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風を呼び嵐が来た

10月24日(水)
目を覚ましてとりあえずユルユルと走っていると、いきなり目の前を黒っぽい大型のクイナがテテテテテーッ!と走り抜けて行った。
あまりに突然でしかも猛ダッシュだったので「黒っぽいクイナ」としか見えなかったが、あれはもしやヤンバルさん…?

それにしても、2晩やってみた感じで、昨年より虫が少ない。
マルバネは採れているが、ヤンバルクロギリスはまだ1頭も見ていないし、昼間に見掛ける虫も少ないような。
今回は荷を減らすために鉈も持ってこなかったので材採もなし。
昼間は本当にする事がなくなる。
夜にバナナトラップも見ているのだが、熟成が甘いのか虫自体がいないのか、クワガタは全く来ていない。
アリがびっしりとタカっているだけ。
ついでに昼間も見ておくか…と見に行くと、黒い大きめの虫がいたので「おっ!?」と一瞬期待するも、良く見たらウルシゴキブリ。

「おまえかいっ!」

クロゴキを寸胴で丸っこくして、更に真っ黒にした感じのゴキブリ。
動きもあまり俊敏ではないし、まぁクロに比べたら多少は可愛げがある…ような…ないような…
どっちにしてもゴキブリは苦手なのでため息。


夕方、休憩していると車の周りを大きなヤンマが飛び始めたのでネットインしてみると、リュウキュウギンヤンマ。
相変わらず頭が悪いなぁ…と言ったら失礼か。
普通のギンヤンマに比べて明らかに警戒心が薄く、網を構えているその目の前を平気で飛んだりする。

日没前にオオシマゼミが一斉に合唱を始め、やがて西の空が赤く染まる頃になるとその声は山の端に消えていく。
やんばるの日没
代わって森や草むらから直翅類の声が聴こえてくると、辺りは刻一刻と闇に沈んでいく。

林道で、やっとヤンバルクロギリスを見つける(画像は昨年の流用)。
ヤンバルクロギリス全身
相変わらずグロいが格好良い虫だ。
「キモカワイイ」とか「エロカワイイ」とか混合単語が色々出ているが、コイツは「グロカッコイイ」だ。

更に走っていると、道脇に黒い影。
「いたっ!」と慌ててブレーキを踏む。

オキマル♀
初採集の♀だ。
鞘翅に多少傷があるが、フ節等の欠損はなさそう。
時間はまだ19時台と早く、追加を期待して走り続けるも…深夜1:00過ぎまで追加ないまま終了。
…とは言え、初日の食われた個体を含めれば1日1頭ペースで拾えており、発生末期なコトを考えてもかなり好調と言える。


10月25日(木)
たまたまなのだが、今日から短大時代の恩師T先生が調査でやんばるに入るそうなので、偶然バッタリを狙って林道を走ってみる。
既にすっかり明るくなっているというのに、ヤンバルクイナにばったり遭遇
今度はわりとゆっくり道を横断した上、横手の斜面をヒョコヒョコしながら登って行くのが見えたので間違いナシ。
くちばしの赤、目の白ライン、腹部の白黒波模様もしっかり見えた。
…残念ながら撮影は出来なかったけど。
「今回のはばっちりヤンバルクイナ様じゃあ!」と喜びながら先生探しを続行。

…が、やんばるは広い。

そう簡単に偶然出遭える筈もなく、昼になってしまったので「道の駅 ゆいゆい国頭」まで出る。
もしかしてここで飯食ってたりして…と淡い期待を抱いていたが、残念ながらいませんでした。
T先生はヤンバルクイナよりレアなようだ。

昼食を済ませた後は某林道でミズスマシを狙う。
オキナワオオミズスマシという、日本最大のミズスマシだ。
タモ網はないので仕方なく捕虫網を水没させて狙う。
網を近付けるとスイスイと逃げて行ってしまうので、水没させて下からゆっくりと近付け、網枠の範囲内に入ったら一気に掬い上げる!
で、4頭ほどゲットして終了。

オキマルは昨夜まで1頭/日ペースで採れてるから、もしや今夜も…?と期待して走り始めるが、見付からない。
とりあえず、後輩から「沖縄のユミアシゴミダマいたら下さい」と言われていたのを思い出し、朽ち木に付いているオキナワユミアシゴミムシダマシをいくつか摘まむ。
相変わらず臭い…。

リュウキュウコノハズク

日付が変わる頃、睡魔に襲われる。
だがしかし、今夜が最後なのでカフェイン剤でドーピング

バナナトラップを見に行ってみると、チラリとクワガタの姿が見えた
…と思った瞬間、草むらに落下。
「しまった!」
と慌てて落ち葉を掻き分け、数分探してなんとか発見…

…ってオキナワコクワガタだ!
オキナワコクワガタ♂

アマミコクワガタの沖縄亜種で、奄美ではいくつも採集しているが沖縄のは実は初採集。
てっきり小さなオキナワヒラタだと思っていたのでビックリ。
ヒラタだと思って諦めなくて良かった…

やがて深夜1:00を過ぎ、“今夜はダメかな…”と思い始めた頃、道の脇に黒い塊を見た気がした
路上のオキマル♀-1

瞬間、確信する。
「いたっっっ!」

慌てて車を止めれば、間違いない。
オキナワマルバネクワガタの♀だ。
路上のオキマル♀-2

その後バナナトラップでオキナワヒラタの♀を追加して、明るくなった朝6時頃にようやく就寝。
完全に徹夜であった。


10月26日(金)
2時間睡眠で8時には起き、帰り支度を整える。
飛行機は16:55発なので慌てる必要は全くないが、国頭村北部から那覇までは実はかなり遠いし、途中で風呂にも入らなければいけないので早め早めで行動を開始する。
バナナトラップを回収し、ゴミを袋にまとめ、もう使わない道具類もカバンに詰め込んでいく。
で、そのまま下界へ。

沖縄遠征の最終日にはいつもお世話になっている「湯処さしきの」へ。
湯処さしきの-猿人の湯
んが、改装してえっらい値上げしていた。
バスタオルや歯ブラシが込み価格になったとはいえ、800円→1,650円は上げ過ぎだろ。
ちょっと次回からは他の日帰り入浴を考えないとな…。


さて、明日はコガネムシ研究会の大会&懇親会。楽しみだ。







~あとがきのようなもの~

今回の沖縄は、当初は全く行く予定はなかったのですが、周囲の成果の話が耳に入るうちに我慢できなくなり、突発的に行ってしまいました。
そのため、昨年最後には「次に来るなら森に入って探そう」なんて思っていたのに、今回も林道流しになってしまいました(※オキナワマルバネクワガタは発生初期は大木に付いているが、中盤以降は樹から離れて徘徊するので、採集は林道を車で走って探す、いわゆる“流し”になる)。

とは言え、大歯は採れなかったものの初日の喰われ♂を含めれば1頭/晩ペースで採れたことになり、発生末期という時期を考えても良い成果だったんじゃないかと思います。
昨年の7晩連続ボーズはあまりにも…でしたからねぇ。
また他の虫は少なかったものの、思わぬオキナワコクワ初採集やハグルマヤママユ♀など良い虫も採れました。

早くから予定していればもう少し安く行けたのですが、とは言え今回も行っただけの甲斐はあったかと思います。
これでようやく「アマミマルバネ」「オキナワマルバネ」「ヤエヤママルバネ」「チャイロマルバネ」と国産マルバネ4種全て自己採集でペアが揃いました。

…しかしまぁ、正直言って個人的にはアマミマルバネとオキナワマルバネは同種で良い気がしますね。
この2種に関しては、せいぜい亜種レベルの違いしかないように思います。
まぁ、私は分類学者ではないので断定は出来ませんけど。
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お疲れ様でした!

沖縄遠征お疲れ様です。
いつか私もオキマル採集がしたいので
興味深々で拝見してました(笑)
1日1頭採集できるなんて羨ましいです。
う~ん
ヤンバル行ってみたい(羨)

Re: お疲れ様でした!

>あおさん
今年はかなりの当たり年だったのでこれだけの成果が出ましたが、ハズレ年は本当にキツイです。
昨年2011年がその大ハズレ年、ぜひそちらもお読み下さい(笑)

沖縄本島は南西諸島の中では一番安く行ける島ですし、一度は行かれてみると良いかと思います。
成果を上げられるかどうかは、努力と運の要素が絡んできますが…

No title

 ニッポンのクワガタは必要以上に亜種分けしますから、現状、「より詳細に各地の生物を標識する」というのが日本のクワガタを種類に分ける根本にあるので、まあ本種は別種で良いかなという感じがします。

 とはいえ・・・どう考えても地域差とか、特異な個体群といった程度のグループまで亜種や別種に指定しているヤリスギ感はあります。せめて「種類分け」には、国際的な種分け手法のひとつである、ゲニの比較を行って欲しいですよね(多角的な比較が大事だという意味もある)。
 現在のノリを他の種にたとえて適用すると、ギフチョウを全県別亜種と呼んでるようなレベルで亜種分けしているクワガタがいる気がします。あえてどの種類とはいいませんが。

Re: No title

>ふうけぃ☆風敬さん
「初心者にも分かりやすく、楽しく」がモットーなので難しい話はわりと避けている当ブログではありますが、この件は自分も思う処がありますので…。

アマミ・オキナワ・ヤエヤマは飼育下では交雑して繁殖力のあるF1以降が産まれてしまうという話も聞いており、そうなってくると少なくとも奄美と沖縄のマルバネは種レベルでは同じで良いんじゃなかろうか、というのが私の考え(想い?)です。
外部形態的にも、奄美&沖縄と八重山との間で線が引けるように思いますし。

「種」という単位は、分類手法は色々ありますが根本は「子孫を残していけるかどうか」だと思っています。
♂交尾器(ゲニ)による分類が現在のメインですし、それを真っ向否定するつもりは毛頭ないのですが、以前から「実は交雑させたら普通にかかるんじゃね?」と思っているような別種がいくつか。
……知人に飼育好きがいるから、片手間で良いから交雑実験やってくれないかなぁ…(笑)

また、仰る「ヤリスギ感」についてはとても同意です。
(言い方が悪いですが)近年の日本のクワガタ分類は、『名前を付けたいから分けてる』ように見えてしまいます(特に亜種については)。
生物の分類そのものが目的ならまだともかく、どうにも「亜種という“付加価値”を付けたい」というように見えてしまうんですよね…。
以前に知人から「あれは分類じゃなくて商品開発だよ」と言われて妙に納得してしまいました…。

No title

亜種の「やりすぎ感」についてはまったく同意で、一昔前の蝶でもよく見られました。言い方がキツイけど、「不勉強」というのもありますが、まあ一般に人気のある分類群の宿命なんでしょうね。困ったことだけど(苦笑)。まあ厳密には、本当に困るのは分類学者だけですけどね。
とはいえ、逆にルリクワの仲間みたいに交尾器を精査したらより細かく、明確に分けられたということもあるので、メジャー故に標本データが多く集まるのは良いことかと。

種の定義というか概念については色々ありますけど、一般的な「生物学的種概念」のベースは“互いに生殖的に隔離されている繁殖集団”なわけですが、形態的にゲニを見ている人たちも基本的にはこれに従っていると思います。
交尾器の形態差から交尾隔離などが見いだせればイイナァということですが、なかなかそれだけでは難しく、中立的であろう形質の差も考慮せざるを得ないのが現状で、さらには飼育実験などは中々出来ないというのもありますね。
また、交雑できても集団遺伝学的にみれば、また違う見方になることもよくあるので、面白いけど難しいですね。
とはいえ生物分類は、やはり最初は形態分類が先にありきで、そこからの発展なのだと思います。
クワガタなんかは飼育実験が容易になったので、良い時代だなぁと思います。
しかしその分、ロカリティデータが疎かになってるのが気になりますね。ペットで出回るとしょうがないんですかねぇ。。。

まあ、どの概念やアプローチに立脚するかで、分類は変わってくるというのが実情ですよね。科学ではないと言われる所以がこの辺にあるのかと(苦笑)

いや、長々とスンマセン。

ああ、バッタの唐揚げ。こちらから振っておいて、まだトノサマで試してないっす(汗)。アレ集めるのメンドクサイ(苦笑)

Re: No title

>acraeoidesさん
避けていると言ってる矢先に難しい方向に話を進めてくれてアリガトウゴザイマス(笑)
最近はオサムシもかなり 「亜種の『やりすぎ感』」の方向に進み始めているみたいですね。

「>本当に困るのは分類学者だけ」この言葉に色々集約されていますね。
とどのつまり、(言葉悪いかもしれないケド)分類学自体にはさほど興味がないような方々が「微妙に違ったら全部亜種にしちゃえばいいよ。付加価値付くし。」みたいな勢いで記載してるのが現状かと。
しかも国内限定で。
いろんな方々の話を聞いていると、「日本のごちゃごちゃ言ってる前にフィリピンの島全部見てこいよ」的な話はよく聞きます。

多くの虫は飼育繁殖が困難なこともあって交尾器や外部形態から類推して分類せざるを得ないのは納得のところではありますが、一方でクワガタ等のように飼育で増やせることが分かっているような虫でもそこから分類を再検討しようとする人ってあまりに少ないよなぁ…と思います。
以前に月刊むしに載ったネブトとオガサワラネブトの交雑実験なんかも非常に面白いと思うんですけどね。
聞いた話だと、その後F10ぐらいまで普通に出ちゃってるといいますし。
あの両種が亜種関係になるのなら、日本のほとんどのネブト亜種なんて「微々たる地域差でしかない」って話になるワケで。
…諸々のマイナー離島のネブトを精力的に集めているホノホシさんあたり、ぜひ分ける方向でなく亜種を統合する方向でネブトの再検討やって欲しいなぁ…なんて思ってしまったり。
韓国のタマムシなども、ヤマトタマムシと交雑実験したらどうなるのか…非常に気になる所ではあります。


…で、トノサマバッタなら大きいんだし、イナゴみたいに何十~何百と集めなくても、20頭も採れば十分食べでがありそうですけども(笑)

No title

毎週 ヤンバル行ってます。
おきまる規制かかちゃたからなー

Re: No title

>ムカデさん
2016年は、けっきょくケブカコフキでもやんばるは行きませんでした。
もう少し余裕があれば、やんばるも少しぐらい行きたかったですが…
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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