遠征採集に行ってみよう(その1)

沖縄島、石垣島、沖永良部島、奄美大島…
名を聞くだけで、その文字を見るだけで心がワクワクと踊りだす、南の島々。
多くの虫屋(→虫屋とは)が訪れ、魅力的な数々の虫を採集してきた。
ヒカゲヘゴと青空
しかし一方で、離島未経験の頃には、強く憧れる一方でハードルも高く、「行ってみたいけど、一体何をどうすりゃイイの?」的な方も少なくないのではないだろうか。
私自身、今でこそあちこちに採集遠征を重ねて精神的なハードルというのはかなり低くなった(※タガがはずれたとも言う)が、はじめの頃は離島遠征というものは 壮大な大冒険 のような気がしており、そう簡単に踏み出せるものではなかった。

…余談になるが、初めて離島らしい離島に採集に行ったのは、まだ採集禁止になる前のミクラミヤマクワガタ(御蔵島)だった。
(※現在はミクラミヤマクワガタは採集禁止です)
ずっと「行きづらい島」だと思い込んでいたのだが、ある時たまたまネットで御蔵島のことを検索したら、浜松町の竹芝桟橋から直行のフェリーが出ているという。
「なんだ、行きやすくなってるんじゃないか!」と気付いたが、一人旅などしたこともなく、まだそんな度胸もなかったため友人Y氏を巻き込んだ。で、ここまできてようやく重い腰を上げて、船や宿の予約方法などネットで調べまくった。
すると、島の宿は電話で予約をしなくてはいけない。
…電話が死ぬほど苦手だった自分は、たかが予約の電話一本に携帯を握ったまま開けたり閉めたり、電話番号を1ケタ押しては取り消し、2ケタ押しては取り消し、…結局一時間ぐらいモゾモゾモゾモゾしていた(笑)
ミクラミヤマ

…と、 脱線はこのぐらいにして、だ。
こんな感じで遠征を大冒険のように思えて壁を感じてしまっている方の精神ハードルを少しでも下げられれば、というのが記事の主旨。


採集遠征をする場合、まずは 行く時期何を狙うか を選定する必要がある。
この時、大きく分けて 「時期日程優先」「虫都合優先」 の2つのパターンがあるかと思う。
多くの方は「連休利用」や「休暇が取れる時期に」という場合が多く時期日程優先のことが多いと思うが、その場合、その時期にどんな虫が採れるかを調べ、その中からメインターゲットを決める。

一方、「どうしても採りたい虫がいる」など明確な狙いがある場合はその虫のシーズンに合わせて計画を立てる必要がある。
虫に合わせて採集に行けるなんて、なんて贅沢な…と思うかもしれないが、中には休暇が取れない中でクワガタを採りたいがために一泊二日で沖縄に行って一晩採集して帰ってくる とかいう馬鹿野郎(※褒め言葉)の知り合いもいるので、そこは人次第(笑)


さて、時期が決まったら次は日程である。
時期日程優先の場合は必然的に時期と同時に日程も決まってしまうことが多いが、ゴールデンウィークなど長期連休があれば、その中のどの日程で遠征に行くかという選択はある。
金銭都合や仕事・学業の都合などなど様々な都合と相談して、何泊で行くかを決める。


遠征のターゲットと日程が決まったら、慌てて予約を入れるのではなく、まず メインの採集ポイントを決めよう
それによって、宿を選ぶ際にポイントに行きやすい立地の宿という条件が出てくる。
小さめの島で、「何か南っぽいのが採れればいいや」ぐらいなら現地に着いてからポイントを探しても良いが、大きな島だとそう簡単にはいかない。
例えば、(虫屋の憧れ)奄美大島にしても、島の北端から南端まで行こうと思ったら車でも3時間やそこらはかかるので、北部に宿をとって南部のポイントに行こうと思ったら往復だけで6時間も消費にしてしまうことになる。まして島全部をガッツリというのは難しい。限られた期間の中で採集するなら、移動時間は短く抑えておきたいところ。
スジブトとアカボシ
無理に全部やろうとしても、結局ウロウロして時間ばかり経ってしまい、どこもイマイチだった…なんて事になってしまう。
そこで、詳しい友人に尋ねる(※注1)・過去の採集案内等を探す・地形図などで睨む…などしてメインで採集する場所を決めよう。
詳細情報がないなら「○×山の辺り」などアバウトでも構わないが、クワガタを採るのに森もない浜辺に行っても仕方ないし、海浜昆虫を採るのに山には行かないから、ターゲットが決まっているならその虫がいそうな場所を選定しよう。

採りたい虫をきちんと調べ、どういう場所にいるのか等の情報を得るのは、採集ではとても大切。
そうして得た知識は他の採集でも役立つことが多いし、保護をしたいと思った時にも『 こういう条件の場所で採れるそういう環境を好むその環境を残すことが大切 』と正しい保護をすることができる。
知識も持たずに自己正義感だけで「保護だから採集禁止だ!」と声高に叫んでおきながら生息地は開発で潰しました、なんて馬鹿な話も起きなくなる………ハズ。

…話を戻そう。
そうやって知り得た情報が古い場合は、ポイント決定の前に、Googleマップや国土地理院の地形図などで今でもそこの環境が残っているかを確認ぐらいはしておいた方が良い。
開発などでポイントが消えてしまうことは多々あるし、逆に放置されて自然遷移が進み、草地が荒れ地になり森になってしまうこともある。
素敵な森があると思ってウキウキして行ってみたら住宅地になっていました、では目も当てられない。

さて、遠征日程と行きたい島、島の中のメイン採集ポイントが決まったらいよいよ具体的な予約へと計画を進めていこう。


…というところで、次回につづく(笑)







※注1
友人・知人から情報を得る場合、親しい仲なら「場所を教えて」と聞いても良いが、そうでないなら具体的なポイントを聞くのは嫌がられることも多いので気を付けよう。採集ポイントというのは本人が苦労して見つけたり、信頼できる人から教えてもらったりした大切な場所であるコトも多く、そんな場所を大して親しくもない人に簡単に教えてあげようと思う人は少ない。
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No title

今回の記事は特に面白かったです!
ミクラミヤマも採取禁止ですか。。。
離島産は採取禁止が増えてますね...
僕は徳之島・中之島・西表島行きたいです。
徳之島はスジブト/アマミノコ/ヤマトサビ(観察のみ)目的、中之島はトカラノコ目的、西表島はマルバネ系/チャイロカナブン目的で行きたいなと思ってます。
すでに石垣島ではマルバネ系採取禁止になってるそうなので、西表島の採取禁止令もそう遠くないかもしれませんね。
次の記事、楽しみに待ってます!

Re: No title

>melolonthaさん
残念ながら、トカラ列島は昆虫採集禁止になっています…
なので、トカラノコギリももちろん採集禁止…
奄美大島より前から禁止になってしまっています。

他にも地域や種指定で禁止されているものもありますので、計画をされる際は事前に採集可能かどうかを調べた方が良いです。
採集禁止の種や地域が増えていっているのは本当に寂しい限りです…

来年度遠征計画中

最近、採集禁止の地域がどんどん拡大していることは、悲しいかぎりですね。来年の遠征計画も西表島の動き次第で秋の計画が大きく変化してしまいます。何とか残ってほしいものです。昨年のオキナワネキの件でもわかるように、まだまだ南西諸島は検証が不十分で色々な発見が残されており、夢があると思うので(特に西表島は)。

因みに僕の離島採集は、最初は家族旅行でいった沖縄本島です。ヤンバルのトレッキングのあとに寄った昼間の自販機の前にヒラタの亡骸が落ちていて、非常に驚いたのを覚えています。本土ではヒラタは飛ぶイメージが湧かない虫なので(後ほど島ではネブトも電灯の下で見つけましたが)。その日の夜まで待てずに夕食もそこそこに息子を連れて陽のくれる前から灯火廻りに出かけたことは、昨日の事のように思い出されます。その頃は自販機のまわりの明るい所ですらハブに怯えてました。でもその辺りのミカン畑のまわりの方がハブとの遭遇率は高かったように思います。その頃を思えば今ではかなりハブ等の危険に対し鈍感になってしまい、自分でも恐ろしく思うこともありますが、もう引き返せない自分がいます。きっと中毒ですね(笑)。

Re: 来年度遠征計画中

>アマミシカマニアさん
ミカン畑はネズミが餌をとりに来るのか、ハブとの遭遇率は高いですね。
自分も、良くない傾向とは思いつつもハブへの警戒心が以前よりだいぶ薄れていますね…。
おかげで、2012年の遠征では初日からアブナいところでした(^^;

プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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