沖縄ケブカコフキ探索2016~その4~

12月27日

周囲の明るさに目を開けると、日が射している。
車から出て体を動かし、まとわりつく眠気を振り払う。
…だいぶ体が慣れてきたようで、昨日までより体が痛くない。
渡嘉敷島の朝

車内でボンヤリしながら眠気が抜けるのを待っていたら、どんどん曇って霧雨が降り始めた。
…まぁ、悪くなる予報だったからこれは仕方ない。
そうこうするうちに霧雨が小雨になり、やがて本降りになってくる。
とりあえず、明日の船で本島に戻ろうとフェリーの予約の電話をしてみると、
「時化で欠航になる可能性もあるので、明日朝8時に運航確認してくださいね。」との言葉…

マジかよ!?

慌てて携帯から渡嘉敷島のホームページを見てみると、今日のマリンライナー(高速船)は欠航したらしい。
フェリーの方は運航らしいので、もし今日の船に間に合うなら今日戻ってしまった方が良いかもしれない。明日の船が欠航になってしまったら、明後日戻りは飛行機的にかなりキツキツになる。
船は15時半ぐらいのハズだから、急げば間に合うかも…と慌てて車を走らせてライトトラップを回収していくと、ビロウドコガネの仲間が数頭来ていたりとやはり初日の晩より虫は多い。
4つ目か5つ目のライトを確認しに近付いたところ、明らかに“ソレ”っぽいものが見えた。

「きたっ!」

渡嘉敷島ケブカコフキ-2
ケブカコフキが2♂、来ていた。
これで4♂である。先の2♂とも異なるポイントであり、もう生息は間違いない。そしてこの時期ハズレで4♂採れれば十分だ。
もう今日戻ろう!
14時前に全てのトラップを回収し終え、ホッとしていたら、電話が鳴った。
知らない番号だが、普段滅多に鳴らない電話がこのタイミングでかかってくるというコトは、おそらくフェリー関係だろう。
出てみると案の定渡嘉敷の役場からで、明日の予約OKだと。せっかくなので状況を聞いてみると、予報が悪く何とも言えないという。
ならば今日はと聞いてみたところ、

『繰り上げて午前中に出ました』

な、なんですってぇ!? Σ(゚Д゚;)

…つまり、どう足掻こうと今日はもう本島には帰れません、と。
しかも明日も出るか分かりません、と。


た、頼む…明日運航してくれぇ…


…こういう時、個人的には“たぶん”で良いので予測を教えてほしくなる。「約束は出来ないけど、たぶん大丈夫」なのか「五分だね」なのか「厳しいと思います」なのか。
まぁ、それを伝えると予測と違った時にクレーム入れるような輩がいたりするから安易に口に出せないのだとは分かるが…

…正直、確約しなくて良いから教えてほしい(^^;

だが、何にしろ今日戻れないということは、その方面で足掻いても仕方ないというコト。ならば最後一晩を探索に当てるのみ。
先程の回収でケブカが入っていた1ヶ所だけライトトラップを再設置して、そこで少しでも追加を狙おうと気持ちを切り替える。

さっさとポイントへ向かい、ライトトラップを3つほど設置。
イノシシ罠があるのがちょっと怖いが……まぁとりあえずライトトラップの再設置も済ました。
しかし、天気も悪く、他にやる事もない。
仕方ないのでとりあえずとりあえず港にでも行ってみる。

売店を覗いてみると、売り子のお姉さんが話しかけてくる。ハスキーボイスの気さくな方で、こちらが今日の船で帰ろうかと思ったら既に出航済みだった旨を伝えると、
「いいこと教えましょうか。…明日、何かしら一便は出すそうですよ。」
…とのこと。
時化ているなら、動くとすれば高速船よりフェリーだろう。
何より一安心である。
更に、個人的に虫の調査で来ていることを告げると、阿波連集落に島の自然に詳しい方が食堂をやっていると教えてくれた。
お礼というワケでもないが島特産の鮪ジャーキーを買って車に戻り、教えて頂いた食堂に向かってみることにする。

再び車に乗り込んで今度は島の南部へ向かい、食堂に着いたのが午後4時頃。
食堂に入ってみると、カウンターの中には若いお兄さんが一人だけ。…どうも、目的のご主人は留守のようだ。
とは言え既にお店には入ってしまったし、何もせずに出るワケにもいかない。中途半端な時間ではあるが、せっかくなのでパスタを注文する。
残念ながら自然に詳しいご主人には会えなかったが、久々の温かな食事を頂く。

自分の場合、採集遠征において「食事」の占めるウェイトは小さく、正直コンビニ弁当でも島の食堂でも安くて簡単に済めば何でも良いという感じである(奄美の鶏飯を除く)。とは言え、やはり毎日簡単な食事ばかりでいたところに温かい食事は美味しく、なんだかホッと安堵した。


やがて夜の帳が下りる。
昨夜に比べて風が強い。こういう風だとケブカコフキはほとんど飛ばなくなってしまうコトもある。
だが、一晩で2♂も飛来するぐらいだから、このあたりが一番可能性は高いように思う。
藪を漕いで斜面に突入し、リュウキュウチクの群落を中腰でゆっくりと探索する。
そこそこの斜面ではあるがリュウキュウチク群落は濃い場所とまばらな場所があり、発生期なら♀を狙いやすそうな雰囲気。
睡眠中のキノボリトカゲなんかは見かけるが…
渡嘉敷島キノボリトカゲ

ケブカの♀を狙う時は、リュウキュウチクが隙間なくみっしり生えているような場所より、群落の端の方で少しまばらになる辺りの方が探しやすかったりする。
少し進んでは周囲を見回し、また進んでは周囲を確認する。やんばるで大当てした時と雰囲気は似ており、どこかに♀が付いていても良さそうな雰囲気なのだが……やはり時期がもうキビシイのか…

数時間をかけてじっくりと探索してみたものの、追加はおろか羽音ひとつ聴こえない。仕方ないので既設灯火を回ってみたが、やはりいない。
「これは…やっぱ(♀は)次回以降だなぁ…」

生息していると分かっていれば、あとはシーズンを当てれば♀は多分採れると思う。
とりあえず、今回は初記録が出せただけで十分成功だろう。

気怠い体をシートに横たえ、ゆっくりと目を瞑った。



※~その4~の最後の方に加筆修正しました(^^;
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虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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