ミノウスバ

3月に千葉に転居してから、地元にどんな昆虫がいるのかを知るため、ちょいちょい時間を見つけては近所に網を持って出かけている。
10月末、河川の土手を網を持って歩いていたところ、オレンジと黒のツートンカラーの虫が目の前をよぎった。

…最初は、甲虫かと思った。

飛び方が比較的ゆっくりな上、色合いが飛んでいるクロウリハムシによく似ていたのだ。
しかし、それにしては大き過ぎる。クロウリの倍ぐらいはある。
だとすると、正体が何であれ未採集の虫の可能性が高い…と思い、再び現れたのをネットイン。
網を覗き込んで…
「あっ!」
ミノウスバ-1
薄黒い透明な翅、黄色い体、フワフワの黒い尻毛。
「ミノウスバ!」

秋だけに出る、1円玉程の大きさのカワイイ蛾である。
実のところ存在は知っていたものの今まで探そうとしたことはなく、つい先日某店で写真を見せてもらって探してみたくなった蛾だった。
「そっちの近所にもいると思うよ。」
との言葉通り、確かにいた。

それにしても、実物は想像以上の“ぷりちぃ”さである。
これは…春のフチグロトゲエダシャク(→記事)と合わせて、『二大 プリティ・モス』 に指定したい!

嬉しくなって近くを探してみると、マユミの木に何頭も絡むように飛び回っているのを見つけた。
よくよく探してみれば、木に止まって交尾している姿も。
どうやら、飛び回っている♂は、♀のフェロモンに惹かれて集まってきているらしい。
数頭を採集してみるが、その間にも新たに飛来する。

こりゃ後日カメラ持ってもう一度来ないとだな…ということで、11月3日に行ってみた。
到着した時間が16時過ぎと遅かったため飛んでいる個体はもう見られなかったが、先日見つけたマユミの木をよくよく見ると、数ヶ所で交尾しているのが見つかった。
ミノウスバ交尾
…普通、蛾の仲間は尻合わせで逆向きになって交尾をする。
ミノウスバも例外ではなく、通常は尻合わせで交尾をするのだが、このペアはどういうワケか、カブトムシのような背面乗りの交尾になっている。
他にも数ペアを見つけ、写真を撮って帰ってきた。


今の時期、昼間にマユミやマサキなどの周りを飛び回っており、市街地でも生け垣などで見られるらしいので、天気の良い日にお散歩がてら探してみてはいかがだろうか?

オオムラサキは採集禁止?

挙式から引き続き引っ越しを行い、バタバタしてまだフィールドに出られません。
もう各地からモキチョウやフチグロトゲエダシャク(→春の我を訪ねて)の話が出ており悶々としている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

新鮮なネタをまだ仕入れられていないので、今回は「国蝶オオムラサキは採集禁止か?」という話。
オオムラサキ

日本の国蝶と言われるオオムラサキは、タテハチョウの仲間で、ハネの表に青紫色の輝きがある大型のチョウです。
幼虫はエノキの葉を食べ、成虫はクヌギ・コナラ・ヤナギなどの樹液を主な餌としています。
夏のチョウですが、夏と言っても初夏に近い時期に出てくるチョウで、有名な山梨県韮崎市の辺りでは7月上旬が♂の最盛期。♀はやや遅れて7月中旬頃に多く見られます。
♂は日当たりの良い開けた場所で縄張り(テリトリー)を張る習性があり、そこに入り込んだ他の♂を追い払います。
気が強く、樹液で餌を食べるのに邪魔だとスズメバチも追い払おうとしたり、テリトリーに入ったスズメやツバメを追い払おうと追い掛けたりすることもあります。
さてそんなオオムラサキ、私もたまに採集します(立派なチョウなだけに標本もスペースを取るので、あまり採りませんが…)が、たま~に「国蝶でしょ?採って良いの?」的なことを聞かれることがあります。

採って良いです。

国蝶だからと言って採集してはいけないという法律は何処にもありません。
そもそも、オオムラサキを国蝶と定めたのはチョウ(採集を含む)が好きな人達です。
その選定基準も、「全国的にみられる」「普通にみられる」など『珍品でない』ことが理由の一つになっています。
今でこそ絶滅危惧種と言われることもありますが、本来は里山に普通に見られるチョウでしたし、今でも山梨など多数みられる地域はいくつもあります。

…ただし、地域レベルになると「○○市では保護しているため採集禁止です」という条例がある場合もありますので、そういった地域では採集しないようにしましょう。
オオムラサキは別にそこにしかいないワケではなく、各地で見られます。私も(オオムラサキを熱心に追い掛けているワケではないですが)山梨のほか東京・埼玉・神奈川・長野・北海道などでも見ています。
採集可能な場所はたくさんあります。
そういう場所で、気兼ねすることなく採りましょう(笑)

…ちなみに、オオムラサキというと最初の画像のように青紫色のイメージが強いですが、裏面は白~黄色っぽい色をしており、表とは全く違った色をしています。
オオムラサキ裏
樹液を吸っている時などはハネを閉じていることもおおく、探す時はこの裏面のイメージも頭に持っておかないと、いっぱいいるのに「全然見つけられない」なんてことになり、気付かずに樹液に近づいた途端にいきなり飛び立って、「いたの!?」なんて驚いて逃げられてしまいます。

「むしとり」はどう書く?

いやぁ、春ですなぁ。
残念ながら今日は雨模様のようですが、梅はすっかり咲き、沈丁花が少しずつ香るようになり、あんな虫やこんな虫が「そろそろ出るんじゃないか!?」とソワソワしてしまう季節。

早く行きたいなぁ……虫とり。

…という所で、「むしとり」って漢字表記する時、どう書くのが一番適しているんでしょう?
よく見かけるのは「虫取り」もしくは「虫捕り」。
前者は少し古い表記かな?
んで、後者は「虫捕り網」なんていう時によく使われている気がする。

でも、虫は「取得」や「捕獲」というより、「採集」なのだから、「むしとり」もやはり『虫採り』と書くのが一番しっくりくる気がするんですが、いかがなものでしょう?

1. 虫取り
2. 虫捕り
3. 虫採り

そんなワケで、私は「3」に一票。
…でも、この変換はまず間違いなく携帯やパソコンの辞書には登録されていないので、いつも携帯を機種変すると真っ先に登録するのがこの単語だったりします(笑)


さてこのネタ、実は何年も前に仲間内のSNSで聞いてみたことがあるんですが、blogをご覧の皆様はどう書かれます?
いつもは読んで頂くだけの皆様にも、ぜひぜひ多くの方にご意見をお聞きしてみたいです。






…恒例の(?)「記事内容に関係ない写真」は、以前に横須賀で採集したカラスアゲハの♀。
まるで八丈島亜種のような鮮やかな青色が出ていて、採集してハッとした個体。
横須賀カラスアゲハ♀
当時の携帯撮影なので、画像が荒いのはご了承を…(^^;

トリックアート

先日、とある用事で山梨県の日野春に行ってきた。
で、せっかくあの辺りに行くのならと用事の前日から山梨入りし、昆虫採集。
夜は穴山駅で明かしたのだが、その際、駅の灯火で見つけたのが、コレ。

ムラサキシャチホコ-1
丸まった落ち葉……



…ではなく、実はコレが なのである。

ムラサキシャチホコ という名の蛾なのであるが、この落ち葉そっくりな形は立体ではなく、実は平面の模様なのである。
上から見てみれば、この通り。
ムラサキシャチホコ-2

正直、なんでこんな模様になったのか、理解できない。
自然の淘汰と進化だけでこんな模様になるとはとても思えず、何かの意思が働いたとしか思えない。
もはやトリックアートの域である。
葉の模様や形だけならまだ分かるが、なんで丸まった形で、しかも陰影まで付いているのか…

作為的にデザインされた としか思えない。

そんな不思議な蛾である。

アゲハの幼虫

キハダ(?)の細枝に行儀良く並んで静止していた アゲハチョウの終齢幼虫
アゲハ終齢幼虫
何度見ても“ぷりてぃ”な姿である。
目玉に見えるのは実はただの模様で、天敵を脅かして少しでも捕食される危険を減らしていると言われているが、はたしてどこまで効果があるのか…?

幼虫は、卵から孵化した最初の段階を1齢(初齢)といい、1回脱皮するごとに2齢・3齢と進んでいく。
アゲハチョウは5齢幼虫まであり、そこから更に脱皮すると蛹となる。この、蛹になる前の最期の段階の幼虫を「終齢幼虫」という。
ちなみに1齢~4齢までの間の幼虫は見た目が全く異なり、鳥の糞そっくりの色をしている。
アゲハ若齢幼虫
それが、4齢から5齢に脱皮した途端にこんな鮮やかな緑色になってしまうのだから驚きである。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
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