数


昨日山頂付近に移設したトラップがことごとく当たり、土の中から次々とマルダイコクコガネが出てくる。
予想以上の大当たりだった。
この大当たりを見てしまうと“もう一晩やったら更に採れる…”とか欲が出てくるが、まぁこれだけ採れたし、終わりにしておこう。
売るワケではないんだし、欲張り過ぎても仕方ない。

トラップは全て撤去し、ザルやバットも全部回収して山を降りる。
…本当は例の不愉快なプラスチックコップ等も回収しておいた方が良いのだが、バットのみで他までは回収しきれなかった。


そうして夜。
20:15に始動し、まずは昨夜♀を採った辺りを探す。
しかし、♂はポツリポツリと来るものの、♀は見当たらない。
徳之島ケブカ♂-4

…昨夜に比べると♂の数がやや少ないように感じる。
もしかすると、発生ピークを越えてしまったのかもしれない。
しかし、今までの沖縄や奄美ほどの減り方ではないので、なんとも判断しづらいところだ。

飛来する♂を採りながら♀を探していくが、見つからない。
アダンに仕掛けたライトトラップを見に行ってみると、トラップの下に何かいる。
近付いてみると、ネコである。
「あッ!この野郎…ッ!
ライトに惹かれて飛来するケブカコフキを狙って、人様のトラップの下で待ち伏せしていたのだ。
…そりゃまあネコだって食わなきゃ生きていけないのだから頭を使ったのだろうが、だからと言ってこっちがわざわざトラップ仕掛けて狙っている本命の虫を横取りされては気分が悪い。
ネコを追い払って周囲を確認するが、昨夜までならライトの近くに1~2♂落ちていたのに今日はいない。
ライトの中に飛び込んだ分のみである。
「食われたな…」

くそぅ…
…まぁしかし、最初はそのネコの糞でケブカを確認出来たのだし、その分の礼をしたと思えば…う~ん…

22:30を過ぎてそろそろ活動が終息してくる。
だが♀は見つからない。
道沿いは難しそうなのでアダン・ハマビワ林に入ってみるが、♂はいるもののやはり♀は見つからない。
しばらく探索するもやはり見つかりそうにないので、今度は森の外縁を見て回る。

…と、枯れて高さ2m程で折れたアダンに、ケブカが付いていたのが見えた。
アダンに
怪しい…と思って回り込んで近付いてみると、触角が見えない。
「♀だ!」

生態撮影…と思ったのだが、高さが微妙な上に♀が付いている場所が少々不安定。
落とすと…ロストの可能性もある。
迷った末、確実な採集を選んだ。
徳之島ケブカ♀-2

かなり小さな個体だ。
やんばるで採ったものよりずっと小さい。
こういうサイズや形に変異のある個体は嬉しい。

…その後、しばらく探しまわったものの追加の♀は見つからず、日付が変わる頃には活動が終息して静まってしまった。


3月9日は昨夜回収しなかった分のライトトラップに入った個体を回収し、終了。
時間はたっぷりあるのでのんびりと荷物整理を済ませ、島をドライブして時間を潰しつつ空港へと向かった。






~~~~~~
最終的に、今回の遠征で採れたケブカコフキ♀は5頭。
徳之島未記録の♀であるし、5頭も採れたら大成果なのであるが、生態面では今ひとつ迫れなかった感は否めない。
やはり奄美系の個体群は♀を採るのが難しい。
沖縄のやんばるで採集した時のように「こういう風に探せば見つかる」という所まで掴みたかった、というのが正直なところ。

その意味では、悔しい。

…無論成果としては十分であるとは思うが、こういう“挑戦する採集”では「採るのがゴール」ではなく、「採り方を見つけるのがゴール」だと思っている。
今一度挑戦したいという気はするが、他にもケブカを狙いたい島はいくつかあるし、森林生態系保護地域云々の件もある。

リベンジは難しいかなぁ…



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※少し長いので、以下リンクに目次ページがあります。
日を追って順に読んで頂く方は、どうぞ。
3月、徳之島遠征~目次~
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プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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