ちょっとした虫探しの時、こういう樹種のネームプレートの裏というのは結構ポイントになる。クチキムシや、樹液の出ているクヌギならクワガタなんかが隠れていることもある。…時にはゴキブリやヤモリなんかが見つかることもあるが。
また今時期のような晩秋ならカメムシなんかもよく隠れている。

今回も、「何か隠れていないかな?」とプレートをめくろうと近付いていくと、視界の下の方に樹皮とは違う明るめの茶色が見えた。

もう数歩近づいてみると、セミの抜け殻である。薄めの茶色で小さく、ほっそりとしている。
「あ、
ツクツク(ツクツクボウシ)の抜け殻!」
もう11月も下旬であるが、あまり風雨に晒されない場所で羽化したために抜け殻がまだ残っていたようだ。
実際、条件の良い場所で羽化したセミの抜け殻は数年経っても残っていることもある。
…で、その抜け殻を見ていたら、視界の左の方、違和感を感じた。

何とはなしに視線を向けると、樹皮とちょっと違う感じがした。
色は樹皮と似たようなものなのだが、質感というか…何と言うか、まさに
“違和感” である。
気になってよく見ると、タマムシのシルエットのような気がして、もう一歩近づく…
「あっ、
ウバタマムシ!」
ネームプレート →
セミの抜け殻 →
ウバタマムシ。
…昆虫を探していると、こういう妙な連鎖で見つかることもある。
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