沖縄ケブカコフキ探索2014~その4~

朝目が覚めて、早々にライトトラップを回収する。
…やっぱり入ってないな。
一応、落とした懐中電灯をもう一度探してみるが、やはり見つからず。
元を取れるぐらい使い込んだとは思うが、まだどこも調子悪くなくまだまだ使えたのに…と諦めがつかないが、今日の船で本島へ帰るのでいつまでも探していられない。
仕方なく山を下り、港へ向かう。

港に向かう途中、JAの時に目に入った“気になるモノ”の前を通りかかり、車を停めて撮影する。
ZPU-4
かなり朽ちてはいるが、「これ、間違いなく先の大戦の遺物だよね…」てなコトをSNSで呟いたら、反応が凄いこと凄いこと。
そのうち兵器関係に詳しい人にまで呟きが届いたらしく、これが第二次大戦時の旧日本軍の遺物ではなく、実は大戦直後に作られた旧ソ連製の対空機関砲だと教えてもらった。ZPU-4…とかいうらしい。
自分は零戦やら紫電改やらは好きである(※戦争は嫌いですよ)が決して詳しいワケではないので、あった場所から「間違いなく旧日本軍のもの」と思い込んでしまったが、詳しい人が見れば一目で分かる物なのである。
…とは言え、なんで旧日本軍でも米軍でもない兵器が伊江島の片隅にあるのかは謎である。
ベトナム戦争で使われていたらしく、それを米軍が接収して用済みになったものを払い下げたのかも…なんて話も出ていたが。

ふと見ると、ガソリンが少なめ。とは言え、即時給油しなければならない程ではない。
だが、バッテリー上がりで今回お世話にもなったしというコトで、JAのガソリンスタンドで給油する。
…本島で給油した方が間違いなく安いとは思うのだが、お世話になったなら「島でちゃんとお金を使う」 これも大事なことである。
何かと昆虫採集がやり玉に挙げられやすい昨今、少しでも島にお金を落とし、貢献しておくことも大切だと思う。

さて給油が済んだら早々にフェリーに乗って本島へ戻り、まずは名護市の本部半島側に仕掛けたライトをチェックしに行く。

3♂。
これは嬉しい。
数年前に、1月に沖縄に来てチャレンジした際に成果1~2♂のみで意気消沈して帰ったポイントなので、ちゃんと入ってくれていたのがまず嬉しい。
近くのクモの巣でも1♂が引っ掛かっており、少ないながら今発生しているのは間違いなさそうだ。

…続いて、うるま市。名護からはそこそこ距離はあるが、頑張って車を走らせる。
すると、予想以上に多数の♂が!
うるま市ケブカ
「よっしゃ!」と小さくガッツポーズをして回収する(…実は画像よりもっと多い)
思い入れのある場所(※採集記~その2~参照)だし、この数の♂が出ているなら♀も狙えるかもしれない。
夜はここで張ろうと決め、一旦町まで下りて夕食を買い込み、再び戻ってくる。
『これで今晩うるまで♀採って、明日はもっと南部のポイントを狙えたらベストだなー』なんて皮算用をしながら車内で夕食を
食べ、夜を待つ。

ここは道路横のポイントなので、車を脇に寄せてライトをハイビームにしながら時間を潰す。
辺りは既に暗いが、確実に飛びだす時間まで今しばらく待つ。
…と、ライトの中に怪しい下ッ手くそな飛び方の塊が道路に落ちたのが見え、慌ててヘッドライトを持って飛び出す。
が、飛び出した路上には何もおらず、今の“何か”は既に飛び去ってしまったらしかった。
「(ケブカ)っぽかったんだけどなぁ…」
呟き、一応仕掛けてあるライトトラップをチェックに行く。
道路脇から藪に入り、急斜面をリュウキュウチクや不法投棄ゴミに足を取られながら下り、ライトに辿り着く……が、いない。
もう飛び始めてておかしくない時間なのだが、耳を澄ましてみても羽音ひとつしない。
「…おかしいな…」
涼しいを通り越して少々寒いぐらいの気温ではあるが、しかしケブカが活動しなくなるほど寒いとも思えないんだが…。
「なんかちょっと…嫌な予感がするな…」
一旦車に戻る。

1時間程おいて再びライトトラップをチェックするが、やはり何も入っていない。
「………。」

更に1時間で、ようやく1♂。
ライトを持って斜面の藪の中に分け入ってみるが、羽音はしない。
まさかピークを越えちゃったんじゃあるまいな…という嫌な予感が脳裏をよぎる。

2010年にやんばるで大当てした際のこと…
その年の国頭ポイントでの発生ピークは27日の夜だったのだが、ピークの夜は♂は無数にいるわ、♀はそこら中に付いてるわのお祭り騒ぎだった。ところが翌28日の夜は、昨夜あれほどいたケブカ達が煙のように消えてしまい、2時間半探してやっと♂十数頭という数に。
ピークを過ぎた途端に1/20以下に激減してしまったのである。
…つまり、今回のうるま市ももしかしてそれと同じ状況なんじゃないか…という予感がしたのである。
前夜までのライトトラップには多数の♂が入っていたのに、いざ今夜入ってみたらちっともいない…状況は似ていると言える。
「本部(半島)の方に行ってみるか…」
車に乗り込み、今度はまた名護市へと戻る。

期待…というより“願い”を込めてチェックしたライトトラップには、無情にも蛾が1頭来ていただけだった。
「マジかー…」
溜息。
そう言えば少し先に自動販売機があったな…と思い出し、車を走らせる。
すると、そこでようやく、
自販機ケブカ
「おった…」
1♂。
安堵の溜息を吐きながら、その♂を拾う。

…しかし、本当に少ないな。
近くに車を停めて、例によってしばらく車のライトをハイビームにして待ってみたが、飛んで来ない。
ウトウトして目が覚め、2時頃にもう一度自販機を見に行ってみると、1♂が来ていた。
…が、そこで打ち止め。
まさか本当に、伊江島に行っている間にピークを過ぎてしまったのではないだろうか…と不安が募る。
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沖縄ケブカコフキ探索2014~その3~

伊江島は近い。
フェリーが出向して客室に入り、ちょっと携帯でSNSでも覗いていたらもう到着である。

さっそく走り出すと、(分かってはいたが)どこまでも平坦な島である。
広がるのは、畑、畑、畑。
突然目の前から何かが跳ねたかと思うと大量のタイワンツチイナゴ。
タイワンツチイナゴ多数
舞っているゴミのようなものが全てタイワンツチイナゴである。
空だけでなく草の中に紛れているものもいるので、この画像の中だけでも数十頭が写っている。
「すげぇな…」
と思わず呟く。

ちなみに、大量発生して入るが、これはいわゆる「バッタの大群」とは違う。
「バッタの大群」というのは、ある種のバッタが幼虫時代に過密条件で育つことで、普通(孤独相)とは少し異なるタイプ(群生相)になり、群れで大移動をしながら植物という植物を食い荒らしていくようになることを言う。
これはトノサマバッタやサバクトビバッタなどバッタの仲間の一部で起こる現象で、イナゴの仲間では起こらない。
画像のタイワンツチイナゴも大量にいることはいるが、姿は通常のままであり、また群れで大移動をしたりはしない。

さて肝心のリュウキュウチクはと言うと、「一応、あることはある」というレベル。
走っているとわずかに確認できるが、伊平屋島以上に確認できないし群落がない。
アダンの中に混じり込んだ多少の群落を見つけ、とりあえず今夜はここで見てみようか…と決める。
沖縄本島でのポイントとはかなり環境が異なるが、徳之島とは多少似てなくもない。
…にしても、ここもタイワンツチイナゴが多い。
タイワンツチイナゴ群れ
そこら中にベタベタとついており、アダンの固い葉ですら食べてしまうらしい。

…う~ん、徳之島のケブカポイントとはちょっと雰囲気が違うかな…。

しかし他に良さそうな場所もないし、仕方ないので夜を待つ。

…結構な風。
徳之島の時ほどではないが、常に風の音が聞こえているような状況で、肌寒い。
近くに強烈な灯火があるので一応見に行ってみるも、タイワンツチイナゴしか来ていない。
コガネはおろか、甲虫のコの字もない。
懐中電灯を持って少し歩いてみたりもしたが、羽音は無い。
今からでも…と、風除けになっている場所を狙ってライトトラップも設置して見るが、どうにも望みは薄そうに思える。

このまま一晩見てみるか…と迷ったものの、少しでも範囲を広げて探索してみようと思い、走り出す。
畑だらけの島なのでケブカが飛び回れるような環境というのがそもそもに少ないのだが、その中でも少しは可能性のありそうな場所を思い浮かべ、“あの辺に多少は林があったよな…”とハンドルを切る。
畑と畑の間、帯のように斜面部に残った林のそばに車を停め、ヘッドライトをハイビームにする。
ケブカコフキがたくさんいる場所なら、こうしておけば5分と経たずに飛んでくるので、初めての場所でポイントを探す時には有効な方法である。

…そう、“いれば”である。

つまり、“いない場所”では何十分待とうが飛んで来ない。
ただただ夜風に揺れる草木がひたすらライトの中に浮かび上がるだけである。

時々車を降りてライト前の路面を確認するが、やはりいない。
携帯を見たり、暇潰し用の漫画を読んだりしながら待ってみるが、やはり飛んでくる気配はない。
そうして1~2時間は待っただろうか。
「…ダメだな。」
ため息混じりに呟き、エンジンを切ってシートを倒した。


12月25日
…どれぐらい時間が経っただろうか。
沖縄とはいえ冬の夜はそれなりに気温が下がる。
車の中が冷えてきて、目が覚めた。
少し暖房をつけて車内を暖めようと思い、エンジンをかけようと体を起して違和感を覚えた。
「………?」
一瞬、その違和感の正体が分からなかったのだが、はと気付く。

車の前がボンヤリと明るい…
「あっ!」
ヘッドライトを消して、慌ててキーを捻る。

キュウンウンウン…ガリガリガリ!

力無く回る音で、完全に現状を理解した。
が、念のためもう一度!

キュウンウンウン…ガリガリガリ!

本来ならば「キュルルル…ブゥン!」と勢いの良い音がしてエンジンが掛かるハズが、力無い音がするだけでエンジンは一向にかかる気配はない。
「あっちゃー…」

バッテリーが上がっちゃった。

ヘッドライトが点いたままでエンジンを切ってしまい、そのまま何時間も寝てしまったため、その間にバッテリーが上がってしまったのだ。
「まいったなー」
時計を見ると午前4時前。
夜が明けるまでは今しばらくの時間がある。

『やっちまったなー…』と思う一方で、さほど慌てていない自分がいる。
なんて言うか、迷って森から出られない とか 異音がして車が止まった とかそんなトラブルを何度も経験していたら、この程度では大して動じなくなってしまった。
バッテリー上がり自体は自分ではどうしようもないが、ここは畑のすぐ近く。町まではしばらくあるとはいえ、明るくなれば誰かしら通るだろうから、その人に助けてもらおう、と。最悪誰も来なかったとしても、小さな島なので町まで歩けない距離ではない。
ガソリンスタンドか車の修理工場にお願いしてバッテリーを繋いでもらえば、それで解決する。
とりあえず夜の寒ささえ凌げば、あとは解決できる。
本土で着ていた真冬用の上着を体に掛けて今一度眠る。
…トラブルにパニクらないのは良いことだと思うが、旅先でのトラブル慣れってどうなんだろう…と思わなくもない。

朝、すっかり明るくなってしばらくすると、農作業のオジサンが軽トラでやってきた。
根は人見知り なので話し掛けるのに少し躊躇するが、迷ったところで事態は好転しないと覚悟を決めて話し掛ける。
「あの…すみません。実はカクカクシカジカで…」と事情を説明すると、オジサンは今しがた乗ってきた軽トラで、自分を農協経営のガソリンスタンドまで送ってくれるという。
丁寧にお礼を言って、助手席に乗り込む。
「この島の車はボロばっかりだからねー」
…なるほど、こういうトラブルは慣れっこというワケか。
JAスタンドまで行くと、お兄さんに事情を説明。
農家のオジサンに再度丁寧にお礼を伝え、今度はJAの車で現場へ向かう。

お兄さんは手早くバッテリーに電源を繋ぐと、「じゃあ、エンジンかけてみて下さい」と。
言われるままにキーを捻る。

キュウンウンウン…ガリガリガリ!

…ありゃ、ダメか。
少し間を置いてから再度キーを捻る。

キュルルル…ブゥン!

かかった!
…なんともアッサリ解決である。
掛かった費用は出張(?)サービス代の1,000円のみ。
あとは1時間もエンジンをかけたままにしていればバッテリーも充電されて完全に解決である。

…それはそうと、JAの車で現場に向かう際、道端で気になる物が目に入ったのだが……まぁ、また近くを通ることもあるだろうし、その時に確認すればいいか。
とりあえずポイントを探して車を走らせる。
島唯一の高い場所と言えるのが城山(ぐすくやま)だが、遠目に見た限りでは岩の塊で、わずかに緑も生えてはいるようだがケブカが生息しているようにはとても見えない……と思いつつ、一応見に行ってみることにする。
伊江島-城山
すると、山の上はともかく麓は多少の森があるようだ。
信仰される山のようなのであまりガチの採集をするのは躊躇われるが、とりあえず環境を見るぐらいは…と軽く入ってみると、思ったよりはリュウキュウチクも見られ、悪くない環境。
もう夕方なので一応ポケットに懐中電灯を入れておいたが、まぁ夜まで使わずに済みそうかな…
…と思っていたら、気付いたら懐中電灯が無い。
「ウソ!?」
慌てて歩いたルートを辿り直すが、折り重なった枯草の中に落ちてしまったらしく、見つけられず。
次第に暗くなり始め、“とりあえず採集自体はヘッドランプでも出来る…けど…”と思いながら、その場を後にした。

さてこの伊江島であるが、伊平屋島と変わらない小さな島であるにも関わらず、沖縄本島からフェリーで30分という近距離であるせいか便利さでは遥かに上回り、コンビニも数軒あるので夜中でも食料の入手に困らない。
適当に食料を買い込んで夜を待ち、城山に向かう。
山の駐車場に着いてみると、なんかえらいチカチカピカピカしている。

えーと…ここって、信仰の対象がどうとかって…
何スかね、このイルミネーションは。


昼間に下見に来た時に、確かに電飾があったのでだいたい予想はしていたとは言え、何と言うか…
まぁ、ある意味で採集への抵抗は薄らいだけど。
ぼんやりと、イルミネーションを見るとはなしに眺めていると、入れ替わり立ち替わり車がやってくる。
多分みんな、夜景とイルミネーションを見に来たカップルさん達だろう。
1台が立ち去るより前に次の車が来て、それが行ったと思ったらまた次が来て…と、車が途切れない。

逆に山に入りづらいな、これは。

それでも、しばらく待ってからヘッドランプを持って軽く城山に入ってみる。
…一応、山の入口で軽く礼をしてから入山。

少し行くと電飾も見えなくなり、辺りは真っ暗になる。木々の葉の間から町の明かりがチラチラ覗く。
リュウキュウチクの群落は、この伊江島の中では一番良さそうに見える。
少しの間周囲の音に耳を澄ましてみたが、羽音は何もない。
斜面がキツく道から外れての探索は出来ないので、群落の辺りを往復してみる。
しかし、やはり何の羽音もしない。

小一時間ほど探索してみたものの気配はないので諦めて山から出て、昨日のリュウキュウチク・ポイントへ向かう。
途中、夜景なんか撮影しちゃったりして。
伊江島からの夜景
手前側の大きめの明かりは伊江島、奥手に見える小さな明かりの連なりは沖縄本島の本部半島の明かりである。

今度はここで群落に向かってライトを照らして車を停める。
いません。

…が、虫の来ない暇潰しに見ていたSNSで思わぬ重要な情報を得る。
こりゃあ望みの薄い伊江島で続けるより本島に戻って狙ってみた方が良さそうだな、とまたしても方針転換。
伊平屋島→伊江島→沖縄本島と、今回の遠征は転戦しまくりである。

とりあえず、昨夜群落の中に仕掛けたライトにはケブカのケの字もないことを確認して、寝る。
…ヘッドライトが消えているのをしっかり確認して、エンジンを切った。

第21回 埼玉インセクトフェスティバル

来月 2015年2月21日(土)&22日(日)、大宮ソニックシティにて毎年恒例の
埼玉インセクトフェスティバル が開催されます(※写真は2011年のもの)。
毎年9月23日(秋分の日)に開催される大手町インセクトフェアと並ぶ、有名な昆虫フェア(即売会)です。

大宮フェア2012

<詳細>
大宮ソニックシティ 第一展示会場
〒330-8669 埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-7-5

2月21日(土) 生き虫中心 13:00~17:00
2月22日(日) 標本中心  10:00~17:00

日によって開始時間が異なりますのでご注意下さい。
※フェアの公式HPはなく、情報元は「大宮ソニックシティ 公式HP」になります。

各日入場料:大人500円/小人(小・中学生)300円

…ちなみに、この埼玉のフェアは以前は毎年「カトレア企画」という会社が主催していたのですが、諸事情により前々回からLIS(エルアイエス)さんの主催になっています。


さて、流石に毎度毎度フェアとは何ぞやと同じコトを書くのも何なので、もしまだフェアに行ったコトがなく、どういうものなのかを知りたい方は、昨年の同フェア記事をお読み下さいませませ。
第20回 埼玉インセクトフェスティバル



…昨年は諸事情(喜界島ケブカ採集)で参加できなかった大宮フェアですが、今年は再び参加できる予定です。
ただ、今回は出店はせず普通にお客として回るつもりです。
生き虫の日は行くか迷い中ですが、標本の日は必ず行くつもりです。

沖縄ケブカコフキ探索2014~その2~

ドドドドドド…という振動を響かせながら船は進む。
「揺れないな…」
往路と違い、フェリーがまったく揺れない。
非常に穏やかな海である。
春に奄美から沖永良部島に渡った時もそうだったが、南西諸島方面は冬は海が荒れやすいとはいえ凪の日ならこんなモンなのだろう。
ただし、荒れた時は同じ船が地獄のゲロ船と化す。

さしたる揺れもないまま運天港に入るフェリー。
正直、拍子抜け感が否めないが、まぁ揺れないに越したコトはない。

さて、このまま別の島に渡ってしまおうかとも考えたのだが、仕掛けたままになっているライトトラップも気になるし、一晩は本島で探索するコトにする。
本島のケブカもまだ課題は色々残っているし、やれるならその辺りも手を付けておきたい。
そうと決まればまずは名護周辺に仕掛けたライトはどうかな…と行ってみるが、名護岳側・本部半島側とどちらもケブカは入っていない。
「…マジか。名護は発生遅いのか?」
本部半島側のライトを少し移動させ、以前に僅かながら実績のある場所に移しておく。

それから大急ぎでうるま市へ向かう。
本島中南部にある市で、実はこのブログを始めるより前の2010年に来た際に発生ポイントを見つけたものの、時間がなく♀の発見までは至らなかった場所があるのだ。
以前に短大の友人たちと沖縄に遊びに来た時に立ち寄ったビオスの丘という観光施設の近くであり、更に2010年に大好きなミュージシャンのZABADAKが南城でライブをやった同じ晩、そのライブを観終わった後にわざわざここまで来て採ったという…色々と思い入れのある場所でもあるので、この場所の♀は是非採集しておきたい。
明暗センサーの付いた自動点灯の簡易ライトトラップを設置し、再び取って返して名護に戻る。

名護に着く頃には既に真っ暗になっており、すぐにポイントへ向かう。
…が、いない。
仕掛けたライトも覗いてみるが、来ていない。
既設の照明等も見て回るが、何も来ていない。
どうしたものかと思ったが、国頭村の北部にもライトトラップを仕掛けてあるので、国頭に向かう。

とりあえず2010年のポイントに行き、車を停めるとさっそく正面のリュウキュウチクの藪から1♂がライトに向かって飛んでくる。
「やっぱ出てるよなー…」
と呟きながら森に入ると、ライトに向かっていくつかの♂が飛んでくる。
リュウキュウチクは、道路沿いの林縁は隙間もないぐらいに密生しているが、林内に入るとややまばらになり、株立ちの間は空いている。
ケブカコフキの♂たちは、その間を♀を探して飛び回るのである。
…と、すぐに数頭の♂が静止しているのが見つかる。
国頭ケブカ♂
…ちなみに、後ろに映っている白いのは幽霊ではなく、リュウキュウチクである。
「これは近くに♀がいるかもな。」
と思って探してみると、1m程の低い灌木の葉裏、重なる2頭のケブカが見つかった。
「いたいた!」
国頭ケブカ♀-1
交尾しようとしていた雌雄である。
森に入って、ものの5分。
「…ま、やんばるはこんなモンだよな。」
と独り言を呟いて探索を続ける。
♂の多い場所を探し、そこを重点的に探す。

…あ、いた。
国頭ケブカ♀-2
今度はリュウキュウチクの茎。
…結局、1時間程探索して3♀を見つけて森から上がる。
雰囲気的に、だいぶ出てきているがまだピークではない感じ。
♂の数もまだピークではない。
それでももう少し続ければあと1~2♀は追加出来たと思うが、ここは以前に多数の個体を見つけているので今更ここでたくさん採っても仕方ない。3♀採れれば十分である。

さて、更に北に向かう。
本島の中でもだいぶ北端に近い場所で、伊平屋島に行く前に2♂だけ見つけたポイントだ。
車を停めてリュウキュウチクの密生する小道を進んでいくが、羽音は無い。
ここは数は少ないのかな…と思いながら進んでいくと、伊平屋島に行く前に設置したライトトラップが見えてきた。
「うわ、いっぱいおる!」
ライトの中や、その周囲にいくつもの♂が飛び回っている。
それらを回収している間にもまた♂が飛んでくる。
こっちは既に発生ピークのような飛び方である。
来る途中では羽音は少なかったが、この周囲ではかなりの♂が飛んでいる。
ライトを持って歩いてみれば、その明かりの中に♂がポンポンと飛び込んでくる。

数が多ければ、こんなコトもある。
クモの巣ケブカ
クモの巣にかかってしまったケブカコフキ♂。
♀に出遭うこともなく、こうして食われて死んでしまう個体も多いのだろう。
…さてさて、数が多いことに気を良くして採集を続けていると、背丈より低い細い灌木の幹に1♀。

やっぱり、探し方の感覚は忘れていない。
となると、やはり伊平屋島で見つからなかったのは、少なくともあの時点で「いなかった」と言って良いだろう。
時計を見ると既に夜中の3時近い。
もう少し探したい気もするが、明日はまた別の島に渡るのだし、と探索を切り上げた。

…クリスマス・イブイブのクイスマス・ブイブイは国頭村の個体となった。


12月24日
本部半島、伊平屋島に渡った運天港とは反対側にある本部港。
ここからすぐ近くの伊江島にフェリーが出ている。
フェリー伊江島
伊江島は伊平屋島よりずっと近く、船で30分程度で着いてしまう。
空港もあるが、飛行だったらもう沖縄本島を離陸した途端に着陸だろう。

伊江島もまたケブカコフキの記録は無いが、いるという噂はある。
果たして本当にいるのか、それを確かめたい所である。

沖縄ケブカコフキ探索2014~その1~

「完ッ全に早過ぎたなー…」
何度目か分からぬ溜息を漏らしながら、森から上がる。
12月19日、沖縄島に到着してから3日目の晩である。

沖縄県国頭村、いわゆる「やんばる」と呼ばれる地域。
広がる照葉樹林と、道沿いから林縁に密生するリュウキュウチクの大群落。
ここはそのやんばるにある某ダム近くの森。
4年前に大当たりしたポイントの森だが、今夜はようやく10♂を見つけた程度。
10頭というとナカナカの成果に聞こえるが、ことケブカコフキコガネに関して言えば、10♂というのは発生ピーク頃であれば森に入って数分で採れてしまう数である。それぐらい数が多い虫なのだ。
それが、1時間ほど歩き回って10♂。
まだ発生初期、である。
♂の数が少ない上に活動も鈍く、飛んでいるものより枝に静止している個体の方が多い。
一応♀も探してはみたが、♂がこの程度ではまず見つからない。

初日はダム灯火で1♂のみ、2日目は新規開拓をチャレンジしたため成果ゼロ、そして今日が3日目である。

ケブカコフキコガネ(→記事)は冬に出る面白いコガネムシで、沖縄では12月のクリスマス頃に多い。
なので普通に考えればまだ時期が早いのだが、一昨年久米島に狙いに行った際、20日から島に入ったら、発生が例年より1週間以上も早くて17日にピークが来てしまったという話を聞いてガックリした経験があったため、今回は少し早くから入るコトにした。
…が、どうやら読みが外れてしまったようで、多分この感じだと発生状況は例年通りという感じになりそうだ。

ちなみに「やんばる」は、沖縄本島北部に広がる大きな森林地帯で、ヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネにもその名が付いている。
ただ、正式な地名ではないので、厳密に何処からがやんばるとかいう境界はない。

今夜の探索で驚いたのは、沖縄ではまだチョウセンカマキリが生きていたこと。
沖縄チョウセンカマキリ
温かい沖縄なので本土より遅くまで生き残っていて不思議はないのだが、まさかケブカコフキ探索中にカマキリを見つけるとは思わなかった。

さて、一応もう1ヶ所、目星をつけた場所があるのでそちらに向かってみる。
昼間にライトトラップを仕掛けておいたので、もし生息していれば♂が来ているハズ…とリュウキュウチクの密生する小道を進むと…
「いた!」
小さく声を上げる。…ライトに2♂が来ている。
ここは同じ国頭でもかなり北部、多分ここまで北部の個体は誰も採っていないんじゃないだろうか。
一応、ケブカコフキコガネがやんばるのどの辺りまでいるのかを確認するために仕掛けたトラップだったが、見事に当たったようだ。

…それにしても、まだ完全に発生初期だ。♂の様子からして、♀はまだほとんど発生していないだろう。
明日には別の島に渡るため、できれば本島で♀を採って勢いをつけてから行きたかったのだが…仕方ない。
ダムまで戻り電波の入る場所で郵便物の追跡を確認するが……まだ更新がない。

12月20日
元部半島にある運天港からフェリーに乗る。
フェリーいへや

……(゚∀゚ )

…………(゚∀゚ ;)

………………(゚Д゚ ;)

……………………(´Д` ;)

……伊平屋島、到着。

…………ゆ、揺れたな…。
けっこう…危なかった…

春の喜界島の時(→喜界島(&他)遠征記2014~03~)よりは時間もずっと短いし、揺れもまだ幾分マシだったかもしれないが、それでもかなりの揺れだった。
運天港を出てややもせぬうちに船がかなり揺れ出したため、早々に横になったので酔わずに済んだが、起きていれば確実にゲロッ吐きコース直行だったのは間違いない。
自身も乗り物に特別強いワケではないが、乗り物酔いしやすい人なら一撃必殺レベルの揺れであったことは間違いない。

まだ揺れているような気がする頭を叩き起こし、まずはポイントを探す。
伊平屋島は沖縄本島の北西約41kmに位置する島で、飛行場はなく船でしか渡れない小さな島だ。
ケブカコフキの記録はまだ無いが、生息していても不思議はないと思い、今回行ってみるコトにした。
1♂でも見つけられれば初記録、というワケだ。
…余談であるが、伊平屋島はコンビニもなく、そのためATMも郵便局にしかないので注意したい。

さて島に着いて色々と回ってみると、ケブカコフキ基亜種(原名亜種)(→亜種とは)の食草と思われるリュウキュウチクは何ヶ所かで見られるようだが、やんばるのような大群落は無さそうだった。
感覚としては、『いるかもしれないが、難しいかも』
伊平屋島リュウキュウチク
それと気になったのは、森で車を下りる度に鼻を突く異臭。
何処となく化学っぽい、ツンとくるニオイだ。
“何だろう…?”と思いつつも夜になり、森を探索する。

…森はシンと静まり、何の羽音もしない。
懐中電灯片手に環境の良さそうな辺りを重点的に見て回るのだが、気配がない。
目にするのは、そこかしこにいるヤスデ、ヤスデ、ヤスデ。
…ああ、この異臭はヤスデのニオイかと今更に気付く。
ヤンバルトサカヤスデ
ヤスデの仲間は身の危険を感じると青酸ガスを含む異臭を発する。
森に漂っている鼻を突く異臭は、この臭気だったようだ。

ムカデと混同されることもあるが、ヤスデの方が更に脚が多い。しかし、ムカデのように噛みついたりはしないので害は少ない。肉食のムカデと違い、ヤスデは普段は腐った落ち葉などを食べている大人しい生き物だ。
ちなみに今回多く見掛けるこのヤスデは、友人の話では「ヤンバルトサカヤスデ」という種らしい。刺激を受けた時の青酸ガスや、場所によって大量発生したりするため不快害虫とされることが多いようだ。

…気を取り直して探索を続けるものの、甲虫らしい甲虫は何も見ないまま終了。
どうもヘッドライトに迷い込む蛾の数も少ないように思う。
伊平屋島がそういう島なのか、それともヤスデの青酸ガスで虫が少ないのかは分からない。
…携帯で郵便物の追跡を確認するが、まだ更新はない。

12月21日
新たなポイントを探して島を回る。
草地の脇を抜けた時、やたらとバッタが飛び立つ場所があった。
気になって下りてみると、途端にまた数頭が飛ぶ。
赤みの強いハネが目立つ…どうやら タイワンツチイナゴ らしい。

タイワンツチイナゴ
タイワンツチイナゴは本土のツチイナゴとよく似た姿をしているが、サイズは遥かに大きく、トノサマバッタと同格かそれ以上の大きさ。更にハネも長く飛翔力に優れていて、一度飛び立てば遥か彼方まで飛んで行ってしまうコトが多い。


草地に足を踏み入れてみると、1歩に5頭という感じで次々と飛び立つ。
「すごい数だな、こりゃ…」
2~3歩歩けば、もう目の前を10数頭のタイワンツチイナゴが飛び交う。
網も持っていないが、これだけいれば素手でも捕まえられるかも…と思い、草地に踏み込む。
次々と飛び立って逃げていくが、やはりこれだけ多いとジャンプに失敗する個体もいて、草が揺れた拍子に跳ね損ねた個体なんかを捕まえて遊ぶ。
…と足元にカマキリがいるのが目に入った。
淡い色のコカマキリ…
ウスバカマキリ
……ぅん?
何かが違う。
捕まえてみて、違和感を感じた。
顔が何処となく丸っこいし、首(前胸)も太短い。
サイズは明らかにコカマキリなのだが、コカマのあのスリムさがないのだ。
なんとなく、コカマキリにハラビロカマキリの要素を少し混ぜ込んだような…かと言って、ハラビロカマキリではない。
よく見れば、カマ内側の真ん中に紋もない。
ウスバカマキリ-2
「ウスバか!」
…ようやく思い当たる。

ウスバカマキリ。
草地性の中型カマキリで、ハネが薄く見えることからウスバの名がついている。分布域の広いカマキリでフランスにも生息しており、あのファーブル昆虫記にも登場する。淡い色の体は、他のカマキリに比べて何処となく清楚な感じがする。
実はまだ自己採集したことがなく長らく憧れていたカマキリだったのだが、まさかケブカコフキを採りに来た12月下旬の沖縄で初採集することになろうとは…。

思わぬ採集に気を良くして追加を探してみるが、残念ながら2頭目は見つからず。
タイワンツチイナゴを数頭捕まえて遊びつつ、周辺のリュウキュウチクを探す。
そんなこんなで更に数ヶ所ケブカのポイントを目星を付け、夜を待つ。
思った以上のリュウキュウチク群落を見つけられたので、ちょっと期待が高まる。

…さてそろそろ飛ぶだろうという時間に合わせて森に入ると、昨夜と同じヤスデ臭が鼻を突く。
リュウキュウチク群落の周りや、その中へと入り込み、蛍光灯と懐中電灯で周囲を探す。
雰囲気は良く、今にもそのリュウキュウチクの隙間からブブブブッと羽音を響かせながら、体に合わぬ大きな触角を目一杯広げ、眼をオレンジに光らせながら飛び出してきそうなのだが……

……来ない。

必死に探し回るも、結局、昨夜と同じく羽音ひとつないまま夜は更けていった。
一応携帯で郵便物の追跡を確認するが、やはりまだ更新はない。

12月22日
島北部にある牧場である虫を狙ってみるのだが、現在牛を引っ込めてしまっているようで新鮮な糞が全く落ちていない。
カラカラの糞をひっくり返してなんとか1ペアを確保。
ガゼラエンマコガネ
ガゼラエンマコガネ。
黒系が多い日本のエンマコガネの中にあって前胸は赤、ハネは淡い黄土色と全身に色のついたエンマコガネだ。
…と言っても、実はこの虫、最初から日本にいた虫ではない。もともと大型哺乳類のいなかった伊平屋島なので放牧をしてもその糞を分解してくれるだけの糞虫がおらず、そのために海外から導入された、いわば意図した移入種なのである。
画像では分かりにくいが♂は頭に2本の角が生えており、小さいながらにナカナカ格好良い虫だ。
日本では、ここ伊平屋島でしか見られない糞虫だ。

…一旦市街地に戻る。
さて、どうしたものか。
この感じからすると、正直現時点で伊平屋島ではケブカコフキは出ていないと思う。
生息していないのか、発生時期が違うのかまでは分からないが、12月22日時点で成虫が活動していないのは間違いないだろう。
となると、いつまでもこの島にいても意味がない。
だが、実は今回、ある時点までは島にいなければいけないという制約があり…
…というところで携帯が鳴る。
「もしもし?」
「名護郵便局ですが…」
キタ!
「はい!(待ってました!)」
「お荷物、局留め郵便が名護郵便局に到着しましたのでご連絡差し上げました」
…ん?
「え、いや、伊平屋島に転送手続きをしたハズなんですが」
「あ、そうでしたか!すみません、連絡が行き違ってしまったようで…では、伊平屋島に転送でよろしいですか?」
「はい、お願いします。…えと、明日イチの船便で出れば、明日の昼には受け取れますかね?」
「はい、船が出れば大丈夫だと思います」
「分かりました」
ピッ

…実は、初日の朝、大寝坊をして慌てて家を飛び出したため重大な忘れ物をしてしまい、それを相方さんに局留め郵便で送ってもらっていたのだ。
だが、沖縄本島にいる間に受け取るハズだったソレは天候の関係で船便になり、本島にいる間には受け取れないと分かり、伊平屋島郵便局への転送手続きをした。しかし、それがいつ到着するのか分からず、毎日のように郵便追跡を確認していたのだが、東京の郵便局を通過したきり更新がなく、一体どうしたものかとヤキモキしていたのである。
だがこれでようやく受け取る目途が立った。
明日受け取り、もしギリギリでも明日の船に間に合えば…もう本島に戻ろう。

…夜、もちろん探索はしてみるものの、やはり気配はない。
森に入る、群落を車のライトで照らす、ライトトラップを設置する…と複数の方法で狙ってみるが、やはり来ない。
う~ん…伊平屋島なら絶対いると思ったんだけどなぁ…

12月23日
考えてみたら、これから本島に戻るのなら伊平屋転送を取り消して本島の郵便局で受け取れば…と思い当たったが、後の祭り。
もう船は出ている。
牧場でもう少しだけ糞を起こして、ガゼラエンマコガネを1♂だけ追加する。
…その最中、足元から飛んだバッタに違和感を感じて捕えてみた。
アカアシバッタ
クルマバッタモドキ♂のようだが全体に寸詰まりで、イボバッタとも何か違う…。一応ハネを開いてみたら、後翅に黒帯がなかった。
“なんだ、このバッタ?”と気になって一応持ち帰ってみたところ、アカアシバッタ という南西諸島限定の、しかも冬に発生するバッタであった。
以前ならバッタは採集対象になく、見つけても全部スルーかリリースだったのだが、採集の対象が広がった昨今、こういう虫も気付いたら採っておくようにしている。

さて市街地に戻りながら、「今日は12月23日か…」とぼんやり思う。
12/24がクリスマス・イブ。イブは前夜という意味なので、更にもう1日前の今日23日はイブイブと言われているらしい。
そんな話を思い出し、「今日はクリスマス・イブイブ」とかツイートでもしようかと携帯で打っていたら、イブイブ…ブイブイ?と頭の中に浮かんだ。
「ブイブイ」とは昔から言われているカナブンやコガネムシの総称で、せわしなく飛び回る羽音からそう呼ばれているらしい。
そしてもうひとつ、オーストラリア方面でもクリスマスシーズンに出てくるコガネムシがいるそうで、それらはクリスマス・ビートルと呼ばれている。
なのでケブカコフキコガネもまた日本のクリスマス・ビートルと言えるのだが、先程頭に浮かんだ「クリスマス・ブイブイ」という言葉が妙にしっくりきて、

「ああ、ケブカコフキはクリスマス・ブイブイなんだ!」

とか勝手に納得してしまった。
…ま、そのクリスマス・ブイブイが採れてないんだけどな。

…と、町に着くが、郵便局が開いてない。
あれっ?
なんで…?

…慌てて本局に電話してみると、今日は祝日だったのである。

マジかよ!?Σ(゚Д゚;)

船が到着し、頭を抱えていると、担当の方から電話。
「今日、受け取りたいですか?」
「はい、出来るなら…」
「では、お持ちしますので、待ち合わせましょう」
マジですか!
…このあたり、島の緩さの良い所だと思う。
本土の郵便局なら、「休みは休み」であって、まず絶対にこういうコトはしてくれないだろう。
…とは言え、港で待ち合わせて荷物を受け取った時点で出港10分前。
これはもう無理かな…と思いつつ、受付に行ってみると、「急げばギリギリ間に合うんじゃないか?」との言葉。
これまた良い意味での「島の緩さ」だ。
出港5分前にフェリーに飛び乗る。
ゼハー、ゼハー、ゼハー…

客室に辿り着き、一息つく頃には既に船は動き始めていた。

沖縄ケブカコフキ探索2014~その0~

12月17日
本日の飛行機は13:00発。それに合わせて電車は地元駅を10:40発のに乗ると決めた。








…目を覚まし、時計を見る。
目覚まし時計の針は11時20…

11時20分!?
「うっそだろ!?」
寝ぼけた頭でも分かるトンデモナイ事態に、バネ仕掛けのように体が跳ね起きた。

本日の飛行機は13:00発。
それに合わせて電車は地元駅を10:40発。

今の時間は、11:20

慌てて着替えて荷物をまとめ、家を飛び出す。
ナップザックと中型のキャリー。
無我夢中で走る。心臓が、肺が、握り潰されるかのように痛い。普段、採集は気力で動いている部分が大きいので、こういう時は本当に体力の無さを痛感する。数分走っただけで体力が尽き、走れなくなる。それでも少し歩いてはまた走り、息も絶え絶えになりながら駅に辿り着き、電車を待つ数分の間に改めてルート検索で到着時刻を調べる。

飛行機離陸13:00空港到着予定時刻12:50
間に合わない!

当初の10:40発はかなり余裕を持って着けるようにと設定した時間だったので、この時間からでもフライト前の到着にはなるが、それでも着くのが10分前では、そこから空港に入り、航空券を発券し、荷物を預け、保安検査場を通っていたらもう間に合わない。

どうする!?
どうする!?

全身を掻き毟るような焦燥と絶望を抱えながら、必死に考える。
こういうルート検索は乗り換えを比較的ゆっくりに計算していることが多く、急ぐと1本前の電車に乗れることもある。
もしそうなれば、なんとか間に合うかもしれない。
とにかく行くしかない。
乗換駅に着くや否や電車を飛び降り、エスカレーターを駆け上がり(※危険なのでヤメましょう)、乗り換える。更に浜松町でも駆け上がり、駆け抜け、モノレールホームに駆け上がると1本前の区間快速がまだいる!
車両に走り込んでゼェゼェいいながら改めて到着時間を調べると、15分チョイ前ぐらいに着ける!

なんとか間に合う!(多分)

…モノレールが走り出す。
このモノレールに乗り込んでしまえば後は空港に着くのを待つだけ。息を整えながら外を眺め、焦燥感と戦う以外に何も出来ない。
区間快速は途中でいくつか駅を飛ばすものの最初は各駅停車。“もう空港までノンストップで行ってくれよ!”と気は焦るが、どうにもならない。
天王洲アイル…大井競馬場前…流通センター…あああもう止まらんでいいよ!早よ!早よ!
そこから何駅か飛ばして羽田空港国際線ビルを過ぎれば、あとは1駅通過して羽田空港第1ビル駅だ。
やがて高架を走っていたモノレールが地下に入り、羽田空港第1ビル駅に着く。
息は整ったのでそこからまたダッシュで階段を駆け上がり、空港に飛び込んだらスカイマークの航空券を発券してそのまま券を口に咥えてダッシュ、荷物をX線に通してカウンターで預けたら保安検査場へ走る。平日昼ということもあって幸いにも検査場は空いており、無事に検査場を抜けて搭乗口に着いたのが、搭乗開始の直前だった。

間に合った…!

すぐに優先搭乗が始まり、続いて窓側席の搭乗。
ゲートを通り、沖縄・那覇空港行き飛行機に乗り込み、席に着く。
…ここでようやく、張り詰めていた心が一気に緩んだ気がした。

正直、目が覚めた時点ではほぼ確実に間に合わないと思った。
空港でお金を払って次の便に…というコトさえ考えた。
それでも、当初時間に余裕を持って設定していたことと、1本前のモノレールに乗れた幸運で、こうしてなんとか間に合い、予定の飛行機に乗るコトができた。


初っ端も初っ端、沖縄に着く前どころか飛行機に乗る前からいきなりトラブル発進になった今回の沖縄ケブカコフキ採集遠征は、こうして始まった…

謹賀新年

謹賀新年2015
あけましておめでとうございます。
虫屋の皆様にも、そうでない皆様にも楽しんで頂けるブログになるよう頑張って参りますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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