そこに写り込んでいたもの…

先日、昆虫調査をしていた折、シマアメンボを見つけた。
シマアメンボはアメンボの仲間だが体が丸っこく、流れのある場所にしか生息していないアメンボだ。
シマアメンボ
池などの止水(水が流れていない水域)に生息するアメンボはのんびりと気ままに泳いだり止まったりしているのでまだ撮影もしやすいが、このシマアメンボは常に流れのある場所にいるので始終動きっぱなし。
だから写真も簡単には撮れず、ピントを固定したまま当てずっぽうにシャッターを押して上手く画角に写り込んでくれるのを願うしかない。

…最初の画像も、実はそうして撮った写真をトリミングしたものである。
オリジナルの画像はこれ。
シマアメンボ-2
左の方にシマアメンボが写っているのが分かる。

…と、よくよく見たら、あることに気付いた。
「あっ、オニヤンマのヤゴが写り込んでる!」
シマアメンボ-3
撮影中は全く気付いていなかったのだが、写真の右の方にオニヤンマのヤゴが写り込んでいた。
オニヤンマのヤゴは砂や泥にまみれて水底にいるので、アメンボに夢中になっていたせいで気付かなかったのだろう。
偶然の産物ではあるが、ヤゴとアメンボ、2つの虫が同時に写った良い写真になった。






…と、思っていた。



そんな喜びを込めて某SNSにこの画像をUPしたところ、
「それ、抜け殻です。本体はその上にいます。」
というコメントを頂いた。
えっ!?と思って改めて写真を見直すと………あああっ!
シマアメンボ-4

写っている辺りを拡大してみると、よく分かる。

ヤゴ拡大

…なんとまぁ、写り込んでいたのは脱皮直後のオニヤンマのヤゴと、その脱殻だったのである。
こんなタイミングが写り込むとは、何という偶然だろう。
羽化した時の脱殻以外は、探そうと思ったってそうそう見つかるもんじゃない。
それがたまたまアメンボを狙った写真に写り込むとは…

こんな偶然てあるんだなぁ…と改めて思った出来事であった。
シマアメンボとオニヤンマ
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ジンガサハムシ

この季節、ヒルガオを見かけたらちょっと立ち止まってみたい。

ヒルガオ

アサガオに似て少し細い葉、花もちょうど今頃で、アサガオに似ている。
都市部だとちょっと難しいが、緑地公園など自然の多い場所に生えたヒルガオを見てみると、虫食いがあることがある。
何枚も虫食いの葉が見られるようなら、そっと葉をめくってみよう。
何枚かめくっていくと…


ホラいた。
ジンガサハムシ
ジンガサハムシ である。
1cmほどの小さなハムシだが、真ん中がちょっと盛り上がった平べったい形が、昔の武士が戦(いくさ)の時にかぶる「陣笠(じんがさ)」に似ていることからその名が付いており、面白いことに淵が透明なのである。
そのため葉にとまれば淵は下の葉の色をそのまま通すので、外敵からは昆虫の姿と判断されにくいのかもしれない。
この不思議な形は主に上バネ(鞘翅)と前胸背が広がってできたもので、胴体はこの黒い部分の下に隠れており、それを覆うように透明な上バネが広がっている。

…ちなみにこのハムシ、背面の黒い部分が全部金色になってしまうタイプのものもいて、この違いが単なる個体差なのか何なのか、よく分からない。
ジンガサ2タイプ
そして大変残念なことに、標本にするとこの金色の輝きは完全に消えてしまう。
…どうも、細胞が水分で満たされている時にだけ発現する輝きのようで、水などに入れておくと一時的に輝きが復活するのだが、乾燥するとまた消えてしまう。

“この金色が標本で残せたら…”と何度思ったことか。

今年の初ヤンマ

少し前の4月22日、都内某所。
小さな水場のそば、薄暗い藪の下草の辺りでブブブッと羽音がしたので何かと覗いてみると、ヤンマが草の中で暴れていた。
あらら…と思い、拾い上げてみると、まだ羽化したばかりらしく翅(ハネ)はまだテラテラと反射し、体も色付ききっていない。
…が、腹部がおかしな方向に曲がってしまっている。

クロスジギンヤンマ羽化失敗

よくよく見れば、近くに羽化したヤゴの殻も残っている。
どうやら、羽化してハネを伸ばしている最中に際に誤って落下してしまったらしい。
一応、近くの枝に掴まらせておいたが、あの状態では体が固まっても飛べるようになるのか…正直分からない。

ちなみに、クロスジギンヤンマは無事に羽化してしっかりと色付けばこんなに美しいヤンマである(→記事)。
クロスジギンヤンマ

自然の世界は厳しい。
ひたすら幼虫時代を生き延び、ようやく羽化できると思った矢先にアクシデントで羽化に失敗してしまうこともある。
それが致命的なものであった場合、彼らは一度も空を飛ぶことなくその一生を終える。

ご近所採集

3月頭に埼玉から千葉に転居しまして。
近くに雑木林なんかもある場所なのは分かっていたので、良い虫が採れるんじゃなかろうかとチョイチョイ出掛けてはご近所採集をしています。
先日、都区内某所の調査でオオスズメバチを確認できたので「もう地元でも出ているハズ!」というのと、ミズキの花も頃合いであろうと。

5月3日。
午後からは来客があるので、午前中の数時間だけで自転車でちょちょいと採集に行ってきた。
場所は市内の河川敷。日当たりは良いが、一部に雑木林が面した場所もあるような環境。
4/28にも来ているのだけど、5日かそこらでずいぶんと様変わり。菜の花で土手一面黄色かったのがすっかりなくなり、ハルジオンが満開になっていた。
河川敷
見れば草の上をチョンチョンと跳ねるようにヒメウラナミジャノメが飛び、花にはコアオハナムグリやハナアブ、ミツバチなどが訪れている。
ヒメウラナミ、他

早々に狙いの一つであった地元産オオスズメバチを1♀仕留め、気を良くしながらミズキの花を掬っていたら、虫網を持った親子連れの姿が。
軽く会釈をすると、「どんな虫がいるんですか?」と話しかけられた。
自分が転居してきたばかりで、地元にどんな虫がいるのかまず色々採ってます的な話をして、名刺を渡そうとしたがあいにく持っていない。“こんな時のための名刺なのに…!”と思いながらも、「『虫けら屋』とネットで検索して頂ければウチのblogがヒットしますので」とお伝えしておいた。
新しい地元で、虫採りをしたいと思ってくれる子供がいるのは嬉しい限り。

先月末にはまだ出始めたばかりという感じだったシオヤトンボがすっかり成熟してパトロール飛行をしていたので、捕獲。
シオヤトンボ
シオカラトンボとよく似ているが、一回り小さく、♂は腹部のわりと先の方まで青白くなる(シオカラ♂は先端1~2cmは黒っぽい)。シオカラより一足早く現れるトンボだ。

…で、そのシオヤトンボを採っていたら網の中に何かハムシっぽい影。
スイープした時に草に付いていたのがたまたま入ったか…と確認してみたら、

「マジで!?」

と思わず声を上げてしまった。
慌てて周囲をよく探してみると、確かにいた。
ネクイハムシsp.
「ネクイハムシ!」
1cmかそこらと小さいが、鈍い金銅色に輝くナカナカ美しいハムシである。
湿地性の虫なのだが、まさかこんな河川敷で見られるとは。しかも自宅から自転車で簡単に来られるような場所で。
…ネクイハムシも何種もいるので、なんという種かは帰ってからきちんと調べないといけないが、ネクイハムシの仲間なのは間違いない。
いやいやまさかの収穫である。
こんな場所にいるぐらいだからネクイの中では普通種だとは思うが、それでもまさか近所でネクイハムシを採れるとは思ってもみなかった。

引越し先のこの地元、侮れん…!

最後に「一応…」と川べりに生えたヤナギを見に行ってみると、ここがオオスズメバチの溜まり場だった。
採って少し待つと次が飛んでくる。それを採ってまた待ってると飛んでくる。
たまにモンスズメバチやコガタスズメバチも混じっている。
オオスズメバチ女王をいくつか追加採集して、さてと時計を見るとそろそろ帰らなければいけない時間。
最後に、「次に来たら写真を…」と思ってカメラを構えて待っていたのだが、上手い場所に来てくれず、撮れたのはこんな写真だけ…

オオスズメバチ女王

…う~む、ちゃんとした写真を撮るためにも、近いうちにまた来ないとな。



自転車で15分かそこらの気軽に来られるような近場で、ナカナカの収穫である。
小規模ながら雑木林は点在しているし、悪くない場所だとは思っていたが、自分が思っていた以上にご近所に良い虫がいる。
この先の季節が、また楽しみになってきた…!
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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akepon6464@yahoo.co.jp

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