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奄美大島採集記2012夏(11)~最後の奇跡~

7月11日(水)

今回の遠征は13日(金)まで。…気付けば、残るはあと2晩である。
長い長いと思っていても、いざ終わりが近付くと短く感じてしまう。

さて、今日も天気は良くない。
実のところ7月8日以降はずっと天気が悪く、毎日降ったりやんだりのグズついた天気。

数日前にトラップを撤去した某所(朝土砂降りのポイントとは別)に、思う所あって再度トラップを設置する。
ついでにゲンゴロウトラップをチェックしに行くと、周辺は多くのトンボが飛び回っている。種数は5~6種程度だが、面白そうなので少し相手になってもらう。

奄美のトンボ2種
オキナワチョウトンボは別名ベッコウチョウトンボとも言い、南西諸島では普通に見掛けるトンボのひとつ。
翅が黒とベッコウ色の斑模様で体はメタリック。
他に類を見ない、なかなか素敵なトンボである。
タイワンウチワヤンマは、ヤンマと付くがサナエトンボの仲間。
本土に居るウチワヤンマと似ているが、腹端の扇状の突起は小さい。

その他、タイリクショウジョウトンボやリュウキュウギンヤンマ、オオシオカラトンボなどが飛んでいる。
ついでに、友人に頼まれていたシリケンイモリを狙ってみる。
奄美のシリケンイモリは赤色部が発達するものがおり、ごく稀に『赤地に黒い斑点』みたいな状態になったものもいるらしい。
そういう個体は両爬屋さんに人気が高く、かなりのお値段で取引されるとか…。
イモリの個体数は多く、“多少赤い部分が多い”ぐらいの個体は普通に見られるが、流石に赤の発達した個体というのは簡単には見つからない。
たまに呼吸に上がってくるのがかなり赤く見えたりするが、呼吸した瞬間に再び池の底に潜ってしまうので簡単には捕まえられない。

トンボと戯れつつも1~2時間程その池でイモリを狙い、ようやく“これはナカナカ赤いんじゃないかい?”という個体をゲットする。
…無論、ソレ系の書籍に出てくるような赤化個体と比べたらまだまだではあるが、片手間で狙って採るのなら、これでもかなりの個体だと思う。
赤いシリケン
シリケンを頼んできた友人に「これ以上赤いの採れとか言ったら許さん」とメッセージを付けて写メールを送る。


さて、午後は某大学院生でアマミノコとナナフシの遺伝子解析をするためのサンプル採集で来ているという人と、2月にお世話になったNさんが会うというので自分も一緒に顔を出す。
なんと、夜に77mmという特大級のアマミノコを採集したものの、宿まで戻る間にザックから脱獄されたとか。
本来ならそのサイズを採ったという話だけでヨダレを垂らして羨ましがる(もしくはギリギリと奥歯を噛み締めて悔しがる)ところだが、先日のオバケ個体(→採集記(05))のおかげでなんとか平常心を保…平常心……平じょ……ぐぎぎぎぎ。

夜は、昨日に引き続きイマイチ。
ただ、今朝トラップを再設置し直した場所でアマミノコ76mmが入り色めき立つ……が、その1頭だけ。
あとは小さいのがほとんど。
まぁ趣味的にはこのサイズが採れれば成果が1頭だけも大喜びなのだが、実は今回の採集は夏以降の標本教室に使用するクワガタの確保という目的もあり、そこそこサイズのノコの大歯型を多数採りたかったのである(※既に8月開催の標本教室で、この遠征で採集したアマミノコを何度か使用しています)。
その意味では、数が採れないのは少しイタい。



7月12日(木)

いよいよ奄美遠征も残すところあと2日。丸一日自由に使える日は今日が最後である。

…で、その最後に来てここしばらくの悪天候による鬱憤を吹き飛ばすかのような晴れ
もうここでこの好天ときたら、フェリベニの木に行くしかないでしょう!
しばらく続いた雨でフェリベニも活動できずにいたハズなので、今日の晴れで一気に集まってくるんじゃないかとワクワクテカテカ。
…そして、ここまで採れているフェリベニは全部で9頭。
となったら、2桁の大台に乗せたいと思ってしまうのは虫屋の欲か。

支度を整え、ポイントへ向かう。
森の入口に生えたアカメガシワには、鬼スレのアカギカメムシが子守をしていた。

アカギカメムシ子守

…ちなみに、鮮度の良い本種はこんな色(※写真下にいるのは終齢幼虫)。
アカギカメムシ
…子守個体のスレっぷりがよく分かる。

さて、森を進むことしばし、1本目の木はやはり赤いのは付いておらず、またしても立派なヒメハブがいる。
この木はどうもコイツのお気に入りらしい。困ったモンだ。

2本目の木に行くと…





フェリベニいっぱい

うおおおおッ!
あちこちに付いとるぅぅぅうッ!


御神木に着くなり一気に5頭。しかもうち1頭は33mmぐらいありそうな大型個体。
特大とまではいかないが、かなり嬉しい個体だ。標本箱に入れた時にもかなり格好が付く。
カミキリムシも、クワガタと同じく大型になるほど体格もガッチリして迫力が増す。
若干のスレがあるが、欠損は無いし十分である。

で、まだ時間も比較的早いので追加飛来を待とうかと。
木のそばで待っているとフェリベニは降りて来ないという話を少し前に聞いたのを思い出し、10m以上離れた場所で腹ごしらえをしながら待つ事にする。

…オニギリをパクついていると、ふと視界の端に赤いものが映る。
こういう場合、大抵は枯れ葉なのだが、なんとなく気になったので腰を上げて確認に行…

フェリベニやんけ!

小さな個体ではあるが、御神木から10m以上も離れた場所の岩にフェリベニの♀がとまっていたのである。
それにしてもまさか自分が腰を落ち着けた場所のすぐ近くにとまっていようとは、なんという幸運だろうか。
しばらくして再び御神木を見に行くと、2頭を追加。
これで、今日だけで8頭である。
更にしばらく粘ってみたところ、更に1頭赤いのが飛来する……が、降りて来ない。
そのまま飛び去ってしまった。

「アレが採れてれば、昨日までの成果の倍になったのに…!」とか恐ろしく贅沢なセリフを吐きながら悔しがる。
そこから更にしばらく待ってみたものの追加個体は現れず、夕方近くなり日が傾き始めたので暗くならないうちに撤収する。
本土とは少し異なる金属的なヒグラシの声を聴きながら斜面を登っていく。
少しでも疲れたなと思ったら足を止め、回復させてから再び進む。
今日もひとりなので、無理は禁物。

…やがて、出口まであと5~10分という辺りまで来た時、

目の前をオレンジ色の虫が横切った。

最初の印象は、アカハネムシ
でも、この季節にアカハネムシは多分いない。
じゃあ何…?

「フェリベニか!!」

言うが早いか叩き落としてみれば、案の定フェリベニである。
これで本日9頭目。
まさかもう出口近くというところで採れるとは思わなかった。
御神木からはゆうに1時間以上歩いてきており、あの木に来ていた個体とは考えられない。
恐らく、この近くにも良い木があるのだろう。

…って言うか、これもまたタイミングが一歩違えば出遭えなかった。
休憩が30秒も長ければ視界に入る前に飛び去っていただろうし、10秒も短かったら自分が通った後にフェリベニが飛んできた事だろう。

こういう奇跡的なタイミングで良い虫が採れることが、たまにある。


…意気揚々と森から上がる。
本日だけでフェリベニ9頭という大成果。
更に昨日までで9頭採っているので、合計18頭!
いくら滞在期間が長い長期遠征とは言え、18頭というのは奇跡的だ。
素晴らし過ぎる。
案内をしてくれた現地友人のY氏には大感謝である。

夕方、仕事を終えたその友人Y氏と合流し、「ひさくら」で鶏飯を食べる。
明日は平日で友人は普通に仕事なので、今日でお別れ。最後の晩餐。
鶏飯


夜はトラップを撤去しながらの回収を行ったが、特筆するような個体は現れず。
また、超特大ノコが採れたミカン畑に掛けたトラップは、終始チビノコ1頭すら来なかった。
やはり良い樹液が十分に出ているとバナナトラップは効果が薄いというのは本当らしい。

…ちなみに、ミカン畑は他人の敷地であり、本来なら立ち入るべき場所ではない。
少なくとも、“失礼ながら入らせて頂きます”という心づもりだけは忘れてはいけない。
もし人がいたなら断りを入れるべきだし、そこでダメと言われたら諦めるしかない。
また、畑周辺にバナナトラップを入れる場合も周辺の木の目立たぬ場所に仕掛け、間違ってもミカンの木に仕掛けたりしてはいけない。
既に畑という他人の土地に入らせてもらっている以上、それ以上のマナー違反は絶対に避けるべきだ。
“後でちゃんと撤去すればいいじゃん”と思う人は、他人が勝手に自分の家の庭に入ってきて勝手に洗濯物を干して行ったら、どう思うかを考えてみるといい。
「後で回収するんだから良いでしょ?」で納得できるだろうか?


…さて採集の方はというと、結局、夜中3時頃までかかってバナナトラップとゲンゴロウトラップを全撤去し、宿に戻った。
これで明日は荷物整理だけで済む。




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※長いので、以下リンクに目次ページがあります。
日を追って順に読んで頂く方は、どうぞ。
奄美大島採集記2012夏~目次~
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プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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akepon6464@yahoo.co.jp

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