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喜界島(&他)遠征記2014~07~

2月28日、昨晩のライトを確認したところ、見慣れぬ甲虫がいるのが見えた。
一瞬、ハムシか何かかと思ったのだがどうも雰囲気が違う。
喜界島コブスジ
おやっ?と思ってよく見たところでようやく気付く。
「あっ!コブスジじゃん!」

コブスジコガネ。
コガネムシに近い仲間で、死骸などに集まる虫だ。日本に十数種類がいるが、その中で奄美地方にも何種類かいたハズだ(…後の調べで、時期と場所からおそらくマツダコブスジコガネであろう、と)。
この仲間は採集した経験が少なく、あまり見慣れていないために思い当たるのに時間が掛かってしまった。

さて、昨日採ったアシブトメミズムシとアリモドキゾウムシをもう少し追加採集しようかと再び海岸へ向かう。
喜界島の海岸
昨日あまり見ていなかった辺りから順に石(サンゴの死骸)を起こしていくが、どうもポイントを外しているのか僅かしか見つからない。
それでも順番に起こしていくと、起こした石の先に何かがあるのが目に入った。

グルリと巻いた形、シマシマ模様…

…実は以前(blogを始めるより前)に奄美大島の海岸でアオイガイ(カイダコ)の殻を拾った事があり、今回もソレかな?と一瞬思った。
しかし、アオイガイの殻は真っ白で蛇腹のような段々になっていたハズ。
これはくすんだ赤と白の縞々で…

まさか!?

見つけてから数秒でようやく思い当たって、慌てて拾ってみる。
喜界島オウムガイ
オウムガイ!!

入口の方は壊れてしまっているが、間違いなくオウムガイの殻だ。
おおおおお…!
昆虫ではないが、正直かなり感動。
初めて拾った。
採集で来た浜で、まさかこんなモノを拾ってしまうとは…。
アオイガイは薄いプラスチックのようにペコペコして軽かったが、オウムガイは石のようにズシリと重い。

相性の良し悪しもあるが、自分は全体的に見れば「引き」は強い方だと思う。
言い換えれば「成果運」だが、メインの昆虫採集でも2012年夏の奄美大島であるとかケブカコフキの♀であるとか、努力や経験を積み重ねているのは勿論だが、その積み重ね以上の成果を得られることも多い。
今回のオウムガイも、そんな「引き」によるモノだろう。
…ただ一方で、採りたい採りたいと思っていながら、他の人が採っているのに自分はナカナカ巡り合えない虫というのもある。
虫との相性というか何と言うか…

メミズムシやゾウムシをいくつか追加採集し、夕方を待って半額弁当を買い込んでケブカのポイントへ……
…行くものの、もう完全にピークが終わってしまったらしく、採れたのは僅か2♂のみ。
ただ、探索中にコバネコロギスの交尾を見られたことだけは収穫だった。
喜界島コロギス交尾
林内を藪漕ぎしていたところ、灌木の樹上からバサッ!と何かが落ちてきて、ビックリしたものの何かの虫かと思い照らしてみたところ、コバネコロギスの交尾ペアだった。
おそらく、樹上で交尾していた下を自分が通り掛かり、揺れや明かりに驚いて落下してしまったのだろう。
せっかくなのでデバガメ写真だけ撮らせてもらった。


3月1日、各所に設置した様々なトラップをチェックして回ると、今までいない(このポイントでは今年発生していない)と思っていた場所でケブカ2♂が来ていた。
「げっ!」
…いや、嬉しいのだが、このタイミングで入るとは…。
しばし悩み、一応トラップを周辺に少し追加する。
ケブカはまたも2♂のみ…。

3月2日、アサギマダラの蛹の様子を見に行ったら、昨夜あたりに羽化してしまったらしく、空になっていた。
明日には喜界島を発つので、不調なトラップは全て回収し、可能性の高そうなものだけを残しておく。
何と言っても明日の飛行機は9:55発、明日になってからゆっくりと荷物を支度する余裕はない。
今日の時点で片付けられそうな物は全て片付け、整理できるものは整理しておく。
その上で夜間採集の準備を整え、時間を待つ。

…しかし、待てど暮らせどケブカの羽音は聞こえず。
森は完全に静まり返ってしまった。
…結局、林内探索では1♂すら見つけることはできず、探索を終えて森から上がり、暗い中で荷物整理をしていたところ、最後にライトに1♂だけ飛び込んできた。



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【告知】標本教室

「昆虫の標本を作ってみたいけど、やり方がよく分からない」「我流で標本を作っているけど、基礎をちゃんと知っておきたい」…という方向けに、ゴールデンウィーク(2014年5月4日)にもむし社さんで標本作製教室を開催致します!…まだゴールデンウィークの予定が決まっていない方……がいましたら、いかがでしょう?

というコトで、主催は日本昆虫協会ですが開催場所は中野のむし社さん。
(ここ最近は毎回ここで場所借りてやらせて頂いています。)
内容は、、「クワガタムシの標本作製」「小型昆虫の標本作製(台紙貼り標本)」「クワガタムシのこだわり標本作製」の3編になります。
なお今回も、僭越ながら私が講師を務めさせて頂きます。


<むし社開催>
〒164-0001 東京都中野区中野2-23-1
むし社 第2営業部(509号室)


2014年3月9日(日)
 1回目(13:00~14:30) クワガタムシの標本作製:2,500円
 2回目(15:30~17:00) 小型昆虫の標本作製(台紙貼り標本):2,500円
 3回目(17:30~19:00) クワガタムシのこだわり標本作製:3,000円

※」「小型昆虫の標本作製(台紙貼り標本)」「クワガタムシのこだわり標本作製」は、昨年11月からの内容改訂に伴い、時間が短くなっております。そのため、標本作製が初めての方・慣れていない方ですと時間内に終えられない可能性もございますため、御自身で基本的な展足が出来る方を対象とさせて頂きます。御了承下さい。


◎クワガタムシの標本作製
ミヤマやノコギリなどいわゆる大型クワガタの標本作製方法です。カブト・クワガタに限らず多くの標本作製の基礎となる「展足」になります。
標本作製というのは最初敷居が高く感じられるかもしれませんが、基本を覚えておけば実際にはそう難しくありません。

◎小型昆虫の標本作製(台紙貼り標本)
テントウムシなど小さな昆虫を標本にする時の、作り方です。
小さな虫は昆虫針を刺すとそれだけで潰れてしまう事もあるので、そういう虫を標本にする時は、虫に直接針を刺さずに作ります。
なお、標本の知識など解説が多くありますので、小学校高学年以上向けです。

◎クワガタムシのこだわり標本作製
標本作製の基礎を踏まえた上で、より美しい標本を作ります。
標本は学術的なものであると同時に、自分の思い出・コレクションでもあります。そんな思い出を、より美しく作りたい方に。
なお、細かい作業が多いので、小学校高学年以上向けです。


※お申込は、日本昆虫協会のホームページからお願い致します。
日本昆虫協会 標本教室ページ

※なお、迷惑メール設定等により、こちらからのお返事が届かない件がいくつか起きていますので、お申し込みの際は「hyohon-kyoushitsu@nikkonkyo.org」からの返信が受信できるよう設定を御変更下さい。

喜界島(&他)遠征記2014~06~

2月25日も同じように過ごし、明けて26日
いい加減、昼間にするコトがなくなり、ちょっと浜で砂篩(すなふるい)でもしてみようか思い立つ。

砂篩というのは、その名の通り海岸等で砂をザルや篩を使ってシャカシャカと篩う(ふるう)という採集法。
そうすると、砂の中に隠れている海浜性の小さなガムシやマグソコガネなどが見つかる。
…と言っても、どれも1~2mmぐらいの小さな甲虫達なので、誰でも薦められる採集方法ではないのだが。
かく言う私自身も、実はそこまで小さな虫には興味が薄かったりするのだが………昼間があまりに暇になってしまったため、何か面白い虫でも採れれば…とザルを持って行ってみた。
喜界島の海岸

適当に目星を付けて砂を篩ってみるのだが、どうも篩いやすい乾いた砂の層が薄く、少し掘るとすぐに湿った砂が出てきてしまう。
湿った砂は塊になってしまい、上手く篩えない。
なんとか砂の乾いた部分をシャカシャカやって数頭のマグソコガネとスナゴミムシダマシ、ガムシ類などを採集するものの、やはりイマイチ効率が悪い。
他に良さそうな場所はないものか…と端の方まで歩いてみると、やや大きめの石がいくつも転がっている場所に当たった。
じゃあ石の下に虫が隠れていないもんかと順番に起こしていくと、何かの種子(植物のタネ)のような薄平たい物がある。
1cmあるかないか、茶色くて四角っぽい…
アシブトメミズムシ-1

…んっ?

思い当たって、それをじっくりと見てみる。
で、気付く。
「あっ!」
慌てて拾い上げる。

案の定、よくよく見ればそれには脚がある。
アシブトメミズムシ-2
アシブトメミズムシ。
海岸などの砂地で暮らす小さな水生カメムシ(タガメとかミズカマキリの親戚)だ。
名前は知っていたが、実物を見るのは初めて。
ヨコエビやハマダンゴムシなんかを餌にして暮らしているらしい。
獰猛な肉食昆虫とは思えない、なんともプリチーなヤツである。

初めて見つけたアシブトメミズムシに気を良くして辺りの石を片っ端から起こしていくと、その下からポツポツと見つかる。
喜んで採集していたら、ひっくり返した石の下側に、何か青っぽい小さな金属光沢が目に入った。
アシブトメミズムシよりさらに小さく、5~6mm程度。
野外で実物を見るのは初めてだが、記憶にある姿。
「これはもしや!?」

アリモドキゾウムシ
アリモドキゾウムシ。
小さくて青緑の金属光沢をもつキレイな虫だが、実はアフリカ原産(?)のいわゆる外来種で、サツマイモの大害虫。
この虫に食害された芋は、苦くてとても食べられない味になってしまうそうだ。
そのため、この虫が入り込んでしまった奄美や沖縄では、生のサツマイモの持ち出しが禁止されている。
サツマイモの他にハマヒルガオなども食べるので海岸にもいたのだろう。
…生かして持ち帰ろうものなら農業関係者からフルボッコ(※徹底的にぶん殴るの意)にされても文句を言えないような虫なので、しっかりと毒ビンにご案内する。


…夜は、案の定というか何と言うか…ケブカコフキの個体数は更に減っていた。
完全にピークを越えてしまったのは間違いないので、あとは二次的な小ピークが来てくれる事を期待するしかない。


2月27日、数日前に見つけたアサギマダラの蛹を改めて明るいうちに見に行ってみる。
蛹の中に透けて見えるハネの模様は更に濃くなっていたが、幸いまだ羽化してはいなかった。
アサギマダラ蛹-昼
…なるほど、夜にライトで照らすと相当目立って見える蛹も、昼の光の中、葉の陰にあるとかなり見つけづらい。
あの蛍光グリーンも、実は見事なカモフラージュになっているというコトか。
…ただ、本来アサギマダラの幼虫はガガイモ科の植物を食べてそこで蛹になるので、蛹がソテツに付いているというのはいささか例外的な事なのかもしれない。
葉を食べ尽くして蛹になるちょうど良い場所がなくなり、仕方なく移動するうちにソテツによじ登ったのかもしれない。

さて昼間は昨日と同じく浜に出てアシブトメミズムシやアリモドキゾウムシなんかを採集し、夕方に食料を調達してケブカのポイントへ向かう。
…余談ながら、それまではコンビニで出来るだけ小さくて安い弁当を買っていたのだが、スーパーの弁当が夕方になると半額になるのを知り、久々にガッツリと肉を食えた。

夜になり、しばらくは車のヘッドライトを点けたままにして車内で待つが、やはり飛んで来ない。
もう自分から森に入らなければ♂すら難しい。
だが、頑張って探してはみるもののヒメマルゴキブリがキノコを後食しているのを見つけたぐらいで、ケブカは日に日に減っていく…
ヒメマルの後食



…23時には森から上がり、疲れてそのまま車の中で寝ていた。
森の中なので地元の車も通らず、風の音と、枯れ葉の落ちる音ぐらいしか聴こえない。
そんな音をBGMに寝ていたところ、日付も変わった真夜中、車のエンジン音が近付いてくるのが聴こえた。
こんな夜中にこんな場所を抜ける人がいるのか…と思っていたら、その音が自分の車のすぐ後ろで停まる。
「ぅん…?」
不審に思って体を起こすと、懐中電灯の明かりが近付いてくるのが見えた。
更に近付くと、それは2人組のお巡りさんだった。

不審なのは私の方でした。
…いやまぁ実際不審だったのか、それとも事故や自殺を心配したのかは分からなかったが、とにかく免許証を見せて事情を説明すると、すぐに分かってもらえた。
…ネットだと、警官は上から目線でどーだこーだという文句をよく目にするが、少なくとも虫けら屋自身が離島遠征などで出遭ったお巡りさんはどなたも決して上から目線などではなく、普通に対応してくれる方ばかりだった。
北海道で速度違反で捕まった時でさえ、決して高圧的ではなかった。
そんな今回のお巡りさんとの会話。
  ↓↓↓
虫「こういうコガネムシを探してまして…」
警「研究ですか?」
虫「個人レベルですけど、そうですね。」
警「珍しい虫なんですか?」
虫「珍しいというより、生息調査ですね」
警「なるほどー。 ネイチャー とかに発表されるんですか?」

いや、そんな大それた所には出しません…(汗)

ナガメ

菜の花を登る小さな赤いカメムシ。
春、菜の花が咲き乱れる場所で目を凝らしてみると、よく見つかる。
ナガメ
その名も ナガメ
菜の花に付くカメムシだから、菜亀
なんとも単純明快で分かりやすい名前であるが、「アブラナカメムシ」ではなく「ナガメ」な辺りに名付けた方のセンスも感じる。

逆さにしてみると、人面に見え…………なくもなくなくない…?
ナガメ人面?

ちなみにこの時期、菜の花にはナナホシテントウやナミテントウなどのテントウムシもよく付いている。
大きさも同じくらいなので遠目には見間違いやすいが、よくよく見れば模様や形も違うのでカメムシと分かる。
お散歩中に菜の花の原っぱを見つけたら、ちょっと探してみてはいかがだろう?

喜界島(&他)遠征記2014~05~

2月23日、昨夜でケブカのポイントも掴めたし、島の感じもだいたい分かったので、今日から昼間は少し余裕がある。
それならばと、クロマルカブトムシ(クロマルコガネ)が採れているという場所に向かってみる。
クロマルは港周辺の灯火で拾われているらしいので、その近くで発生しているのではなかろうか、と。
今は成虫時期ではないが、幼虫の発生場所を見つけられたら…という淡い期待を込めて行ってみる。

喜界島の港
こんくりぃぃぃぃぃと!
もうビックリするぐらいコンクリート。
こんな場所の、一体どこでクロマルが発生しているというのか…と少し彷徨ってみると、倉庫の裏手に公園があるのを見つけた。
喜界島の港裏
…正直、「ここで採集しよう」とはとても思えない人工的な緑地だが、あのコンクリ港の灯火に飛来するらしい事を考えると、ここで発生しているとしか考えられない。
しかし一体この公園の何処で…?
考えながらフラフラしていると、岸壁に目が行く。

喜界島のカワセミ
カワセミか。
地元の関東でも見られることから自分の中で内地の鳥のイメージが強いが、実は奄美でも普通に見られる鳥。
清流のイメージがあるせいか、どうもこういう海と岸壁という景色にカワセミは違和感を感じる。
(…まぁ、以前に田んぼに墜落して飛び上がれなくなって水に浸かったままバチャバチャやってる個体とか見ているので、案外こいつら 馬鹿 なんだなとかいうイメージもあったりなかったり…)

しばし眺めていると、急に飛んだかと思うと海に向かって一直線に飛び込み、小魚を咥えて同じ場所に戻ってきた。
で、その小魚を飲み込むと、また海面に向かってダイブ。
…なるほど、ここはカワセミの狩り場になっているらしい。

岸壁の下の磯はサンゴでゴツゴツしており、そこにできた潮溜まりにクモヒトデやらガンガゼやら。
クモヒトデ&ガンガゼ

…そうして数時間探してみたところ、朽ち果てたソテツの株の根元からクロマル成虫の死骸が出土。
クロマル死骸
これは! と思って探しまくったものの、なぜか死骸ばかりで幼虫は1頭も見つけられず…。
一体ナゼ…


夜は再び昨夜のポイントへ。
やはり活発に動き出すのは20時10分近くになってから。

…だが、少ない。
昨夜より明らかに少ない。
しばらく探し回ってようやく羽音がして1♂、という感じ。
何て言うか…嫌な予感、満載。
この減り方は…記憶にある。
少ない♂を摘まみながらなんとか林内を探索するものの、この状況は正直…キビシい…。

離れた葉裏にピカピカ光るものが見える。
「ナナキンか…」
灌木に掴まりながら、よっこらしょと斜面を登って近付くと、やはり。
喜界島ナナキン
ナナキンこと、ナナホシキンカメムシ
秋の石垣島なんかでは大集団を見掛けるが、奄美周辺ではそこまで個体数が多くない。
それでも、越冬時期にはこうして小集団になっているようだ。
これでもかというぐらいピッカピカの金緑色の体だが、このキンカメムシの仲間の金属色は標本するとどうしても変わってしまう。
良くてもくすんだ暗い金緑、場合によっては真っ青になってしまう。
…まぁその色もその色で美しいっちゃ美しいのだが、やはり自然の色で残って欲しいもの。

崖を回り込んで降りてみたり、逆に斜面を登ってみたりと林内をかなり彷徨ってみたものの、♀の姿は見られない。
そうこうするうちに♂の姿も見られなくなっていき、23時頃には林内は静まり返ってしまう。


2月24日、朝起きてフラフラと歩いてみると、やはりアサギマダラが吸蜜に訪れている。
…と、飛んでいる1頭のアサギマダラに違和感を感じ、目で追いかける。
やがてセンダングサの花にとまると……あっ!
慌てて車に網を取りに行く。
急いで戻ると、アサギはまだ吸蜜中。
フワリとネットインして取り出してみると、
喜界島マークアサギ-1
落書きされた マーキングされたアサギマダラだ。
アサギマダラは1000km以上もの距離を季節によって移動していく「渡り」をするチョウで、その渡りを調べるために毎年各地で調査が行われている。
主に行われる方法は「マーキング」と言って、捕まえたチョウのハネに「いつ・何処で・誰が」マークしたかをペンで書き込み、再び放すという方法。
そのマーキングされた個体が飛んでいき、また別の場所で捕獲されたら「何日間でどのぐらいの距離を飛んで行ったか」が分かるというワケだ。
…とは言えその再捕獲率は決して高くはなく、全国合わせたらおそらく毎年“万”に近い数がマーキングされているだろうに、再捕獲されるのはせいぜい数十頭。
虫けら屋自身は今まで一度もマーキングされたアサギマダラを見たコトがなかった。
さてさて初めて見つけたマーキングアサギ、一体何処から飛んできたのかな…と期待を込めて文字を読む。

キカイ MF(?) 026
1/7 ユ


キカイ……きかい……喜界…って、

移動してねーじゃねーか!Σ(゚Д゚;)

このチョウ、1ヶ月半以上喜界島に居っぱなし。ほとんど移動していないというコトになる。
期待させやがってコノヤロウ。
初めて見つけたマーキングアサギが、1ヶ月半以上前に同じ島でマーキングされた個体とは…。
せめて九州本土とかから来てたら嬉しかったんだけどなぁ…。
ため息混じりにリリース。

その他には、イシガケチョウ
喜界島イシガケチョウ
英語で「Mapping Butterfly(地図チョウ)」と呼ばれるだけあって、そのハネの模様はまるで地図のようである。

昼間は、昨日の場所を中心に再度クロマルカブトムシを探してみるも、やはり成虫の死骸数頭を見つけたのみ…。
正直、昨日成虫の死骸をいくつも掘り出した事で、かなり幼虫の居場所に近付けた気がしていたので、この結果には肩透かしを食らったような気分だった。

そして夜。

…。

……。

…………。

減っている…。

昨夜と同じか、やや少ないか。
明らかに、ピークを過ぎてしまったとしか思えない。
喜界島ケブカ-4

う~ん…キビシい…

つちはんめう

春、山に採集やハイキングに行くと、足元を妙なアリが歩いている事がある。
普段見るアリより二回り以上は大きく、動きはあまり軽快ではない。
よく見ると青や緑がかった金属光沢があって、お腹はぼってりと大きく重そうだ。
ヒメツチハンミョウ♀

…実はこれ、ツチハンミョウ という虫(の仲間)で、アリではない。
こんな姿をしているが実はカブトムシやテントウムシなどと同じ甲虫の仲間。
…と言っても、この姿からも分かるように飛ぶことはできず、ひたすらに地面を歩き回る。

この大きなお腹、メスはこの中に千粒以上の小さな卵がパンパンに詰まっている。
で、なぜかオスもお腹が大きい。
ヒメツチハンミョウ♂
ミノガ(蓑虫)や一部のホタルなどオスとメスで極端に姿が異なる虫というのはいくつかあるが、メスが身重であまり動き回れない虫は、大抵オスが敏捷に飛び回ってメスを探す事が多いのだが、ツチハンミョウはオス・メス共に重々しい。
…ちなみにオス・メスの一番の違いは触角。
オスの触角は途中にコブのような塊があるので、よく見ればすぐに分かる。

ただし、「カブトとかと同じ甲虫なんだってさー」なんて気安く 触れるなかれ
彼らは体内にカンタリジンという を持っており、しかも身の危険を感じるとそれを関節から染み出させるのだ。
その体液が人の皮膚に付くと炎症を起こす…つまりかぶれてしまう。
観察するだけなら、小枝などで彼らをコロンと転がしてみると脚を縮めて黄色っぽい体液を染み出させるのが見られるだろうから、決して手で触れようとはしないように。

日本にはハンミョウという虫(→記事)もいて、しばしば混同されることがあるが、ハンミョウには毒はない。
どちらも名前に「ハンミョウ」と付いているが、同じ甲虫とはいえあまり近い仲間ではないのである。
“ゴミムシとクワガタぐらい違う”と言えば何となく分かるだろうか。
そして、漢方薬にある「はんめう(はんみょう)」は、実はこのツチハンミョウや近縁のマメハンミョウ、ゲンセイなどの仲間の毒を利用した薬なのである。
もしも春の散策で足元にツチハンミョウを見つけたら、「あ、漢方薬!」と呼んであげよう。
…そのまま飲んだら 猛毒 だけど。

喜界島(&他)遠征記2014~05~

2月22日、天気良し。
船旅疲れもあってか、すぐに動き出す気になれずしばし呆けていたら、フワフワと視界の端で動くモノがいる。
喜界島アサギマダラ
アサギマダラ だ。
長旅をするチョウとして知られ、夏には本土の高地でよく見られる。
また体内に毒を持つことでも知られるが、これは食べて死ぬような毒ではなく、「食べると非常に不味い」というもの。
そのため鳥はこのチョウを食べようとしないので俊敏に逃げる必要もなく、非常にゆっくりと優雅に飛ぶ。

が、実はこの「不味い」も100%通用するものでもないようで、以前別の島に行った折、少し先をフラフラと飛んでいたアサギマダラを「あー、アサギが飛んでるなー」なんてのんびり眺めていたら、いきなりヒヨドリぐらいのサイズの鳥が滑空からスパッと空中キャッチ。“えっ!?”と驚いて見ていると、鳥は、捕えたアサギマダラを何度も地面に叩きつけて弱らせ、そのまま呑み込んで何事も無かったかのように飛び去ってしまった事があった。
急いでその場所に行ってみたが、ハネ1枚すら残っていなかった。ハネも胴体も全部呑み込んでしまったらしい。
…咄嗟のコトに証拠写真も撮れず、鳥の種類も分からないしでは記録として出すのも躊躇われたので昆虫雑誌等での公式発表はしていないが、私自身の目で確かに見た事実。
アサギマダラの毒も、100%ではない。

…とまぁ、それはそうと、こいつは広く見られる普通種のチョウだが、半分透けたような白い模様と、前翅の黒と後翅の赤みがかった褐色のコントラストが美しい。
あえてここで採集しようとまでは思わないが、良いチョウではあると思う。

さて、昨夜の流しの最中に迫力のあるガジュマルを見つけたので、改めて見に行ってみる。
ガジュマルの巨木
夜中見た時は、夜中+初見というコトで畏怖さえ感じるような途轍もない迫力で見えたが、昼間でも十二分に迫力がある。
そして周辺にも何本か、同様の凄まじい迫力を放つガジュマルの巨木が立っている。
…なるほど、こんなガジュマルなら上にケンムン(※)が棲んでいたって不思議ではないと思わされる。

…で、セルフ撮影でもしたいなーと思って良さげなカメラ設置場所がないかと見回すと、いかにもな場所のガードレールがそこだけ 上が平らになるように 、叩かれたように凹んでいる。
凹んだガードレール

…………。

…どう見ても…自然になったモノじゃない…よねぇ。
う、うん…まぁ気持ちは分かるし、それ自体で事故を誘発したりするモノではないからな…。
微妙な気分になりつつも、結局自分もその凹みを利用してセルフ撮影。
ガジュマルの巨木-2

…そんなコトをやっていたら、ふと「ああ、そう言えば今日は大宮のインセクトフェスティバルの日か…」と思い出す。
大手町のフェアとどちらも毎年必ず行っていたのだが、今年はこの遠征と重なってしまい、参加できなくなってしまったのが残念でならない。
「大宮が3月だったらなぁ…」なんて思ったりもするが、日程は虫けら屋の都合で決まっているワケではないので仕方ない(笑)


さて明るいうちに昨夜ケブカが見られたポイントの環境を確認しておく。
喜界島ケブカ環境
奥は下り斜面になっていて、昨夜の♂はどうやらそちらから飛んで来ていたようだ。
道沿いの林縁は下草の藪があるが、奥に入れば林床は下草もなく灌木がポツポツとある程度。
となると、今夜はここで♀を狙ってみるのが良い…か。
…とりあえず、ポイントは決まったので一度集落まで出て食料などを調達する。

喜界島は、小さな島と思えないほど商店類が充実しており、生協(Aコープ)、スーパーマーケット、ホームセンター、100円ショップ、コンビニ…と欲しい物は一通り揃ってしまう。
ただし、これだけ集中しているのは港のある「湾」という集落のみで、他はいかにも“小さな離島”という風情漂う穏やかな雰囲気の島だ。


さて再びの夜。
奄美で確認した日没直後の黄昏飛翔は見られず、やがて20時を過ぎて少しした頃、ケブカコフキが飛び始める。
ポツポツと飛来する♂を摘まみながら森の中へと分け入る。
木の根や礫などが転がっていて足場が良いとは言い難いが、奄美大島と違ってハブがいないのでかなり大胆に森に入ることができる(※「奄美のケブカの時も平気で森に入ってたじゃないか」というツッコミは 受け付けません )。

ソテツの葉裏にピカッと光るものが見えたので何かと思って近づいてみると、アサギマダラの蛹。
アサギマダラ蛹-夜
蛍光の黄緑色でライトの光をピカピカと反射する。
よくよく見ると既に翅の模様が透けて見え始めているので、羽化までそう遠くないようだ。

ケブカコフキの♂はポツポツと飛んでいるのだが、いまいち「湧き出す」という雰囲気ではなく、どうもスレた個体が多いように感じる。
喜界島ケブカ-3
…相変わらず、この大きな触角とつぶらなお目々がなんともプリチーである。

縦横に絡み合う枝や幹を、越えつくぐりつしながらケブカを探す。
森の中も平坦ではなく、数mの高さの斜面や、10mぐらいありそうな崖もある。
そういった足場の悪い場所でもなんとか安定する場所を探してはしゃがみ、周囲を舐めるように見回す。
灌木や朽ち木、シダなどを浮かび上がらせながら周囲を睨み、そしてまた移動する。

…と、斜面に生えた低い灌木の膝下ぐらいの葉の裏に、オレンジ色が反射した。
「いたっ!」
見えた場所をよく確認してから、中腰姿勢のまま斜面を横擦りに近付く。
葉をそっとめくりかけた所で……ヒゲが見えた。

あれっ……?

確かに、♂も休憩で静止していることがたまにあるのだが…
ちょっと落胆しかけながらも一応最後まで葉をめくると、重なってるのが見えた。
「違う!交尾だ!」
慌てて引っ掴むと、手の中には確かに2頭の感触。
逃げられないようにそっと指を開いてみると、まずは慌てふためいた様子で♂が飛び出そうとする。
それをしっかり捕まえてケースに入れてから、もう1頭を確認する。

喜界島ケブカ♀-1

丸みのある体型、短い脚…全体的な雰囲気がそれを語る。
ほぼほぼ間違いないが、一番確実な触角を確認しなくては…

喜界島ケブカ♀-2

「Yes!!!」

思わず力を込めて叫ぶ。
間違いなく、ケブカコフキコガネの♀
…まだ探し始めて2晩目である。
こんな簡単に♀が見つかって良いのか…?
正直、ちょっと拍子抜けした感さえある。
…いやまぁ簡単て言うほど簡単ではないのだけど、今までの奄美亜種の♀に比べたら、「あっさり」とさえ形容できるぐらい簡単に見つかってしまった。

…にしても、「Yes!!!」って何だよ、「イエスッ!」って。
思わず口を衝いて出た言葉が「Yes!!!」って、どうなのよ…
いやしかし…ふふ……ふはは……
肩の力が抜けたのが、自分でも分かる。
荷が下りたというか何と言うか…

かなり小さな♀だが、この意味は大きい。
当然ながら喜界島では初記録。

その後、更に数時間…日付が変わるぐらいまで探索を続けたものの、追加の♀は得られず。
あとはモンシデムシが採れたぐらい。
喜界島ネパールモンシデ

それでも、喜界島まで来た意味は…十分にあった。
自分でも気付かぬうちにいつの間にか背負い込んでいた「♀を採らなくては」という荷が、降りた。





※ケンムン
河童と猿のあいのこのような姿とも言われる奄美を代表するUMA(未確認生物)。
山深い森のガジュマルなどの巨木の上に棲んでいると言われている。
ツチノコやヒバゴンの親戚ですな。

喜界島(&他)遠征記2014~04~

2月21日の深夜1時を過ぎ、予定から1時間以上の遅れで喜界島に到着したフェリーから下り、レンタカーで走り出す。
本降りではないもののしっかりと降っている雨の中、自販機で飲み物を買いつつ森を目指す。

初めて上陸する島で、いきなり夜というのは妙な気持ちだ。
地形図などで下調べはしてあるとはいえ、島がどんな風景なのかも分からず、道のすぐ横の景色だけが流れていく。
同じ夜の闇でも、奄美大島なら「勝手知ったる夜の闇」なのだが、喜界島は「見知らぬ夜の闇」。
奄美大島のすぐ隣にある島なので環境的にはさほど変わらないのだろうが、それでもやはり気分が違う。

…ちなみに、喜界島も沖永良部島と同じく土地のほとんどが開墾されてサトウキビ畑になっている島であり、森が残っているのはごく一部。
深夜ということで周囲は真っ暗なのでカーナビと道路地図を見比べて、森のある場所を目指す。
喜界島の夜道
…とは言っても、もうこの時間ではケブカコフキコガネ奄美亜種の活動は完全に終息しているし、環境を下見するのも難しい。
夜中3時前には農道脇に車を停め、雨粒が車の天井を叩く音を聴きながら就寝。


朝、起きてみると風が強く肌寒い。ときおり雨も落ちてくる。
条件が良いとは言えないが、まずはポイント探し。
…と言っても、ケブカの奄美亜種は正直どういう環境を探せば良いというのが分からない。
沖縄のものはリュウキュウチク群落を探せば高確率で虫も見つける事ができるのだが、奄美系はそう簡単にいかない。
奄美大島(2012)と徳之島(2013)で採集したが、それぞれ環境が全く違う。

奄美大島ではこんな環境
 ↓↓↓
奄美ケブカ環境

徳之島ではこんな環境
 ↓↓↓
ハマビワ林

奄美では何処にでもありそうな照葉樹の若い二次林(※過去に伐採されて、それから育った林)、徳之島は海の近くのアダンとハマビワの林。
…共通点を探す方が難しい。
せいぜいススキが生えていた事ぐらいだが、ススキだったら何処にでも生えているし、徳之島でもススキのそばで飛んでいるという感じではなかった。

つまり、幼虫を何を食べているのかも、どういう環境が好みなのかも分からないのである。

ただ、ひとつ言えるのは、コガネムシが飛べるぐらいには林床が空いていていたということ。
ケブカコフキコガネは飛ぶのが非常にヘタクソなため、夜にライトに飛来する際も林を縫うように飛んでくることはまず無く、ぶつかったり落ちたりしながら何とかライトに辿り着く、という感じである。
下草がみっしりと生い茂っているような林の中ではまとも活動できないだろう。
その辺りを考えつつ、森を抜ける道沿いに電池式のライトを設置していく。

ついでに、徳之島のような環境で発生している可能性も考えて、島の北端の辺りまで行ってみる。
アダンはあるものの、ハマビワはあまりなさそう。
トンビ崎
最近重機で作ったばかりという感じの道(?)を少し歩いてみると、道を作る際に切られた木や、掘り起こされた朽木が転がっている。
喜界島-朽ち木
そのひとつがナカナカ良さそうな状態に朽ちているので靴のカカトでガスンと割ってみると、大きめのクワガタ幼虫が出てきた。
状況から考えて、ヒラタクワガタ奄美亜種(アマミヒラタクワガタ)だろう。
アマミヒラタは2012年(&それ以前)に奄美大島でいくつも採っているが、喜界島のものは採ったコトがないので一応キープ。


そうして夜。
仕掛けたライトだけでなく、自身も動いて探す。
ケブカの♂は光に良く飛んでくるので、車のヘッドライトを点けてゆっくりと流していく。
夜のリュウキュウチク
林の縁を流していると、ずいぶんとリュウキュウチクが目に付く。
奄美大島はこれほどリュウキュウチクが多くない。
“これが沖縄なら確実にいるんだけどなぁ…”と思いながら、ゆっくりゆっくりと流していく。
光によく集まるケブカだが、飛ぶのは下手なので光を見つけても、そこに辿り着くまで多少時間が掛かる。
そのため、時速20kmも出ていたら、ケブカがヘッドライトに辿り着く前に通り過ぎてしまう可能性もある。
アクセルを踏むと速度が出過ぎてしまうので、もうほとんどクリープ現象だけで進んでいく。

クリープ現象:オートマチックの自動車は、ギアをD(ドライブ)に入れるとアクセルを踏まなくても勝手にゆっくり動き出してしまいます。これがクリープ現象です。速度は時速5km程度ですが、これが原因と思われる事故も起きており、車から降りる時には必ずギアをP(パーキング)に入れましょう。

20時を過ぎ、そろそろ良い時間に入るハズ…と思いつつ走るが、期待する姿は現れない。
時々ライトの光の中に飛び込んでくる蛾にハッとしつつも、ゆっくりと流しを続ける。
「見つからない」という事が、「いない」のか「まだ発生が始まっていない」のか「発生がもう終わった」のかも分からないので、なんとも難しい。
神経を集中させてヘッドライトの光が照らし出す先を睨みながら進む。

…と、時計が20:40を回った頃、車の左から何かが飛び出し、フロントガラスにコツンッと当たって右方へと跳ねたのが分かった。
慌ててブレーキを踏んづけて車を止めると懐中電灯を引っ掴み車から飛び出す。
今のは「当たり」の可能性が高い!
ソレが落ちたと思しき辺りをライトで照らすが、何も落ちていない。

どこだ!?
絶対どこかにいるハズだ!!

周囲の路上を探すもどこにも見当たらず、ふと思ってフロントガラスの隅…ワイパーの付け根あたりにライトを向けたところ…
「いたッ!!」
慌ててむんずと鷲掴む。


喜界島ケブカ-1

っしゃぁぁぁあッ!!

喜界島のケブカコフキコガネ、ゲットじゃあ!!

…だいぶスレて表面の毛が剥げた個体だが、この季節でこの大きな触角、他に見間違いようがない。
正真正銘、喜界島産のケブカコフキコガネである。
まさかこんなに早く確認できるとは思わなかったが、何はともあれ第一目標達成!
まずは、この喜界島のケブカコフキコガネを確認することが第一目標だった。

落ち着いて周囲を確認してみると、右はリュウキュウチクの群落と照葉樹の森、左は収穫の終わったサトウキビ畑のようだ。
ケブカは左側から飛び込んできたが、だからと言ってサトウキビ畑にいると断定はできない。
右の森から飛び出した個体がたまたま車の左側にいただけという可能性だった考えられる。
1頭だけでは何とも言えないので、少し車を停めて様子を見てみる。
追加個体が飛来すれば、どちらから来るのか分かるかもしれない。

様子を見つつ、Y氏に「採れたよー」と写メールを送る。
すぐに返信があってメールを2~3往復したものの、その間にケブカが飛んでくる様子はない。
…このまま待っているより、他を探してみた方が良いかもしれない。
再び車に乗り込み、ゆっくりと走り出す。

森の方へと入り、道が大きく右へと曲がる辺りで再びライトの前を横切る影。
見慣れると、蛾とは飛び方が異なるので「ソレっぽい!」と分かる。
車を出て確認すれば、やはりケブカコフキの♂。
少し進むと再び1♂。…と、それを拾っていると車のライトに惹かれて更に1♂が飛んでくる。
どうもこの辺りが“濃い”感じがする。

ケブカコフキコガネは、♂は非常によく飛び、ライトにもよく集まるので、数が多い場所では車を停めておくと次から次へと飛んでくることもある。
♀を見つけるには、いかに早くそういう場所を見つけられるかが重要になってくる。

しかし、ここも“次から次へと”という程ではなかったため今しばし島を流してみたものの、♂数頭を拾うにとどまり、1~2時間程で同じ場所へと戻ってくる。
車を停め、ヘッドライトを点けっぱなしにしておくと、ポツリポツリとケブカコフキの♂が飛来する。
それらを拾いつつ環境を探ってみるが、やがて♂の飛来が途切れてしまう。
時計を見ると23時を回っている。
…少し早い気がするが、どうやら飛翔タイムが終わってしまったらしい。

奄美亜種が採集しづらい理由のひとつに、この飛翔タイムがある。
沖縄系の個体群は飛翔タイムがかなり長く、18時過ぎから飛び始めて0時を過ぎても結構飛んでいたりするのだが、奄美亜種は本格的な飛び始めが20時過ぎからで、23時頃から飛翔個体が減り始め、0時頃にはほとんど飛ばなくなってしまう。
沖縄の半分強程度の時間しか活動しないのである。
そのため、ポイント探しも♀探しも時間が限られてしまう。

…しばし待っても飛来が見られないので、今日はもう終了。
喜界島ケブカ-2
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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akepon6464@yahoo.co.jp

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