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アマミミヤマクワガタ

奄美を代表するクワガタはいくつかあるが、その中でもこの虫は奄美大島にしかいない、まさにKUWAGATA of Amamiアマミミヤマクワガタ

アマミミヤマクワガタ♂

角張った耳状突起(ミヤマ特有の頭の後ろ側の出っ張り)、長く前方に伸びた大アゴ、精緻なデザイン…何処を取っても格好良いの一言。
大きさは最大でも50mm強(5cmちょっと)と同じ島にいるアマミノコギリやスジブトヒラタのような迫力はないが、繊細さと精緻さを併せ持った素晴らしいクワガタである。

アマミミヤマ-2

系統的には本土のミヤマクワガタとはかなり離れており、海外のタイワンミヤマクワガタやプラネットミヤマクワガタに近い、クワガタ屋さんの間で俗にタテイタ系ミヤマと呼ばれるグループに入る。
おそらくタイワンミヤマクワガタ(orその祖先)が古い時代に奄美まで生息域を拡げ、その後沖縄などでは絶滅して奄美大島のみ生き残った個体群が独自の進化を遂げたものと思われる。


個人的には奄美のクワガタの中で一番、全国のクワガタの中でも屈指の大好きなクワガタだ。

標高300mを超える辺りから急に姿を見せる山地性のクワガタで、海に近い低地ではまず見られない。
また彼らは面白い性質を持っており、♂は夜になると風通しの良い場所にある 樹木や電信柱 の高い所にとまる。これは♀の匂いを探すための行動と言われており、同じぐらいのサイズのアマミシカクワガタ等と比べても触角が大きく発達している。

以前、この虫を採りたくてお盆時期(飛行機が一番高値く、通常料金だと羽田→奄美で片道4万円近くする)に何年も連続して奄美大島に通っていた事もあった。
初めて採集に行った時は霧が出てナカナカ見つけられず、ようやく見つけた最初の1頭はとても小さな個体であったにもかかわらず感動で手がプルプル震えて仕方なかった。
…もちろん、その個体は今でも大切に標本箱に入っている。

同時期の他のクワガタと比べて活動時間帯がやや早く、日没して周囲が真っ暗になると活発に飛び回り、歩き回り、電柱などに登る。
この時、活発に移動するのは夜9時ぐらいまでで、それを過ぎるとあまり移動しなくなる。
そのため、21時前に採集した電柱には後で来るとまた別の個体が付いている事もしばしばあるが、21時以降に採集した場所は深夜になっても新たな個体はまず来ない(※採り落とした個体が再度同じ電柱に登ることはある)。
アマミノコギリやスジブトヒラタなどが11時ぐらいまではかなり活発に動き回るのに比べ、終わりが早い。
ただし、一度今夜の縄張りを決めると深夜になってもそこで張っているので、誰も採集に来ないようなポイントでは0時以降でも姿を見つけられる。
…ちなみに、この「高い木や電柱に付く」という性質が発見されるまでは採り方も分からず、♂ですら“たまにライトトラップに飛来する”程度の大珍品だったそうだ。

♀は稀で大珍品…だったが、これも採り方が判明してある程度採れるようになった。
アマミミヤマ♀
実際、♂ほどは採れないものの♀も決して少なくない。
ただ、今まで採集した印象からすると、♂も♀も光にはよく反応するものの森から出たがらないようだ。特に♀は森の中にかなり固執している印象があり、電柱で採集していても♀は滅多に見掛けないが、森の中である採り方をすると♀もちゃんと採れる。
珍品と呼ばれる所以は「活動時間がやや早い(21時前まで)」「森から離れない」「バナナトラップにはほとんど来ない」という性質のためだろう。他のクワガタと同じつもりで採集をしてもなかなか採れないのだ。


…ていう記事をいずれUPしようと前から書いてあったのだが、本種も2013年10月1日から奄美大島全域で採集禁止(→記事になってしまい、今後は許可がなければ採集できなくなってしまった。
おかげでこの記事もしばらく浮いてしまっていたのだが…

いつまでも寝かせておいても仕方ないか

…と公開に踏み切った(笑)
アマミミヤマクワガタは決して数が少ない種類ではないし、♀が比較的採りにくいこともあって採集圧の影響というのは他の虫より更に低いと思うのだが……本当に残念でならない。


しかし、人が来ようと来るまいと、アマミミヤマクワガタの♂達はまた来年以降も電柱に登り、♀を待ち続けるのだろう。
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No title

アマミミヤマは、本当にかっこいいクワガタですね。採集禁止になる前の2013年8月に奄美大島に行っていましたが、その年は今ひとつ不作の年で前年の3割位しか採れませんでした。

特別な方法?でメスを採集しましたが、ブリードに失敗して生きたアマミミヤマがいなくて、今年はあのけたたましく動き回る様子が見られなくて寂しいですね。

電柱をこする為に作った半円型の網、角度を調節した接続部分も今は倉庫で眠ったままです。もう一度使いたいですね。あのスルッと網に落ちる感じをもう一度味わいたいです。でもリリースすればその行為自体は罪にはならないのかな?

また奄美大島ネタ楽しみにしています。

Re: No title

>アマミシカマニアさん
アマミミヤマは6年ぐらい通いましたので、初採集・初♀・特大・極小・タコ採り…等々、採集の思い出はそれこそ記事3本分ぐらいありますが、ここでは初採集を少し触れるだけにしました(^^;
観察でも良いからまた見に行きたいな…と思う一方、見たら採っちゃうだろうからヤメた方がいいだろうな…とも。

…ちなみに、条例文で「指定希少野生動植物の生きている個体は,捕獲,採取,殺傷又は損傷(以下「捕獲等」という。)をしてはならない。」となっていますので、掴んだ時点でアウトですね。

ダイコク10頭はプチではない

条令文上は、おっしゃる通りだと思います。しかし、数頭程度の採集であれば、教育委員会?の許可をとれば採集可能かもとのことでした。手続きは面倒くさそうですが、シカにしてもミヤマにしてもそれだけの価値のある虫たちですので、来年は行こうかとも考えています。

Re:

>アマミシカマニアさん
アウトといったのは「リリースすればその行為自体は~」というコメントについてですので、きちんと許可を取った上であれば全然問題ないと思います。
コメント欄とは言え、他の方に誤解を受けるとよろしくないかなと思い書かせて頂きました。

私も大好きな虫ですし、また採集できるのであれば行ってみたいという思いはあります、正直。

No title

虫けら屋さんのプロフィール画像、小さ目のミヤマクワガタかな、特有の出っ張りがあるし…と今まで思っていました。
でももしかしたら、アマミミヤマクワガタですか?
普段は近場で採集できるクワガタしか意識しないので、よく知りませんでしたが、スラッとしたスタイルがかっこいいですね!
頭部の出っ張り、脚の色、触覚、いろんな部分がミヤマクワガタなのに、でもやっぱり違う。
面白いものですね~。

当たりです

>Taku35歳さん
あれっ?
1歳上がられました?

…っと、プロフィール画像は、仰る通り、アマミミヤマクワガタです。
過去に自己採集した中の1頭で、思い出の個体。
我が家の家宝です(笑)

No title

やはりアマミミヤマクワガタでしたか。
変わった形のミヤマだなぁ…の謎が解けて良かったです。

35歳になりました。
四捨五入で40の歳でも虫好きでいたいですね。

Re: No title

>Taku35歳さん
当ブログが少しでも知識や発見につながったなら、とても嬉しいです。

虫屋はいくつになっても、虫の話をする時には目が輝きます。
自分達も、そんなふうにいたいですね!
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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