奄美大島採集記(1)

今回は、奄美大島でのケブカコフキコガネ採集記です。
…先に申し上げておきますと、今回クワガタは1頭たりとも出てきません
と言うか、ケブカ以外の虫がほとんど出てきません。
それぐらい、この時期の奄美は活動している虫が少ないのです。
なお、最大の目的であったケブカコフキコガネについては、奄美大島産♀を1頭だけとはいえ採集できました。
♂は地元の人によって以前に多数採集されているものの、奄美産の♀は未知でした。
おそらく、史上初です。
今回は、その採集記になります。


奄美大島は、沖縄と九州本土に挟まれた亜熱帯の島で、両方の影響を受けつつ独自の自然・文化を持つ島です。
「名前は知っていても場所は知らない」と言う方が多い島ですが、日本で3番目に大きな離島で、沖縄ではなく鹿児島県に所属しています。
島の多くは深い森に覆われ、ぶっちゃけ観光には向かない 亜熱帯の自然を満喫できます。
観光名所が少ないためか、距離的には沖縄本島より近いわりに羽田からの直行便は1日1便しかなく、飛行機代も高くなっています。
…ま、でも行くんですけどね。

<2月17日>
さて、自身は奄美大島に行くのは2年ぶりである。
飛行機が昼なのでゆっくりと空港へ向かい、保安検査場を通ると、ライター等の持ち込み禁止物の廃棄ボックスに…

スパナ

誰だ!?
機内にスパナとレンチ持ち込もうとしたヤツは!?


…そうして予定より20分ぐらい遅れて島に到着すると、友人Y氏が空港で出迎えてくれた。
レンタカー屋で手続きして、そのまま走り出す。
…例年だと、着いたらとりあえず「ひさ倉」の鶏飯を食べに行くのだが、今回は島に着いたのが既に14時台とあまり時間がないので、取り急ぎ友人が下調べしてくれた候補地に向かう。

今回の狙いは、ケブカコフキコガネというコガネムシの一種。
沖縄や奄美のいくつかの島に分布するコガネムシで、冬に発生するという不思議な虫だ。
種の紹介は過去記事(→ケブカコフキコガネ)にあるが、重要なのは「奄美と沖縄で発生時期が異なる」という事だ。
沖縄本島の個体群は12月下旬のクリスマス頃に発生するが、奄美大島の個体群は年を越して2月下旬頃に発生するのである。
この時点で既に謎だ。
秋に出るマルバネクワガタなんかは、台風や気温の低下がトリガーになって北から順に発生する。
ならば沖縄のケブカが12月に発生するなら、奄美のケブカは11月頃に発生しても良さそうなものなのに、逆に遅れて2月に出る。
理由がサッパリわからない。
オマケに発生時期や場所なども沖縄ほど明確ではなく、「いつ・何処に行けば確実にいる」という情報がほとんどない。
あまりに手探り状態であり、ならばせめてと奄美に住んでいる友人にお願いし、沖縄個体群のホストと思われるリュウキュウチクを奄美で探してもらったのだが、沖縄と違いリュウキュウチク自体がかなり少ない。
それでも島中を走り回ってリュウキュウチクのある場所をピックアップしてくれたので、その場所を順に案内してもらう。

リュウキュウチク(1)

初日は龍郷町を中心に一回りしてみるが、どうにもピンと来ない。
過去に採れている場所(の辺り)にも案内してもらったのだが、リュウキュウチク自体が無い。
…まさか、沖縄と奄美でホストが違う…のか…?

一回り案内してもらい、夕方にようやく「ひさ倉」で鶏飯…
…と思ったら、やっていない。

えええええ!?

よく見ると、ドアに喪中で休みとか貼ってある。

マジか!?

「ひさ倉」休みとか、想定していなかった…
いつも奄美に着いたらまず「ひさ倉」へ行って、そこの鶏飯を食べて奄美スイッチが完全にONになるというのに…。
だが嘆いても仕方ないので、そこから少し南へ行った別の鶏飯屋「てっちん」で食事をする事に。
お店に入って少しして、奄美在住の虫屋Nさんも合流し、3人で鶏飯を食う。

鶏飯
(※写真は「ひさ倉」の鶏飯)

…ここでちょいと「鶏飯(けいはん)」について説明しておくと、

ささみほぐし・錦糸卵・パパイヤの漬け物・漬け椎茸・刻み海苔などをご飯に乗せ、そこに熱々の鳥ガラスープをぶっかけて食べる豪華茶漬け

…と言うとイメージが伝わりやすいだろうか。
元は薩摩藩役人のための接待料理だったらしいが、今では奄美の代表的な地元料理になっている。
普段、遠征に行っても地元料理なんてほとんど食べないのだが、この奄美の鶏飯だけは必ず食べているぐらいお気に入り。
ちなみに鶏飯屋は多々あるものの毎回「ひさ倉」に行っているのは“お約束だから”。

飯の後、初日という事で龍郷の小さな集落奥にあるリュウキュウチクの林を軽く回るものの、ケブカのケの字も出ず。
というか寒い。蛾すらほとんど飛んでいない。
沖縄産なら18:30には活発に飛び始めるので、数時間やって見つからないようなら“いない”と考えるのが妥当か…。

…だが、実のところ奄美大島ではここ数年ハッキリした採集記録も無く、現時点で発生が始まっているかどうかすら不明なのだ。
以前に確実に採集されているのは、2002年と2006年。
その他の年については、おそらく2年周期で発生しているとは思うが、採集記録は見つけられず。

今年既に誰かが採っているなら「採れない場所=ここにはいない」と言えるのだが、それがないため、「いない」のか「まだ発生していない」のか「今年は出ない」のか、全く分からないのだ。

一応、昨冬が沖縄の発生年だったので、今シーズンは奄美が発生年に当たるハズなのだが…

しかし、結局初日の晩は羽音ひとつ聴くことなく、終了となった。
宿は最後の2泊分のみなので、今晩はビッグⅡの駐車場で就寝。
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プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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