奥多摩ライトトラップ

先日、奥多摩にライトトラップをしに行ってきました。
本命は、今年初のミヤマクワガタ。
…外灯採集でも十分狙えるのですが、奥多摩も最近は採集者が多く、ライバルにギリギリしながらやるより多少成果は落ちても自前灯火でやった方が楽しいかな、という事で小さなライトトラップセットを準備していきました。

自前ライトトラップと言えば発電機と水銀灯、最近では大型投光機を使う方もいるみたいですが、私はもっとこじんまりしたもの。
車のシガーソケットからの変換器でバラストレス水銀灯に繋ぎ、それを灯りの無い小さな橋の上で点ける。
で、下に白い布を敷いた簡易セット。
発電機から揃えると5万10万が軽く飛んでしまうが、このセットなら3万円程度で揃うのでだいぶお手軽。
自前ライトトラップ
…まぁ、その分パワーも落ちるけど。

夕方になると、川の上でカゲロウが謎の垂直上昇・垂直下降を繰り返し始める。メスへのアピールなのだろうか。
更に薄暗いくなり始めると、今度は多数のカワゲラが飛び始める。
そんな様子を見ながら、19時半に点灯する。

すぐにカワゲラやカゲロウなどの水生昆虫や、小さなゴミムシなどが飛来する。
続いて少し大きな甲虫…と思ったら、クロジョウカイ。
一見するとカミキリムシに似ているが、鞘翅(上バネ)が柔らかく、更に彼らは肉食性。
ライトに来た小さな虫などを襲って食べていた…と思ったら、自分より大きな蛾の翅に食らい付いてムシャムシャしているようなヤツまで。
飛来クロジョウカイ

19:45
白幕に甲虫の影があるのでよく見てみると、いきなりキンスジコガネが飛来していた。
金属光沢のある種の多いコガネムシの中でも、ラメを散らしたようなキンスジコガネは別格。
飛来キンスジコガネ
これは嬉しい飛来だ。

19:56
クロスジヘビトンボが飛来する(…写真撮り損ねた)。
飛んでいる姿はカワゲラに似ているが、サイズが明らかに大きい。

20:08
ドウガネブイブイ(コガネムシの一種)が飛来したかと思ったら、その向こうに明らかにクワガタの形をしたのがもがいている。
慌てて駆け寄れば、
飛来アカアシクワガタ
アカアシクワガタ。
小さな個体だが、クワガタ飛来第一号だ。

ライトの周りは大小様々な虫が飛び交っており、大きい物はスズメガなど、小さいものは数ミリの不明な虫。
気温も低くないし、風もない。しかも月齢もほぼ新月と条件は悪くない…

…ハズなのだが、どうも甲虫の飛来が少ないように思う。
ま開始したばかりだから、これから増えてくるんだろうか…?

20:30
飛来ミヤマ♀-1
お待ちかねのミヤマクワガタ。
♀ではあるが、まずはミヤマが来てくれた事が嬉しい。
続いて更に1♀が飛来する。

20:45
ミヤマ3♀目が飛来するものの、とまらずに暗がりへと消えてロスト……と思ったら、数分後に戻ってきて無事ゲット。
飛来ミヤマ♀-2
しかし、そろそろ♂が来て欲しいところ。

20:55
願いが届いたのかどうかは分からないが、白幕の外に大きな黒い影を見つける。
「来たか!?」と駆け寄れば、期待を裏切らぬミヤマクワガタ♂
飛来ミヤマ♂
まだ発生初期で金毛も揃った美しい個体だ。

…ちなみに、これは個人的な印象ではあるが、森が深く冷涼な地域のミヤマは耳状突起がよく発達する傾向があり、やや小さめの個体でも迫力が出るように思う。
この個体も、画像だと65mmぐらいありそうに見えるが、実は60mmを少し切っている程度の中型個体。
千葉県辺りで採ったミヤマは、これに比べて耳状突起の発達が悪く、60mmを切るような個体だとかなり弱々しい印象になってしまう。

21:20
またミヤマ♀が来たかな?と思ったら、オオキノコムシ。
飛来オオキノコムシ
小型種の多いキノコムシの仲間にあって、このオオキノムシだけは飛び抜けて大きい。
捕まえるとアーモンドのような化学物質のような微妙な匂いを出す。

21:30
少し周辺を歩いてみたところ、木の幹を素早く走る小さな哺乳類の姿を見る。
見られたのは時間にしてほんの数秒だったが、あの丸っこくもやや平べったい姿、背中の黒条は…
「ヤマネだ!」
生きた実物を見るのは生まれて初めてだ。
虫目的の奥多摩行だったが、良いモノを見られた。

21:40
突然の白い羽ばたきはオオミズアオかオナガミズアオか。
数分ライトの周りを飛び回ったあと、そのまま何処かへと飛び去ってしまった。
続いて立て続けにミヤマ♀が3つ飛来する。
…その後も、ポツリポツリとミヤマの♀は飛来し続け、気付けばゴールデンタイムと呼ばれる時間はやや過ぎている。

23:15
突然大きな物体が飛来し、思わずミヤマの大型♂かと期待するも、着地してみたらカブトムシの♀。
…ガッカリではあるが、奥多摩産は持っていなかった気がするので一応採集する。

23:55
もう日付も変わろうかという頃合いに、ようやく2頭目のミヤマ♂が飛来した。
サイズは最初のより少しだけ大きく62mmぐらいだろうか。

…その後は虫も落ち着いてしまったため、日付変わって少しした辺りでライトを消した。

本命のミヤマクワガタ2♂11♀
その他に、アカアシクワガタ・キンスジコガネ・クロジョウカイ・オオミズアオ・シモフリスズメ・ヒョウモンエダシャク・等。
欲を言えばもっとミヤマ♂に多く飛来して欲しかったが、まぁ楽しむ事は出来たと思う。


発電機を使った大掛かりな仕掛けは、その分成果も大きくなるが、こういう小さな仕掛けでも条件が良ければそれなりには楽しめる。
あまりライトトラップ採集を行わない自分には、このぐらいで十分な気がしている。

…さて、次の記事で、一応使用機材の話をしてみたいと思う。
こんな小さな屋台ではタコ採れのような成果は望むべくもないが、一方で荷物もさほどは嵩張らないし、場所や条件を選べばミヤマやノコギリは十分に狙える。
“やってみたいけど、発電機まで買うのはちょっとな…”なんて思っている方、ちょっと考えてみてはいかがだろうか?
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ライトトラップ

ミヤマいいですね~。
私も昆虫採集に行きたいです。
オオキノコムシ、アーモンド臭がするというのは
初めて知りました。

Re: ライトトラップ

>モモンガさん
ぜひ採集に行って下さい。
今が一年で一番良い時期ですから!

ミヤマの毛

ミヤマの標本について教えてください。
ミヤマを標本にすると(サクエチ使用、陰干し)、
金色の毛がほとんど残らないのですが、この毛を
うまく残すいい標本の作り方はありませんか?

Re: ミヤマの毛

>モモンガさん
えっ!?
ウチでは数多くのミヤマを標本にしましたが、標本にする際の毛の脱落というのはほとんど無いですよ…?
無論、もともと老いて背中の微毛がほとんど残っていないような個体は標本にしてもツルテカになりますが、新鮮な金色の個体は普通に「酢エチ〆+室内乾燥」で毛が抜け落ちたりはしていないです。
しかも結構長時間毒ビンに入れっぱなしにします。

ウチでは、変色の心配がないようなクワガタの場合、基本的に24時間毒ビンに入れてます。
そうすることで死後硬直も解けて関節がよく動くようになり、展足もしやすくなるので。

ライトトラップ( ゚Д゚)

ライトトラップって楽しそうですよねぇ!!
僕もやってみたいです!
まだまだ時期はこれからですから、僕も挑戦してみよっかな!

Re: ライトトラップ( ゚Д゚)

>コクワガタさん
ライトトラップ、楽しいですよ!
月齢、天気、ロケーションなどを色々考えてやった場所でクワガタが飛んできてくれた時の嬉しさは格別です。

ミヤマの毛 2

虫けら屋さん、詳細なコメントありがとうございます。

私は、サクエチを虫の体に注射器で直接(0.2 ml程)打っているので、
それが原因なんですかね?
それとも、展足するときに手で触りすぎているのかもしれないです。
まずは色々な可能性をつぶしていきながら、綺麗な標本を作れるように精進します。

Re: ミヤマの毛 2

>モモンガさん
注入の影響は分からないですね…
ただ、私は展足の際にかなりベタベタ触っていますが、特に微毛が剥げ落ちたという経験は無いです。
また、一度試しにボンドパックをしてみましたが、微毛はわずかしか取れませんでした。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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akepon6464@yahoo.co.jp

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