お知らせと雑記

中野にある「むし社」さんで随時開催している 昆虫標本教室 ですが、タイミングを逸したり準備等に手間取ったりで、夏休み以降開催できておりません。
にも関わらず、楽しみにして頂いている方もいらっしゃいますし、むし社にも問い合わせを頂いたりしているそうで、開催している者として嬉しい限りです。
ちょっと年内開催が難しいかもしれないのですが、来年には必ずまた開催しますので、その際は当blogや、むし社店頭ポスター等でお知らせいたします。
申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください。




…ちなみに、私自身は初夏のフランス旅行以降は遠征等には行けず、今年はもっぱら近場での採集に明け暮れております(笑)
転居した地域が自然度が高く、面白い虫も多々おりまして。
地元ヤママユ
ヤママユなんかも、山に行けばダース単位で灯火に集まっていたりしますが、「市街地で」と条件を付けたら簡単ではない虫です。
遠征に行けない分、今年は新たな地元となった場所の昆虫をしっかり採集していこうかと。

いずれ単体で記事にもしたいと思っているのですが、「地元の昆虫相」というのは地元の人でなければ調べられません
有名な採集地には全国から虫屋が集まりますからおのずと記録も集積していきますが、特に有名ではない場所でどういう昆虫が生息しているのか?というのは、地元に住んでいる人だからこそ調べられることです。

そして地元の虫というのは、知らず知らずのうちに森や畑が住宅地に変わり、「いつの間にかいなくなってしまう」ものが多いのです。
「いっぱいいるし、わざわざ採らなくても…」と思っていた虫が、気付いたら姿を消している。
「ちょっと前までいっぱいいたんだよ」と言っても、記録が残っていなければそれは証明できません。


スジグロシロチョウは、まだ皆さんの地元にいますか?

いつの間にか、モンシロチョウばかりになっていませんか?
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クマバチ と くまんばち

だいぶ以前、コマルハナバチという蜂を紹介した際に、クマバチとの違いを少し書いた(→記事)。
コマルとクマバチ

このクマバチ、♂は土手や高台の上で空中に浮かぶようにホバリングして縄張りを張り、他の♂や通り掛かるものを追い掛け、追い払う。♀はフジの花などに来ている姿をよく見かける。コマルハナバチと同じくとても大人しいハチで、こちらが掴んだりでもしない限り刺されることはまずない。

ところが、一方で「クマンバチはとても危険な蜂である」という人もいる。


この矛盾は一体どういう事なのか。





…実は、地域によっては オオスズメバチのことを「くまんばち」と呼ぶ のである。
くまんばち

オオスズメバチは危険なハチで、刺されれば命を落とす場合もある。
クマバチとオオスズメバチ(くまんばち)、どちらも「熊のように大きな」という意味から由来しているものと推測できるが、この「クマバチ」と「くまんばち」が混同されているせいで、混乱を招いているようだ。
更に、その混同からか、はたまた元からか、いわゆる「クマバチ」の方を「クマンバチ」と呼ぶ人がいたり、情報を混同して黒い方(本来大人しい方)のクマバチがとても危ないと思い込んでいる人までいるから、余計に話がややこしくなる。

Webの質問板などでもこの混乱は時々見られ、「くまんばちは危ない」という言葉に対して「それは間違いです」と自信満々に言い切っちゃっていたりするのも見掛ける。
これは、「危ない」と言った人は「くまんばち=オオスズメバチ」を想定しており、一方で「危険はない」と言った人は「くまんばち=クマバチ」を想定しているという両者の思考の食い違いからくるものなのだが、今後は「クマンバチ」と聞いた時には、会話の流れからそれが「クマバチ」と「オオスズメバチ」どちらの蜂を指しているのか、よく考えてから答えた方が良さそうだ。

運命の明暗

夜、雑木林と草地を探索していたところ、ライトの中に浮かび上がった。

交尾しているオオカマキリのペアだが、♀に食われているのもまたオオカマキリの♂である。
オオカマキリの交尾と捕食

「カマキリの♀は交尾後に♂を食べてしまう」とよく言われるが、これは実は必ずしも正しくないようだ。
♀にとって動くものは全て獲物であり、捕食の対象となる。
♂はその♀に気付かれぬよう、そっと近づき、隙を狙って飛び乗って交尾をする。
しかし、近付く際に誤って♀に見つかってしまうと、餌にされてしまう。
…つまり、食われた♂というのは「ミスった個体」らしいのだ。

ただ、♂の本能で食われながらも体が動いて交尾に至ることもあるというから凄まじい。
頭を食われながらも交尾していたりするのは、そういった「ミスって食われたけど、本能で交尾まで至った」ものらしい。

無事に交尾に至った♂は、事が済むとまた隙を見て♀の背からヒョイと逃げるそうだ。
…もちろん、その時も♀に見つかれば獲物になってしまうので、「交尾後に食われる♂」というのも中にはいる。


状況から見るに、今回のコレは、
最初の♂がミスって♀に捕食され、その隙に別の♂がちゃっかり交尾に成功した
…という感じだろうか。
昆虫の世界にも、ちゃっかり者はいるらしい。

カワラバッタ

その質感は、石そのもの。
「バッタの形の石彫刻」と言われたら信じてしまいそうになるほど精巧な質感の擬態。

カワラバッタ
カワラバッタ という。

玉石と砂が混じるような河原にいるバッタで、近年の河川改修で生息地を減らしているバッタである。
トノサマバッタに少し似ているが、大きさは二回りぐらい小さく、カワラバッタの♀とトノサマバッタの♂が同じぐらい。
…「イナゴとトノサマバッタの中間ぐらい」と言えばイメージが湧きやすいだろうか?

まるで石そのものの質感のこのバッタだが、飛んだ瞬間だけその水色の後翅が鮮やかにひらめく。
カワラバッタの翅
何もいないように見えた石の河原を歩くと、足元から水色のはためきが舞い上がり、しばし飛ぶと再び河原の石と化して消える。

河原に降りてしまえば石と同化してしまい、よほど注意していなければ姿を見失う。
河川敷のカワラバッタ
※ちなみに答えは以下。
河原のカワラバッタ-2

見事なまでの石擬態と、飛んだ時の青のギャップはナカナカのもの。
夏から初秋にかけて見られ、草の多い河原にはおらず、先に書いたような「玉石と砂が混じるような河原」で見られる。
こういう河原は近年減少しており、そこそこ希少な虫なので、もし見かけたらちょっとラッキーである。

…ただし、カワラバッタより更に二回りぐらい小さいイボバッタというバッタが、外見はちょっと似ている。
こちらは畑地や草地などで見られるので、騙されないようにご注意あれ。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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