クビキリギス

「3月、徳之島遠征」の採集記を連載中ですが、ちょうど今が旬の虫がいるので少々閑話休題。


桜の花もすっかり散って葉桜になり、夜でも暖かな日が続くようになるといよいよ春本番。
…ところで、この時期になると、夜に町中を歩いていると不思議な音(?)を耳にしないだろうか。
どこかの配電盤の呻りのような、耳鳴りがするような単調な“ジーーーーーッ”という音…

…そう、こんな音だ。


どこから聴こえているのかよく分からないような音だが、よくよくその音の出所を探ると、近くの草むらや民家の生垣に当たる。

これ、実は 虫の声 なのである。

あまりに単調過ぎて機械か何かの音にしか聴こえないのだが、クビキリギス というれっきとしたバッタ(キリギリス)の仲間。
体長も6cmぐらいあるナカナカ立派なバッタで、色は鮮やかな緑色~枯草色まで個体によって異なる。

クビキリギス
バッタやキリギリスというと晩夏~秋に現れる虫というイメージが強いが、実はこのクビキリギスという虫、成虫で冬を越すという面白い生態を持っている。
そのため、他のバッタがまだ卵から孵ったばかりの春に、いち早く姿を見せて鳴き始めるのである。


このクビキリギス、“首切り”なんて物騒な名前を付けられてしまっているのは、咬み付く力が強く、咬まれたのを無理に引っ張ると首が千切れてしまう…という所から来ているらしい。
言われてみると、この赤い口と鋭く尖ったアゴはいかにも痛そうだ。
クビキリギス顔面

私が小学生の頃は、この赤い口を人の血に見立てたのか、“血吸いバッタ”なんて更に恐ろしい二つ名も付けられていた。


…ところでこの虫、“キリギリスの仲間”ということでインターネット等でも時々「クビキリギリス」という誤表記を見掛けることがあるが、正しくは「クビキリギスなのでご注意を。



※4/24 追記※
古い文献では「クビキリギリス」の表記もあるようですが、近年ではほぼ全ての文献で「クビキリギス」で統一されています。
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クビキリギリス

おはずかしながら、私はず~っと「クビキリギリス」だと思っていました。
まさか「クビキリギス」だとは今の今まで気づきませんでした。
人の思い込み(?)は怖いですね。

Re: クビキリギリス

>モモンガさん
キリギリスの仲間で“クビキリギ…”とくるモンだから、つい“リス”と続けたくなりますが、キリギリス科の仲間にはいくつか「○○ギス」という名の虫(ヒメギス・ツシマフトギス等)がいて、その中のひとつで「クビキリ/ギス」なんですよね。
ミスリードを誘いやすい一方、和名の面白さでもあります。

No title

 外国産の標本の産地名も、誤表記をよく目にしますね。
 書籍などだと誤表記のものでも鵜呑みにして、そのまま覚えがちですから、記号として何が言いたいのか、何を指しているのかが解ればいいかなという開き直りもあります。(私はムシに限らず、しょっちゅう恥ずかしい誤覚認知をしてしまいます。)

 「クガタワムシ科 ルイツスノヒョワウンタクガタ」等と書いても読めてしまうように、人間の目はいい加減だなぁ・・・と(笑)

Re: No title

>ふうけぃ☆風敬さん
パプキン山地で有名なワメナも、「ワナメ」という誤記はよくあると聞いたことがあります。
確かに人間の目というか脳は、こうだと思い込むと少し違う表記を見ても勝手に脳内修正してしまいますよね。
何の関係もないところで急に虫の名前を見た気がして慌てて見直すと、似てるけど違ってた…なんてのはよくあります(笑)
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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