毒ビンと言えば、当ブログでも初期に紹介した
虫屋の基本アイテム(→
殺虫管)。

しかし、従来の物はガラス製で重く、また落とすと簡単に割れてしまうという欠点があります。
小さな衝撃で割れたりしないように肉厚のガラスになっているのですが、それがまた重量の要因となり、調査や採集地のハシゴ等で複数の毒ビンを持ち歩く時などは、正直
「重っ!」という印象。
そこで、その欠点を改善して登場したのがこのポリ製の毒ビン。

東京都中野区にある
むし社さんで扱っている商品です。
サイズは、従来のガラス製毒ビンの特大(一番大きいサイズ)とほぼ同じ太さ(内径)で、長さは2cmほど短くなっています。
ポリ製なので非常に軽く、ポケットに入れていても重さが全く負担にならず、更に落としても割れません。
またポリは耐酸性があるので、酢酸エチルを入れていてもほとんど溶けず、ガラス製と同様に何度も使用できます。
しかも価格が1本400円と安いので、誰かにあげたり、紛失しても痛手が少ない(採集した中味は別ですが(笑))。
従来の毒ビンと違って綿を入れる部分に“くびれ”はありませんが、ペフ製の中敷が入っているので、それで綿を押さえ込めば問題ありません。
…とまぁ、良い事ずくめなポリ毒ビンですが、別にむし社さんから商品宣伝を頼まれて記事にしているワケではないので(笑)、気になる点もいくつか書いておきます。
まず一つ目は、利点が裏返って欠点にもなる、
軽過ぎる ということ。
コレ正直、上着のポケットなどに入れていると重さを全く感じません。
…つまり、
落としても気付かない んです。
ズボンの腰ポケットなどであれば膨らみで気付くかもしれませんが、上着など大きめのポケットに入れていたら、採集中に何処かで落としても気付きません。
しかもガラス製ならしゃがんだ時に草の上などに落ちると“ドサッ”と音がして気付けるのですが、落ちた時に音もほとんど聞こえない。
貴重な虫が入っている時にポロッとかやってしまうともう泣くに泣けません。
そしてもうひとつは、
口のエッジが鋭い こと。

イメージとしては
大きなフィルムケースの本体にコルク栓をはめた物なので、ガラス製のビンと違って肉厚ではなく縁が鋭い。
これによってコルク栓が多少傷付きやすくなる可能性はあるかな、と。
…とは言っても、私が夏に10回程度使用した間では特にコルクが欠けたりという事はなかったので、普通に使っている分にはそうボロボロ崩れるような物ではないですが。
あとは、従来品より2cmほど短いため、ヒゲナガカミキリの大型個体など特に触角の長いものだと入れられない、という事でしょうか。
ちなみに太さは従来品とほぼ同じなので、国産クワガタならほとんどのものが入ります(※一部特大個体を除く)。
持ち運びもラクで割れたりもしないので、なかなか便利な用品です。
安価で入手しやすいので、一度お試しあれ。