喜界島(&他)遠征記2014~03~

※※今回は、終始船旅の模様で、虫が全く登場しません。御了承下さい※※





…メギギギギ……ザザァァァァン!

…メギギギギギ……ザザァァァァン!


船体の軋みと波を打つ音が二等船室に響く。
階段を上り下りすると、波で船体が持ち上がる時には体重が二倍ぐらいになったかのように体が重く、逆に下がる時には浮き上がるかと思うぐらい軽くなる。

…メギギギギ……ザザァァァァン!

…メギギギギギ……ザザァァァァン!


沖永良部島を発ってしばらくすると、船が揺れ出した。
確かに先日乗って来た時に比べて今日は風も強いし、島から見ても沖に白波が立っているのが見えたので、「船揺れるかもな…」とは思った。
まぁ想定内である。

しばし横になり軽くひと眠りした後、小腹が空いたので食堂へ行き、船旅中の食料にと買ってきたカップ焼きそばを食べる。
今回はそれなりに揺れている。いつぞや八丈島の帰りにだいぶ船が揺れたコトがあったが、あれと同等か、今回の方が少し揺れが大きいか。
窓の外を見ると、甲板の柵と水平線との角度がだいぶズレているのが分かる。
船の揺れ-1
座って焼きそばを啜っていても、船が上下する度に体にGが掛かるのが分かる。

お…お…おっ…

揺れが次第に酷くなってきている。
遠くの水平線を見ている分には平気だが、船室内に長く視線をやっていると酔いそうだ。
写真を撮って、水平線が平らになるように写真を傾けてみると、船がいかに傾いているかがよく分かる。
船の揺れ-2
小型船ならともかく、3,000トン級のフェリーでこの傾きは結構な揺れである。
このままいると酔いそうだな…と感じ、Gを堪えながら二等船室に戻る。
既に本なぞ読んだら一発で酔うぐらいの揺れになっており、ガラガラの船室で大人しく横になり、目を瞑る。

…メギギギギ……ザザァァァァン!

…メギギギギギ……ザザァァァァン!


たまに自動車甲板(同じ階で、ドア2枚隔てた先)からガランガランガランッ!とか金属の転がるような音がするのは大丈夫なんだろうか…
そんな事を考えながら眠りに就く。


沖永良部島を出港してから2時間程経った頃、「間もなく平土野港に接岸…」のアナウンスが流れる。
そうして間もなく、船の揺れが大人しくなる。
徳之島に到着するらしい。
窓の外を見ると既に真っ暗で、ポツポツと島の明かりだけが見える。
…去年はこの徳之島でケブカコフキコガネを採集した(→3月、徳之島遠征)んだよなぁ…なんて思い出していたら、ザワザワと人の声が聞こえてきた。
徳之島から多少人が乗って来たらしい。
やがて声は二等船室に入ってくる。
「ガラガラじゃん!」
「貸し切りだよー!」

残念、俺がいます。


…やがて徳之島の平土野港を出航した船は、次なる寄港地:奄美大島へ向かう。

…ギガギギギ……ザザァァァァン!

…メギギギギギ……ザザァァァァン!


島から離れると、次第に揺れだす船。
フェリー船室
大型船なだけに横揺れがない分まだマシなのかもしれないが、それにしてもかなりの揺れだ。
先程までより更に揺れが酷くなっているように感じる。
…と、

フッ…と体が浮くような感覚がして、その数瞬後に ドゥンッ!という今までにない衝撃が来た。

「うわっ!」

思わず声が出る。
今の絶対、船の舳先浮いただろ!!
さっきまでの波を越えた感じじゃなく、波で跳ね上げられた舳先が着水した衝撃だった。

ギガギギギ……ッ  ドゥンンンンッ

うへぇ…!

こりゃ確かに……ギガギギギ……かなり揺れ……ザズゥゥゥン!……るなぁ…。
もう「起きて何かしていたら酔う」というぐらいの揺れになっている。
八丈島航路より、確実に揺れとる。
横になって少し携帯を見るぐらいなら大丈夫だが、起き上がって携帯を弄っていたらあっと言う間に気持ち悪くなりかけて、慌てて横になる。
これはもう、寝る以外に出来ることがない
横向きで寝ると揺れが良く分かって楽しいのだが、少し酔いそうになるので出来るだけ仰向けで寝る。

こりゃ確かに、油断していたらあっと言う間にゲロッ吐きコース直行である。
幸いにも、今日は乗客自体が少なく、他の人達も頑張って耐えているようでケロケロしているような声は聞こえない。
寝つ起きつしながら揺れを味わい、時間が過ぎるのを待つ。
体が感じる揺れを、頭の中で「あ、昇ってる昇ってる……お、おお、落ちる落ちる!」と味わう。

やがて、徳之島を出て4時間程経った頃、船内にアナウンスが流れる。
「間もなく、名瀬港(奄美大島)に到着致します。なお本日、喜界島は条件付き出航となっております…」
事務所のオバチャンの言葉と船内に掲示してあった条例(?)から考えるに、どうやら喜界島着岸が確実に無理な場合は喜界島行きの乗客も奄美大島で下ろしてしまうようだが、今回のような条件付き出航の場合は下船するかどうかは客個人の判断に委ねるらしい。
船の最終目的地は鹿児島本土の港であり、喜界島は途中の寄港地でしかない。
つまり、喜界島で着岸できなかった場合はそのまま鹿児島本土まで連れて行かれてしまうという事になる。
一応、奄美で降りて翌日の便で喜界島に渡ったり、鹿児島本土から更に戻りで喜界島に向かう場合も同じ奄美海運の船を利用すれば船賃は追加料金は取られないようだが…

やがて波が穏やかになり、名瀬の湾に入ったことが分かる。
判断は今しかない。
「ほら、下りるよ」
「そうなの?」
「喜界島で下りられなかったらそのまま鹿児島まで連れて行かれっちゃうから」
同じく喜界島に向かう予定だったらしい老夫婦が、名瀬港で下りるべく支度をしている。
自分はどうする…

…少し悩んだものの、出した結論は

乗っとけ。

着岸できなかったら、その時に考えるさ。
そうとなったら、今のうちに飯を済ませておこう。
時刻は既に23時を過ぎており、次の寄港地は自分の目的地である喜界島だ。
航行中のあの揺れでは、飯を食ってたら確実に酔う。
食べるなら今しかない。

カップラーメンを持って食堂へ向かう。
お湯を注いで席に着くと、窓の外には港の明かりが見えている。
まさか船から奄美大島を眺める日が来るとはなぁ…

食事を終えて二等船室に戻り、また横になる。
やがて船は名瀬港を離れ、次の目的地である喜界島へと向かい始める。

再び揺れは激しく、もう、ちょっとしたジェットコースター気分。
落下と共に体が浮き上がるような感覚と、再び波に持ち上げられて体に掛かるG。
楽しんでしまえばそれなりに楽しめるが、沖永良部島を出港してから既に6時間以上が経過しており、いい加減飽きてくる。
乗客は自分の他にあと1~2名だけ。
あちらさんも、ひたすら寝ている。

喜界島に着いたらとりあえずどうしようか?
ケブカコフキは発生しているのだろうか?
見つけられるのだろうか?

色々な考えが頭の中を巡っては消えていく。
揺れは相変わらず激しいが、横になって目を瞑っていれば耐えられることはもう分かった。
だが、油断して起きていたら確実に酔うぐらいの激しい揺れであり、ゲロ船 の比喩は大袈裟ではないと実感せざるを得なかった。

…そうなると、今回は乗客が少なかったのも幸いしたかもしれない。
これが乗客が多く船室でケロケロする声が聞こえたり、吐瀉物のニオイがしたらまた話は違っていただろう。

やがて予定から1時間半以上遅れ、深夜1時もとっくに回った真夜中、ようやく船は喜界島に着く。
およそ9時間の船旅。…食うか寝るかしかしてなかったけど。
まぁしかし、無事に接岸してくれただけでも儲けモノかもしれない。
奄美大島で下船していった老夫婦は、今頃もう宿を取って眠っている頃だろうか。

湿った風が吹く港に降りる。
真っ暗な中、オレンジ色の外灯が灯る港は大きいとは言い難い。
…ちなみに、船が変な時間に着く(本来の予定でも23:50着)こともあって、島のレンタカー屋さんはちゃんと(?)深夜対応をしてくれる。
まぁこれについては色々あるのでブログでは詳しくは書かない。
もし船で喜界島に行かれる方は、レンタカー屋さんに電話して尋ねてみると良いだろう。

深夜2時も過ぎる頃、ようやく無事にレンタカーに乗り込み、降り出した雨にワイパーが刻むトットットットッという音を聴きながら、ゆっくりと森があるであろう方へと走り出した。
喜界島の夜道
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非公開コメント

No title

相当な揺れのようですね。写真から揺れの大きさが伝わってきます。

今後の本題の展開を楽しみにしています。

Re: No title

>アマミシカマニアさん
想像以上の揺れでした…。
いや、あそこまでとは。
確かに「ゲロ船」の名に恥じない揺れっぷりでした(笑)
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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