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奄美大島採集記2012夏(04)~深き森の赤~

7月1日(日)

本日も晴天なり。
ヒカゲヘゴと青空

このヤシの木のようなのは、ヒカゲヘゴという巨大なシダの仲間。
自分の目に入っていないだけかもしれないが、このヒカゲヘゴというヤツは奄美ではよく目にするが不思議と沖縄で見た記憶がない。
そのせいか、ヒカゲヘゴと真っ青な空の取り合わせは自分の中ではいかにも“奄美らしい”風景というイメージが強い。


さて本日はY氏の案内で採集に行く日だ。
狙いは、ちょっと本気でやってる虫屋さんなら誰でも知ってる、かの“赤いカミキリ”

宿までY氏の車で迎えに来てもらい、採集道具を積み替えてそのまま出発。
第一ポイントの入口に車を止め、そこからは徒歩で森の中へと突入する。
クロイワニイニイ・クロイワツクツクの声を浴びながら森の中を上り下りしながら進むことしばし、少し平坦になった辺りで「この木」と示される。

…正直、想像していた木とはだいぶ違っていた。

この虫が集まる木は、じめっとした森の中の苔むした木…というイメージだったのだが、比較的風の抜ける場所で、その木は苔も生えていない。
昨年、彼は日を変えてこの木で2♂を採集したとのことで、しばし周辺を探索してみるが狙いの虫は姿は現さず。

“もうしばらく待つ”という選択もあったのだが、他の獲物がクロイワツクツクぐらいしかいない森の中で待ち続けるのも少々退屈過ぎる…というコトで、ならばと森から出て第二ポイントへ向かう。

…。

こちらは森に入ってからのアップダウンが多く、少々シンドい。
それでも入口から1時間弱ほど歩いた頃、高さ6m程で折れた大木があった。
先を歩いていたY氏が折れた方を見始めたので、自分は残った立ち枯れの方を見…

「いたっ!!!!」

フェリベニ(1)

名を、フェリエベニボシカミキリという。
通称「フェリベニ」と呼ばれるカミキリムシで、本土で見られるルリボシカミキリの仲間だ。
本土のルリボシが青なのに対し、こいつは朱色。
その上、森の中のごく一部の枯木にのみ集まるため、簡単には採集できず珍品と呼ばれる。
近年では集まる木が多少分かってきて、採集できる人もかなり増えたが、それでもカミキリ屋にとって憧れの虫である事に変わりはない。
その上サイズもそこそこ大きく、色も鮮やかで美しいとなればカミキリ屋でなくとも憧れる人は多い。

…実はこの木、2頭のフェリベニがとまっていた。
しかし、採集の前に撮影しようとしたところ、小さい1♂は飛んで逃げてしまったのだ。
そのためもう1頭は撮影を放棄して捕獲し、掴んだ状態での撮影と相成った。

それにしても素晴らしいカミキリムシだ。
薄暗い森の中で見る朱色は、あたかも弱く発光しているかのように際立って見える。

更にいないかと付近を探すが、ハナカミキリが1頭見つかったのみ。
…と思ってたら、木の近くに1♂が飛来する。

さっきのよりデカイ!

…が、とまった位置が高い。
届かない!
…降りてこないかとジリジリ待つが、あろうことかその個体はかすかな羽音を立てながら何処かへと飛び去ってしまった。

なんてこったぁぁぁ…orz

さらにその後、そこから更に1時間弱ばかり森の奥に入った別の木で小さい2♂を見つけ、採集は合計3♂。
十分な成果なのだが、しかし…一番デカイのに逃げられたというのが悔し過ぎる…
アレを目撃していなかったら、意気揚々だったのだが…



…と、ここまでは良かった。



この御神木のルート、上り下りがあるとは言え基本は「下り」。
となると帰りは当然登り返しとなる。
それも、かなり急登。

普段から奄美の山を歩き慣れているY氏のペースに全く付いていけない
疲労が一気に来たのか足が急激に重くなり、見上げる斜面が崖のように見えてくる。
10分も登ると足が動かなくなり、立ったまま息を整え、やっとまた足を前に出す。
「休憩しようか」
の声にその場に崩れ落ち、座るのもままならず倒木に肘をついてほとんど仰向けに倒れるような状態で座り込む。
“肩で息をする”という言葉があるが、そんなモンじゃない。
上半身全部で息をしている感じ。
冗談に笑う余裕すらなく、会話もままならず、体が勝手にひたすら呼吸を整え体力を回復させる事に専念する。
体力にはあまり自信のある方ではないが、それにしてもY氏との差がここまでとは…。

陽が傾き、ややオレンジがかった陽射しが射し込む森の中、本土とは異なるやや金属的な“キンキンキンキン…”という響きのヒグラシの声が全身を包む。



このまま山の中で一泊してしまいたくなる程の疲労だが、そうもいかないので、登っては休み、休んでは登りしながら「命からがら」という感じでなんとか山から脱出し、Y氏の車に乗り込む。
こちらはもう助手席で虚ろな目をしながら息を整えるのが精一杯だというのに、Y氏の方は会話しながら冗談を言う余裕すらあるのだからもう差は歴然である。
それでも、そのHP鍋底状態は10分程でなんとか脱し、軽い会話をしつつ宿まで送ってもらう頃には(足はまだ重いながらも)ある程度普通に歩けるぐらいまでは回復していた。

で、「夜のトラップ回りに行く」と言ったら、「え、行くんだ…」と半ば呆れたような反応が。
…まぁ、トラップ回りは基本的に車だし(^^;


ノコギリは昨日よりは少し増えた感じがしたが、飛び抜けたような個体はナシ。
ただ、昨日スジブトのボロボロ65mmを採った木はかなり条件の良い木のようで、トラップにはベタベタとスジブトヒラタが付いている。
一周目で56~58mmぐらいの大型個体が数頭採れて、2周目に来るとまた54~56mmぐらいのが数頭採れる。
小~中型個体や♀はもちろんそのまま。
設置した木の上を照らすと順番待ちしている中型個体がいて、更に足下を照らすと明らかに“トラップに向かっています”な個体が複数。
なんと言うかもう『スジブトの集会所』である。

スジブト集会所

う~む、どうやらかなり“当たり”の場所に仕掛けたらしい。




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※長いので、以下リンクに目次ページがあります。
日を追って順に読んで頂く方は、どうぞ。
奄美大島採集記2012夏~目次~
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No title

 なかなかお目にかかれないカミキリムシですよね。メスは未だ実物を見たことがありません。ルリボシも然り、標本として完全に色を残すのが難しいのが残念です。
 

Re: No title

>ふうけぃ☆風敬さん
フェリベニは、案内ナシで挑戦するのは非常に厳しい虫だと感じました。
いくら採れる人が増えてきたといっても、まだまだ珍品ですね。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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