スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

奄美大島採集記2013秋~その4~

【(残念ながら)奄美大島のアマミマルバネクワガタ・アマミシカクワガタ・アマミミヤマクワガタは2013年10月より条例により採集禁止になりました。詳しくはリンク先をご参照下さい。→奄美大島の採集禁止について




9月7日(土)
今日から相方さんが来る。
虫屋ではないが、生き物は好きだし私の趣味をこの上なく理解してくれて(※諦めているとも言う)おり、車中泊にも付き合ってくれる(※本当は宿付きが良いと毎回言われるけど)。
さて相方さんを迎えに空港まで&レンタカー屋まで行こうと国道58号線を走る。
…やはり、左前輪からの異音 は消えていない。

途中、コンビニに立ち寄った際に車を見てみると、明らかに左前輪の位置がおかしい。
前輪の位置
正常な右前輪(画像左側)と比べてみると、どう見ても車輪が後ろにズレている。
おそらく、このズレによってブレーキの際にタイヤのゴムがガードに当たり、例の旋盤のような異音がしているのだと思われる。
どう考えてもまともな状態ではないので、やはり予定通り一度レンタカー屋に向かう事にする。
名瀬市街を抜け、やがて龍郷に入り、大川内モータースというSUZUKIの修理工場の横を通…


ガギガガガガガッ!!!!

「!?!?」

いきなり物凄い音がして、車が動かなくなる。
「えっ!?えっ!?」
慌ててアクセルを踏んでみるが、ギュィィィィイ!というエンジンの回転音はするものの車は全く動かない。ハンドルも利かない。
相当大きな音がしたらしく、何が起きたのかと近所の人が見に来るが、車は呻るばかりで全く動かない。
車を降りてみると、ハンドルはまっすぐになっているのに左前輪だけが外を向いている。
どう見たっておかしい。

…あ…っと……えと……あ……

頭が真っ白になる。
とりあえずハザードを点けて後方の車に停車しているのが分かるようにして、混乱した頭を整理しようと試みる。

まず、そうだ、レンタカー屋に電話しなきゃ!
それでレッカーしてもらって、えと、それから…それから…


パニックになっていると、SUZUKIの工場の方が様子を見にくる。
そして、「とりあえず、このままだと危ないから端に寄せましょう」と言ってハンドリフト(手動、ジャッキ式の簡易フォークリフト)で車の前を持ち上げ、後ろからも押す。自分も一緒になって車を押し、なんとか道の端まで寄せる。
…こういう時は、島の人の温かさが本当に心に染みる。
これが都内の街中だったら、車が壊れて動かなくなってもクラクションを鳴らされるだけで手伝ってくれる人などそうそう現れないだろう。
(※流石に、様々な方のお手を借りているこの状況で写真撮れるほどKYではないつもりなので、作業中の写真は無いです)

それからレンタカー屋に電話して場所と状況を伝え、ようやく一息つく。
道脇に寄せられた車を見るとはなしに眺めながら、"…これ、魔琴さんで言うところの正に ダークゾーン だよなぁ…"とか今更に思う。
SUZUKIの工場

やがてやってきた車にレンタカーは載せられ(自走が完全に不可能なので、ウィンチで荷台に引き上げられていた)運ばれていった。
自分はレンタカー屋の方が持ってきた代車に荷物を積み替えてから後を追う。

幸いにも保険加入のおかげで修理代等はかからず、休車補償の50,000円を支払う。
「これで保険を使ってしまったので、次に(事故を)起こすと全額負担になりますのでお気を付け下さい」と念を押され、新しい車で再び走り出す。
空港は目の前なので、空港の駐車場に車を入れ時間を待つ。

…にしても、壊れるとしては絶妙なタイミングだったと思う。
これがもし峠道で壊れたりした場合、レンタカー屋の到着までに2時間ぐらいは掛かるだろうし、最悪携帯すらつながらない事も考えられる。
山の林道だったら…考えただけでも恐ろしい。
いや、仮に平地だったとしても、この工場から30m離れていたら全く違っていたと思う。
工場の真横で壊れたというのは、不幸中の超幸運だったと言えよう。

やがて相方さんと奄美のY氏も合流し、遅めの昼食に3人で「ひさ倉」へ向かう。
…実のところ、今回の奄美では鶏飯を食べるのが今日が初だったりする。
鶏飯
相変わらず美味い。
いつもなら着いた初日に必ず食べているのだが、今回はあまりにバタバタしてしまい、今日まで保留になっていた。
普段、何処かへ採集に行っても地元料理的なモノはほとんど食べに行かない(だいたいコンビニかスーパーの弁当で済ませてしまう…)虫けら屋だが、鶏飯だけは奄美大島に行ったら必ず食べている
それぐらい美味いし、もう自分の中で「奄美に行く」と「鶏飯を食べる」はセットになってしまっている。

さて、ようやくの鶏飯を腹一杯食らい、お山に糞虫のトラップを仕掛ければもう良い時間。
Y氏と別れてマルバネ探索のポイントへと向かう。

…と、ここで偶然の出会い
同じくマルバネの探索場所を探していた魔琴さんkapiさんコンビとポイント近くでバッタリ遭遇。
「島の何処かで会えると良いですね」とは言っていたが、まさか夜にここで出遭うとは(笑)
せっかくなので「じゃあ一緒に入りましょうか」という事で、お互い装備を整えて19時半ぐらいに森に入る。
毎晩入っているのはこんな森だ。
マルバネの森
中央の奥にうすぼんやりと巨木が見えているが、その手前の細枝にだってハブが絡んでいるかもしれない…そんな森だ。
3人でハブに注意しつつも虫話をしながら、1本ずつ木を見ていく。
…それにしても、最近の成果を褒め千切られ、くすぐったいったらありゃしない。「今じゃ気軽に声掛けられません、虫けら屋“先生”ですよ(笑)」なんて言われて、思わず「ちょっ、ヤメて下さいよ(笑)」。
確かに色々な方のお力を借りたり激幸運も重なったりして近年の成果は我ながら素晴らしいとは思うが、虫けら屋本人の中身は何ら変わっていない(※成長していないとも言う)。
私自身が論文を発表しているワケでもないし、研究成果を上げたりしたワケでもない。
2004年に初めて魔琴さんと奄美の山の駐車場で出遭ったあの頃のままである(※成長していな…以下略)。

そんなお喋りをしながら探すこと15分。
巨木にライトを向けたところ、その手前の細い木に黒光りを見つけた。
「いたっ!」
3人で駆け寄る。
やや大型の♂である。
「すみません、写真撮らせて頂いていいですか?」と魔琴さん。
「どうぞどうぞ。」
そこから、魔琴さんとkapiさんによる撮影大会が始まる。
交互にフラッシュが瞬き、お互いにライト補助をやったり、まさに“コンビ”という感じ。
「お待たせしちゃってすみません」なんて魔琴さんが恐縮されるが、採集記中心な方はこれだけ撮影するんだなぁ…とか、見ていて結構新鮮なので、これはこれで楽しい。

…っていうか、どうせ見ているなら、お2人が撮影しているところを1枚撮っておけば良かった…(笑)

5分か10分程で撮影を終え、その個体を採集する。
更にその後も別の巨木で2~3頭の♀を見つけ、1時間ほど探したところで魔琴さん達とお別れする。
間違って森の奥に行ってしまわないよう出口方角をしっかり伝え、確認する。

その後は一人でしばし探索を続けるものの、ナカナカ追加が見つからない。
1時間ほど森を歩き、さてどうしようかと巨木のそばで一休みした時だった。
倒れた木に腰を下ろし、背負ったザックも降ろしてお茶を飲みつつ一息ついていると…

…どこか遠くから、カブトムシのような羽音が聴こえる…

他のコガネムシ類とは全く異なる、大きく重そうな羽ばたき。
闇の向こうから聴こえる羽音は、飛びつ止まりつしながら少しずつこちらに近付いてくる。
木々の間をすり抜けるほど器用な飛び方は出来ないらしい。
次第に近付き、大きくなってくる羽音。

…もう間違いない。

胸元の蛍光灯(周囲や足元を照らす用)を誘うようにゆっくりと揺らしたりしながら羽音が近付くのを待つ。

バララララッ………ブブッ…バララッ!……

やがて羽音は更に近付き、3mほど先の木にバシッという音と共にとまる。
すぐさま照らせば、そこには黒光りする塊が下翅をしまおうともがいている姿。
慌てて駆け寄り、鷲掴む。

飛んできたアママル♀
マルバネの♀が飛んできた!!

まだ下翅をしまいきれていないまま手の中で暴れる、この力強さ。
すげぇ…
思わぬ来訪にしばし見惚れてしまう。
…マルバネ採集は基本的にはこちらがマルバネのいる場所を探すものだが、時はこういうラッキーもある。

結局、23時半ぐらいまで探索を続け、ようやく森から上がる。
そしてそのまま初日の森へ向かう。
その森の中でアマミマルバネ1♀とアマミミヤマ1♀を得る。
アマミミヤマ♀
アマミミヤマクワガタの♀と言えばかつては大珍品であったが、採り方が一部の人に伝わりだいぶ生き虫が出回るようになった。
とは言え今でもそれなりに珍品ではあり、元々の自身のミヤマ好きとも相まって、採れれば正直嬉しい。

明らかに“ミヤマクワガタ系”である形をしていながら、本土のミヤマとは異なる質感。
また♂は多少とも赤みがかった色をしているが、♀は艶消しの真っ黒。
相変わらずシブい虫だなぁ……うんうん。

…ちなみに、このアマミミヤマ♀を初めて採った2003年8月25日、大興奮して、採り方を教えてくれた友人に山の中から「採れた!ミヤマ♀採れたよ!」と電話したのは良い思い出(笑)






===================================
※全6話、以下リンクに目次ページがあります。
日を追って順に読んで頂く方は、どうぞ。
奄美大島採集記2013秋~目次~
===================================
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

マルバネの♀が飛んで来て、採集したという話は初めて聞きました。
すごい幸運ですね。

シカもいいなぁ・・・・・来年から禁止か・・・寂しいなぁ

マルバネの飛翔

ヤエヤママルバネなどは結構飛ぶらしいということは、以前より採集してきた方々から聞いたことがあります。かつて森に入る時に首に小型の蛍光灯をぶら下げて採集していると、それに向かって何回か飛んできたことがあると伺っています。またボックスライトにも入ることがあることは聞いていましたが、おそらく飛翔するのは木採りの時期までで、林床を歩行をはじめる頃には飛翔する体力は無いものと思います。
9月の中旬に流し採りをしに行きましたが、同時にボックスライトを数個仕掛けてみましたが、その時期は全く採集できませんでした。微妙に行く時期が違い(おそらく採集している場所も違う?)現地でおあいする事ができませんでしたが、頻繁に奄美大島に出かけている間におあいしたかったです。体のデカい親子連れです。どこかの島であったときには声をかけてくださいね。

Re: No title

>親子でクワ好き さん
マルバネもわりと光に反応するようで、採集した事のある人から話を聞くと、たまに「飛んできた」という話も聞きます。
…そうは言っても、自身で体験すると興奮しますね。

マルバネ・シカ・ミヤマと今月から採集禁止になってしまい……採集者側にも非はあるとはいえ、、、寂しい限りです。

お疲れ様でした!

あの時の感動がよみがえります。

車はお互い難儀しましたが、森での思い出は本当に良いものと
なりました。改めてありがとうございました!

マルバネの飛翔ですが私も奄美大島で数度耳にしたことがあります。
カブトムシの様な重低音は“南西ヘビー級”の風格が漂ってますよね^^

またどこかの離島で“偶然”お会いできる事を楽しみにしております!

マルバネ

マルバネ大漁みたいでうらやましい限りです。
来年からは、マルバネのような羽音をさせながら飛ぶ虫を、離島ではなく比較的近場で採集して、マルバネ採集を思い出すしかないんですね・・・
それにしても車、山の中ではなく街中で力尽きたことが不幸中の幸いですね。

あと、昆虫採集に理解のある相方さんをお持ちなことがとてもうらやましいです。
我が家の相方さんは、なかなか理解がなく、困っています・・・

Re: マルバネの飛翔

>アマミシカマニアさん
マルバネが頻繁(?)に飛翔するのは、発生中期頃が多いみたいですね。
初期の初期だと飛び立たず明るくなる前に再び元のウロに戻っていくことが多いようで、多少ともウロから散り始める頃によく飛ぶみたいです。
末期の徘徊期は、アマミシカマニアさんの仰るように飛翔は少ないかもしれませんね。

こちらが奄美大島にいたのは、9月10日までです。
…奄美も大きな島なんで、偶然で出遭うにはナカナカ難しいですよね(^^;

Re: お疲れ様でした!

>魔琴さん
いえいえ、こちらこそ御一緒できて楽しかったです。
マルバネの羽音は興奮しますよね。「カブト…じゃないよな、もしやマルバネ!?」って。

魔琴さんとは不思議と離島でお会いすることが多いので、きっとまた何処かの島でバッタリお会いできそうな気がします(笑)

Re: マルバネ

>モモンガさん
数が採れるのはもちろん嬉しいですが、私の場合は数以上に「出遭い」が好きです。
なので、成果がたった1頭きりでも大満足で帰ってくる事もありますし、何頭か採れてもイマイチ消化不良で帰ってくる事もあります。

…車は本当に、不幸中の超幸運でした。
修理工場の横で壊れるなんて、出来過ぎなぐらいです(笑)
でも、ああいう時にすぐに助けてくれるのが島の温かさですね。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
今までに来た虫好きさん
検索フォーム
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。