殺虫管

殺虫管(1)

最近は使う人もかなり少なくなりましたが、そうは言っても基礎中の基礎の採集道具のひとつなので、当ブログで紹介しないワケにはいきますまい。

正式名称は「殺虫管(さっちゅうかん)」ですが、虫屋の間では通称「毒ビン」で通っている肉厚のガラス製の管です。
管の下の方にクビレがあり、コルク製の口栓と中敷が付いています。

標本作製を含めた「昆虫採集」において、かつては必須アイテムだった商品。
サイズがいつくかあり、よく使われるのは特大あたりでしょうか。
は数年前に廃番になってしまい、現在は販売されていません。
サイズとお値段は以下の通り(2012年現在)

 特大(径4.5cm × 長13.5cm):1,850円
 (径3cm × 長13cm):1,365円
 (径3cm × 長9cm):1,260円

」はポケットに入れてお散歩ついでに持ち歩くサイズ、「特大」は国産クワガタならほとんどが入るサイズです。

殺虫管(2)

使い方は、①の部分に綿を詰め、そこに酢酸エチル(→酢酸エチル)を綿が湿る程度に少量入れます。
(※綿がビチャビチャになるほど入れたら入れ過ぎですので、少しずつ入れるようにします)
そうしたら、②の中敷を奥まで押し込み、準備環境。

あとは、気化(蒸発)した酢酸エチルが瓶内に充満していきますので、そのガスで標本にする虫を殺虫処理します。
複数の虫を同時に入れる場合には、咬み合うのを少しでも防止するため、ティッシュを丸めた物や短冊状に切った紙などを入れておく場合もあります。

なお使用する薬品については酢酸エチルが最も一般的ですが、亜硫酸ガス青酸カリなどを使用する場合もあります(※青酸カリは一般の入手はできませんが、専門の研究者等が使う事があります)。
また、近年では酢酸エチルの代わりに百円ショップで売っている除光液(→除光液)が使えるという事で、そちらで代用する人も増えています。


…とまぁ、そんなワケで昆虫採集における基本的な道具のひとつなのですが、そんな殺虫管の特徴であり最大の欠点ガラス製であるという事。
確かに酢酸エチル等の溶剤で溶けたりせず、そういう意味では良いのですが、何しろガラス。
重いし、割れる
重いのはまだしも割れるというのは非常に大きな欠点で、テープ補強等をしていないと、落とした瞬間にもう気持ちいいぐらいパーンッ!と砕け散ります

…実際、私も過去に二回ほど落としており、手を滑らせて“あッ!”と思った次の瞬間にはもうパーンッ!!
“うわーい!”ってぐらいの勢いです。

そのため、今でもこのガラス製毒ビン(殺虫管)を使用している人の多くは、万一落としても砕け散らないよう厚手のビニールテープをグルグルと巻き付けて補強しています。
そうすることで多少は割れにくくなりますし、割れても粉々に砕け散ることがなくなります。

が、補強しても結局はガラスなので割れやすい事に変わりはありません。
そのため、近年ではPP(ポリプロピレン)など耐酸性の高いプラスチック等の容器で代用する人が多くなっています。
軽く、落としても割れないPP製容器は毒ビンの代用品として、虫屋の間ですっかり定着しています。
また価格も相当安く手に入るため、気軽に交換・譲渡できるのも利点です。

近いうちにそちらもご紹介しようと思いますので、期待せずにお待ち下さい。
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こんにちわ

吸虫管や普通の毒瓶は虫に夢中で落としたりして割ってしまうので安価で割れにくく溶けにくいプラスチックで作ってほしいですね フィルムケースを使う人もいますが1シーズンでダメになりますね 記事楽しみにしてます

Re: こんにちわ

>インセクトさん
安価で長持ち…となると一度買ったらしばらく買わなくなってしまうので、なかなか業者開発を願うのは難しいでしょうね…。
“安いわ、売れないわ”では採算取れないでしょうし(笑)

だからこそ、虫屋は応用品をあれこれ見つけてくるのでしょうね。

No title

 新潟のガラス屋さんに特注で好きなサイズ作ってもらったことがありますが、持っていても滅多に使いません。最近はPPの丈夫な筒型食品容器を使っています(甲虫のみ)。綿をタップリつめて産地ごとに多種混合してしまいます。沢山入るし、安くて薬品に強く便利ですよ。
 個人的には個々に管を使うのは、羽ばたくわ鳴くわでどうしようもないセミ類だけになりました。△紙系、甲虫系以外は生捕りで自宅処理しています。その際は冷凍シリカゲルか注射器が多いです。

 ガラスは割れる(持ち運びや掃除の手間)はともかく、主に値段が理由で買わなくなりました。

Re: No title

>ふうけぃ☆風敬さん
値段もかなり上がりましたよね(…そのワリにガラスは薄くなったし…)。
実のところ、私も今はガラスの殺虫管はほとんど使っていません。
…とは言え、本文でも書いている通り“基本道具”のひとつであるのは間違いないので、紹介させて頂きました。

私は普段の採集ではPPサンプル管と水筒用の筒タッパーを併用しています。
ただ、中に入れるのは綿だと小さい虫は絡み付いてしまうので、ティッシュかキッチンペーパーをクシャクシャにして入れています。
カミキリムシなんかは個別に処理してから最後に大きめの毒タッパーに移してます。
その辺りものんびりと紹介していきますので~。

カナブンブン

このブログとってもおもしろいですね。カナブンのブルーはめったにいないと聞いているのですごいですね!

Re: カナブンブン

>虫採りハンターさん
当ブログを楽しんで頂けて光栄です。

カナブンは茶・赤・ウグイスなどもレアなのですが、青は美しいので知名度が高いです。
そして、そういう“変異個体が出やすい地域”というのが確実にあるようで、知るほどに面白い虫です。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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akepon6464@yahoo.co.jp

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