3月頭に埼玉から千葉に転居しまして。
近くに雑木林なんかもある場所なのは分かっていたので、良い虫が採れるんじゃなかろうかとチョイチョイ出掛けてはご近所採集をしています。
先日、都区内某所の調査でオオスズメバチを確認できたので「もう地元でも出ているハズ!」というのと、ミズキの花も頃合いであろうと。
5月3日。午後からは来客があるので、午前中の数時間だけで自転車でちょちょいと採集に行ってきた。
場所は市内の河川敷。日当たりは良いが、一部に雑木林が面した場所もあるような環境。
4/28にも来ているのだけど、5日かそこらでずいぶんと様変わり。菜の花で土手一面黄色かったのがすっかりなくなり、ハルジオンが満開になっていた。

見れば草の上をチョンチョンと跳ねるようにヒメウラナミジャノメが飛び、花にはコアオハナムグリやハナアブ、ミツバチなどが訪れている。

早々に狙いの一つであった地元産オオスズメバチを1♀仕留め、気を良くしながらミズキの花を掬っていたら、虫網を持った親子連れの姿が。
軽く会釈をすると、「どんな虫がいるんですか?」と話しかけられた。
自分が転居してきたばかりで、地元にどんな虫がいるのかまず色々採ってます的な話をして、名刺を渡そうとしたがあいにく持っていない。“こんな時のための名刺なのに…!”と思いながらも、「『虫けら屋』とネットで検索して頂ければウチのblogがヒットしますので」とお伝えしておいた。
新しい地元で、虫採りをしたいと思ってくれる子供がいるのは嬉しい限り。
先月末にはまだ出始めたばかりという感じだったシオヤトンボがすっかり成熟してパトロール飛行をしていたので、捕獲。

シオカラトンボとよく似ているが、一回り小さく、♂は腹部のわりと先の方まで青白くなる(シオカラ♂は先端1~2cmは黒っぽい)。シオカラより一足早く現れるトンボだ。
…で、そのシオヤトンボを採っていたら網の中に何かハムシっぽい影。
スイープした時に草に付いていたのがたまたま入ったか…と確認してみたら、
「マジで!?」と思わず声を上げてしまった。
慌てて周囲をよく探してみると、確かにいた。
「ネクイハムシ!」1cmかそこらと小さいが、鈍い金銅色に輝くナカナカ美しいハムシである。
湿地性の虫なのだが、まさかこんな河川敷で見られるとは。しかも自宅から自転車で簡単に来られるような場所で。
…ネクイハムシも何種もいるので、なんという種かは帰ってからきちんと調べないといけないが、ネクイハムシの仲間なのは間違いない。
いやいやまさかの収穫である。
こんな場所にいるぐらいだからネクイの中では普通種だとは思うが、それでもまさか近所でネクイハムシを採れるとは思ってもみなかった。
引越し先のこの地元、侮れん…!最後に「一応…」と川べりに生えたヤナギを見に行ってみると、ここがオオスズメバチの溜まり場だった。
採って少し待つと次が飛んでくる。それを採ってまた待ってると飛んでくる。
たまにモンスズメバチやコガタスズメバチも混じっている。
オオスズメバチ女王をいくつか追加採集して、さてと時計を見るとそろそろ帰らなければいけない時間。
最後に、「次に来たら写真を…」と思ってカメラを構えて待っていたのだが、上手い場所に来てくれず、撮れたのはこんな写真だけ…

…う~む、ちゃんとした写真を撮るためにも、近いうちにまた来ないとな。
自転車で15分かそこらの気軽に来られるような近場で、ナカナカの収穫である。
小規模ながら雑木林は点在しているし、悪くない場所だとは思っていたが、自分が思っていた以上にご近所に良い虫がいる。
この先の季節が、また楽しみになってきた…!