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北海道採集記2012夏(1)

「台風並の神風」のごとき奄美大島遠征(→奄美大島採集記2012夏)から帰ったわずか2日後、私は北の大地に居た。
7月も半ばだというのに、新千歳空港から出た途端に空気は何処となくヒンヤリとして、つい2日前までいた奄美大島と同じ国にいるとはとても思えない。

奄美大島でもそこそこの数のクワガタを確保したが、標本教室用としてはまだ心許無い。
北海道のミヤマクワガタをしっかりと標本教室用に確保しておきたい。

という建前で、ミヤマクワガタが採りたい(爆)

…というコトで北海道のミヤマクワガタ採集(2012年7月)なのですが、これが毎日木を探しては蹴る、木を探しては蹴るの繰り返し。採集している当人は大好きなミヤマクワガタが木を蹴る度にバラバラと降ってくるので何度繰り返しても非常に楽しいのですが、いざ文章にすると延々同じコトの繰り返しで、違うのは採れた虫のサイズと数ぐらい。
となってくると、流石に読む方も飽きてしまうでしょうという事で、今回の北海道採集はハイライト部分だけ摘まみ書き……を、3回に分けて(笑)


7月15日(日)
事前情報によると、今年の北海道はミヤマの数は多いもののサイズが良くないらしい。
はたして70mmOVERは採れるのか…

レンタカー手続きを済ませると、一路ポイントへ。
ズボンを採集用に、靴を長靴に履き替える。
北海道はマダニが恐ろしく、また藪が濃い部分も多いため入るのであれば長靴は必須。

まずは道沿いのヤナギの木を覗き込むと、早速そこそこサイズのミヤマクワガタの姿。
エゾミヤマ-1

網に採り込んでみると目測で67mmというところか。
良く見れば他にも付いており、70mmぐらいの個体もいる。
隣の木を見ればまたそこにも付いており、良い型の個体があっと言う間に20~30頭は採れてしまう。

エゾミヤマ-2(※小さい写真は、クリックすると別窓で開きます)
う~ん…北海道おそるべし。

ここのポイントはヤナギとミズナラの木を中心に見て行くのだが、本州のクヌギのようにダラダラと樹液が出てそこに虫がいっぱい集まって…という感じではなく、ところどころから染み出す樹液にクワガタやチョウが集まる感じなので、パッと見ただけでは分かりにくい事も多い。
2~3頭のミヤマを見つけて木を蹴ってみたら10頭ぐらい一気に降ってきたり、とか。

更に、北海道のミヤマは落ちるとすぐに落ち葉の下に潜ってしまうという厄介な性質がある。
丹沢等で採集していると、落ちてきたミヤマはそのまま硬直しているので見つけるのは苦労するが逃げられる事は少ない。
ところが、北海道のミヤマクワガタは落ちた瞬間から落ち葉の下に逃げ込もうとするので、落下音を聞いて振り返り、音がした辺りの草を掻き分けるともうお尻しか見えていない事も多い。
オマケに、木の下は胸高ぐらいある笹藪。
10頭落ちてきても、見つけられるのは1~2頭だけ。他は全て藪の中へと消えてしまう。
本当に良い木だと、数十頭のミヤマクワガタが付いていることもあり、一度に落としてしまったらそのほとんどは藪の中へと消えてしまう。

そのため、まずは木の下からミヤマが付いていないかをじっくりと睨み、見える所にいるものを1頭ずつ網で採集する。
そうして見える個体を全て採集してから、はじめて木を蹴ってみるのである。

…さて、当初「サイズが良くない」と聞いていた2012年の北海道ミヤマであったが、いざ採集してみればそうでもなく、初日から74mmクラスの個体が採れて好調スタートとなった。



7月18日(水)
採集4日目。
北海道が如何なミヤマ天国とは言え、1ヶ所のポイントに頼り過ぎるのは良くないので毎日色々と違うポイントを探して足を延ばす。
…それにしても、どうも先日の奄美採集で目測感覚が完全に狂ってしまったらしく、73mmの個体を前にして『特大アラーム』が鳴らない。
“70mmいって…る…?”と半信半疑でノギスを当てて、「えっ!73mm!?」と驚く始末。
まぁ北海道のミヤマはどうも67mm~72mmぐらいまで同じ(70mm弱)ぐらいに見えてしまうというのも原因のひとつなのだが、そうは言っても73mmもあれば昨年の自分なら見つけた瞬間に「デカイっ!」と口に出していたハズだ。
それが今年は、その感覚にならない。
困ったもんだ…。

…さて、地図を睨みながら目を付けたのは、以前に少し入ったもののミヤマの気配がほとんど感じられずに引き返した林道。
ミズナラは多く樹幹が発達して林道は日影になっている。一見良さそうにも見えるのだが、何本蹴ってもミヤマのミの字も落ちて来ない。
“こりゃダメだ”とその際は引き返した…

…のだが、今度は行ける所まで入ってみる。
すると、しばらく走った先で環境が変わり、ところどころにハルニレやミズナラの見られる日当たりの良い林道になった。
エゾミヤマの環境

開けた場所にハルニレが生えていたので車を止めると、近くでエゾトンボの仲間が数頭飛んでいる。
しばしトンボと戯れ、それから「さて、一応ハルニレを見とくか」と。
男2人がかりでも抱え切れないんじゃないかというぐらいの立派なハルニレだ。
まずは正面から見ると、すぐにミヤマクワガタの♀がテクテクと幹を登っていくのが見つかった。
エゾミヤマ♀

「おっ、いるじゃん!」
とよく見れば、上部に大型♂の姿も。
それを網で取り込み、それから木の裏へ回る。
…こういう巨木は蹴っても揺れないと思いがちだが、実は蹴り方次第では案外振動は伝わる(場合もある)。
落ちて来ない個体も当然いるが、蹴ってみる価値は十分にある。
幹に足を当てて木の真芯に振動を与えられそうな場所を探り、一呼吸。
膝から踵までを寺の鐘突きの棒のようにまっすぐに木の幹に向け、ドンッ!と思い切り蹴りを入れる。

数瞬を置き、バサバサッといくつかの落下音。

その中ですぐ近くに落ちた大きな音の方を見ると、大きなエゾ型♂が歩いていた。
「うわっ、デカイ!」
思わず口に出して即座に掴むと、

「げっ!デカイ!!」

掴んだ幅が思った以上にデカかった。
腹面を見ると更にその大きさがヤバいのが分かった。
奄美で完全に狂ったハズの特大アラームが鳴り響く。

他の個体と噛み合わないように1頭だけVIP待遇で毒ビンに入れ、死んだのをしっかりと確認してからノギスを当てる。

超特大エゾミヤマ
置いて頭が下がった状態で既に76mm、手に持ってきちんと計測すれば……77mmOVER

眩暈がした。
北海道産ミヤマの77mmOVERなんて、現存標本が何頭存在しているか。
下手をすれば北海道産ギネスの可能性すらあるサイズだ(…は、ちょっと言い過ぎか(^^;))。

「うっへへへへへへへへへへへへ…!」
不気味な笑い声が林道にこだまする。
…まさか、奄美の神風がまだ自分の周囲を取り巻いていようとは。
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No title

北海道、ミヤマがたくさん取れるとは聞いていましたが、
こんなにもたくさんいるもんなんですね!!
自分もミヤマが好きですが、年に数頭しか見つけることが
できないので、こんなに大量のミヤマを見つけたら、笑いが止まらなく
なりそうです。
それにしても、77mmは規格外の大きさですね。

Re: No title

>モモンガさん
北海道、本当にミヤマ天国です。
自分が行っている場所が特に良いというのもモチロンありますが、それにしてもミヤマの多さは素晴らしいです。
ミヤマ好きなら北海道は一度は行っておくべき場所ですね。

77mmは本当に規格外です。
今年は本当に超神風な年でした。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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akepon6464@yahoo.co.jp

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