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奄美大島採集記2013秋~その6~

【(残念ながら)奄美大島のアマミマルバネクワガタ・アマミシカクワガタ・アマミミヤマクワガタは2013年10月より条例により採集禁止になりました。詳しくはリンク先をご参照下さい。→奄美大島の採集禁止について




9月9日(月)
明日にはもう帰る、つまりは泣いても笑っても今夜が最後である。
まずは朝から加計呂麻島に渡り、数日前に仕掛けたトラップを回収する。
古い踏み跡を辿り、クモの巣を払いながら山の奥へと進む。しばし歩くと森が良くなり、かなり“美味しそうな”雰囲気になる。
…が、ヒラタ♀、アマミコクワ♀、ルイスツノヒョウタン♀ぐらいで目新しいモノは入らず。
やはり難しいかぁ…

再びフェリーに乗って奄美大島に戻ればもう夕方、急いで車と人間のお腹を満たし、ポイントへ向かう。
ポイント入口に着くと、parnass君とその友人が支度を整えているところに出くわした。
時間までしばしお喋りして、19時を過ぎたあたりで3人一緒に入る。

マルバネの森-2

一人で入ると集中力が高まり、周囲の葉擦れの音や虫の立てる小さな音にも気付くが、誰かと喋りながら入るとそういうものには気付きにくくなる。
それでも、肝心のマルバネを見落としては困るので巨木だけは注意しながら歩いていく。
そうして虫話をしながら歩くことしばし、巨木の根元に♀が付いているのが目に入った。
本日最初の個体だ。
アママル♀

林内の踏み跡を歩きながら、その周囲にある巨木を順に見ていく。
続けざまに数頭を見つけたものの、そこで止まってしまう。だんだんと奥へと進むも、なかなか続く個体が発見できない。
ならば自分はもう道無き道に突っ込もうと思い、2人に「この辺から自分は適当に突っ込んじゃうから、こっちは気にしなくて良いよ」と宣言し、森の中へと突っ込んでいく。
…まぁ、あの2人なら放っといても遭難する心配もあるまい。

時々GPSの軌跡を確認しながら、まだ歩いていない方向へと足を進めていくと………いた。
アママル5号

マルバネは巨木の表面にじっと静止しているものが多いが、たまに歩いているものもいる。
ある程度遠くても、見やすい位置にいる個体はライトで黒光りするので分かりやすいが、側面や裏側にいる個体、太い枝に付いた個体等“どこに付いているか分からない”ので、怪しい木は周囲をぐるり一周して確認する必要がある。
そうして巨木を回り込……あ、いた。
根元からこぼれおちたフレーク(という言い方は本来正しくないんだけど)の上に1♂。更にその横にも1♂。
ライトを当てた途端に慌ててウロの中に逃げ込もうとするのを急いで取り押さえ、更に回り込むと今度は♀。
発生木……かもな、これは。

更に、大きな倒木の横に落ちた朽ち木片の上を歩く♂を見つけ、それをケースにしまってもう一度見れば、同じ木片に更に2頭が付いている。
あばばばば!
1頭ずつ見つかればさほど慌てないのだが、一度に複数頭が目に入ると一瞬どうして良いか分からなくなってアワアワしてしまう。
その木片をひっくり返してみるが、さすがにそれ以上はいなさそうだ。
ならばと巨大な倒木の方を照らすと、明らかに大型のマルバネが付いているのが見えた。

「いたっ!」
だが、手前に根があり、ここからでは届かない!
ライトに気付いたか、マルバネがゆっくりと動き出す。
いかん!逃げられる!
慌てて回り込み、その個体を押さえ込む。

アママル60up
デカイ…!

タテヅノ(大アゴの真ん中辺りから上に向かって伸びる内歯)は痕跡の痕跡ぐらいしかないが、大アゴが前方に伸び、今までの個体とは明らかに異なる迫力。
先日の58mmより大きいように思う…
これは…60mmを超えたかもしれん…!

斜面を横に進みながら灌木を押し分けてはスリ抜け、巨木を探す。
折れて切り株になった木を覗き込むと、中は全て腐り落ちて樹皮だけになっている。
その中をライトで照らしたところ、底の部分でガチガチとケンカするマルバネの姿…!
「うわわわ!ケンカしとる!ケンカしとる!」
写真を撮るというところまで頭が回らず、急いでケンカを止めて鷲掴み。
中を見ると既に死亡したマルバネの頭が転がっており、もしかするとそれが♀なのかもしれない。
アママル死骸
切り株の外に小さな1♂を見つけ、更に回り込んでいくと今度は胴体が転がっているのが見えた。
さっき中に転がってた頭の片割れかな?と思って拾おうとしたところ、モソッと動いた。

「生きてんじゃん!Σ(゚Д゚;)」

拾い上げてみれば、先程の死骸とは別個の、生きた♀だった。
胴体だけに見えたのは、土に潜りかけて頭と前胸部分が見えなかったからであった。

…そんなこんなでしばらく探索を続けていると、遠くから懐中電灯の明かりが近付いてくるのが見えた。
「どうもー。おひとりですか?」
声を掛けてみると、
「いや、連れがいるんですけど、車で休んでます」
何処かで聞いたような声だな…と思って照らしたら、なんだparnass君じゃないの。

そちらの成果を聞くと、芳しくないという。
ならば自分はもう今夜が最後だし、2人で探索しつつ先程見つけた発生木を案内する。今日でこれだけ付いていたなら、明日以降でもまだ数頭は採れるだろう。
そして、デカイのを採った倒木の横で荷を降ろして一休み。他のクワガタの採集話なんかを繰り広げる。
更に、「もう終わってるとは思うけど」という前置きで初期に見つけた発生木も案内し、その辺りで時計を見たらもう日付が変わる頃。
「そろそろ出ようか」
という事で、森から上がった。

で、さっそく一番大きい個体にノギスを当ててみる。
暴れて正確な計測は出来ないが、やはり60mmは超えていそうだ。
…アマミマルバネの60mmと言えば、某クワガタ雑誌によればアマミノコギリの76mmやミヤマクワガタの75mmに匹敵するサイズ。
つまり、バカデカイ個体ということだ。

最後の晩にコレとは、美味しく締めてくれる虫だね、まったく(笑)

…そうこうするうち、1台の車が通りかかる。
こんな時間にこんな場所を通るのは、ハブ捕りか採集者しかいない…と思っていたら、車が自分の横で停まる。
もしやと思ったら案の定、某社のIさんお嬢コンビじゃないですか。
話をしてみると、あちらは入って初日の晩だというのにいきなりポイントを当てたらしい。

…やっぱかなわないなー、こういう人達には。

しばし雑談してお別れ、こちらは別の場所のトラップに向かうが、小さなアマミコクワが1♂来ていたぐらいであまり大きな成果はなく終了。
アマミコクワ♂小


9月10日(火)
朝9時に出発したものの、各所に仕掛けたトラップを回収していくうち、どう見ても時間的に飛行機に間に合わない事が確実になってきた。
…正直やりたくないが、仕掛けたトラップをそのまま放置していくワケにはいかないし、仕方なく直行便から鹿児島経由の遅い便に変える。
しかし、振替がきくのは直行便1便分だけなので、鹿児島から羽田までの便は新たに 通常料金で 購入するしかない。
…プラス20,000円の出費……痛い…。
車の故障と合わせて70,000円も予定外の追加出費である。

…懐がイタい……イタ過ぎるよ……

…回収時、どうも仕掛けていたライトFITが誰かに摘ままれたとしか思えない状態になっていた。
見た目は変化はないのだが、コガネムシ類が全く入っていないという異様な状態。
ビロウドコガネやカンショコガネなどはゴロゴロ飛び込むトラップなだけに、仮に昨夜が条件が悪かったとしても全く飛び込まないというのは考えられない。
だとすると、誰かが中味を全部あけて、分からないように戻しておいたとしか思えない。

…フザケた事をしてくれるね…

最後の最後で不快な思いをしつつも、3基仕掛けたうちの1つにナカナカ良い虫が入っていたので少しは気が晴れた。…尤も、それも摘ままれたような感じはあったので、採れたのは摘ままれた後に運良く飛び込んでくれたのだろうと思う。
ホント、採りたいなら自分で作って自分で仕掛けろよ、と思う。
他人の苦労を横から成果だけさらうなよな…誰がやったか知らないが、だったら俺の追加出費70,000円ぐらいせめて肩代わりしろよと言いたい。

最後は空港まで見送りに来てくれたY氏に、手付かずのままだった2リットルのお茶と別目的で買った食器用洗剤を押し付けて(笑)、少しばかり日が傾き始めた奄美空港を、鹿児島空港行きの飛行機へと乗り込んだ。
鹿児島への飛行機

           ~完~


…少し前に別の記事で紹介しましたが、奄美大島はこの10月からアマミマルバネクワガタをはじめいくつかの虫が採集禁止になってしまいました。
正直、奄美大島のアマミマルバネクワガタは今回が最後のチャンスだったワケで、そこに大豊作の年が当たるとは幸運としか言いようがありません。
そしてその年に奄美に行けたこともまた、非常に幸運でした。
…例えこの後お金が無くて極貧生活になるとしても(爆)、それでも今回の奄美は行けて良かったと思っています。

でも、願わくば…またいつの日か、アマミマルバネクワガタに出遭いたい…
そんな想いを残しつつ、採集記を終えたいと思います。

お読み頂きありがとうございました。






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※全6話、以下リンクに目次ページがあります。
日を追って順に読んで頂く方は、どうぞ。
奄美大島採集記2013秋~目次~
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非公開コメント

No title

こちらではお初です。
現地ではお世話になりまして本当にありがとうございました。
最後に周辺の森の歩き方(迷った時の出方など)を詳しくご教授いただけきながらご一緒させていただいたおかげで、翌日以降かなり安心して森の中に入ることが出来ました。
虫けら屋さんのおかげで非常に充実した遠征になりました。
採集できなくなってしまったことはとても残念です。せめていつまでも奄美にマルバネクワガタが生きていけるような環境が残されていってほしいと願うばかりです。

Re: No title

>parnassさん
いえいえ、こちらこそ楽しかったです。
夜の森は迷わないに越したコトはないですが、「万一迷った際にどうすれば脱出できるか」を知っておくと、相当心強いですよね。

…マルバネの森、今後もずっと残っていってほしいですね。

No title

このマルバネ採集記が最後だと思うとちょっと寂しいですね。

始まりがあれば…

>親子でクワ好きさん
始まりがあれば終わりもあるのが世の常ではありますが、遠征の終わりはいつも寂しい気分になります。
まして、もう採れないと思うと尚更ですね…

ライトフィット

ライトフィットを荒らされると無性に腹が立ちますよね。時々とんでもなく貴重な虫が入っていたりするので、大変重宝するのですが、設置するのに時間とそこまで持ち込む体力、輸送費用、期待感を持って回収に来た故の虚無感、ひょっとしてトンデモない虫が入っていたのではという疑惑以上から考えて70000円は正当な要求額かと思います。バナナトラップとは違いそれほど沢山仕掛ける事ができる代物ではないのでライトフィットが荒らされるのは、悔しいですね。バナナトラップをあらす事を肯定する訳ではないですよ。アマミのシリーズは次はケブカコフキの頃ですね。次作を楽しみにしています。

Re: ライトフィット

>アマミシカマニアさん
自分で採りたいがために色々工夫したり労力をかけているのだから、他人のトラップ摘まむぐらいなら最初からフェアで買えばいいだろ、と思ってしまいますね…。
万一にも、他人のトラップから摘まんでそれを売っているような人がいたら、本気で最低ですが…

…ケブカコフキ、今シーズンはどうしようかと考え中です。
どこかしらの島には行きたいと思っているのですが、例年通りなら今年は奄美年なので、奄美大島を再チャレンジするか、隣の小さい島にするか、全く未記録の島に敢えてチャレンジしてみるか…。
「ここぞ!」という場所が決まらず、迷っています…。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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