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展翅板と展足板

標本作製の基本的な道具でありながら、意外と知名度が低い(?)、「展翅板(てんしばん)」と「展足板(てんそくばん)」です。

展翅板は、文字通りチョウやトンボ、ハチなどを展翅(ハネを広げた標本を作る)際に使う道具です。
展翅板

真ん中の溝は底にペフ板が貼ってあり、そこに針が刺さるようになっています。
こんな感じで板と展翅テープでハネを挟んで固定し、乾燥させます。
展翅板(実例)

具体的な展翅のやり方については別途にまた今度書きますので、今回は道具のご紹介。
この展翅板は上面の板が真っ平らな物と、左右の上板が浅いV字状に角度が付いている物とがあります。
平らな物を「平板」、V字の物を「傾斜板」と呼びます。
展翅板(平&傾斜)

展翅板は製造メーカーがいくつかあり、メーカーによって傾斜の角度は少しずつ異なります。
角度については好みもあると思いますが、上板はある程度厚みのある物の方が使いやすいように思います。

…ちなみにこの傾斜、何の為にあるのかというと、実はチョウの標本というのは年月が経つと少しずつ翅(ハネ)が下がってしまう事が多く、最初に少し上がり気味になっていれば、少し下がってもちょうど平らになるというのが理由。
(※そのため、トンボやハチを展翅する際や、チョウでも裏面模様を見せるために逆さに展翅する(裏展翅)場合は上板が平らな平板を使います。)

またこの展翅板、展翅する虫の大きさに合わせて様々なサイズがあり、中央の大きくなるにつれて溝幅も広くなります。
サイズは極小のシジミチョウ用から巨大蛾ヨナクニサンを展翅するような特大の物まで実に様々ですが、大きなチョウを小さな展翅板で展翅しようとすればハネがはみ出してしまいますし、小さなチョウを大きな展翅板で展翅しようすると溝の隙間が大き過ぎてハネをしっかりと押さえられません。
ハネが上板からはみ出さず、溝幅が胴体の幅より少しだけ広いぐらい物が適正サイズになりますので、購入する際はどんな大きさのチョウを展翅したいのかをよく考えてから選ばれる事をお薦めします。


…さてもうひとつが展足板です。
展足板

構造は簡単で、大雑把に言えば蓋のない木箱に薄いコルク板を貼った物です。
名称的にも展翅板と対をなす(?)存在のハズなのですが、こちらは展翅板より更に知名度・普及率ともに低いような…。
…というのも、展翅板は自作しようと思ったら工作が必要なため、多くの人が市販品を購入するのに対し、展足板は発泡スチロール板などで簡単に代用出来てしまうため、あえて必要としない人が多いのです。
特にクワガタムシやカブトムシなどは乾燥後も高さ(針を刺す深さ)を変えるのが容易であり、展足段階で深く刺す必要がないため、存在すら知られていない事も多いです。

しかし、中型で比較的破損しやすいカメムシや、乾燥後はガチガチに固まって高さを動かせなくなってしまう事が多いセミやハチ(展翅しない場合)などは、最初の展足段階で針の深さを決めてしまう必要があり、そういう場合にはこの展足板は意外と便利。
まぁ厚みのある発泡スチロールで代用出来ない事もないのですが、展足板は中が空洞のため、針を深く刺し込んでも抵抗が少なく、扱いやすいのです。
そんなワケで、私もクワガタの展足等では使っていませんが、上記のように用途に合わせて時々使用しています。

“深く刺せる”という以外は発泡スチロール等で展足するのと使い方は同じで、この板の上で脚や触角を針を押さえて整形(展足)するワケですが、実はちょいと工夫してやると、とても手軽に展足する方法がありますので今度ご紹介したいと思います。

それでは、また今度。
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No title

展翅板はやはり、今は亡き「タツミ製作所」のものが一番良いですな。
それ以外だと、オーダーメイドになるけれど、「アートいなばや」のがタツミと遜色がなくて好きですが、同じく評価の高い「ぱぴよん」のはまだ使ったことが無いです。
溝幅は翅の基部をビシッとさせる(これが一番大事)のと、アンテナ整形の為には重要なファクターで、板の幅よりも大事だと思っているので、多少翅がはみ出ても、溝幅がピッタリなのを選んでいます。

展翅板

>acraeoidesさん
六○脚時代に名和昆の展翅板を何本かだけ仕入れましたが、ナカナカ良さげでした。
タツミは晩年足柄工芸に作らせていたので、足柄も基本的にはタツミと同じ作りのハズですよ。

…確かに翅の基部をしっかり押さえたいというのはあるのですが、オオムラサキなど後翅の内縁(?)が立体的なモノなんかは逆に押さえにくかったり、展翅板に入りきらない翅端部がピシッと平らになってくれなかったりしませんか?
そんなこんなで、自分は溝幅よりも上板の幅で選んでおります。
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虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

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