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奄美大島採集記2012夏(10)~トゲさん、いらっしゃい~

7月10日(火)

昨夜から日付変わってそのまま次のポイントへ向かう。
到着する頃には既に午前3時近くなっていた。
ここまでぶっ通しで動き続けているので流石に睡魔が襲ってくるが、もう夜明けも近く、仮眠をとっている暇はない…
…ので、このポイントのMyテーマソングになっている、森山直太朗「生きとし生けるものへ」のCDをかけてみたら、眠気が一発で吹き飛んだ。

…実は、以前にアマミミヤマクワガタを狙って毎年のようにお盆時期に奄美に渡っていた事があり、その頃はこの場所を採集の拠点にしており、毎晩毎晩エンドレスで車内で流し続け、歌い続けていたのがこのCDなのだ。
「生きとし生けるものへ」「旅立ちの朝」「季節の窓で」の3曲がエンドレスで流れ続け、それを歌い続けながらハンドルを握り、電柱やバナナトラップがある度に車を止めて確認する。
他のCDを全くかけず、このCDのみでエンドレスリピート(曲が気に入ったのと、採集中にCD入れ替えるのが面倒だったので)し、おまけにこの曲自体それまではあまり馴染みがなかったため、おかげで『この曲が掛かっているのは奄美のこのポイントにいる時』と脳と体にすっかり擦り込まれてしまったらしかった。

ある、東京の自宅で何気なくこのCDをかけたら、前奏が流れた瞬間に

“今俺は奄美で採集している!”

と脳と体が全力で主張して全身が総毛立ち、「うわっ!」と思わず声を上げて飛び起きた事があったほど。
その一瞬、自分は間違いなく夏の奄美にいた。
全身にまとう空気が、完全に奄美の空気になっていた。
…その後、友人と行ったカラオケでも何度か歌ったのだが、歌い出した瞬間に左手がハンドルを握ろうとする。右手が懐中電灯を持とうとする。
完全に、脳と体が「夏の奄美の林道を夜に走っている」と思いこんでいるのだ。
目を瞑れば、眼前にトラップを掛けた木が、アマミミヤマがいた電柱がありありと浮かぶ。
パブロフの犬よろしく、もはや『「生きとし生けるものへ」が流れる=奄美の林道にいる』と反射神経にまで擦り込まれてしまっていたらしい。
…まぁ流石に今は既に擦り込みも薄れ、そのような事態は起きなくはなったが、それでもまだ体の芯は何かを覚えていたらしい。
そして脳と体の擦り込みと、実際の風景とが合致したので力を発揮したのだろう。

だがしかし、そんな思いとは裏腹にトラップはイマイチ冴えない。
一応ノコギリの大歯がいるだけ先日よりは良いものの、それでも1トラップに1♂付いているかどうか、という感じでいつものポイントのように“トラップにノコがベタベタ”という感じになっていない。
どうにもクワガタの個体数自体が少ないとしか思えない。

アマミノコ小歯型

これでは埒が明かないので、再びミカン畑に突入する…が、いくつかの木を見たところで、ミカンの枝に絡む白い長いモノを見つけてしまう。
“えっ…”と思ってよく見れば、木に登った1.5m程の立派な本ハブである。
目線より上にいたため、腹側が白く反射して見えたのだった。

「マジかよ…」

一気に足が竦む。
それでも何とか勇気(蛮勇)を奮い起して畑を歩き、なんとか数頭の大歯型を追加。
車に戻って就寝と相成った。

アマミハンミョウ就寝
…林道の葉上では、アマミハンミョウも就寝。


夜中~早朝は雨もやみ、緩やかな風が抜けて比較的快適な車中泊だったのだが、朝起きて“軽くトラップでも見回ろうかな”と思った矢先に“待ってました!”とばかりにドッザーーーーッ!!と土砂降り。
奄美、雨の朝
…もうこのポイントはダメだな、と見切りを付けて雨の中トラップを全て撤去する。

それから昨日スジブトの62mmが採れたポイントへ向かい、ミカン畑がダメならトラップでどうだとバナナトラップを5~6個設置する。



夜は各所のトラップを順に巡っていくが、どれもイマイチ。
初日から掛けているポイントはもうトラップの寿命が尽きたようで、大型個体はちっとも付いていない。
ヤレヤレと車に戻ってきて、ふとダッシュボードの上に何か虫がいるのに気付く。
“んっ?”と思って良く見たら、



トゲウスバカミキリ
「トゲウスバじゃねーか!」
慌てて引っ掴む。
…これはラッキーなお客さんである。

トゲウスバカミキリは奄美や沖縄で見られるウスバカミキリの仲間で、やや珍品扱いの虫。
本土のウスバより色が淡く、前胸背の角が尖ってトゲになっている。
カミキリ屋(カミキリ中心の虫屋)さんが採れたら「ヨシヨシ」と喜ぶぐらいの虫で、夜は本種を狙ってライトトラップをする人も多い。
そんな虫がわざわざ向こうから車に飛び込んできてくれるとは、嬉しい限り。
クワガタがダメな日でも他の虫が採れる、というワケだ。

こういう虫も、「クワガタ以外興味なし」とか言っていると駄虫として見過ごしてしまう。
クワガタonlyが悪いワケではないが、やはり他の虫にも色々と興味を広げておいた方が楽しいと思う。
…尤も、広げ過ぎると収拾がつかなくなってしまう危険もあるのだけど(笑)


さてその後もバナナトラップ見回りを続けるもののやはり冴えず、昼間に新しく掛けた場所も小型個体が数頭だけ。
ゲンゴロウトラップを見に行ってみるが、ヒメフチもコガタノも入っておらず、そのトラップのすぐ近くで交尾していたヒメフチ1ペアを網で採る。
…ゲンゴロウは餌の匂いに敏感なので、トラップの匂いが効く範囲の個体はほとんど最初の晩に入ってしまうという事なのかもしれない。
となると、トラップで2日目以降も大きな成果を挙げたい場合は、トラップの場所を大きく移動するか、場合によっては全く別の池や水場に付け変える必要があるのかも?
クワガタと違って餌も毎日交換だし、面倒なトラップだねぇ…。




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※長いので、以下リンクに目次ページがあります。
日を追って順に読んで頂く方は、どうぞ。
奄美大島採集記2012夏~目次~
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プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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