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大宮フェアの戦利品

2週遅れではありますが、2月の大宮インセクトフェスティバルでの成果をご紹介。

(1)安売りクワガタ標本
大宮-01
ハンスミヤマクワガタ♂x2
ドエスブルグノコギリクワガタ♂
リツセマオオクワガタ(パリーオオクワガタ)♂

大宮-02
パラワンオオヒラタクワガタ♂
…この辺は全てサービス品として売られていたもの。
古した感じのものが多く、展足も甘いのでこのままでは展示に使えないが、クリーニングすれば十分見られるようになるだろう。

(2)パッキング標本その1
大宮-03
ウォレスノコギリクワガタ♂x2
アカマルバネクワガタ(?)♂
ニジイロクワガタ♂
スペキオススシカクワガタ♂

…スペキオススは、以前は独立種となっていたが近年ではタイワンシカクワガタの亜種という扱いになっているらしい。
実際、マレーにいるディディエールシカクワガタまで全て交配できちゃうという話も聞いたことがあるし、亜種が妥当なのだろう。

(3)パッキング標本その2
大宮-04
ノコギリクワガタ属3種セット
コノハムシx2

…コノハムシも展示用に欲しかった。
ただ、こういう虫は熱湯で軟化すると一気に色が悪くなってしまうコトが多いので、展足する際は気を付けないといけない。

(4)頂き物その1
大宮-05
ネプチューンオオカブト♂
ヘラクレスオオカブト♂(パスコアリ)
オオクワガタ♂(81mm!
ゾウカブト♂(オキシデンタリス)
ノコギリタテヅノカブト♂

…全部、一人の方から頂いてしまった標本たち。折れた脚はほとんどパーツがあるので修理可能。
こんなに頂けるとは思わず、持って行った標本箱が途端に一杯になってしまった(笑)
ありがたや、ありがたや。

(5)頂き物その2
大宮-06
ダイトウヒラタクワガタ♂
シンジュアシナガコガネ♂x2

…それぞれ別の方からの頂き物。
大東島も行ってみたい島ではあるが、他に行きたい島があり過ぎてナカナカ行けない。
シンジュアシナガコガネはフランスに生息している美しいアシナガコガネの仲間で、2015年のフランス旅行でもちょっと期待していたのだが、時期なのか場所なのか、残念ながら見ることはできなかった。


…とまぁ、今回はこんな感じ。
数年前までは、フェアには行くもののほとんど買い物はせず、標本を見て回って虫仲間とお喋りをするのがデフォだったが、最近は色々と安い標本を買い漁っている。
標本を漁る楽しみも覚えてしまった…



既にいくつかは展足や再展足をし始めており、順番にやっていくとしよう。
ハンスとパリー展足

沖縄ケブカコフキ探索2016~その5~

※~その4~の最後の方に加筆修正しました(^^;


12月28日

空が明るくなってきてウトウトと目を覚ましかけたが再び目を瞑り、やがて携帯のアラームで目を覚ます。
ぼんやりと外を眺めながらゆっくりと目が覚めてくるのを待ち、8時になったので、まずは渡嘉敷村のホームページを開き、船の運航を確認する。
どうやら無事に運航するようだ。…これで一安心。

目も覚めたのでトラップを回収するが、残念ながら追加のケブカコフキは入っていなかった。
まぁ今回は完全に時期もハズしてしまったし、4♂採れただけでも大成功だろう。
あとはもう船の時間まで暇になってしまうので、側溝に溜まった落ち葉の下にゴミムシでも隠れていないかと枝を拾って落ち葉を引っかき回してみる。

…すると、不完品ながらコカブトムシが出てきた。
渡嘉敷島コカブト
「をを!」
これはちょっと嬉しい最期の収穫である。
あとはお世話になった渡嘉敷島のスタンドでガソリンを入れ、のんびりと船を待つのみ。
再び昨日の港売店に行ってみると、昨日のお姉さんがオバチャンと喋っていた。
昨日買った鮪ジャーキー(渡嘉敷島特産土産)が思いのほか美味しかったので、土産としても買って行こうと、相方へのお土産と共に選ぶ。
食事は美味しかったものの、自然に詳しいというご主人には会えなかった旨を伝え、やがてやってきた船に乗り込み、沖縄本島へと向かう。
渡嘉敷港

1時間ちょっとの船旅は、思ったほど揺れはしなかった。
港が空港の近くなので、本島近くまで来た時に真上を低く飛行機が飛んで行った。

明日には帰るので最後の晩は何処で…と思ったが、今シーズンが完全にピーク過ぎなのか確認する意味も込めて、再度南部ポイントに行ってみることに(…他のポイントまで行くのが面倒だったとも言う)。
頃合いの時間になり、まずは灯火を見てみると、いきなり♂が落ちていた。
「おるやんけ!」
南部ケブカと外灯
確保してそのまま藪に突入する…………

……

……が、結局2~3時間探してもケブカの羽音すら聴こえず。
仕方がないので車を走らせ、知念方面で目を付けていた場所に行ってみる。

だが、そちらでもケブカコフキは影も形もなく、コブナナフシ1♀を拾ったのみだった。
うぅむ…本島最南部のケブカは…やはり…そういうコトなのか…?

翌日は飛行機の時間までだいぶあったため、末吉公園で軽く採集をして帰った。
…夏ならオキナワヒラタとかいそうな雰囲気もあり、夏にも一度ぐらい沖縄本島来てみたいよなぁ…なんて思いつつ(バナナトラップの残骸に少々不愉快な思いをしたりもしつつ)沖縄を後にした。



これで渡嘉敷島のケブカコフキコガネを正式に報告できる。
…となると、おそらく慶良間諸島の他の島々にも生息している可能性は高く、まだまだ調査しなくてはいけない島々は場所はあるようだ。
とりあえず、再来年は座間味島か、阿嘉島か…






…なお、最後の晩に採集したコブナナフシ♀は、現在自宅にて飼育中。
ポツポツと産卵もしており、無事に孵化してくれたら楽しいのだが…
沖縄コブナナフシ♀

沖縄ケブカコフキ探索2016~その4~

12月27日

周囲の明るさに目を開けると、日が射している。
車から出て体を動かし、まとわりつく眠気を振り払う。
…だいぶ体が慣れてきたようで、昨日までより体が痛くない。
渡嘉敷島の朝

車内でボンヤリしながら眠気が抜けるのを待っていたら、どんどん曇って霧雨が降り始めた。
…まぁ、悪くなる予報だったからこれは仕方ない。
そうこうするうちに霧雨が小雨になり、やがて本降りになってくる。
とりあえず、明日の船で本島に戻ろうとフェリーの予約の電話をしてみると、
「時化で欠航になる可能性もあるので、明日朝8時に運航確認してくださいね。」との言葉…

マジかよ!?

慌てて携帯から渡嘉敷島のホームページを見てみると、今日のマリンライナー(高速船)は欠航したらしい。
フェリーの方は運航らしいので、もし今日の船に間に合うなら今日戻ってしまった方が良いかもしれない。明日の船が欠航になってしまったら、明後日戻りは飛行機的にかなりキツキツになる。
船は15時半ぐらいのハズだから、急げば間に合うかも…と慌てて車を走らせてライトトラップを回収していくと、ビロウドコガネの仲間が数頭来ていたりとやはり初日の晩より虫は多い。
4つ目か5つ目のライトを確認しに近付いたところ、明らかに“ソレ”っぽいものが見えた。

「きたっ!」

渡嘉敷島ケブカコフキ-2
ケブカコフキが2♂、来ていた。
これで4♂である。先の2♂とも異なるポイントであり、もう生息は間違いない。そしてこの時期ハズレで4♂採れれば十分だ。
もう今日戻ろう!
14時前に全てのトラップを回収し終え、ホッとしていたら、電話が鳴った。
知らない番号だが、普段滅多に鳴らない電話がこのタイミングでかかってくるというコトは、おそらくフェリー関係だろう。
出てみると案の定渡嘉敷の役場からで、明日の予約OKだと。せっかくなので状況を聞いてみると、予報が悪く何とも言えないという。
ならば今日はと聞いてみたところ、

『繰り上げて午前中に出ました』

な、なんですってぇ!? Σ(゚Д゚;)

…つまり、どう足掻こうと今日はもう本島には帰れません、と。
しかも明日も出るか分かりません、と。


た、頼む…明日運航してくれぇ…


…こういう時、個人的には“たぶん”で良いので予測を教えてほしくなる。「約束は出来ないけど、たぶん大丈夫」なのか「五分だね」なのか「厳しいと思います」なのか。
まぁ、それを伝えると予測と違った時にクレーム入れるような輩がいたりするから安易に口に出せないのだとは分かるが…

…正直、確約しなくて良いから教えてほしい(^^;

だが、何にしろ今日戻れないということは、その方面で足掻いても仕方ないというコト。ならば最後一晩を探索に当てるのみ。
先程の回収でケブカが入っていた1ヶ所だけライトトラップを再設置して、そこで少しでも追加を狙おうと気持ちを切り替える。

さっさとポイントへ向かい、ライトトラップを3つほど設置。
イノシシ罠があるのがちょっと怖いが……まぁとりあえずライトトラップの再設置も済ました。
しかし、天気も悪く、他にやる事もない。
仕方ないのでとりあえずとりあえず港にでも行ってみる。

売店を覗いてみると、売り子のお姉さんが話しかけてくる。ハスキーボイスの気さくな方で、こちらが今日の船で帰ろうかと思ったら既に出航済みだった旨を伝えると、
「いいこと教えましょうか。…明日、何かしら一便は出すそうですよ。」
…とのこと。
時化ているなら、動くとすれば高速船よりフェリーだろう。
何より一安心である。
更に、個人的に虫の調査で来ていることを告げると、阿波連集落に島の自然に詳しい方が食堂をやっていると教えてくれた。
お礼というワケでもないが島特産の鮪ジャーキーを買って車に戻り、教えて頂いた食堂に向かってみることにする。

再び車に乗り込んで今度は島の南部へ向かい、食堂に着いたのが午後4時頃。
食堂に入ってみると、カウンターの中には若いお兄さんが一人だけ。…どうも、目的のご主人は留守のようだ。
とは言え既にお店には入ってしまったし、何もせずに出るワケにもいかない。中途半端な時間ではあるが、せっかくなのでパスタを注文する。
残念ながら自然に詳しいご主人には会えなかったが、久々の温かな食事を頂く。

自分の場合、採集遠征において「食事」の占めるウェイトは小さく、正直コンビニ弁当でも島の食堂でも安くて簡単に済めば何でも良いという感じである(奄美の鶏飯を除く)。とは言え、やはり毎日簡単な食事ばかりでいたところに温かい食事は美味しく、なんだかホッと安堵した。


やがて夜の帳が下りる。
昨夜に比べて風が強い。こういう風だとケブカコフキはほとんど飛ばなくなってしまうコトもある。
だが、一晩で2♂も飛来するぐらいだから、このあたりが一番可能性は高いように思う。
藪を漕いで斜面に突入し、リュウキュウチクの群落を中腰でゆっくりと探索する。
そこそこの斜面ではあるがリュウキュウチク群落は濃い場所とまばらな場所があり、発生期なら♀を狙いやすそうな雰囲気。
睡眠中のキノボリトカゲなんかは見かけるが…
渡嘉敷島キノボリトカゲ

ケブカの♀を狙う時は、リュウキュウチクが隙間なくみっしり生えているような場所より、群落の端の方で少しまばらになる辺りの方が探しやすかったりする。
少し進んでは周囲を見回し、また進んでは周囲を確認する。やんばるで大当てした時と雰囲気は似ており、どこかに♀が付いていても良さそうな雰囲気なのだが……やはり時期がもうキビシイのか…

数時間をかけてじっくりと探索してみたものの、追加はおろか羽音ひとつ聴こえない。仕方ないので既設灯火を回ってみたが、やはりいない。
「これは…やっぱ(♀は)次回以降だなぁ…」

生息していると分かっていれば、あとはシーズンを当てれば♀は多分採れると思う。
とりあえず、今回は初記録が出せただけで十分成功だろう。

気怠い体をシートに横たえ、ゆっくりと目を瞑った。



※~その4~の最後の方に加筆修正しました(^^;

沖縄ケブカコフキ探索2016~その3~

12月26日

朝起きて、まずはバキバキに固まった体を動かし、ほぐす。
天気予報によるとこの後は次第に下り坂になっていく予報なので、昼間にチョウを採るなら今日ぐらいしかチャンスはないかもしれない。
まずは一通りライトトラップをチェックするが、ケブカコフキは影も形もない。
これは、いよいよもってボーズの予感が…と暗雲立ち込めるが、まずは昼間の採集をしよう。

センダングサが咲いてキチョウなどが飛んでいる辺りに車を停め、網を振る。沖縄といえど12月ともなると流石にチョウの数は少ないが、それでも種類はいくつか見られる。アオスジアゲハ、カラスアゲハ、ジャコウアゲハ、ルリタテハ、アサギマダラ、リュウキュウアサギマダラ、ツマベニチョウ…どれも1~数頭ずつなのだが、思っていたよりチョウの種類は多い。
なにより、この時期にカラスアゲハの成虫がいたのはちょっと驚きだった。
いくつかのチョウを採っていると、午後になりやがて陽射しがなくなってきた。

陽射しがなくなると途端にチョウは飛ばなくなってしまうので、とりあえず少し買い出しでもしようかと島に2軒しかない商店に向かう。
流石に大手コンビニのような便利さは求められないが、パンなどの食料はあるし最低限必要な物は手に入る。ありがたい限りである。
必要な物も入手したし、さてどうしようかと考えたが…とりあえず、昨夜通った際に煌々と灯火の点いていた某施設に行ってみることにした。


…ところで。
どうやらカーナビさんによると、ここで右折すると東へと抜ける道らしいのだが…
カーナビの道

…右を見ると、こんなステキなススキ草原が広がっているのだが
実際の道


…。


……。


…OK、分かった。
渡嘉敷島の人からすれば、これぐらいは車で通過できる なんだ!(※違います)

見るからに「道があった痕跡」はあるので、元々は車が通れるレベルの未舗装道路があったものと思われるが、集落が近くにないためこの道を利用する人も少なく、次第に荒れて、今ではこうして藪に埋もれ自然に還ろうとしているのだろう。
だが、離島ゆえデータ修正もないままカーナビには残ってしまっているのだろう。
(…実際、帰ってから最新の地図で見てみたら、この道は既に消されていた。)


さて施設に辿り着き、自販機で飲み物を買ってそれを飲みながら少しフラフラする。
「青少年交流の家」とかいう所で、利用者でなくても通り抜け可能なので、まぁちょっと歩かせてもらうぐらい良いだろう。
昨夜通りがかった時にライトが点いていた所を見てみるが、蛾の死骸もない。
甲虫とかだと隙間に隠れてたりするよなー…なんて思いながら芝生と壁の境のあたりを何気なく見てみたところ…



「あっ!」

思わず声を上げて反射的に拾い上げると…




渡嘉敷島ケブカ♂
ケブカコフキじゃねーか!!!!Σ(゚Д゚;)

残念なことに既に死んでしまっているが、まぎれもないケブカコフキコガネである。
触ってみると関節もまだ柔らかく、かなり新鮮なように思える。

なんという事だ…

見つけてしまった。

…だが、ここは沖縄本島からの宿泊客も来る可能性が高いスポットであり、しかも見つけたのは死骸。
万々が一ではあるが、沖縄本島から来た人にくっついて島に来てしまった死骸(または生きて入り込んだ)という可能性も考えられなくはない。
これは是非とも追加個体を見つけて、この島に生息している確証を得たい。

俄然モチベーションが上がり、ヤル気が出てきた!
陽が落ちて暗くなるのを待ち、さっそく動き出す。

まずは施設付近のリュウキュウチク群落からチェックする。
ライトトラップにはケブカは飛来しておらず、懐中電灯を持って藪を歩いてみるが、羽音はない。既に発生ピークは完全に越えてしまっているので個体数は相当少ないだろうが、あの1頭はおそらくこの島に生息している個体だと思われるので、まだ活動している個体はいるというコトだ。
同じ「羽音も聴こえない状況」でも、昨夜とはモチベーションもだいぶ違う。

まずは灯火を狙ってみようかと、だいぶ離れた場所の灯火を見に行ってみることにした。
離れた…と言っても小さな島なので、車で30分かそこらで着いてしまう。駐車場に車を停めて近くの明かりを見ると、いきなりいた。
灯火に飛来した小型♂がアリに襲われている。
見た目にもかなりスレた個体なのは分かったが、貴重な個体なのでアリから横取りする。
「はいはいはい、ちょうだいね~。」
虫の全身にまとわりついたアリを吐息で吹き飛ばし、確保。まだ生きている。
夕方に死骸を拾った場所からここまで飛来してくるとは思えず、これで生息はほぼ確定だろう。
「よっしゃ!」

これで渡嘉敷島の初記録、ついでに生息確定と考えて良いだろう。

気を良くして近くの明かりも見ていくが、ヤモリが来ていたぐらいで追加の個体は見られなかった。
すぐ裏には丈の低いリュウキュウチクの藪があり、そこで発生した可能性が高そうだ。
「発生ピークだったらなぁ…」と呟いてみるが、状況は変わらない。
他のライトトラップに飛来した可能性もあるので巡回しに行ってみる。
カーナビに打ったポイントを頼りに順番に回っていくと、カンショコガネやガムシなど他の甲虫類がいくつか飛来している。昨夜はろくに飛来していなかったので、昨夜よりは多少好転していると思うことにしておくが、一通り巡回してもケブカコフキは来ていなかった。

生息が確認できたからには、可能なら♀も採りたいところではあるが…♂すらこれだけ少ない状況ではかなり厳しい。
とりあえず一巡したのでまた最初の場所に向かってみる。
仕掛けたライトトラップを確認しようと藪に踏み込もうとすると、足元を何か小さなモノが走った。

「ぅん…?」
トカゲ…いや、ヤモリ…?でもなんか見慣れない色だったような…?

気になって腰を屈めてみると、また走る。
だがすぐに止まったので姿を確認できた。
「トカゲモドキ!」
渡嘉敷トカゲモドキ幼体

南西諸島の一部の島に分布するヤモリに近い仲間だが、壁などに貼り付いているイメージのヤモリと違い、体を起こして地面を走り回ったりする。
日本にいる種はクロイワトカゲモドキといい、ここ渡嘉敷島にはその亜種であるマダラトカゲモドキが生息している。
一度は見てみたいと思っていた生き物のひとつで、興奮しながら撮影。捕まえて触ってみたくなるが、クロイワトカゲモドキは天然記念物に指定されているので、お持ち帰りは元より触るのもご法度…撮影だけで我慢しておく。

ケブカコフキも見つかり、素敵な生き物に会えて気分は軽い。
トラップ巡回2周目を回っていくと、今度は路上にヘビの姿。近付いてみると、なんとなくヤマカガシに近い雰囲気が…
ガラスヒバァだ。
渡嘉敷ガラスヒバァ
牙が小さいために咬まれた被害報告は無い(?)らしいが、けっこう強い毒を持った毒蛇である。穏やかな顔をしているが、万が一というコトもあるので不用意に手を出さない方が良い。
撮影だけしてまた走り出すと、今夜は生き物とよく出遭う。
タイワンクツワムシに、
渡嘉敷タイワンクツワムシ
リュウキュウアオヘビも。
渡嘉敷アオヘビ

途中、空が満天の星空なのに気付き、少し開けた辺りで車を停めて空を眺める。
久しぶりに見る天の川。
ケブカ探索で張りつめていた神経がスーッと緩んでいくのが分かる。

とうとう初記録出したなぁ…

渡嘉敷島でケブカを見つけたという興奮はだいぶ収まり、感慨がスーッと胸に染み込んでくる。
2010年辺りからずっとケブカコフキコガネを追い続けてきたが、♀の初記録は各所で出しつつも「完全な島初記録」は出したことがなかった。喜界島も初記録ではあるが、ネット上に採れた話が出ており、いるのは分かっていた。
まったく生息地からある程度距離があって、情報の無い島にチャレンジしたのは、伊平屋島が最初。でも見事に惨敗。続けて伊江島も行ってみたものの、またしても惨敗。やはり、これだけ大型の虫で初記録を出すのは簡単ではないと思い知らされた。
だが、懲りずに今年は渡嘉敷島に挑戦した。資金も日程も厳しい中で、無理してでも来て良かった。

静かな満天の星空を見上げてしばし穏やかな感慨に浸る。
さて、そろそろ探索を続きをしようかと車に戻ろうとしたが、その前にちょいと道脇の側溝を覗いたら、
渡嘉敷島トカゲモドキ成体
「トカゲモドキ!」

…なんと、本日2頭目のマダラトカゲモドキである。
しかも、先程の個体より遥かに大きい。こうして見ると、先程の個体はまだ幼体だったのだとよく分かる。
こちらは全体にゴツくて顔つきも鋭い。先程の個体は格好良い中にも幼さが残っていたように思う。

場所が場所だけに写真もいまいちシマらないが、触るワケにいかないので仕方ない。
そのすぐ近くにはコブナナフシもいた。
渡嘉敷コブナナフシ

今夜は本当に生き物が多い。
この調子でケブカコフキの追加個体も!…と意気込んだが、そこまで現実は甘くなく、深夜2時過ぎまで探索を続けたものの追加の個体はおろか死骸すら見つけることは出来なかった。

だが、これで生息は確認できた。
本島に戻るのは明後日の予定だから、もう一晩ある。だが、今年はもう完全に発生ピークを過ぎてしまっている。
明晩もう一頑張りするか、それとも記録は出せたのだから予定を早めて明日の船で本島に戻ってしまうか…
悩みつつ、今夜は眠ることにした。

沖縄ケブカコフキ探索2016~その2~

12月25日

朝9時に港に行って手続きを済ませ、フェリーに乗り込む。
出港までまだ1時間もあるので、窓際の席に座って一眠り。

やがて、腹の底に響くようなエンジンの振動が始まり、船が動き出す。
天気は穏やかで波もなく、ウトウトしているうちに早々と行く手に島が見えてくる。
慶良間諸島
今回の目的地を含む、慶良間諸島(けらましょとう)である。

今回の目的地である渡嘉敷島もこの慶良間諸島に含まれる島で、諸島の主島となっている。
この渡嘉敷島をはじめ慶良間諸島ではまだケブカコフキコガネの生息は確認されておらず、採集記録は全くない。
もし1♂でも採集することができれば、渡嘉敷島だけでなく慶良間諸島からの初記録として報告できるのである。

…ちなみに、慶良間諸島は沖縄本島とは地学的な成り立ちの異なる島々だそうで、フェリーで1時間強という近距離にありながらカブトムシやアマミノコギリクワガタなど『沖縄本島と久米島にいるのに慶良間諸島にはいない』という生き物が色々いたりする。

…と言うことはつまり、ケブカコフキもいない可能性がある のだが(汗)

実際、「渡嘉敷島にケブカを探しに行きたい」という話をしたら「慶良間にはいないんじゃない?」と言われたコトも何度かあった。
ただ、Googleのストリートビューで見るとリュウキュウチクは島のあちこちに確認できるので、環境だけで見るなら生息している可能性は十分にあるようにも思える。
沖縄のケブカコフキコガネはリュウキュウチクの群落が良い目安になるのでポイントを絞りやすく、今回の計画を立てるに当たっても事前にストリートビューでさんざんリュウキュウチク群落のある場所を調べまくり、地図に書きこんでおいた(笑)

さて1時間ちょっとの船旅を終えて無事に島に上陸し、まずは事前に目星を付けていた場所を回ってみる。
なるほど山の中を抜ける道沿いにはあちこちにリュウキュウチクが見られ、雰囲気は非常に良い。
良さそう場所に簡易式ライトを設置してはカーナビにポイントを打っていく。

…こういう時、カーナビは非常に便利だと思う。
林道などは似たような景色が多く、どの辺りにトラップを設置したか分からなくなってしまう事が多々ある。
しかし、カーナビで設置ポイントを登録しておけば場所が分かるのでチェックや回収の漏れもなくなる。
忘れっぽいクセに何個もトラップを入れたがる自分には、非常に便利なアイテムである。

ケブカコフキは♂の走光性(※虫などが光に向かってくる性質)が高く、生息ポイントにライトトラップを設置しておけば高確率で飛来する。
発生ピークを越えてしまった可能性が高いとは言え、8~9ヶ所にライトを設置して数日やれば、生息しているなら採れないハズはない…

……

…………

…はず、たぶん。

さして大きな島でもないので一通りの道を走って環境を確認し、オキナワカラスアゲハなんぞを採集しつつ、夜を待った。


やがて陽が落ち、周囲が闇に包まれる。
設置したライトトラップを確認しつつ望みのありそうな場所を探索していく。

風と葉擦れの音。
小さな虫は飛んでいる。
ライトに大きな黄色い物体が貼りついているので何かと思ったら派手な色彩の蛾だった。
キイロヒトリモドキ
九州より南に生息しているキイロヒトリモドキという蛾だそうで、大型だしナカナカ格好良いのだが、メンドクサイので採らない。
…いや、ケブカコフキがわんさか採れていたなら、「こいつも採っとくか」となったかもしれないが、目的の虫がまったく気配もない今の時点では、食指は動かなかった。

しかし多い。
ライトにも来ているし、走っていると車のヘッドライトにも何度も飛んでいるのが照らし出される。
「これが全部ケブカだったらいいのに…」とお約束の呟きを漏らしつつ、更に探索を続ける。

これぐらいの島なら一晩でポイントも一通り回れるし、ケブカが生息しているなら初日から見つかる可能性は高い。
昼間にチェックしたリュウキュウチクの群落のうち確率の高そうな場所から順に見ていく。
…だが、森の中は静まり、甲虫の大きな羽音は聴こえない。

リュウキュウチク群落に潜り込んでは耳をそばだてながら徘徊し、数十分探索しては別の群落に向かう…というのを繰り返す。
雰囲気は良く、今にも藪の向こうから眼をオレンジに光らせながら下手くそな飛び方でケブカコフキが現れそうなのに……


…来ない。


…結局、日付が変わるぐらいまで探索を続けたものの、ケブカコフキのケの字もないまま渡嘉敷島初日の探索は切り上げる事となった。

正直、この時点でかなり望みが薄いと感じた。
生息していない可能性もありうる、と。
ただ、沖縄が既にピークを過ぎてしまっていた事からも、「いないのではなく終わっちゃった」の可能性も考えられ、なんとも判断しづらい。
とりあえず、まだ初日なので明日以降に望みをつなぎ、今日は休むことにした。
プロフィール

虫けら屋

Author:虫けら屋
もっぱら採集中心の虫屋さん。当初は東京で発生が確認されたが、後に埼玉県に移入、現在は千葉県での生息が確認されている。
肉眼で見て楽しめるぐらい大きなミーハー虫が好き。

Blog内の写真・文章等については、少しの引用的転用ぐらいならOK…と思っていたのですが、なんか最近フリー素材か何かと勘違いされているフシがあるので、今後は勝手に使わないでね。

※お問い合わせを頂く際はEメールにてお願い致します(採集ポイント等についてはお答えできかねますが…)。なお、採集遠征等により、お返事まで数日以上掛かる場合もございますので予めご了承下さい。
   ↓↓↓
akepon6464@yahoo.co.jp

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