クロオオアリの羽蟻

1ヶ月ほど前…
都区内某所での調査中、小さな水場を観察していたのだが、何かの羽音が耳に付いた。
ハチっぽいのだが、ハチなら羽音はすぐに何処かに行ってしまうハズなのに、何度も何度も聴こえる。
一体なんだろう…?と羽音の主を探してみたところ、偽木の杭の上にいくつもの巨大なアリの姿があった。
クロオオアリ女王蟻-1

そういうコトか!

ちょうど クロオオアリ の繁殖シーズンだったのだ。
クロオオアリは町中の公園等でも見掛ける大きなアリで、灰色がかってやや小ぶりなクロヤマアリと並んでごくごく普通種。町中で「大きな黒いアリ」を見たらまずクロオオアリと思って間違いない。

アリと言えば、ハネがなく地面を歩き回っている虫のイメージだが、実は繁殖シーズンに現れる新女王蟻と雄蟻だけはハネがあり、飛行することができるのである。
彼らは一斉に巣から出ると高い場所に登り、そこから飛び立つ。
やがて他の巣から飛び立ったものを見つけると交尾をし、交尾を済ませた新女王蟻は自らのハネを落として新しい巣を掘り始める。
その結婚飛行のために杭に登った個体が、次々と飛び立っていた羽音だったのだ。

「ハネがついていると、まるでハチみたい」と思われた方………正解

アリとハチというのは実は近い仲間で、どちらも同じ膜翅目というグループに含まれている。
アリの中にも実は毒針を持っていて刺す種類もいるぐらいだ(クロオオアリは刺さないけど)。

改めて見てみると、なかなか強面な面構えをしている。
クロオオアリ女王蟻-2
実際、この大アゴで噛まれると結構痛く、皮膚ぐらいは簡単に食い破ってしまう。
血管まではアゴが届かずこちらが出血に至ることは少ないが、痛み自体は結構なもの。

ちなみにこちらが雄蟻。
クロオオアリ雄蟻
オスの方が触角が長く頭が小さいのはスズメバチもアリも同じ(→参考記事)。
女王蟻に比べると雄蟻はだいぶ小さく、働きアリと同じぐらいの大きさである。
↓のサムネイルで、真ん中の大きなのが新女王蟻、周りの小さいのが雄アリである。
クロオオアリ女王と雄

このランデブーはごく限られた時期のみであり、翌週に同じ場所を訪れた際には、巣はこの喧騒が嘘のように元の平穏を取り戻していた。
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狙って結婚飛行に出会うのは難しいですよね
今年の話になるのですが1匹目はムネアカオオアリの女王を捕まえ自らの不注意で死なせてしまい、2匹目はクロオオアリの有翅女王を捕まえたのですが未交尾だったのか雄蟻だったのか土に潜らずに表面で死んでしまいました…
また近い内に女王に会えると良いのですが…

Re: タイトルなし

>並人さん
クロオオアリの結婚飛行は昨年も出遭ったのですが、毎週調査に入っている場所なので当たる確率は高かったのだと思います。
新女王もオスも、本当にワラワラといました。

ちなみに雄アリは明らかに小ぶり(働きアリと同じぐらい)で頭も小さいので、種が分かっていれば雄がどうかはすぐ分かりますよ。
有翅の新女王だとまだ飛行前だった可能性もあるので、未交尾だったのかもしれませんね。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

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