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奄美大島の採集禁止について

採集記の連載途中ですが、うちのブログに辿り着く検索キーワードの中で「アマミマルバネ採集禁止」「奄美大島採集禁止」等のワードが目立ち、またコメントを頂いた方からのご要望もありましたので、そろそろウチのブログでもちゃんと書いておこうかな…という事で、奄美大島の採集禁止のお話。

2013年10月1日から、奄美大島では一部の昆虫が採集禁止になりました。
昆虫全体の採集禁止ではなく、種指定による規制です。

採集が出来なくなった昆虫は、以下の通り(2013年10月1日現在)

・アマミキンモンフタオタマムシ
・ヒメフチトリゲンゴロウ
・フェリエベニボシカミキリ
・ヨツオビハレギカミキリ
・アマミマルバネクワガタ
・アマミシカクワガタ
・アマミミヤマクワガタ
・マルダイコクコガネ
・ハネナガチョウトンボ
・アマミナガゴミムシ

※昆虫以外の動植物もありますので、それらを見たい方は以下リンクの奄美市のHPをご覧下さい。
 →リンク:奄美市HPホーム > まち・くらし > 自然環境 > 世界自然遺産 > 希少野生動植物

なお、上記の種類はあくまで今回、条例で禁止になった種であり、種の保存法など他の法律等で規制された種(例えばフチトリゲンゴロウとか)もありますので、奄美では上記10種以外何でも採集して良いというワケではありません

なお今回の条例は奄美市を始めたとした大島5市町村合同の条例だそうなので、これらの種は奄美大島全域で採集できません。今後奄美大島に採集に行こうとお考えの方は、よくご注意下さい。

また、違反者への罰則もしっかり入っています。

~奄美市希少野生動植物の保護に関する条例 一部抜粋~
第10条 指定希少野生動植物の生きている個体は,捕獲,採取,殺傷又は損傷(以下「捕獲等」という。)をしてはならない。ただし,人の生命若しくは身体の保護のため緊急やむを得ない場合又は学術研究その他公益上の理由により市長が特に必要と認めて許可した場合は,この限りでない。
2 前項の規定に違反して捕獲等をされた指定希少野生動植物の個体(その加工品であって,規則で定めるものを含む。以下この項から第13条において同じ。)及び当該個体を増殖した個体は,所持し,譲り渡し,又は譲り受けてはならない。
3 第1項ただし書の許可を受けようとする者は,規則で定めるところにより,市長に許可の申請をしなければならない。
4 市長は,第1項ただし書の許可をする場合において,指定希少野生動植物の保護のため必要があると認めるときは,その必要の限度において第1項ただし書の許可に条件を付することができる。


…つまり、
第10条 指定した種は、人命を守る等の緊急の場合を除き、市長の許可が無ければ傷付けたり採ったり捕まえたりしてはいけませんよ。
2 指定後に採った違法個体やそこから繁殖させた個体も含めて、所持や授受も禁止ですよ。
3 採りたい時は、市長に許可申請をしなくてはいけませんよ。
4 市長は、保護に必要だと思ったら、採集許可を出す際に条件を付けられますよ。
…という感じでしょうか。
更に罰則が以下の通り。

第24条 第10条第1項本文,同条第2項又は第14条第1項の規定に違反した者は,1年以下の懲役 又は 50万円以下の罰金 に処する。
第25条 第10条第4項若しくは第14条第4項の規定により付された条件に違反した者又は第11条第1項若しくは第15条第2項の規定による命令に違反した者は,6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。



…それにしても、こういう重要な条例が施行まで一切告知されず噂だけが流れ、10月1日の夜になってはじめて告示されるというのはどうなんでしょうか?
一生懸命働いて、やっと取れた有給で「10月に奄美に採集行こう!」とずっと楽しみにして飛行機も宿も予約して、島に渡った人はどうなるのでしょうか?
島に着いた途端に採集禁止になり、いきなり「採ったら違法だから逮捕します」と言われたら、納得などできるものではありません。

例え地域の条例レベルとは言え、それを知らずに引っ掛かってしまう人がいる可能性は十分にあるのですから、せめて規制をかける2ヶ月ぐらい前にはHP等で公式に知らせて十分に情報を行き渡らせて頂きたいもの。
確かに、予告をするのは駆け込み需要を増やしてしまうという半面もありますが、知らずに素直に時期に来てしまう人への配慮もして頂きたいと思ってしまいます。

ちなみに、一部で「今までに採集した個体や、そこからの繁殖個体も一切所持禁止」という噂も流れましたが、条例で見る限り「前項の規定に違反して捕獲等をされた指定希少野生動植物の個体(その加工品であって,規則で定めるものを含む。以下この項から第13条において同じ。)及び当該個体を増殖した個体」、つまり指定後に違法に採ったものやそこから増やした個体ということなので、2013年9月30日までの採集個体や、そこからのブリード個体は所持・飼育とも法律には引っ掛かりません。
…まぁ合法的に入手した個体なら既に個人財産ですから、当然と言えば当然なのですが。
ただ、そうなると標本はともかくブリード個体は種親がいつ採集されたものかどう判断するの?という点が出てきますが、ここは飼育する方の良識に委ねられるという事かもしれませんね。
たまにネットオークション等でも「その累代は、Fの数から考えても種親は既に違法になってからの採集個体なのでは?」という個体が出ている事がありますので気を付けませう。

虫屋にも非があるとは言え、採集好きの虫屋として大変残念な話であり悔やまれます。
まして、個人的に第二の故郷とさえ思っていた奄美大島です。
せめて、これ以上禁止の輪が広がらないようにしたいものです。

また、「奄美市希少野生動植物の保護に関する条例」なのですから、制定した側にも「採集だけ禁止にして、生息地の森は伐採しちゃいました」なんて事にならないよう、きちんと「保護」してもらえるよう切に願います。







…普段、こういう情報を全部が全部拾ってブログに載せるワケではないのですが、今回は大好きな奄美大島の件という事もあり、記事にしました。

<情報収集元>
奄美市HP:
http://www.city.amami.lg.jp/kankyo/machi/shizen/sekaisan/kisho.html
奄美市希少野生動植物の保護に関する条例:
http://www3.e-reikinet.jp/amami/d1w_reiki/418901010116000000MH/418901010116000000MH/418901010116000000MH.html
奄美新聞online(10月1日記事):
http://amamishimbun.co.jp/index.php?QBlog-20131001-2
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No title

残念の一言です。トラップの放置に悩んでいる方がいるのは知っていましたが、今回の指定は別記事のコメントにあったように金銭的なものも含めた感情なのかなあと思ってしまいますね。
条例なので当該自治体以外に効力はないのでしょうが、地元で採集・飼育をしている方がおられたら可哀想な感じもします。どの程度で許可が下りるかは若干興味もあります。
種類の指定に関して着目すべきは9条の2と5ですね。議論がオープンでなければ部外者は知りようもなく、今回のように事後的に周知が行われることになります。情報公開の働きかけも必要かもしれません。

No title

今回の記事、大変参考になりました。施行以前のものに関しての解釈が難しく、悩んでいましたが個人的には安心しました。役人くずれさんのコメントにもありますが、種類の指定に関しては非常に知りたいところです。何か働きかける方法は無いものか考えたいですね。今後むやみやたらに指定されない為にも。それとも過剰に反応するのは逆効果なのですかね?

残念ですね

どんどん離島の楽しみがなくなっていきます...。

私は採集した個体は写真を撮り、サイトの記事にできれば基本リリースしてますし、飼育も行ってません。もちろん販売も行ってません。自宅には生体も標本もないのですが、今回の様な決定があると、もう簡単には足を運べなくなります。9月に奄美大島に足を運んだ際、山で市の係の方から直接今回の件を口頭で伝えられました。「私は写真だけです」と伝えたところ、「10月以降でも写真なら良い」と言われましたが、非常に立場の狭い感覚を覚えました。おそらく写真を撮るといっても、夜な夜なポイントでウロウロしていたら、完全に怪しまれますね。

よくお互い話をしますが、私や虫けら屋さんは他人の放置トラップであっても目にしたものは、可能な限り回収してますよね...。

行き場のない空しさばかり残ります...。

残念の一言に尽きます。
一応許可をとれば条件内で採集はできるのですね。
しかし、自分のように詳しい研究をしているわけでもない素人に許可など出るはずもなく・・・。
昆虫採集や収集が今後、どんどん敷居が高くなっていきそうで辛いです・・・。

Re: タイトルなし

>役人くずれさん
条文で見る限り指定前に採集した分については所持規制は掛からないようなので、島の人でも今まで採集した個体やそこからの繁殖個体なら法的にはセーフなようですが、「規制の前後に関わらず全部アウト」と思い込んでいる方もいるそうなので、島で所持している・飼育しているだけでも嫌な思いをする事はあるかもしれませんね…


>アマミシカマニアさん
過剰反応は逆効果かもしれませんが、このまま何もしないでいると施行側の好きなようにどんどん指定されてしまう危険もありますよね…。
条文に目を通してみましたが、保護地域の指定に関しては「あらかじめ,その旨を告示し,告示した日から起算して14日を経過する日までの間,指定の区域を公衆の縦覧に供しなければならない」とありますが、種の指定に関しては「奄美市環境保全審議会の意見を聴かなければならない」というだけで公衆への事前告知を明文化していないので、知らないうちに「これもダメになりました」「あれもダメになりましたので」となってしまう可能性もあります。
保護地域も種自体も、指定に関してきちんと公衆から意見を取り入れるべきだと思うんですけどね…


>魔琴さん
そうですよね…
疑っている方に対して「撮影だけ」と証明するのは難しいですし、またそのための時間も惜しい。
何て言うか…本当に寂しいですね。


>Kさん
よくリアル知人とは放すのですが、出来るのならば渓流釣りの「入漁料」みたいな感じで申請して料金を支払えば、個体数を制限した上で誰にでも採集許可を出すようになるのが、現状では双方得する一番の形だと思うんですよね。産地の自治体も潤い、自身で採集したい虫屋も採集できる、がWin&Winかと。
…無論、本当なら「虫なんていくらでもいるから、好きに採って行きな」となるのが一番の理想ではありますが。

No title

種を限定した採集禁止とは、実際にどの様に規制するものなのでしょうか?そして誰が規制対象かを判断するのでしょうか?
ご存知の方々も多いとは奄美大島の原生林は大半が私有地であり、その持ち主そのものもそこに住む昆虫に手を出せない物なのでしょうか?所有権その他はどこに帰属する物なのでしょうか?
法律には詳しく無いのでよくわかりませんが、どの様な規制をするのか非常に興味があります。島の大半が国有林であれば話は別なんですが。

Re: No title

>アマミシカマニアさん
私も法律に詳しいワケではないので、条例の文章から判断するしかないのですが、「指定種のリストをHP等で明確に掲載し、それらの種を採集などした場合には違反」という扱いのようなので、要するにヤンバルテナガ等の天然記念物の地方条例版みたいな感じ…というとちょっと語弊がありますかね。
ただ、こういう条例にありがちなんですが、多分パトロールする方々でも残念ながらアマミシカとアマミコクワとアマミミヤマの♀を見分けられる人は少ないんじゃないかと思います。♂ならまだしも。
最終的な同定を誰が行うのかは…分からないですね。指定種であると誰が判断を下すのか。
…一応、指定種の写真を印刷した紙(?)を島民全宅に配布するらしいですが。

私有地内の指定種については、天然記念物と同様手を出せば恐らくアウトでしょうね。
でも生息地の伐採は現時点では禁止されていないという…
また、私有地内の自然状態での生息は良いのでしょうが、条例で「採集」「所持」が禁止されている以上、私有地であっても「採集」して「所持」すれば違法に当たってしまうかと思われます。

…こういう条例は、考え始めると疑問や納得いかない部分は色々出てきますよね。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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