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奄美大島採集記2013秋~その2~

さてさて、お待たせしました。
「奄美大島採集記2013秋」の再開です。

…ところで、実はこれまでの間に大きな出来事がありました。
大変残念な話ですが、この10月から奄美大島ではアマミマルバネクワガタが採集禁止になってしまったのです。
条例については別途記事に書きます(→奄美大島の採集禁止について)。
「保護のため」という形ではありますが、実際のところは一部のクワガタ屋(等)のマナーの悪さと、奄美で採集した虫を高値で売り捌いていた事を島の方々が快く思わず…というあたりが遠因かと。「保護のためじゃないだろ!」という文句もあるかとは思いますが、一方で虫屋側も省みなくてはいけない事かと思います。
ただ、虫屋としては「保護」と謳うのであれば、生息地を伐採しない等きちんと「保護」にも力を入れて欲しいと思います。
…さて、その辺りを踏まえつつも、まずは採集の楽しさを知って頂きたく、採集記の連載を再開したいと思います。

~前回のあらすじ~
台風でメッチャ遅れた飛行機でなんとか奄美入りし、ハブに好条件な雨上がりの森におっかなびっくり入ったらマルバネ2♂採れてヤッター!……以上。



9月4日(水)
昨日の天気がウソのように、朝から青空。
いくつかのトラップを追加して、朝食を買うために町に降り……る最中、道脇に咲いたセンダングサ類の花にアゲハ類が次々と飛来しているのを見つける。
ちょっとだけと道脇に車を停めて網を出すと、アマミカラスアゲハが道沿いに飛んで来てはセンダングサで吸蜜している。
アマミカラス♂
本土のカラスアゲハより暗めの色調だが、深みがあってコレはコレで美しい。
更に、少し待っていると♀も飛んできた。
アマミカラス♀
♀も本土より暗めの色調だが、後翅の赤紋がよく発達して妙な色気がある。
待っていればポツポツとアマミカラスが飛来し、少ないながら混じって♀も飛んでくるのだが、お散歩ネット(網枠に小さな取手が付いた携帯網)では狙うのはナカナカ難しい。そして、ネットイン出来た中でもキレイな個体だけを選んで2~3頭だけキープする。
他にもジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、アカタテハなどが見られ、ソテツにまとわり付くシジミチョウをよくよく見ればクマソことクロマダラソテツシジミ
クロマダラソテツシジミ
奄美では移入種のチョウでソテツの大害虫だが、もうすっかり定着してしまったらしい。
…そんなこんなをしていたら、山の方から明らかにウスバキトンボではない大型のトンボがゆっくりと道に沿ってこちらに向かって飛んでくる。
目の前まで来たところで網を振ったら見事にネットイン!
ヒメミルンヤンマ
ヒメミルンヤンマである。
奄美や徳之島でしか見られない、比較的小さいヤンマだ。
改めて見てみると、複眼が深い色をしていて意外と美しい。

さて、残っているバナナトラップも早めに仕掛けなくてはいけないし、あまりゆっくり蝶とたわむれているワケにもいかないので適当に網をしまい、出発する。
そうしながらも、さて今日はどのポイントでマルバネを狙おうかと考えてみて、やはり今年一番出ているらしい場所に行ってみる事にする。
意外と時間が掛かるので、途中トラップを仕掛けつつ、食料を調達して早めにポイントへと向かう。

つい先日まで奄美に入っていたという知人と話してみると、マルバネは18時半ぐらいにはもう動き出しているらしい。
更に、既に♀もかなりの数が出ているらしく、今年は例年より発生が早いとのこと。
なるほどなるほど…
ついでに、昨日さんざん苦しませてくれた台風は温帯低気圧になって何処ぞに抜けてしまったらしい。
…嬉しいのは非常に嬉しいんだが、足が遅くて数日居座るだ何だと言っていたのは何だったのか…?

アレですか?
私の日頃の行いの良さ が台風を吹き飛ばしてくれたんですか!?


…冗談はさておき、9月初旬で18時半と言えば奄美ではまだ明るい。
空にはまだ水色が残り、開けた場所なら車が前照灯(ヘッドライト)無しでも普通に走行できるレベルである。
しかし林内は既に薄暗く、なるほど夜の虫が動き始めていても不思議はない。
ヘッドライト、胸元用6w蛍光灯、懐中電灯、長靴、ウエストポーチ…諸々の装備を整える。
…ちなみに、今回は奄美に着いてからビッグⅡというお店で長靴を入手したのだが、底が金属のスパイクになっており、これが想像以上に良い。
スパイク長靴
土にガッチリと食い込んで滑りにくく、更に岩の上でもある程度滑りにくくなる。

さて、この「よく出ているポイント」はどうかと歩いてみると、なるほど巨木が何本もあり、いかにもマルバネがいそうな雰囲気である。
昨夜のポイントより斜度はあるが、雰囲気は良く似ている。

…だがしかし、実はこのポイント、ハブが異様に多いという話がある。
当初ポイントを見つけたSさんの話によると、「入って5mでマルバネが見つかるけど、その間に2~3匹のハブに遭う」という異様なハブ生息密度らしい。
足元は言うまでもなく、小さな子ハブはヒョロヒョロと生える灌木に絡みついていたりするらしい。
戦々恐々としながら森に入る。

…と、またしても10分程で最初の個体が見つかる。
アママル2号
……何て言うか、5年前にさんざん苦労したのは何だったのか。

このポイントは、方角さえ分かっていれば元の道に出やすいので、時々コンパス(方位磁針→記事)を確認しながら適当に林内を歩く。
周囲を照らして巨木が見えたらそちらに向かい、その木を確認したらまた周囲を照らして巨木を探し…という感じで、決まったルートを作らずに歩いてみる。
1頭目と2頭目の間こそ開いたものの、2頭目が見つかってからは3頭目、4頭目、とポンポン見つかる。
巨木3本連続で1~2頭ずつ付いていたり。

アマミマルバネってこんなにポンポン見つかるもんなの!?

嬉しいし大興奮ではあるのだが、一方で戸惑いを覚える。
もちろんこれは今年が相当な当たり年だからであり、例年ならこうはいかない。
2♂が付いていた巨木があり、周囲を探索して1時間ぐらいしてたまたまその木に再び辿り着き、再度見たらまた2♂が。
これってまさか、発生木ってヤツなんじゃ…?

そんなこんなで、3時間程で10頭ほどのマルバネクワガタを見つけて森から上がる。
続ければまだ見つかりそうだが、無理をして翌日以降に響いては元も子もない。今日は上がろう。
ルートは特に決めていないので、コンパスを見て道のある方角にひたすら歩くだけだ。
運良く最初に入口に戻れたので、そのまま車に乗り込み昨夜行った辺りに向かう。
1時間半ぐらい掛かるが、出来るならアマミミヤマも採りたいので頑張って走る。

…そうしてポイントへ。
電柱をゆっくりと見て回るが、しかし黒い小さな影はない。
誰かに先に入られてしまったか、時期が終わりかけているのか。
電柱ポイント
一番奥まで行き、戻りもチェックしていくと、ようやく「ほぼ間違いない」黒い影。
10mの長竿を取り出し、スルスルと伸ばしていく。

そうして手元に戻してみれば、
アマミミヤマ1号
超お久しぶりぃぃぃぃいッ!!!!

嬉し懐かしのアマミミヤマクワガタである。
思えば、以前はこの虫を採りたくて何年も連続でお盆時期に奄美に通っていた事もあった。
ここしばらくはお盆に奄美に行っておらず、かなり久々の再会となった。

ドチビな上にかなりスレた個体であるが、下手するとマルバネより嬉しかったりして(^^;
(※この個体は、最終的にリリースしたけど)

その後はミヤマの追加はなく、昨夜と同じ森に少しだけ入ってマルバネ数頭を採集し、山の駐車場で就寝。






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※全6話、以下リンクに目次ページがあります。
日を追って順に読んで頂く方は、どうぞ。
奄美大島採集記2013秋~目次~
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マルバネ

アマミマルバネ、かなりの数が捕れたみたいで非常にうらやましいです。
来年の大宮インセクトフェアの時には是非とも拝見させていただきたいです。

昆虫採集に関しては昆虫への関心、住まい、生業など様々なバックグラウンドを持った方がいるのでそれぞれの意見があるかと思います。マナーの悪い採集者が増えた大きな要因は、やはりネット環境がここまで発達したことにより、採集地や採集方法、採集木が色々オープンになったことと、ネットオークションの存在なんでしょうね。

Re: マルバネ

>モモンガさん
他にもタトウのままの虫が溜まってしまっていて、冬にもまだタトウのままだったりして…(^^;

> 昆虫採集に関しては~
ネットオークションの存在というのは相当に大きいと思います。
インセクトフェア等と違い、値段やら何やら多くの方の目にとまりますからね…

採集禁止

奄美大島の奄美市、龍郷町、瀬戸内町、大和村、宇検村の全島で条例が施行されるようですね。奄美大島在住の昆虫採集愛好家の知り合いの話ですので間違いはなさそうです。

虫捕り網持ってウロウロするだけで白い目で見られそうで、当分採集はいけそうにありません。残念です。

採集禁止

これだけアクセスがよく、観光客も訪れる島で採集禁止になると、密漁の問題も出そうですね。
採集禁止にしたらこれはこれで大きな問題がでそうで心配です。
道に死んでる虫を拾ったら、これは違法なんですかね?
色々解釈も難しい。

Re: 採集禁止

> アマミシカマニアさん
…そうなんです。
施行されるというか、10月1日から施行されてしまったのです…
近いうちにブログできちんと記事にしようと思っているのですが、クワガタムシでは

アマミマルバネクワガタ
アマミシカクワガタ
アマミミヤマクワガタ

…の3種が採集禁止になりました。
寂しい限りです…


> モモンガさん
虫屋にとって非常に魅力的な島なだけに、採集禁止というのはとても大きな出来事だと思います。
その分、色々と問題も出てくるでしょうね…
「> 道に死んでる虫を拾ったら」…解釈が非常に難しいところですが、既に死んでいたという証明が出来ない以上「採ってから殺しただろう」と言われても反論が難しいので…多分アウトになりそうですね。
指定後の違法個体の「所持」も禁止になっていますので…

奄美大島

この島は独特の空気感というか、非常に濃厚な森の匂いがして大変好きな島でした。単なる観光でも訪ねたい場所ですが、行くときっと虫捕り網を振り回したくなるので今後は自重したいと思います。

ところで今回の条例は生体の所持も禁ずる様ですが、施行以前のものに関してはどの様な扱いになるのでしょうか。トカラなど過去に採集禁止になった島の生体に関しては、ショップ等で売買されていますが今回の条例はそれすらも禁ずるものの様に思われます。またの記事をお待ちします。アマミマルバネ、シカはわかりますが、ミヤマに関しては本当に意外でした。あんなにメスが採集できない虫でブリードするとメスが半々だと聞いているので採集圧では問題はほとんどないのですが。
もっとも他のクワガタに関しても同じこととは思いますが。ただ今年はアマミミヤマが例年に比べ少ない印象はありました。以前虫けら屋さんがそうであった様にここニ、三年お盆の時期に出かけていたので同じ時期での比較ですので、単なるピークのずれかも知れませんが。

Re: 奄美大島

>アマミシカマニアさん
私も、 この島の独特の空気感が大好きです。
好きな虫が色々いるからという理由は勿論ですが、今では島自体が大好きです。

指定された種のリストを見てみると、多くが「比較的高額で売買される種」です。
乱獲の影響が出るかどうか、というよりは「保護しているとアピールしやすい種類」辺りが選定理由にあるとは思います。
ただ、裏を返せば「金目当てで採る採集者がいる(※標本を売る人の中でもごく一部だとは思いますが)」というコトにもなるので、悩ましいところではあります。

アマミミヤマも年によってピークが前後する事もありますし、その年の天候条件が悪いと非常に採りづらい事もあります。
ある年など、日が沈んで「これからアマミミヤマが活動するぞ!」という時刻になると決まってザーッと雨が降り出し、電柱がビショ濡れになってミヤマが採れない…という日ばかりという事もありました。
また発生の波もあり、近年は奄美大島南部では不作年が続いているみたいです。でも、また十年ぐらいすると数が増えるかもしれません。
「なんで今年は少なかったのか?来年はどうなるのか?」そんな風に思いを巡らせるのも面白いのですが、アマミミヤマに関してはそれも出来なくなってしまいましたね…

徳之島も

徳之島も来年3月施行予定だそうで・・・・・・

アママル、シカ、マルダイは完全に終わりそうです。

保護区が指定されても9月には多くのマルバネ屋が徳之島入り
したようですが、問題なかったのでしょうか?

徳之島

9月の下旬の地元の新聞記事に採集禁止地域でアマミマルバネを採集していた若者と地元のレンジャーとの間でもめ事を起こったとあったようですね。知り合いから新聞記事のメールが届きました。

場所はよくわかりませんが、おそらく今年の春から保護地域になった場所では無いでしょうか?

ヤマトサビを自身で採集していないので再チャレンジしたいと思っていたので、徳之島でも採集しにくい状態となってしまい残念です。いずれの島もクワガタの採集という意味ではもうシーズンオフになりますのでこれからはいままで行っていなかった島を目指しましょうか!
でも他の島にはあの空気感は一つの島を除いては無いのですよね。でもその島は体力が必要ですからね。

Re: 徳之島

2日程家を空けていたので、お返事が遅れてすみません。


>子宝空港さん
早々に徳之島もですか…!
奄美がなった以上、そう遠くないうちに徳之島もなってしまうだろうとは思っていましたが、まさか半年でなってしまうとは…
本当に、寂しい限りです。


>アマミシカマニアさん
徳之島での揉め事、別件かもしれませんが私も1件耳にしています。
…そちらに関しては、虫屋側に違反はなく一部の過剰反応によるものだったようですが。

個人的には今年はもうクワガタはオフシーズン(八重山は行けそうもないし)なので、離島遠征については早々と冬のコガネムシに視線を変えようかな…という所です。
本土の秋の虫は、もうしばし楽しみたいと思いますが(…オオスズメバチの♂とか)。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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