ウスタビガ

晩夏から秋にかけて、次々と姿を現すヤママユガ達。
ヤママユ→クスサン→ヒメヤママユ(→記事)→…と続いたヤママユガ達のリレーの最後を受けて現れるのが、ウスタビガである。
ウスタビガ♀
明るい黄色で丸っこいハネのコレは、メス。
♂は黄色~茶色のハネで、先がやや尖っていて雌雄でだいぶ見た目が違う……のだけど、どうやら♂を見られないままシーズンが終わりそうである。

ウスタビガは10月下旬~11月、気温もぐっと下がり木枯らしが吹こうかという頃合いに姿を現す。
しばし前まで元気に鳴いていたコオロギの声もだいぶ寂しげになり、気の早い木は葉を落とし、いよいよ秋の気配が深まってくる頃合い。
これも地元でぜひ見つけたい虫のひとつだったが、11月も半ば近くになってようやく見つけることができた。

幸運にも一晩に2♀を見つけることができたが、♂は採れず。
ヤママユガの仲間は灯火に飛来するのは♂の方が多いのだが、このウスタビガだけは♀の方が多い。
ウスタビガ♀-2
♂は明け方近くになってから飛来することが多いようで、それを狙って朝3時に超早起きして灯火を回ったりしたのだが、出逢えず。

ヤママユガのラストを飾るウスタビガもそろそろシーズンが終わりに近い。
♂に出逢うのは、来年まで持ち越しになりそうである。

…そして、本種は繭の形も独特だったりして、まだまだ色々書きたいことはあるのだが、まだ撮影できず画像を持ち合わせていないので、うちのblogに載せられるのは今しばらく先のことになりそうである。
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トウキョウヒメハンミョウ

しばし前まで元気よく鳴いていたコオロギの声も寂しげになり、昼間に飛ぶ虫の姿も減り、秋もだいぶ深まってきました。
…が、夏の虫のネタです(笑)

トウキョウヒメハンミョウ-1
葉の上に鎮座したこの小さな虫は、トウキョウヒメハンミョウ という。
いわゆるハンミョウ(→記事)と呼ばれる虫の仲間だが、有名なソレと比べて大きさは遥かに小さく、1cmほどしかない。
初夏から秋口頃まで見られ、小さく地味なため見落とされがちだが実は市街地の小さな公園の隅でも発生していたりする。
あまり直射日光が当たる場所よりも、木漏れ日が落ちるぐらいの場所の方が好きらしく、木陰で湿り気があるような地面をよく見ていると、チョロチョロと走り回ったり飛んだりしている姿を見つけたりする。
ナミハンミョウが乾いた地面によくいるのに対し、このトウキョウヒメハンミョウはどちらかというと湿った地面を好むようで、カンカン照りの乾いた地面ではあまり見かけない。

しかし、小さいといってもハンミョウはハンミョウ、正面から見た顔は獰猛そのもの。
トウキョウヒメハンミョウ顔
アリなどの獲物を、この交差させた大アゴを開いて捕らえてしまう。

ちなみにトウキョウと名が付くが東京原産というワケではなく、おそらく外来種であろうと思われる。
いつ頃入ってきた虫なのかはよく分からないが、見掛けるのが人工的な場所ばかりで自然林の中ではまず姿を見ないことからも、日本古来の土着種ではないように思う。

小学生の頃、近所の団地の脇にある小さな公園でもこの虫を見つけたことがあるので、「ウチの近所にはいない」と思わずに、夏になったらちょっと探してみてはいかがだろうか。
トウキョウヒメハンミョウ-2
…尤も、小さい上に地味なので、見つけても 採集する気になれないかもしれないが…(^^;

出逢いは突然に

今の場所に転居して、初夏の頃からずっと近所の灯火回りを続けている。
夏はカブト・クワガタもよく飛んでくるし、スズメガなどの蛾類や、コロギスなどのバッタ類、コガネ、セミ、ゴミムシ、カメムシ…様々な虫が飛んでくるので地元昆虫相を調べるのには既設の外灯などをちょくちょく回るのは効率が良いのだ。
とは言え秋も深まり、甲虫をはじめ虫たちの飛来はめっきり少なくなった。
…しかし、この秋の中~終盤に出てくるヤママユガの仲間がおり、それを地元採集すべく、虫の少ない灯火回りを続けていた。
だが、他の小さい蛾は見掛けるものの、本命にはちっとも出逢えない。
時期的に、ひとつめのヒメヤママユの方はもう発生していて良いハズなのに…

そんな中、11月4日のこと。
昼間にSNSでヒメヤママユの画像が出ていた。
いいなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…と指を咥えながら見ていたのだが、その帰り、地元駅で電車を下りて改札へ向かう途中、ふと、何気なく窓のサッシに目をやった。
夏場だと、よく虫がハマり込んでいたりするので、「何かいないかなぁ…」なんて気軽な気分で。
そしたら…










ヒメヤママユ死骸
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!
Σ(゚Д゚;)

な…なんで…

どうして…

なんで探し求めてた虫がこんなトコでボロボロのカサカサになっとんじゃぁぁぁぁぁあッ!

もう、駅の中だというのに思わず「マジかよ!?」と声が出てしまった。
一度は置いていきかけたものの、もし今シーズン生きた個体に出逢えなかったら、記録標本が…と思い、ボロボロの死骸を未練がましく持ち帰った。

…にしても、ボロボロのワリに鱗粉はよく乗っており、暴れて壊れたものの飛び古している感じはあまりない。
となると、もしかして、まだ発生が始まったばかりなのだろうか…?

生息が確認できて、しかも発生しているという確たる証拠が出ては、じっとしていられない。
家に帰って一息ついたら早速支度をする。
捕虫網、三角ケース、懐中電灯、アンモニア…

自転車に跨り、夜の闇へと走り出す。
近場のよく行く灯火を見るが、何もいない。
コンビニ灯火もダメ。
古い神社の明かりを見ていたら、近所の人に 不審者と思われかける が、きちんと挨拶をして事情を説明し、理解してもらって事なきを得る。…まぁ、夜中に神社で懐中電灯持ったのがウロウロしてたら怪しいよな、そりゃ。
こういう時こそ、こちらから真っ先に挨拶をした方がいい。
向こうは「不審者か…?」と警戒しているのだから、こちらが狼狽えていたら尚更怪しまれるし、黙って立ち去るなんてのは論外。
こちらに悪意が無いことを示すためにも、明るく「あっ、すみません、こんばんは」と。

…が、狙いの蛾はいない。
仕方ないので更に足を伸ばし、少し大きな森がある方まで行く。
外灯を一本ずつ見ながら自転車で流していくと、民家の前の外灯に、萎びた蝶ネクタイ みたいな影があった。

「!」

慌てて急ブレーキ、懐中電灯でそれを照らすと、まごうこと無きヒメヤママユの姿!
「いたっ!」
思わず叫びそうになるのをギリギリで堪え、小さな声で言う。
コソコソと網を組み立て、伸ばす。
夜中になってだいぶ冷えてきており、この分ならすぐには飛べないハズ。下から網でつつけばそのまま落ちるだろう。
網をソロソロと伸ばし、下から突いてやると、思った通りはらりと網の中に落ちる。
「入った!!」
やっぱり小さな声でそう言って、網を手元に戻せば…
地元産ヒメヤママユ
っしゃぁぁぁあッ!
思わずグッ!と拳を握る。

まだ、昨日か今日羽化したばかりの新鮮な個体に見える。
…となると、思っていたより地元のヒメヤママユの発生は遅かったということだろうか?

その後更に1時間ほど探索を続けたが、続く個体は見つけることができなかった。
とりあえず地元記録としては1頭だけでも採れれば良いのだが、ステキな蛾であるし、何頭かは採っておきたい。
まだこれから発生が続くのなら、チャンスはあるかもしれない。
そして何より、これからもうひとつの、晩秋最後のヤママユガが出てくる季節である。

ミノウスバ

3月に千葉に転居してから、地元にどんな昆虫がいるのかを知るため、ちょいちょい時間を見つけては近所に網を持って出かけている。
10月末、河川の土手を網を持って歩いていたところ、オレンジと黒のツートンカラーの虫が目の前をよぎった。

…最初は、甲虫かと思った。

飛び方が比較的ゆっくりな上、色合いが飛んでいるクロウリハムシによく似ていたのだ。
しかし、それにしては大き過ぎる。クロウリの倍ぐらいはある。
だとすると、正体が何であれ未採集の虫の可能性が高い…と思い、再び現れたのをネットイン。
網を覗き込んで…
「あっ!」
ミノウスバ-1
薄黒い透明な翅、黄色い体、フワフワの黒い尻毛。
「ミノウスバ!」

秋だけに出る、1円玉程の大きさのカワイイ蛾である。
実のところ存在は知っていたものの今まで探そうとしたことはなく、つい先日某店で写真を見せてもらって探してみたくなった蛾だった。
「そっちの近所にもいると思うよ。」
との言葉通り、確かにいた。

それにしても、実物は想像以上の“ぷりちぃ”さである。
これは…春のフチグロトゲエダシャク(→記事)と合わせて、『二大 プリティ・モス』 に指定したい!

嬉しくなって近くを探してみると、マユミの木に何頭も絡むように飛び回っているのを見つけた。
よくよく探してみれば、木に止まって交尾している姿も。
どうやら、飛び回っている♂は、♀のフェロモンに惹かれて集まってきているらしい。
数頭を採集してみるが、その間にも新たに飛来する。

こりゃ後日カメラ持ってもう一度来ないとだな…ということで、11月3日に行ってみた。
到着した時間が16時過ぎと遅かったため飛んでいる個体はもう見られなかったが、先日見つけたマユミの木をよくよく見ると、数ヶ所で交尾しているのが見つかった。
ミノウスバ交尾
…普通、蛾の仲間は尻合わせで逆向きになって交尾をする。
ミノウスバも例外ではなく、通常は尻合わせで交尾をするのだが、このペアはどういうワケか、カブトムシのような背面乗りの交尾になっている。
他にも数ペアを見つけ、写真を撮って帰ってきた。


今の時期、昼間にマユミやマサキなどの周りを飛び回っており、市街地でも生け垣などで見られるらしいので、天気の良い日にお散歩がてら探してみてはいかがだろうか?
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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